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ナイフやクナイを、
横向きに投げるのは有りか？

■とりあえず、ビデオの中で全部しゃべりました。

実はこの問題が念頭にあったために、
翠月庵用の「小柄形」に似た手裏剣は、剣身の幅と、厚みの比率を
１：２にしたのです。

もしも、あれ以上、幅が出ると、横向きに打ったときに問題が出るからです。

１ｃｍ幅でしたら、横向きに打っても、ぎりぎりで、支障がないと
思ったからです。
もし剣の幅が、倍の２センチになったら、もうアウトだと思います。


●そうは言っても、原則としては、幅１ｃｍという細い剣でも、
やはり、私個人は、打ち方は、「縦向き派」です。
その理由は次の二つの動画で説明しました。
↓

その１
http://www.youtube.com/watch?v=Xmol1eGF7hg

その２
http://www.youtube.com/watch?v=r-4Nh4RYD4o



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


話は趣味の事に変わりますが


前の投稿でいった、若き日に、
女の子とのデート代よりも金を使ってしまった楽器類です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=mWTzS0kKaBk


●しかし、ここ過去１０年ぐらいの最近のコンピューターソフトの
進化は恐ろしくて、
昔、セットで３００万とかしていた、Ｍｏｏｇのモジュールシステムとか、
あとは何十万もしていたオーバーハイムや、プロフェット５の
アナログシンセの音を再現しているものまであります。
しかもその上、コンピューターで、
昔の真空管アンプの音を再現しているソフトまで出ている。


●３年ぶりぐらいで、久々にキーを弾いたら、
終盤で、リズムが分からなくなって、ミスタッチしてしまった。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=3-Ws0YYbBCM


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

メディアと手裏剣術


■前回の「大切にされた武術と、大切にされなかった武術」の
続編となりますが、
メディアは手裏剣、特に棒手裏剣といった武具、またはそれに類する技を、
この２０年の間にどう報道しただろうか？


■まず第一に、飛び道具であるということと、
物心つかない子供の興味をも引き、真似をしやすいという点から、
ほとんどのテレビ局は、放映を避けたがる傾向にある。

数十年前ですら、そうなのであるから、国内でいろいろな事件を経た
今日、２００９年現在では、もっとその偏見は大きいことだろう。


■では、かつて放映された「棒手裏剣」またはそれに類するものは、
どのようにメディアでは扱われただろうか？

私は１９９９年という比較的近年になってからリサーチを開始したため、
すべてのローカル放送を見たわけではないので、
いくつかの漏れはあると思うので、
かつて放映された全ての企画を知っているわけではないという点は、
ご了承いただきたい。


■私が最初にそれらしい技を見たのは、甲賀忍術の個人研究を
されていた方の「箸手裏剣」であった。

かなり昔の話であるが、幾度かテレビで、
長めの箸を一回転でベニア板を貫通させていました。
現在でも、甲賀か伊賀か忘れましたが、
鎌ヌンチャクなどを披露されて、活躍されていると思います。

広義な意味での投げるという行為では、それが始めてでしたが、
１９９９年にリサーチをしているときに、武備舎の岩井虎伯師範と
交流がありまして、その時に岩井氏のご好意により、
関西のローカル放送で放映された昔の映像を入手できました。

その中には、ホームビデオで撮影された、今は亡き、古田陽山氏の
演武会での映像や、
近くの公園での、とてものどかな稽古風景も映っていました。

また同じビデオには、古田氏から手裏剣を学んだという倉永氏が
大きくいろいろな方向へ動く標的に見事に刺す場面や、
関西放送にテレビ出演されている時の技が映っていました。

また現在までを含めますと、他にも放映されたもので、
数秒とかではなくて、ある程度の時間を手裏剣の紹介に使っている
映像というものは、そのほとんどが、ある意味では、
「見世物」的要素や、
「忍者や日本の武術を紹介する一部としてのオマケ」的な映像でした。

私が実際に見た映像は、この２０年間に、６つか７つのみですが、
そのうち４つは、「ローカル放送局」です。

また多くの皆さんも「直飛剣の近藤氏」による「瓶貫き」や逆打ちは、
全国放送の「特報王国」で見た方も多いと思います。


■そして、物珍しさや、曲芸としてでもなく、
また海外向けの「ジャパニーズ武術のちょろっとした紹介番組」の一部とかでもなく、
あるいは、朝の番組枠でのちょっとした紹介コーナーとかではなく、

本格的に、武術としてきちんと取り上げた企画、
それがＮＨＫでの甲野氏の放映でした。

なんと、手裏剣という数百年も歴史のあったものが、
「まともな形で」初めて全国放送で紹介されたのがその時だったのです。
（なお、各種の武術雑誌における記事は、この話の対象外とします）


■とはいえ、甲野氏も、番組中では、甲野氏自身が暴走したときに
語るような、「良い意味でのマニアック」なことまでは語らず、
成瀬氏や藤田西湖氏などの著書からのそのままの引用が多かったと
記憶しています。


■いずれにしても、それまではレポーターの女性が忍者の格好をして
取材をするといった、少々ふざけた形であったり、
また技のコンテンツが凄くても、どこか「曲芸」という雰囲気を
脱することの出来なかった手裏剣が、全国放送のメディアで初めて、
まともな形で取り上げられた、それが甲野氏の大きな業績のひとつです。


●前にも話したと思いますが、「鉄道林マニア」というのがあります。
鉄道マニアときたら、ＳＬの時代からも、全国に腐るほどいますが、
「鉄道林マニア」となると、極少派です。
鉄道林マニアとは、
線路の横に「植林された木の並びや風景」を愛してやまない人達です。

手裏剣術も、かつては、武術という鉄道マニアの数ほどいる人たちの中では、
「鉄道林マニア」の人口ぐらいの少数派だったと言えます。


■さて、話が少し脱線しますが、メディアが危険視する手裏剣ですが、
日本で「稽古中に職質された」とかのレベルではなくて、
実際に事件になったその手の「事件」というと、
私はほとんど聞いた記憶がありません。

警察庁、警視庁のすべてのファイルを見たわけではないですから、
正確なことはいえませんが、私が生きている間に、新聞をどけて、
テレビだけのニュースでいえば、たった一件だけ、
夫が妻の頭に、包丁をなげて死亡させたという事件があったのみです。

むろん、かっとして台所の包丁を投げた結果の、実に不幸な事故でしょうから、
「まぐれ刺さり」であることは言うまでもありません。


■また、１間半とかの、あまりにも非常識なほどの近距離での畳を相手に
稽古をしていたために、バウンドした手裏剣が自分に刺さったという
話もあるようですし、
中には、自分の足に手裏剣を落として「勝手に自爆」した人の話も
聞きましたが、
手裏剣という世界の中では、なんとも「不名誉な話」です。

しかし、幸いにして、手裏剣を長年稽古していた人が、
自分や他人の命を落としたという前例は、私は聞いたことがありません。


■見た目から、それを危険視するわりには、
実際の事件発生は、ほとん皆無であるという点においては、
日本は運が良かったか、あるいは日本人の国民性が、
血走った脳みそをしていなかったのが、良かったのでしょう。

海外の場合には、車剣が事件に発展して、全面禁止された国や、
アメリカの州法で車剣が、所持・販売・携帯の規制を受けているところは
ありますから。


■さてそのようなわけで、テレビ放映のあまりの少なさは
何を物語っているかといいますと、

１−ひとつには、メディアが「危険視」するために、
　　「子供は絶対に真似をしないでくださいね」と、
　　いちいち、表示したり、言わねばならないこと。

２−残された情報源と、
　　古い年代の本物の剣の骨董品があまりにも少ないこと。

３−日本という生活環境の中では、道場内は別としても、
　　特に屋外の場合には、世間から奇異なものを見るような目に、
　　さらされること。

４−なんとなく、飽きてしまうか、
　　または、手裏剣術に自分の人生の時間を使う事に意義を感じなくなり、
　　稽古しなくなる人が大半であること。

と、いろいろな要因はありますが、
そもそも「文化」や「娯楽」として根付いてなかった点が、
欧米のナイフスローとは、全く違います。


●投擲術という「広義な枠」で見れば、
西洋は、もともと、
ナイフ投げを「殺人術」などという物騒なものとしてなど継承しておらず、
そもそも古くから銃社会ですから、
狩猟としての効能も、さして認められず、

よって、せいぜい、映画のワンシーンに登場することがあるのみで、
実際にそれが最も多く演じられたのは、「舞台」です。

つまり、サーカスや、舞台での、「人を立たせてのナイフ投げ」
「インディアン直伝？の斧投げ」という形で、生き残ったのです。

そして欧米には、沢山のナイフスローの愛好家たちや専門家がいて、
レクチャービデオもいくつも出ています。
ナイフの「速投げ」のワールドレコードもあります。
地方では、毎年、子供も参加してのナイフ投げの大会もあります。


●先日、話をしました、ジャクディガーさんからも、来週以後には、
彼からご好意で、ＤＶＤがプレゼントで送られてくる予定で、
私信で、「画像を引用して、レビューを自由に書いてくださってかまいません」
とまで、言っていただけたので、
いつか、映像を直接に引用したりすることも出来そうです。


■それで話は戻りますが、
忍術というカテゴライズではなくて、
独立した、手裏剣術というものが、あったらしい、ということを
武術に関わる多くの人たちが知ったのは、
次の人達の活動によるところが大きいと思われます。

第一に、「甲野氏とその関係者」の方、
他には、関西の「十三棋道舘道場」と東京の「明府真影流」。


●しかし、他の武術ならば、何千という本が出ているのに、
手裏剣となると、一体、なんという書物の少なさでしょうか。
手裏剣に関係する本を、きちんと、ある程度体系化して出していたのは、

成瀬氏、藤田氏、白上氏が古く、
近年では、岩井氏、染谷氏、甲野氏（ただし、
手裏剣だけの本というのは、甲野氏の著書には、なかったように
記憶しているが、間違っていたら、失礼）、大塚氏、
そして、私だけです。


■ただ、問題は、手裏剣術というものが持つ、
いわば、「セールスポイント」が、
他の武術に比べた場合に、非常に劣っている、または微弱である、
という点であります。

精神修養をしたいのならば、弓道の方がいいでしょうし、

無心になりたいなら、出家して禅寺にでも１０年通えばいいですし、

社会的な実績を積みたいのであれば、違法なケンカではなくて、
他の拳法や武術を稽古して、大会に出て勝てばいいのですし、

変わった武器を使いたいのでしたら、武神館に入門した方がいいですし、

ダイエットしたいのでしたら、もう古くなってしまいましたが、
ビリーザブートキャンプのＤＶＤとかでいいわけですし、

古武術という枠で言うならば、剣術や居合いのほうが歴史も
資料も、文化も、そして日本刀という「芸術性」も遥かにあります。


●私なども、長年、個人で、古武術などという、しがらみから完全に
距離を置いたところで、むしろ、第三者という立場で、
手裏剣術の物理面を研究してきましたが、

困ったことに、手裏剣術には、何ら、特別に声を大にして言うほどの
セールスポイントも全くありません。


●はっきり言ってしまえば、
「別に武術という分野の中に、手裏剣術はなくてもいいのでは？」
と、この私ですら思っているのです。

実用性を考えた場合にも、文化性や、芸術性を考えた場合にも、
どちらの場合もです。


●私は、昔から言われていることに大きな疑問を持ったことと、
きちんと、物理学的に見たら、別に直打法は難しい筈はないだろうと
思ったことが研究のきっかけです。

ちょうどそれは、女性が毎回の性交渉で、
必ず何度もオーガズムに達するのには、
原則的な論理と方法があるはずだ、という好奇心から研究を進めて
体系化した、私の「性の研究」と全く同じです。

それによって、女性が相手の男性にセックスでの不満を抱えるといった
不幸な事態を、あらゆるカップルや夫婦に避けさせたい、
それが私の願いでした。


●さて、手裏剣においても、客観的な検証をしようとする視点が、
あまりにも既存の手裏剣愛好家の人達の中にないままに、
彼らが、主観と、自己流派への過大評価によって、
手裏剣について、めちゃくちゃにも近い事を語っていたのを見ました。

ですから、彼らの主張している論点も、剣の設計理論も、
どこかしら「全体的な思慮が欠落していて」変だ、
と思ったことがきっかけです。


●むろん、私は、回転打法、反転打法には、
昔から、ナイフスローを通じて馴染みがあり、
その流れから、直打法にも、興味を持ったことも原因です。

投げたものが、少々難しいプロセスを経て、標的に刺さる感覚は、
むろん、嫌いではありません。
が、一方では、別に、のめりこむほど大好き、というのでもありません。


●ところで、困ったことはもうひとつ。

手裏剣の手の内と腕の運動状況を見た場合は、それは、

最も「似ているはず」の「ナイフ投げ」とすらも、手の内が全く違い、

スナップモーションに依存するボール投げとも違い、

いわんや、剣術や居合いはおろか、日本の「槍投げ」とすら違い、

といったわけで、実は、厳密にいうと、
手裏剣の、特に直打法の投げ方を
「何かに喩える」ということが出来ないのです。


●最近、翠月庵の市村氏に、私信で、

「強いていいますと、剣術ではなくて、空手の試し割りのときに、
下方ではなくて、前面に縦向きに持たれた板を、
手刀で割るときの動きかな」

と言ったのですが、手刀とは、これまた指の形が違いますし、
手首の角度も違います。

とにかく、腕だけに関して言えば、あらゆる要素が、
他のスポーツに何ひとつも喩えたり、共通項を見出すことが困難、
というのが、手裏剣術なのです。

だから、「刀の切っ先がちぎれて飛んでゆくように打て」では、
気迫を持って打てという以外には、肝心の技術については、
何も伝えることが出来ないのです。

また、足腰、身体の軸が、めっぽう古流武術で鍛錬されている人と
お話や、交流をしたことは何度もありますが、
しかし、その動きだけで、手裏剣に熟達した人を、
私は一人も知りません。

なにしろ、ご覧なさい。
甲野氏ですら、手の内の汗による粘りや滑りの影響の除去の工夫や、
新しい打法研究にも余念がなく、
そして設計する剣の形状にも、何度も改良を加えているのです。

単純に、古武術がそのまま応用できるものでしたら、
市村氏が指摘するように、剣術家の人達は、
私のような、「手裏剣投げ」しかやらない人間よりも、
遥かに短時間の稽古で、４間、５間、６間を通していたはずです。

また距離が仮に、実戦想定の４間以内に想定されていたとしても、
剣術家の人達の方が、遥かに、刀法と手裏剣を併用しても、
熟練した技を披露できていたはずです。


●つまり、本人が自覚しているか、自覚してないかに関わらず、

直打法・手離剣術の場合には、

「直打法に固有の構成要素」が、

必ず、「再研究と再検証の対象」そして「再改良の課題」として、

浮上してくるということです。


■私の全くの個人的な願いですが、
翠月庵の、市村翠雨氏こそが、現代で、いつか、
過去の手裏剣術の、歴史と現実をすべて客観的にまとめて検証し、

そして、「刀法併用手裏剣術への歩み（古流と近代の手裏剣術）」
といったようなコンテンツの書籍を
この世界に、産み落として欲しいと願っています。

また本当の意味での「武術として手裏剣術」を再発見したり、
主観を挟まず、論理的にきちんと再構築できるのは、
私の知る範囲では、唯一、市村氏のみであると、私は認識しています。

私も現代に考察された「武術手裏剣」には興味がありますので、
今後とも、市村氏とさまざまな課題を検証したり
実験してゆきたいと思っております。



　　　　　　　　　　　■●●●●■

香の話


■話題をかえて、「香」の話です。
武術をやっている人に、香の趣味を持つ人がいるかどうかは知りませんが。

アロマとかブームが起きる遥か以前の、１９８０年ごろから、
私は東京中の香の店を、自分の気にいる香をみつける為に、探していました。

最初に買ったのは銀座で買った香水香でしたが、
その次は西洋で魔術儀式に使う香を、これまた魔術ショップに入り浸り、
精油ととにも、大量に買い込みました。
（これが今思えば、チープでただ臭いだけなのに、
輸入品のせいで、やたらに高かったのです。）

その次は、とうとう、「日本香」という「禁断の領域」へと手を出してしまい、
そこからが「長い旅」になりました。

有名な香の会社は、ほとんどが京都に本店があるのですが、
都内でも、だいたいは手に入りましたね。

あまりにも探し回ったので、一体どんだけ探したのか、
店の数も、買った香の種類も、もう覚えていません。


というわけで、
下記のビデオの字幕にも書きましたが、実は私は香マニアです（でした。）

今回は、一束で何万とか、ひとかけらで何千円とかいう香木ではなくて、
私達庶民でも、比較的手が出る価格の「線香」の紹介です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=r5GYZCQrw74


■興味のある人がいましたら、ネットで検索して、通販でも買えるように、
このビデオの右上の詳細欄に、
「メーカーと品名と単価」を書いておきました。

この５品は、我が家の常備香です。

実は、もうひとつ、気にいった香があるのですが、
私にとっては、「隠れ宿的・喫茶店」みたいなもので、
秘密にしておきたいので、それは書きません。


●ちなみに、このたった５品を探し出すのに、１０年以上かかりました。
単に高級品だからという理由で、試しに手を出してしまい、
お金をドブに捨てたような気分になったことも、しばしばでした。


まー、芸術とか、商品というのは、なんでもそうですが、
結局は、単に高ければいいというものではないのは、
「当たり前のこと」ですから。
また、料理と同じで、香というのは、
「個人による好みの差が」かなりありますので、
今回私が紹介する香が、好みに合わない人はいると思います。


●ちなみに、この生涯で、今まで一番、本業以外の趣味で、
お金をつぎ込んだのは、

一位が、電子楽器類。
ただし、ＣＤ作って販売したので【しっかり元は取れた】

二位が、たぶん若い頃に、女の子に、みついだ総金額。
【これも、結果良しで、しっかり元は取れました。（笑）】

三位が、手裏剣の試作品の外注費。【本の売り上げでは、まだまだ赤字】

そして堂々の四位が「お香」だったと思います。【思いっきり赤字】


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

ブックばざーるで、ござーる


　　　　　　　　

●いつもお世話になっている、東京の「Ｂｏｏｋばざーる」小岩店にて、
年末の割引セールをいたします。

１２／６から１２／３０まで、Ｂｏｏｋばざーるでは、
無明庵商品は「全品が、３割引き」になります。

このセールは「Ｂｏｏｋばざーる」だけでの感謝セールスです。


●割引となる無明庵の「対象商品」は下記のリンクの通りです。
↓

http://bookbazar.biz/mumyo/hozan.htm



ホームはこちら
↓

http://bookbazar.biz/index.html



●書店さんの商品傾向から、
うちの「精神世界モノ」の本はこちらの書店さんにはありませんが、
ＣＤや「虚空の辺境」、「手裏剣の書物やＤＶＤ」など、
ふだんは、少し値が張るものなど、このチャンスにどうぞ。


●竹の間や梅の間をいつもご覧の皆さんは別としても、
「松の間」を見ている方は、「無明庵」ってどんな本を出しているのか、
知らない人もいると思いますので、この機会にどうぞ。

無冥流というのは、私の手裏剣の「研究術流派」の名前にすぎないもので、
ふだんは、「無明庵」の屋号で執筆活動をしています。


●こうしたサービスは、やはり個人書店でないと難しいのです。
現在では、それに近いことをブッククラブ回さんに、
たまに、無理をお願いしてしまっています。

なお、自社ビルを持つほどの書店では、在庫管理や経理計算が変則的になると、
大きなフロア全体を担当者している方に、負担をかけることになるので、
こうした「特定の出版元」だけに対する特別なセール企画というのは、
なかなか難しくて出来ないのです。

こうした細かい心配りが出来るのも個人商店の良さです。
ということで、この機会に「Ｂｏｏｋバザール」をご利用ください。


手裏剣ＤＶＤを無料プレゼント

●なお、年内の期間中に、Ｂｏｏｋばざーるにて、
「手裏剣関係の本、または手裏剣のＤＶＤ」を購入された方に限り、

先着１０名様に、「手裏剣術のダイジェスト版ＤＶＤ」を
用意させて戴きました。むろんこれは無料です。

Ｙｏｕ−Ｔｕｂｅなどで既にアップしたものですが、
元のファイルですから、画質も多少良いものとなっています。

ファイルがＤＶＤフォルダーなので普通のＤＶＤプレーヤーでも
再生できます。手裏剣部分は１時間以上入っています。


最近の「書」






■これ　↓、日本酒のラベルにしたら、いいだろうなーと思いました。

というのも、草書体で「　本　心　」って書いてあるのです。

「飲むと、ついつい、本心が出る　お酒・・・本醸造『本　心』」




★ちなみに、いくつか書を集めて動画にして、
自分の音楽をつけてみました。


http://www.youtube.com/watch?v=Goy4wASt1pA


最初のうち、退屈に続く、波のような画像は、神社の御手洗場の水を
わざとピントをぼかして、ハイスピードカメラで撮影したものです。

じっと見ていると、
目の焦点が合わなくなってくるのが面白いですね。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


翠月庵での投稿の転載


しかしあれですね、甲野氏が手裏剣を披露するまでは、
長年剣術界、その他どこでも、誰もほとんど注目もせず、
価値も認めず、何も論議すらしなかったのに、
どうして今更、なんでしょうかね？

香取神道流のように、もともとからそこの剣術流派で体系化されていたら、
今になってあーだこうだとは言わないはずです。

甲野氏以前から存在して、比較的メジャーに活動していて
書籍やビデオなども出ていたのは、根岸流と現代流派では明府真影流でしたが、
飛び道具だということで、剣術家など誰も見向きもしなかったはずです。

（ちなみに私の場合、そのブーム以前からナイフスローの期間が、
　長かったです。）


■ところで、そもそもいくつかの剣術、または古武術流派が
「手裏剣術なる物騒なもの」を取り入れたのは、
江戸時代に武芸十八般が作られたあとの話のはずです。

そもそも、武芸十八般なんぞ、武家が「ド暇」になった江戸自体にこそ、
修練する（修練が出来るようになった）多数の項目であって、

実際の戦場では、たとえば、弓ならば弓に特化した部隊、
槍ならば槍に特化して鍛錬をした人達などがチームプレイによって
戦っていたわけですから、
いちいち、１８もの武芸の習得なんぞ、しているわけもありません。
せいぜい少数の武芸を「掛け持ち稽古」していたはずです。

となれば、たとえば天下が泰平な時代になってから、
剣術流派がもしも手裏剣を取り込めば、当然のこととして、
剣術の理を信奉していますから、剣術の理でそれを投げようとするに決まっています。

しかしながら、どうして数種類の純古流の剣術流派
（確か剣術の源流となる三大流派があったはずです）を残しては、
手裏剣術のほとんどが、失伝してしまったのでしょうか？

本当に大切な技であれば、他の武道と同様に大切に継承したはずです。

ようは、はっきり言ってしまえば、
「手裏剣など、ちっとも、大切になんか思っていなかった」のですよ。

ですから、私に言わせれば、今さら何を言い出すかです。
じゃけに横に追いやっておいて、ブームだから看板メニューにしたいって、
少し、虫がよくないかな？と。


■とはいえ、松の間で論じたように、
私個人は「流派の目録の隅に、追いやられてもしかたない」ほど、
やはり当時には、実用性が薄かったと見ています。
何しろ、当時の戦争は、槍に弓、それに後期には火縄銃や大砲が主体ですから。

故に、手裏剣などに、たいした出番などなく、
実戦経験もあまり積まれなかったと私は推測しています。

江戸時代には、裏看板としてごく少数の武術流派では、
細々と稽古されていたようですが、
剣ひと振りで戦うことに「誇り」を持っていた武士（あるいは、
その時代によって勝手に作られた「武士観」）が、

「相手に武器を投げる」という行為に対して、「卑怯さ」を感じても、
それはその時代としては、いたしかたなかった事だと私は思っています。
また、それは現代でも、今も同様の感覚を一般市民は持っていると思います。

ですから、やはり、手裏剣術というのは、現代という時代の中で、
研究し直すべき課題の項目の一つといったところでしょうか。

大切にされた武術と、
大切にされなかった武術


■社会や文化の中で、大切にされる武術と大切にされない武術があるが、
それが、何故だか、皆さんには、分かるでしょうか？


主にそれは次の「三つの要素」によって決まるのである。


＞１−使用する武具が工芸品や美術品として認められたかどうか？

＞２−当時またはその後、軍隊などで採用されたかどうか？

＞３−その後、スポーツや心身鍛錬という理屈と結びついて、
＞　　市民権を得たかどうか？

＞四つ目としては、何らかのブームが起きたことの影響を得たかどうか？？


>>★１−使用する武具が工芸品や美術品として認められたかどうか。

この典型的なものが、居合や剣術です。

もしも日本刀という美術的価値がそこになかったら、
居合い剣術が、今日まで継続したかどうかは、かなり怪しいです。

皆さんの中にも、剣道や剣術を先にやっていたのではなく、
日本刀の魅力に魅せられて、その後で道場などに入門したという人も
多いはずです。

ちょうど、ヌンチャクを振り回す方が先で、
空手や拳法への入門はその後だった、とかいう人がいるように。


★しかし、手裏剣はこれには全く該当しません。
打ち捨てるということが基本ですから。

また日本刀に存在する、鍔という芸術品もなく、刀身への飾り彫りもなく、
また飾り紐などの付属する伝統工芸品も付属していません。
鞘という芸術品もありません。

余談ですが、香取神道流の大竹利典師範の手裏剣の中には、
吉原義人（よしわら・よしんど）氏の名品が含まれます。


>>★２−当時またはその後、軍隊などで採用されたかどうか。

実戦での実用性を認められたり、時の権力によって、
軍隊での必修項目、または補足的にでも、それが使用されたかどうか。


★しかし手裏剣がそのような地位を得たことはただの一度もありません。

>>３−その後、スポーツや心身鍛錬という理屈と結びついて、
>>　　市民権を得たかどうか。


空手や弓道や合気道や柔道のように、競技人口の増加によって、
スポーツとまではゆかなくとも、
日本文化の中に、大会を開くまでに定着して、落ち着いたかどうかです。

特に弓道の場合には、専門の弓職人がいますから、
日本刀と同じように、美術品としても今でも生きています。

ものによっては、オリンピック競技にまで発展するものもありました。
ただし、オリンピック競技にするためには、大変な普及活動と、
実質的な大会の開催実績が必要になります。

★しかし、手裏剣がスポーツとしてそのような市民権を得たことはありません。
ただし、こうしたことに日ごろから多大な努力をしている、
スポーツ手裏剣普及会のような団体はあります。


こうした結果によっても分かるように、

＞１−美術品でもないので大切にされず、

＞２−実用性もなかったので大切にされず、

＞３−スポーツとしての手軽さや魅力もなかったので大切にされなかった、

「それが、車剣と棒手裏剣を含む、手裏剣術というもの」が辿った
手裏剣術の近代史の現実なのです。


　　　　　　　　　　　　　　　■

さて、

＞「手裏剣術の体動の原理とは、どのようなものなのか？」

この質問については、まず「体動」の定義が明確でなくては質問として成立しません。

体動の中に、腕の運動を含むのが質問者の定義なのであれば、
私見では、少なくとも「腕から指まで」において
「１０種類の要素」のどれかが一つでも狂ったら、
打剣は思ったようには完全には成立しないことになります。

この点については、「中級手裏剣術・第三判」に詳細に書きましたし、
それは「打剣時に自分でチェックすべき十の項目」として、
既にこの部分だけは、私の体系でも、ほとんど変わっていません。

ただし、これは胴体部分（正確には腰から下）の体動を含みません。
つまり極端に言いますと、腰から下が「ない人」、または麻痺している人の場合でも同じです。

■私個人が提示できる範囲、そして集中的に研究してきた範囲は、
市販のＤＶＤの中でも、何年も前に既に言ったように、
「腕の運動と剣との相互関係」に関する部分のみです。

あとはそれを他の分野の武術の人たちは、
ご自分の武術体系に組み込めるかどうかを、
市村氏のようにご自分で検証し、研究し、
また必要とあれば、「新たな方法論」を開発すればいいのです。


■ただし、今になって、あとから付け加えたものや用語を、
あたかも、「古い時代から、先祖伝来で、伝承されていかのように
嘘を主張する」ということは、

ちょうどそれは、朝鮮忍者が、Ｙｏｕ−Ｔｕｂｅで日本の剣術、
そして武神館の忍術を、ごく、うわっつらだらパクっては、
ジャパニーズブランドや、忍者という名前だと売れるからといって、
それを悪用し、あげくには、

「これ（忍術や剣術や体術）は朝鮮半島に大昔からあったんだ。
　俺様はその忍者の子孫なんだ。
　この忍者刀は、先祖から伝来のものなんだ」

と嘘八百を主張して、大バッシングされたのと、同じ結末となります。

（おいおい、それって、
　どこの武器店にでも売っている、レプリカの忍者刀だぞ、
　と日本人たちから言われまくった。

　さらには、おいおい、中国の属国だった朝鮮にあったのは、
　主に弓だけだぞ。
　日本と併合された時代に、合気道や空手や剣道を輸入して、
　あとから「もともとこれは朝鮮人のものだ」などと嘘を言ったただけだろよ、
　とも、バッシングされたわけで。）


■さて、現代において個人、または集団組織がなした「研究の結果」として、
「新たに、加えること」になったような、

＞「論理項目」「新用語」「新しい剣」「新しい技」

というのは、「昔からは、なかったものだ」というのが事実です。

それを「これは、ずっと昔からあったんだ！」ということは、
「古流」「古武術」という、いかにも耳あたりの良い、
いかにも権威でもあるかのように「人々が錯覚する用語」を、
自己顕示欲の為に悪用している、という点において、
「典型的な朝鮮人体質」の、朝鮮忍者と全く変わらないのですよ。


多本打ち、未だ実験中なり

■さて、今回の話の最後ですが、
多本打ちを、もっと広範囲に散って、かつ全部刺さるように、
「打剣法や、剣の保持方法、剣の設計」などの複数要素を改良できないかと、
ただいま思案中です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=F9ya79JNxcQ




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★ . 　　

手裏剣を創る事の難しさ


■その前に、まずは超絶的なナイフ投げの名人の人のパフォーマンスを
見てください。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=Be4DwBXJovY

ハリウッドで活躍しているナイフスローワーの人ですが、
最近、この人とはメールで交流がありました。

一回転と半回転を主流とする、古典的なナイフ投げなのですが、
ご覧のように、もう「唖然！！とするような芸当」をやってのけています。

たぶん、「投げた葡萄を切る」「腕に乗せた、キュウリだけを切る」
「ナイフの後ろにナイフを刺す」などは、世界中でもこの人だけだと思います。

問題は、一体何回で成功したかということですが、
私が見たかぎり、決して多い回数ではないと推測しています。
もしもこれが「三回に一度成功していた」としたら、
これは、ものすごいギネス記録ですね。

以前にもＹｏｕ−Ｔｕｂｅで私がレクチャーをしましたが、
回転打や半転打の最大の利点の一つがナイフの向きが安定することです。
遠心力も手伝って、投げた瞬間にさえ、ねじれが加わらないかぎりは、
ナイフは投げたままの向きで回転をしてゆきます。


●一方で、全く逆の発想で、ナイフを弾丸のように回転させられないか、
ということを試したのが、以下の私の動画です。

むろん、これをこうした切っ先のナイフでやりますと、刺さりが悪くなるので、
本来は切っ先が、正多角形か丸型に削られた、普通の「棒手裏剣」の方が楽です。

●当然のこととして、刺中力には、かなりの難点があるのですが、
一方で、「水平飛行」に移行してからの水平姿勢の時間が、やたらに長くなるのが、
この旋回打法の特徴です。
４間とかの距離ですと、後半に２間近くも、水平に近い飛行をする場合があります。

↓
http://www.youtube.com/watch?v=w4M5g7FGIp0


●まー、もともとは、ハイスピードカメラで撮影したら、
「オモシロそうな映像になるなー」と思ってやった投げ方に過ぎないので、
「実用性は、ほとんど何もありません」が、
水平飛行の時間が長いという利点は確実に持ちます。

また初心者の人は、これはやらないでください。
ようするにスライダーを投げるような捻り方をしているので、
よっぽど、普段の打ち方と明確に「使い分けないと」、
普段の打ち方にまで、変な癖がついてしまいます。

しかも、やった事のある人は、分かると思いますが、
コントロールがそんなに良くないんですよね。


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★『剣の試作』


●このテーマは、本当に難しいものです。
自慢じゃありませんが、原理はほとんど頭に入っていて、
試作した剣の数が７００本あまりという私ですら、簡単には割り出せません。

世の中にはよく、簡単に「打ちやすい剣だ」「打ちにくい剣だ」と
言ってしまう人達を、わりと私は見てきました。

また一番困った人達というのは、宗家や過去から受け継いだ剣を
何の検証もなしに「うちの流派のこの剣は最高のものだ」とか、
そこまで盲目的な傲慢な態度にまではならなくとも、

「これは初心者でも打ちやすい剣だ」とか、
あまりにも軽率に言ってしまう人達です。

（おいおい、先入観と、主観的な期待を、
　可能な限り、一切排除しようとした条件下で、
　ちゃんと、地味な基礎実験をしたのかよ？と言わざるを得ません。）

宗家や先人の残した剣を、「最高だと思いたい、心情的な願望」と、
客観性というのは、全く違うんですけどね。


●「中級手裏剣術」（第三版）の本の中でも言いましたが、
いろいろな人達の、異なる言い分は、全て「相対的」なものであり、
特に「剣」の形状については、

その「使用目的、打法の種類、使用距離範囲、手の大きさ」などの
ファクターが前提として確定されていなければ、
一概に、どの剣を打ちやすいと軽々しい事は言えないのが現実なのです。


●そこで、こうした基本的な事に日ごろから十分なご理解を戴いている
翠月庵の市村氏と、現在、共同で刀法併用手裏剣術を使用目的とした
剣の試作を少し進めてきました。

詳細は、下記のブログをご覧ください。
↓
■刀法併用手裏剣術専用剣のトライアル　その１／（手裏剣術）

http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/


●さて、刀法併用手裏剣術という用語自体が、翠月庵の独自性のある造語であり、
また、私は剣術は専門外ですから、
剣術の経験の長い市村氏やその剣友の方々や、市村氏の武友の人達にも
試打していただく中で、これから、時間をかけて、最終的な形が出来ると思います。

私の分野はあくまでも、設計に関わることなので、いずれは、
市村氏や、他の剣術経験者の方達の打剣をハイスピードカメラで撮影した上で、
どういった打法上の特徴や癖があるのかも、厳密に言うと見てみないとなりません。

むろん、それは通常の速度の映像によってでも、
一時停止をしながらの解析は出来ますが、

「手離れの正確な位置と、
　手首の動きの変化や、
　腕の振りの軌道、
　打剣直後の手の形、
　個人による剣の保持方法の若干の違い、
　個人による打剣速度の違い」など、

それらの特徴を、私は剣を設計する上で知る必要がありまして、
そのためには、ハイスピードカメラが最も適しています。


●さて、いずれにしても、今回の目的は、とっさに帯からぬいて、
手の内をあまり考えることなく、２間から３間の距離で、
命中率と刺中率が最も良い剣を割り出すということが条件です。

むろん、どんな剣であろうとも、２間半程度でしたら、
単なる慣れの問題で、たいがいのものは、
同じ剣だけを数日も続けて投げていればコンスタントに刺さるものなのです。
（それだけ人間の学習能力は、高いということです。）


●しかし、今回の条件は、剣を打った後、あるいは剣を打つ前に、
そこに居合いや剣術の動きがからんでいて、それらの動き阻害しない
そういった手裏剣をも、考慮しないとなりません。

その点では「慣れればどんな剣でも近距離なら刺さるからいいじゃないか」、
とかでは済まされないわけです。

市村氏の研究されている「刀法併用手裏剣術」に特化した、
バランスや長さや太さの剣を、新しく作る必要があったわけです。


●しかもその上、１５０グラム以下の手裏剣は、
設計がそれよりも重い手裏剣よりも、どんどんと難しくなるのです。
重量剣よりも「軽量剣になるに従って設計が難しくなる」というのも
無冥流が結論した事の一つです。

その理由は、空気抵抗の影響を受けやすくなること、速度が出るという要素によって、
打剣時の、いろいろな微細な誤差が、
軽量剣の方が、如実に出やすいからです。


●私個人も、角型の手裏剣の場合には、一辺８ｍｍは安定性があると
思いましたが、もしかすると、７．５ｍｍというのもありかと
現在は考えています。
鋼材屋さんには０．５ミリ単位で製品が揃っていますので。

またいくら「手の内を考えず」とは言っても、
いちおう武器ですから、それを全く考えないということはあり得なくて、
たとえば、「どんな剣の握り方をしてもいい日本刀」などというものが
存在しないように、
手裏剣もその理屈でいけば、どんなに時間的な余裕がなくとも、
「ある程度は」正しい手の内で打つ必要はあります。


●翠月庵の「刀法併用手裏剣」は、まだまだその試作が始まったばかりですので、
今後、市村氏の冷静な観察と判断の元に、最終的な試作品が決定すると思います。


●ところで、私個人は、余興といいますか、なんとなく成り行きで作った
「貫級刀」形の手裏剣が少し気に入っています。（実はかなり気に入っています）

市村氏にテストをしていただくために、私が昔使ったいろいろな手裏剣の
沢山の在庫の中を探している時に、あったものなのですが、
もしかして？これもいいかも？？？、と思って使ってみました。

私個人は、ナイフを、手裏剣と平行してずっと投げてきましたので、
そのせいで、短刀形の手裏剣でも問題はないのですが、
ナイフの直打での投擲に慣れていない方の場合には、
少し最初のうちは、違和感があるとは思います。


●なお形は正確には「貫級刀」または「馬針」の形ではありません。
オリジナルは、剣尾に穴が開いていますし、柄の部分にも彫りなどが
されていますし、何よりも刃長がもっと長いです。

ちなみに、現在の改正された銃刀法の規制内容がありますので、
この試作品は、違法性のある状態の「刃」は、つけていません。

ですから、おおざっぱな形として「類似する形」が、
貫級刀形（馬針形）になるという話です。

市村氏の意見のように、
携帯性は角型その他の手裏剣に比較すると抜群です。

問題は、打ち心地と、実際の刺中・命中率ですが、
現時点では、市村氏の主観と私の主観の間には、違いがあります。

ただ、それは無冥流の基本打法、その他の数種の異なる打法で、
私が試打している主観に過ぎないものですから、
今回は、あくまでも市村氏の打法によるもので、なおかつ、
武術としての剣術の動きの中で、
市村氏が打ちやすいと結論を出す剣である必要があります。


●ちなみに、以下のものがその写真です。
「角型」の手裏剣は、２０ｃｍのテスト用と１８ｃｍの合計９本とも、
市村氏にお届けしまして、現在は私の手元にないものですから、
下記の写真は私の手元に残っている「貫級刀」に似た形の「Ｃタイプ」です。


●外形
↓


●先端部の研磨を三種類の形に作ってみて、
２間半から６間の距離で、試打してみました。
（結果＝私個人の場合に限っては、問題なし。）
↓


●掌剣術、多本打ちには、よさげです。
↓


●ナイフのように扇に開けるのも魅力のひとつかもしれません。
↓



■現時点では、この剣は、翠月庵の刀法併用手裏剣術では、
専用のメインの剣とはならない可能性がありますが、
それとは別の用途で、
翠月庵だけが、独自に使用するオリジナル剣のひとつではあります。

仮に、「刀法併用手裏剣術」では使われないにしても、
この剣は、無冥流のものではなく「翠月庵の手裏剣」となります。

おおざっぱな形状だけを見た場合の話ですが、
私の手元の資料の中で、「長さと重量」が最も似ているのは、
「荒木流」の剣形手裏剣ですが、その剣身の「厚みと幅」がかなり違います。
また先端部は、それらとは異なる形状となる予定です。


●たとえば、これは細身ながらも、角型手裏剣よりも、
手の中で非常に安定して固定されますので、
もしも「掌剣術」をも見据えた場合などには、非常に適していると、
私個人は考えています。


剣術と手裏剣術の不調和

■前にも書きましたが、剣術と手裏剣術には、腕の運動の違い以外に、
非常に大きな誤差があります。

にも関わらず、どういうわけか、もともとは剣術の一部ではなく
独立していた投擲術を、剣術の論理で打とうとしたり、
またはそのように打つことが正しいと思い込んでいたりする人が、
かなりおります。

居合いや剣術の剣筋が良くなるとかという根拠のはっきりしない話が、
剣術家の間にあるのも、そうです。


●しかし、もっもと根本的な問題を、どうして誰も指摘しないのか
私は以前から不思議でした。

たとえば、翠月庵の庵主である市村氏が、奇しくも今回、レポートの中で、
「力が乗った場合」「乗らない場合」というお話をされています。

手裏剣術において、ひとつの大きな問題となるのは、この問題なのです。


●そもそも、剣術が扱っている武具の重量についてよく考えてください。
いや、考えるまでもないことです。

居合い刀であれば、それは９００ｇ前後あります。
木刀でも、何百グラムかあります。

それを振り、そしてそこから受ける反動を支える身体、
その反動を操作し、身体軸がブレないというのが剣術であるならば、
一体、手裏剣の重量とは、いかほどのものでしょうか？


●多くの、本当の意味での「伝統的手裏剣」の重量は、
１００ｇ前後です。むしろそれよりも軽い剣の方が大半を占めています
。
（ちなみに、根岸流・斎藤師範が使われているのは、１１０ｇです）


となれば、当然のこととして、剣を振る動作に伴って身体が受ける
その「反動」とその支え方は、剣術と手裏剣では、全く違います。

もっと明確に言えば、手裏剣を投げる時には、
あきらかに「力が余っている」のです。

だからこそ、力が剣に乗ったり、乗らなかったりというムラの現象が
起きます。


●成人男性とおおざっはにくくるのもなんですが、
私見では、現代の平均的な成人男性が投げる物体の中で、
最もその反動とバランスが取れているのは、軟式野球のボールです。
それは約１３６ｇ前後です。
硬式野球のボールは重いと感じる人も多くいると思います。

しかし逆に、成人男性が、テニスボールや、ゴムボールを投げたら、
自分の力が余っていることに気づくはずです。

もっと分かりやすく言いますと、
軟式野球のボールで任意の的を狙うよりも、
（たとえ表面が硬くても）軟式ボールよりもずっと軽い、
おもちゃのゴムボールで、同じ的を狙うほうが難しくなります。

つまり、余った力のコントロールが上手くつかめるまでは、
狙いが定まらないのを多くの人は経験しているはずです。
（標的に「置き」にゆくのではなくて、特にフルパワーで投げようと
するほどに。）

●この最大の理由は、より軽いボールになるほどに、
空気抵抗の影響を受けていることも無論ありますが、
それ以外に、もっと重要なことは、
本人の「力が明らかに余っている」ということが原因です。

このために、軟式野球のボールよりも軽い重量の手裏剣を投げた場合には、
平均的に見て、力を全部その剣に乗せられない場合が出てきます。


●この力のロスをどうやって軽量剣を常に使っている流派の人々が
克服しようとしているか、よくご覧になるといいです。

腕のしなりや、スナップをかける、５指の操作といった、
「力学的な変換」をしているのです。
足→身体全体→腕→肘→手首→指、へと、
その力の性質をどんどんと変えながら伝達しているのです。

そうなると、この動きというのは、もはや、剣術の動きではありません。


●そういうわけですから、
剣術をされている方たちが、木刀などを振っている場合に、
身体がその反動を受けつつ行っている操作に比べたら、
１００グラム前後の手裏剣の場合には、
明らかに、力が余りすぎていますので、

そうなれば、そこには、
「剣術には存在しない腕の各部の操作」が必要になります。

このために、剣術と手裏剣術では、同一の動きにしようとしても、
矛盾が出てくるのです。


●また、このことは、たとえ４００グラムの手裏剣を使っても
原則として同じです。

なぜならば、物体を操作する場合には、「物体の長さ」というものが、
それが生ずる遠心力の違いを作り出します。

たとえば、こう考えてください。
あなたが、いつも１キロの刀を毎日振っていたとします。

そのあなたが、１キロの鉄球を、出来るだけ遠くに投げなさいといわれたら、
あなたは、どうするでしょうか？


●鉄球と、刀では、全く同じ重さでも、そもそも、身体が受ける
反動の種類が全く違います。

刀（あるいは刀と同じ長さの棒状の物体）の場合には、
その剣筋に伴う反動が体に加わり、
一方では、鉄球の場合には、
刀が身体にもたらすような反動ではない力が加わります。


●私が３０ｃｍの手裏剣を投げるときと、
７０ｃｍの脇差や剣を投げるときも、かなり違ってきます。

ただし、それは単に重さの違いからではありません。
その二つは、重心の位置が違うことと、
脇差が作り出す遠心力が手裏剣とは違うのです。

「飛刀術」の場合には、白鞘ならばともかく、
普通の刀の拵えの場合は、滑走打法は使いにくいですし、
しかも、片手で投げる場合には、
刀や剣の「重心位置よりも後部」を手で持たざるを得ませんから。


ですから、これも分かりやすく言いますと、
いつもあんなに重いものを投げている砲丸投げや、槍投げ選手が、
では、日本刀を直打で１０メートル先に刺せるかとなったら、
話は「別問題」になるということです。

基礎体力だけでは語れない、
「使用具に関する物理的ファクター」があること、
それが多種のスポーツの違いという「面白さ」なのです。


●つまり、剣術と手裏剣術では、

＞１−操作しているモノの「重さ」が極端に違うこと、

＞２−操作しているモノの「長さ」が極端に違うこと、

＞３−直打法特有の「手首の角度」が剣術と違うこと、

この３点が主要なファクターとなって、剣術の動きだけでは
棒手裏剣はおろか、ボースすらも、いくつかの動きの変更をしないと、
思った位置に正確には投げられないのです。

ボール投げの時の手首の角度の方が、むしろ手裏剣術に遥かに近いです。


■よく、武術の世界では、手裏剣が、剣術に役立つ、居合いに役立つ、
合気道に役立つ（？これはあったかどうか不明ですが）、
と言うような見解が、まことしやかに、まかりとおっていますが、
私は全く違う意見を持っています。


手裏剣術が最も役立つもの、それは、
野球、または「何かを投げる動作」です。

というのも、利き手でない手で手裏剣術を行って私の中で、最も目だって
進歩したのは、利き手でない手での「ボール投げ」だったからです。
もしもボールだけを投げていたのでは、
決してそんなに早くは発達しなかったと私は確信しています。

何しろ投げるという動作の中で、
「意識的に操作しなければならない要素」が、
直打法の場合には、ボール投げの「何倍」もありますから。

●むろん、その稽古方法もまた、無冥流に独自の体系で、
他流派には一切存在しません。
それは、全く不効率と思える稽古法なども「反面教師」として
他人の中に見てきたせいです。


無冥流では、利き手でない手で打剣をしたい人は、

１−「両手で同時に左右の剣を投げる」ということから、いきなり始め、
　　利き手の動きの情報を、もう片方の手に転送させようとします。

２−さらには、まだ全くおぼつかない手でも、二本打ちまでさせます。

３−また利き手でない手の稽古では、ビリヤードのキューの動きの
　　ような予備動作を繰り返します。

４−仰向けになり、天井にむかって投げた軽いペンが、回転しないように
　　するという独自の基本稽古も含まれます。

４−そして全身の投擲神経の開発のためには、ごく普通の硬球を投げます。



●さて、むろん本格的な野球の投球フォームは、野球のコーチから習うべきですが、
ただし、直打法による手裏剣の練習というものが、
「人間の投擲神経を異常に早く発達させる」のは確かなようです。

これらの論理もまた、無冥流に独自の結論ですが、
そういう点から、私は、野球の選手になろうとしている子供にこそ、
手裏剣術を薦めています。最も手裏剣術を行ったほうがいいのは、
まだ投擲神経が未発達な段階での小学生や、高校野球の選手たちです。

むろん、そこには、「うねらない」とか変な理屈は、
つけてもつけなくてもいいですが、桑田選手という前例を見ると、
最初から、別にそんな理屈をつけないほうが、
むしろ良かったのではないかと、勝手にですが、個人的には思っています。

古武術の中には、それが日本人の骨格（特に骨盤の位置や形状）に
合っているという理由から、
「走法」などに応用されて結果を出すものもありますし、
また別の理由から、卓球に応用されたこともあるようです。

ただし、同じ日本の武術の分野同士ですらも、
「それが扱う物体の重さや形状」そして「操作法」が変わったら、
その段階で、応用が利かなくなる部分があるということは、
考慮に値する問題であると、私個人は思っています。


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★ . 　　

4間から15mmの穴を貫通する無心剣

■これは、ぜひ一度は、ハイスピードカメラで撮りたかったものでした。

ところが、パソコンに取り込んで編集するまでは、
てっきり失敗したものだとばかり思っていたのですが、
編集中にコマ送りで見て、はじめて成功していた事を知りました。


●ところが、記録内容を見ましたら、
撮影を開始した時間は、2009年11/23の「14:04」で、
ディスクの中央部への貫通が成功した動画は「14:27」になっていましたので、
開始してから僅か23分で、
小さな穴に4間から貫通することに成功したようでした。


●「どうせ半日やっても、こんな事は不可能だろう」と思っていたので、
打った本数は、この日は数えていなかったのですが、
あとで記録していたファイルを確認したところ、50打以内に成功していました。


■それで、ちょっとした笑い話なのですが、既に開始から50打以内に、
この驚異的に難しい技が、既に成功していたことを
やっている現場では、私は全く知りませんでした。

夕方、部屋に引き下がったときには、
「結局、今回は失敗しました」というタイトルで、動画を作るつもりだったのです。


●ちなみに、1イニングに2本投げては、カメラのスイッチを切り、
いったん画面を確認して、簡単な前後のカットなどの編集をしてから、
また投げる、という手順の繰り返しでしたので、
23分といっても、打った本数は50本以下でした。


●そして、その後、夕方かなり寒くなってきているのに、
まだ一時間ほどは、成功させようとして投げ続けていたのでした。
とっくに成功していたことを知らなかったものですから。

で、その時の動画が、このビデオの後半の「失敗集」です。
まー、いい練習になった、と思えばいいだけですがね。



■では、ご覧ください。

今年アップした動画の中では、
私個人にとっては最高の「無心の剣」の映像でした。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=K6aro8ZjpiU


●使用した剣は95グラム、長さ22.5cmで、8mmの六角、「ほぼ中央重心」の剣でした。
距離は前足からディスクまでを、ちょうど四間にしました。

剣の太さは、六角形の断面の「対辺距離」が8mmなので、実質的には約9mmでした。

剣尾の部分が穴を通過するときにディスクを破壊してしまったようです。

「まー、本数を打っていれば、いつかはどんなものも通るのさ」
とか、思っている人がおりましたら、試しに何時間か、やってみてください。

狙おうとすればするほど、上手く行かないんですよ。
逆に、狙うという意識を捨てると、結果が出ます。


●前回は、畳の上にぶら下げたディスクの中心を標的としましたが、
今回は、畳から離れた位置でしたので、最初は距離感が合いませんでした。

また単に穴に入るだけではなく、直打法の時の剣の角度がちょうどいい
按配に穴を通過していたのも良かったです。

とにかく、ディスクの穴に入れれば、それだけでディスクは割れると思いますが、
コマ送りでご覧戴いたような、まっすぐな角度になったことが、
結果として、映像として大変に貴重なものになりました。


●とはいえ、結局は、地面の枯れ葉が、渦を巻いているのに見とれていたり、
少しばかり余所見をしながら、打剣していたこともあり、
いつものごとく、畳のある方向以外のことは、ほとんど何も考えていませんでした。



【多本打ち、四方山話】

■今回は多本打ちのハイスピードカメラでの撮影ですが、
面倒くさいので、さすがに全部の手裏剣に色をつけるということは
しませんでした。

http://www.youtube.com/watch?v=BfiU1PMLtD0

■1本は80グラムなので、10本投げると結構重いです。
しかも、直打法で、距離は4間から8本と、3間から10本。

言うまでもなく、これもパフォーマンスの一つで
実戦では、あまり意味がありません。

なぜかというと、多本打ちというのは、
むしろ、散らさないほうが簡単なのです。

たとえば、「両眼打ち」と称して10センチばかり離れた位置に、
水平に直打法で打ち込むのは、たとえ4間や5間からでも、
直打法の基礎だけ出来ている人でも、簡単なのです。


■問題は、適度に散らさないと実戦では使えないので、
まとまって刺さったのでは、一本打ったのと変わりない上に、
一本あたりの威力が弱くなってしまいますので、「いい事なし」なのです。


■さて、実戦で最も理想的な多本打ちとは、
水平方向への3本打ちで、剣の各間隔が約30cmから40cmの場合です。

これを行うには、剣の摩擦率の調整と、手の内の工夫が必要で、
しかも、それを実戦的距離の3間以内から行う必要があります。

長距離になるほど、自然に散るのでいいのですが、
4間を超えた多本打ちは、せっかく散弾銃のように散らしても、
今度は相手に避けられてしまいます。(よっぽど広範囲に散らさないと)

■多本打ちは、どうしても、まとまって刺さってしまうものなのですが、
それを、なんとかして、
相手を狙った中央の剣と、その両側30cmから40cmの
「三箇所」に刺せないと実用性がないのです。

根岸流の斎藤師範は反転打を使うことによって、
3本打ちを散らしていましたが、理想を言うと、
もっと広範囲に散らさないとならないのです。
(むろん私もまだ安定しては上手く出来ませんが)

和紙に手裏剣を包み、その包み方に工夫があるようですが、
それでもうまく散らすのは難しいです。

「乱れ打ち」と呼ばれる技法を行うためには、
剣をずらして手に保持する必要がありますが、
ずらし加減が悪いと、今度は刺さらなくなるわけです。


■ただ、これも10間打ちと同じで、
行う人が、各自で感じ取るいろいろな要素はあります。

また、多本打ちは、細い剣ほど簡単になります。
4ミリとか3ミリの剣(というよりは針)ならば、より簡単です。

■しかしそれを6mmとか8mm剣で私は稽古するのですが、
「変に難しい」というのがこの稽古の良いところなのです。

8本全てを乱れを最小限にして標的まで直打法で運ぶには、
途中で、指や手の操作や、剣の長さの調整に、僅かなミスが起きても、
一本か2本を、しくじってしまいます。

前述の動画でも、7本しか刺さらず1本が刺さらなかった動画を
追加しておいたので見ると分かると思います。
また10本打ちは、結局は今回は、8本止まりとなりました。


■ただ、私個人は、この多本打ちを行ったおかげで、
打剣運動の最初から最後までを注意深く意識化することが出来ましたし、
その他にも、いくつかの事を学びました。

たとえば、無冥流では、利き手でない手の練習の時には、
「両手の同時打ち」の稽古からまず入る事、それと並んで、
「多本打ち」を必ず行います。

そうすると、利き手でない手の投擲神経の上達が、
とても早いという事を発見したからです。


_______________________

ナイフ投げで、
ロウソクの炎を消してみた。

ハイスピードカメラでの撮影

http://www.youtube.com/watch?v=3mutiPHkKHc

●ちなみに、この手の私の「お馬鹿チャレンジ」で、
いまだに成功しなかったのは、
「水風船を割らずに刺して、水も漏れなくする」というのでしたね。

うちのところは、もう外が２度とかなので、
水芸は、寒いのでこの時期は、やりません。
そのかわりに、今日は、温まりたかったので火芸です。


●これは、理屈から言うと、ナイフの風圧の助けがあるので、
それほど難しくはないはずなのですが、
どうも今日は調子が悪かったので、
途中で「無心の剣」に切り替えました。
それでも無心剣にしてからも、２０投ぐらいは失敗しました。

失敗例は、ビデオの後半にまとめておきました。

●なお２：３８からの一投だけが、今回の成功例です。

思ったよりも剣がロウソクの炎のかなり上空を通過したのですが、
それが逆に消すのに「ちょうど良い風圧」を生んだようです。

実際、何度か炎の中心に当てたのですが、そのときには、
ロウソクは消えませんでしたから。
ナイフが炎の中心あたりを通過するときには、
一瞬、火が消えたように見えたり、または白い煙まで上がるのですが、
再び炎が燃え上がるということも何度もありました。


●実質的には後ろ足が４間のところにあったので、
畳からロウソクまでの距離を差し引いて、約３間半の距離から
投げてみました。

別に、全く何の意味もない芸当なのですが、
難しいことを試してみるというのは、
やってて飽きないので、面白いんですよね。


●この程度の事でしたら、ある程度手裏剣に慣れている人ならば、
１００回も投げれば、誰でも成功するんでしょうが、
１００回も投げたんでは私にとっては、意味がないんです。


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サイドハンドスローの達人

ロシアのナイフスローのシステムですが、
特に素晴らしいのが、標的上の三点を順番に狙ってゆく様子です。
サイドスローでも、こうしたゆるやかな動きで投げると、
非常にコントロールが良いということが分かります。

かなり剣の後ろ部分を保持していて、
構えのときに極端に手首を前に曲げているのが、よく分かると思います。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=izcMA74JTrU


次のは距離は（推定で）６間前後です。
この人のサイドスローは見ていて惚れ惚れします。
構えの時には肘が腰から離れず、投げに入ったときに開いてゆくという
とても独特なスタイルの投法です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=2hxdQU_iK1g

これ、楽しそうですね。卓球のダブルスみたいです。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=xRDeFRe9SIU


■次のはシースから抜いて投げるのですが、
相手に対してこうした背を向けた角度で、
しかも相手の予測外の攻撃であれば、かなり有効だと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=E9TmwwDLmGE

ただ、この人の投法の場合、
無冥流の中にある「押さえ打法」に似ていて、
テイクバックがどうしても曲線を描きます。

これは、もしも剣術家と相対した時には、ちょっと難があるので、
私の方では投げる時間をもっと短縮しようとしています。

既に非公開動画では何人かに見せたのですが、
対戦する人が、避けられるかどうかは、
なにぶんにもやってみないと分かりませんが、
見かけ上は、かなり速いみたいです。

_______________________

★ . 　　

＞１１／１５　８：４０　かなり本文の内容を追加しました。


【10間投げ、よもやま話】


●そもそも実際の１０間投げを最初に見たのは、
御交流を戴いている、八角流の半田師範の演武を、
お弟子さんが記録された映像によってでした。

甲野氏の著作などでもＥ氏が１２間を通したという「剣身」の
写真なども掲載されていました。

（注・無冥流の用語では、金属部分だけの剣本体を「剣身」と呼び、
巻物、接ぎ、その他の拵えが施された剣を「剣体」と呼びます）


●甲野氏の場合には実際の映像や軌道を見る機会はありませんでしたが、
甲野氏が八角流の道場に招かれた時の、半田師範の言葉によれば、
事実であることは推測できますし、
また私見では甲野氏のあの剣のデザインと性能からも、
１０間打ちは可能であるといえます。


●さて、そもそも１０間打ちというものは、
現代流・新流でのみ発案された、といいますか「実験」をされた課題でありまして、
古流には、「直打法」による１０間打ちなどは、一切登場しません。

よく知られた資料では、根岸流が７間を長距離の打剣距離として
明記していたことがありますが、それ以上の距離を「教習課題」として
明記した文献はありません。


●そもそも１８メートルは、実戦において必要となる距離ではありませんし、
実際の昔の戦場では、その距離でしたら槍投げや弓矢の射程距離です。

したがって、実戦武術的な意味ではなくて、
ひとつのテスト、可能性の追求として生まれたのが１０間打ちという
いわば、ひとつの「パフォーマンス」です。

相手がこちらが投げたことを認識していなかったという前提でならば、
命中精度の良い人であれば、人体大の標的に刺すことは不可能ではない
という距離です。
しかし、むろん「武術的実用性」をそこに見出すのは難しいです。


●ただし、１０間打ちを通して、各自が「何か」を学び取るという意味での
武術性はあります。
それは人によって異なるものとなります。

人によっては、剣の設計がテーマとなる場合もあれば、
人によっては、打法研究がテーマとなる場合もあれば、
人によっては、精神面がテーマとなる場合もあります。

だから、必ずしも１０間打ちでは、〜〜を習得するんだ、といった
固定的な意味はないと思ってください。


●以前にも言いましたが、遠間打ちというのは、力を鍛えるためでは
断じてありません。

そもそも約１８メートルという距離を２００〜３００グラム程度の
重さの物体を投げるだけであれば、別に特別に強靭な基礎体力は必要ありません。
それは実際に、同重量の金属棒その他を投げてみれば分かります。

ですから問題は、その距離で、
直打法として必要な剣のバランスを空中で維持できるかどうかだけです。


●私が最初に本格的にテストした長距離は８間でしたが、
わざと私は、極端な山形の軌道で、ふわりと投げました。
その映像は、今も市販の「無冥流投剣術」のＤＶＤに収録されています。

そのことによって、目視で剣がどういう姿勢変化をするか
とっくりと観察したかったからです。
性能の良い剣は、非常にゆっくりとした速度で弧を描く軌道でも、
綺麗に空中で姿勢変化をしてゆき、刺さります。

それよりも性能が落ちる剣の場合には、力で強引に首落ちを
遅らせるという方法を取ります。

私の場合には、力のない人でも１０間を通せる剣を試作する
ということがテーマでしたので、まず最初に、
さまざまな重心位置、長さ、太さの剣を使って、
極端な低速度で、４０度ぐらいの山形の打剣を繰り返し、
最終的に選ばれた剣を、そこから少しずつ、発射角度を低くしていきました。

むろん半田師範の「ほとんど直線のような軌道」で刺さるという
１０間打ちには、到底及びませんが、
どうにかこうにか、１０間打ちが平均的に５０％で可能になるまでに要した時間は、
異常なほど短いものでした。
おそらくは、「延べ」にしても３００打以下で、
数百打だったと思います。

血の出るような修練をしたのではなくて、
その代わりに、嫌になるほどの「地味な基礎実験」と考察を繰り返したのが
それを可能にした原因でした。

というのも、剣の重心位置によっては、全く同じ投げ方をしても、
妙な「癖」のある「首落ち」をする剣があるからでした。


●この剣の「癖」については、著書の文章などを読むかぎりでは、
根岸流の形の剣を基礎にして長年使い込んできた甲野氏は、
かなり経験的にそれを知っていると思います。

つまり、ほぼ中央重心に調整するために、剣の後部を
研磨加工したタイプの剣というのは、
どういうわけか、長距離の場合には、微妙な距離の差で、
少し打法を変えないと、刺さらなくなる傾向があるのです。

たとえば、８間は通るのに、１０間は通らないとか、
逆に、もっと面白い現象は、
「１０間は通るのに、なんだか８間が通りにくい」などの性質があるのが
「ほぼ中央重心の剣」の「面白い点」なのです。

つまりこれが私が言うところの、
それぞれの剣が持つ「首落ちの癖のパターン」なのです。


このことは、宗家や古流から伝承された剣を、
試行錯誤のテストや研磨テストもせずに、
そのまま信用して使用している流派の人には決して理解できません。
同じ形状の剣を「太さと　長さと　研磨角度」などを個別に、
数ミリ単位で変えてみることで、初めて経験できる「奇妙な現象」なのです。


●さて、当初、最初に１０間打ちというものを聞いたり見たとき、
私が通せる距離は、たかだか、よくても５間でした。
その倍の距離など、当時は夢のまた夢でしたし、

本格的に長距離の剣のテストを始めた時期にも、
何度も何度も剣の設計や打法で失敗して、
「私が死ぬまでには、自分には不可能だな」と思っていた時期もありました。


●しかし剣の長さをそれまでの２４センチから２８センチにした時に、
決定的な変化がおきました。
打法そのものは、それほどには何も変えていないのに、
突然に剣が１０間まで、直打で届くようになったのです。

しかも、それまでは剣をほぼ中央重心にしていたのを
単純な普通の棒手裏剣のように、先端を研磨しただけの、
「やや後ろ重心」の形状にした瞬間に、それは起きました。


●ただし、やたらに長ければ長いだけ、長距離を通せるかというと
そうではありません。
だからこそ、無冥流では、最終的な剣の長さを、
２７ｃｍから３１センチの範囲、と固定したのです。

●全長に、この４ｃｍもの幅があるのは、
海外の人の大きな手や、逆に、女性や子供の事をも考慮すると、
各自の「指の長さや手の大きさ」があることと、
もうひとつは、
どれぐらい剣の中点から「後ろへ重心位置がずれているか」によって、
長さも前後するからです。

むろんそのズレの原因になるのは、「剣先の研磨体積」の差と、
尾部に巻かれる糸などの重量です。


●なぜ、最終的に、こうした長剣に行き着いたのかについては、
既に、皆さんは御存知のように、

無冥流が重視するのは、最初から重心位置に指先を置くことであり、
「重心位置に指を置いたときに、剣底が正しい位置にくる事」だからです。



●さて、それまでは、性能の良い剣は、「ほぼ中央重心」であると
自分の中では結論していたために、その先入観を抜け出せない時期が
数ヶ月ありました。

ちなみに、「ほぼ中央重心」とは、剣のつりあいの取れる位置が、
剣の全長の中点から後部へ５％までの範囲である。

その為に私は、いわゆる根岸流の剣身のような形にしたり、
後部に軽量素材の接ぎをしたりして、
その重心位置に、必要以上に固執した時期がありました。
（つまり後部を少し軽く加工していたのです）


●一般には、「前重心の剣」という言葉が使われることもありますが、
実際に計測すると、本格的に中央よりも前に重心のある剣は、
非常に少ないことがわかります。

その為に、無冥流では、より正確な言葉を選んだ結果、
次の四つに「剣の重心の種類」を定義しました。

１−前重心＝重心点が剣全体の長さの中点より前にあるもの。

２−ほぼ中央重心＝全長の中点を含み、全長の５％まで後部に重心点がずれているもの

３−やや後ろ重心＝重心点が、全長の中点より後部まで、全長の６％から１０％未満の範囲にあるもの

４−後ろ重心＝全長の中点より後部へ全長の１０％以上ずれているもの。


●この無冥流独自の定義によりますと、
世の中に存在する棒手裏剣の、ほぼすべてが、
２と３に分類されることが分かると思います。
１と４というのは、かなり特異な重心位置を持つ手裏剣に類します。


ちなみにラルフ氏が提唱するナイフは、
長さは３０ｃｍから４０ｃｍで、重量はいろいろですが、
３００グラムから、４００グラムを超えるものまであります。
重心は、４の後ろ重心という特異なものを彼は推奨しています。

一方で、翠月庵の市村氏や私が「直打法」で試打した、
知新流の手裏剣も後ろ重心に類します。
香取神道流、戸隠流、九鬼流のものは、形状は後ろ重心のように見えますが、
実際に計測すると、無冥流の分類では、後ろ重心ではなくて、
「３」の重心位置になるものも、たびたび含まれていることがあります。


●さて、話を戻しますが、
私個人は、１０間打ちで、最も上達したのは、コントロールでした。

むろん、１０間から逆に８間、６間、４間と、近づけてゆくときに、
いろいろな微調整は必要なのですが、
それにしても、１０間の直打で、畳大を外さないようになるまでには
少しばかり時間が必要でした。

これが投げるものがボールだったり、棒をぐるぐる回して投げるならば、
どうということはないのに、
どうして棒状の物体を「直打」で投げると、変に小難しくなるのでしょうかね。


●前にも言いましたが、なにしろ稽古場の後部のコンクリート壁が
いわゆるコンクリートではなくて、岩石なみの「半端ではない硬さ」
だったものですから、鍛冶屋さんが鍛造した剣ですら、
剣先がつぶれるのでした。

むしろ鉄板の方が、まだしも安心して打てます。
というのも、よく鉄板に剣を刺してどうこう自慢している人がいますが、
鉄板は薄ければ裏側に剣先が抜けますから、真っ直ぐに刺中すれば、
剣先が思ったよりも傷まないか、
または、特別に硬くもない普通の鋼材の剣先でも、
意外にも無傷であることも多いのです。

一方で硬い自然石や、標的上での手裏剣同士のぶつかりあい、
その他、硬い材質の場合には、もろに剣先が痛むことが多いのです。


■ところで、「鉄」というと「硬い」というイメージがありますが、
鉄の硬さには種類があります。

また、日本刀にタガネで銘を入れている場面をよく見ることも
多いと思います。つまり、硬いといっても、刀の部位によっては
傷がついたり、「彫れる」わけです。

雑誌「秘伝」にも紹介された「直飛剣術」の近藤氏の場合には、
剣先が裏側に抜けるような薄い鉄板ではなくて、
「厚い鉄板」に剣を突き立てている写真があります。

写真を見ると、なんと厚さ２ｃｍ以上もある鉄板にまで手裏剣を突き立て、
ドラム缶にも、楽々と刺しているように見えます。

驚くべきことに、自然石にも刺しています。
自然石にはいろいろな硬度と、組成のものがありますので、
いちがいに必ず刺さるとはいえませんが、それにしても凄い技です。

で、標的の話ですが、
手裏剣の鉄の部分に、別の手裏剣がわりと深い穴をあけるということは、
私も数は少ないですが、ありました。
使っている剣先の細さにもよるのですが、
かなり尖らせた剣先の場合に、たまにですが起きます。

皆さんも標的に刺さっていた手裏剣の剣身部分に、
別の手裏剣が空けた丸い穴があいていた経験があると思います。
しかも意外にも当たった側の剣先は、さほどひどくは潰れてない場合です。

焼きを入れた鋼鉄の場合には困難さは増すと思いますが、
そうでない鉄の場合には、刺中角度が良いと、
深めの穴を空けることは、たまに起きるわけです。

つまりこれらの条件がピタリと揃うと、直飛剣術の超絶的な技のように、
分厚い鉄板に剣を刺して、しかも傾いて抜けずに刺さったままということが
起きるわけです。


●話は戻りますが、そんなわけで、恐ろしく硬い壁が後ろにあるので、
１０間打ちのテストをしているときには、剣を痛めたくない一心で、
畳を外さない習慣がついたようでした。この話は前にも話しましたが。
まー、「プチ死活問題」がからんでいたと言ったところです（笑）


●で、話はここからが、いよいよ「本題」に入るのですが、

物事を単細胞的にしか考えられない人は、
まっすぐに縦方向に腕を振って打剣するほうが命中率が良いと、ついつい思いがちです。

しかしそれは長距離では状況が違ってきます。
縦方向に真っ直ぐに振り下ろすことが必ず命中精度を上げるとしたら、
その距離は、約６間までだと私は思っています。

それを超えると、４５度以上のサイドスローで傾けて投げても、
命中率は、一般的な本打ちと変わりません。

最初は、私はその理由が分からなかったので、
なぜサイドスロー気味に投げているのに、１０間先の畳を、
「左右」にずれた状態で外さないのか？が少し不思議でしたが、
理由はすぐに分かりました。

それは長距離になるほどに、
打剣モーションが遅い（かつモーションが大きい）というのが原因でした。

中距離以上（４間から６間）、特に長距離（７間から９間）では、
相手にモーションや空中の剣を見られて避けられたら、
命中など全くできない距離ですから、
そもそも、すばやいモーションで打つ必要のある距離ではありません。

どんなに速く投げても、７間などという距離は、
相手がこちらが打剣した事を全く認識していないときにだけ有効な距離ですから。

したがって、実用的に考えた場合には、
７間以上では、何も無理をしてまで「すばやい動き」にする必要はありません。

●むしろ、命中率にこそ注意しないと、実戦では使えない距離です。

近距離において「ガンマンの真似をしたり」「起こりを少なく」
といった工夫を必死にしていたような、モーションの速度への執着は、
長距離では必要ありません。

そして、モーションが遅くなるほどに、打剣動作の途中で、
いろいろな「修正」が出来るということなのです。
修正とは、腕の振りの軌道、手離れのタイミング、離剣するときの剣の角度などです。


●これが至近距離の実戦の場合には、
可能な限り、すばやく打たねばならないので、
一度「打剣動作が開始したあと」には、複数の要素は変更できないのです。
せいぜい出来るのは、剣の方向変更や、首落ちのタイミングだけです。
（たとえば、打剣動作と同時に相手が、前後や左右に動いた場合です）

しかし、長距離を投げる場合の遅い打剣動作では、
その動作中に、「複数の要素」を動きながら変更できます。

このために、物事を単純にしか考えられない人は、
サイドスローをコントロールが悪いと思い込むのですが、
打剣動作が遅めの場合には、全くコントロールにも問題ありません。

まー、それを差し引いても、野球のピッチャーたちが、
「いろいろな投球フォーム」をしても、コントロールがいいのと同じで、
別に縦打ちだけが最高であるわけなどは、そもそも最初からないのですがね。


●さらに言うならば、実戦シミュレーションで
単純な攻撃速度と、避けにくさだけを競った場合には、
縦ではなく、また下手打ちでもなく、
実は、横打ち（逆打ちではない）が最も効率的です。
そのことは、ラルフ氏の新ＤＶＤを見るとよく分かります。

また、秘伝の編集部のライターの方と対戦したときにも、
下手打ちは、かなりうまくやらないとモーションを見切られると
分かりました。

車剣の下手打ちは、足を肩幅に開いたままで、
踏み出さずに、固定したままでも、
「逆スナップ投法」という、無冥流に独特の打法によって投げられますので、
比較的簡単に、すばやく投げられ、起こりを抑えられるので、
かなり有効なのですが、
これが棒手裏剣だと、難しくなるのです。


●結論をいいますと、手を完全に下げた状態から、
最も最短距離のモーションで、しかも強く打剣できる軌道は、
サイドアームスローです。

下手打ちは３間を超えると威力が落ちてきますし、
本打ちは、構えたところを相手に見せない場合には、
いったん、上段、または耳の横付近に「構える」という動作が入ってしまい、
自分では一拍子でやっている「つもり」の人も、
実際には相手側から見れば二拍子以上になってしまっています。

そういう点では、サイドスローは、
「自分が横に動きながら打つ」にしても、
「相手が横に逃げた場合」にも、有効であることは、
市販のＤＶＤで私が解説している通りです。


●伝統とか古流の手裏剣では、いわゆる西洋式のサイドスローというのは、
ほとんど活用されていませんし、伝承もされていません。
車剣ですら、サイドスローで投げることを常としている人を
見たことがありません。

そもそも実戦を本当に重ねていたら、
多くの流派が現代でも、サイドスローを普通に基本打法として継承して、
現在も必ず稽古していたかもしれないと思えるほどです。

その点からも、やはり棒手裏剣というのは、
実戦での百戦錬磨や研究は、なされなかったり、価値を認められなかった、
とてもマイナーな武器だったのだろうと私は結論づけています。

サイドスローは、「現代流派」の手裏剣が、
まだまだこれから開発すべき課題だと私は思っています。


●ところで、構えを完全に相手に見せた状態からの本打ちでも、
剣術に対して非常に効果的な攻撃法があることは、
「翠月庵」の市村氏の解説などでも理解できると思います。

あえて手裏剣を隠して使わず、構えを相手によく見せたほうが、
相手に与える「攻防法への迷い」や「不安材料」を増やすからです。


●実は、他の武器を併用せずに、
手裏剣だけで剣術に勝つ為の方法は、少ないとはいえ、
全くなくはないものです。

攻撃の剣速を補うためにも、剣は重過ぎない方が実戦では有利です。
私は、威力と速度の両面から考えて（術者の個人差はありますが）、
「本当の実戦」には、約１００グラムから２００グラムの範囲の剣が良い
と考えています。

●それで、いつかお見せするかもしれませんし、
または、一般には公開せず、見せないかもしれませんが、
少しばかり、非常識にも見える方法で、
手裏剣で剣術に対して有効に攻撃できる方法の一つを私は発見しました。
むろんそれは４本打ちなどの多本打ちではありませんし、
両手の同時打ちでもありません。
（これは既に、翠月庵の市村氏には、非公開動画で拝見して戴きました）


●一般には、剣術と手裏剣の対戦の間合いで、
手裏剣が勝つには、起こりをなくそうと必死になっている人が多いです。
また、やたらに「構えのモーションから打剣までの一連の動作」の時間短縮や、
「構えた状態からの打剣速度」に執着している人たちを見かけます。

それはそれで、勝負に勝とうとする「一つの方法」ではありますが、
しかし、人間を相手にした勝負というのは、そういうものではありません。

狩猟目的や、相手が動物ではなくて「人間」だということが、
人間同士の殺し合いの基本なのですから。

仮に、すばやく動き回る野ウサギを手裏剣で倒せる者がいても、
その者が「人間」を相手にして倒せるということではないのです。


●たとえば、考えてみるといいです。
相手がゴリラや熊だったら、日本刀を持っているあなたに対して、
それらの動物はどうするでしょうか？

まず、あなたが日本刀という凶器を持っていることなど彼らは全く
認識しませんので、それを全く無視して彼らは攻撃してきます。
その点では、「人間よりも倒しやすい」とあなたは思うかもしれませんが、
しかし問題は、斬りつけた「後」です。

彼らの身体は、総合的に見て、人間よりも頑丈に出来ていますから、
もしも一刀で首や手足を切り落としたりできず、また刀が途中で
ひっかかったり、胴体を完全に刺して相手の意識を失わせることが出来なかったらば、

彼らは刀が刺さったり、深い傷を負ったままでも、
あなたを、死ぬまで、ぶちのめすかもしれません。

その点で、逆に人間は、日本刀やその他の武器に対して、
それを見て「事前にその武器の威力について警戒する」
というアクションを起こしますが、
逆にいうと、それらこそが人間の弱点なのです。

つまり人間とは、状況を見て「思考する動物」であることが、
逆に人間にのみ固有の弱点となるのです。


＿＿＿＿


●ところで、「翠月庵」の市村翠雨氏が、
http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/

のブログで紹介していました、
ラルフソーンのビデオはこれです。
↓


レビューを書いてもいいのですが、実物を、アメリカの出版社から
直接に取り寄せた人でないと内容が分からないと思いますので、
今回はやめておきます。

＿

★ . 　　

ハイスピードカメラによる
中距離から長距離打剣の撮影


★真横からは最大で６間、斜め後ろから１０間打ちを撮影してみました。
今回は、オートフォーカスをオフにし、「パンフォーカス」と「∞」にセットして、
広範囲にフォーカスが合うようにしてみました。
この方が、全体が綺麗に写るようです。
　　　　　　　　　↓




■見ると、５間からの、下手の直打法は、
四分の一回転ではなくて、約八分の一回転ぐらいですね。

一方で、６間距離の本打ちともなると、クォータースピンではなくて、
約三分の一回転（１２０度）しているのがよく分かると思います。

残念ながら１０間打ちは刺さるところの画質が不明瞭でした。



速度による剣の姿勢の違いと
両手による２連打

●うーむ、長さ４０ｃｍぐらい大きさが、
もっとも空中での姿勢に分かりやすい変化が出ますね。
この動画だと、残念ながら、並べて比較しないと細かい違いが
わからないですね。
↓



剣の前傾発射の撮影記録


■次の動画は、近距離での前傾発射のパターンを、
違う角度のものを約５度ずつ記録しておきました。

前傾姿勢はこの至近距離でも、最大でも４０度までが限界で、
逆の「後傾」は、これだけの近距離でもマイナス１５度まであります。

動画中では「垂直」を０度の基準としています。




■やはり剣の前傾発射が始まるのは、常識的には「２間以内から」です。

なお、表示した角度数は、スローの画像をさらにコマ送りして、
垂直線を引いて分度器で割り出したので、ほぼ正しいと思います。


■「短くて軽い剣」をかなり速く打てば３間からでも出来そうですが、
以前にも言いましたとおり、長年いろいろやってみまして、
私が、この研究を始めた５年前に考えていたよりも、
無理に前傾発射しても、武術的には、あまり意味がないようです。

そういう意味では、私の書籍における打法の記述を、
今後の改訂版の中では、補足して訂正しておくつもりです。

ただし、下手打ちや真横のサイドスローの場合には、
少し状況が変わってきます。


■なお、技量の個人差にもよりますが、
「約２０センチ以上の長さの剣」を使った
オーバースロー（縦方向の本打ち）の場合には、

３間距離からの４０度の前傾姿勢での刺中などは、ほとんどあり得なくて、
その場合には、首落ちしてしまい、標的にほとんど刺さらないと言えます。

■最後に言っておくと、剣の前傾発射の有無やその角度というものは、
真横からのアングルのよるハイスピードカメラの映像をもってしてしか、
正確な検証は出来ません。

「正確な検証」とは、
偶然や、あるいはスライド写真の「編集」によってではなく
高速度撮影して、繰り返し同じ結果を出して証明するという事です。



逆直打法と直進打法の撮影
↓
http://www.youtube.com/watch?v=yBpL9rXcQjI

●3:34から、逆向きに四分の一回転する「逆・直打法」が登場します。
反転打法のように保持しますが、
剣は通常の直打法とは逆向きに回転します。


●後半には、「１．５間」距離からの前傾姿勢で離剣が起きる状態を
ハイスピードカメラに よって収録しました。

打剣姿勢は「逆体」で、使用した剣は長さ２０５ｍｍ、１２ｍｍ角型。

なお前足が同じライン上にあっても、
順体の場合には数十センチ、実質的な打剣距離が縮まります。

１．５間からであれば、皆さんが普通に行っている普通の打法でも
２０度程度の前傾姿勢で手離れしてゆくと思います。

この動画では最後に無冥流の直進打法を使用することにより、
約４０度の前傾姿勢で発射しています。

ただし距離が２間になった場合、一般的な打法では、
発射時の前傾角度は、約１０度から１５度となり、
３間に至っては、ほとんど垂直姿勢で発射されます。

なお、剣の太さにもよりますが、
「ある特定の寸法以下」の長さの棒手裏剣を使用した場合には、
さらに前傾姿勢で打ちやすくなります。

この理由は短い手裏剣の方が、飛行中の回転が少ないからである。

ただしその分、長距離になると、
短い剣は途中から飛行姿勢が不安定になるために、
刺中は７間か８間程度が限界と考えられます。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●さて次のは、前記の動画よりも一日前に撮ったものです。

撮影したのが夕方遅くで、光量が落ちていたので、
あまり良い画質ではありませんが、
とりあえず購入したばかりのカメラで、少しだけ撮影してみました。

この手のモードの撮影は、なるべく被写体が明るい方がいいのですが、
途中で小雨が降ってきたので、本日はここまででやめました。
　↓
http://www.youtube.com/watch?v=DgFlqy3e2TM


ちなみにこのカメラ、コマ数を最大にすると「１秒間に千フレーム」
まで出来ますが、そのかわり、画面サイズが極端に小さくなるので、
今回はやりませんでした。


●音がないので、退屈な動画になりやすいですが、
今後は、無冥流独特の、いろいろな「打法」の、
「手の内と、剣の動き」を、このカメラで記録しておこうと思います。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

倒幕は日本人の手によるものではない？
「坂本龍馬の黒幕」＝イギリスの中のユダヤ資本

■坂本龍馬といえば、一般人のみならず、
武術愛好家の人々の中にも、熱烈なファンは多いだろう。

しかし、倒幕から明治への日本の運命が、
日本人の自主性によって起きたものではなくて、
アメリカを牛耳ったのと同じ勢力が強制的に策略したものだったとしたら、
皆さんは、日本の近代史をどう思うだろうか。

■むろん、これらの説に対しては異論や反論を持つ人たちは
います。愛国的な視点の人たちは、明治維新は日本人の志によるものと
思いたい気持ちは理解できます。

しかし戦争の影には常に「武器商人」が暗躍し、
その武器商人は、必ず対立する両方に対して武器を売ります。

戦争で儲けて、儲けた金で「権力」を買う。
このことは何百年も前から続いていたことです。
日本だけが、その世界の動きから無事であり得るわけがありません。


■この番組は、「推理ドキュメント」という形で進行しますが、
内容的には、半分ぐらいは信頼できると私は思います。
あとの半分は、取材力と史料の乏しさから信憑性は闇の中です。

別の局でも「歴史推理」として扱ったテーマのようですが、
いずれにしても、大変によく出来た構成の番組なので、
どうぞ、お楽しみください。
↓
その１
http://vision.ameba.jp/watch.do;jsessionid=8A024C09EDE57F48EC24AC1BA86580CF?movie=558511


その２
http://vision.ameba.jp/watch.do;jsessionid=B7FD8FAC57A42FBB3B89218ACADCAD59?movie=558512


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★ . 　　

【雑記集】

●そろそろ、松の間を、手裏剣術に関しての話題だけではなく、
隣の昔の「竹の間」のようにコンテンツをしてゆくつもりです。

かつて「梅の間掲示板」は、「セックスの悩み相談所」として開設し、
かなり長く盛んに活動してきましたが、
一時期、「砂手の日記」となり、
そして、現在は、「禅書道の日記」となりました。
　　　　　　　　　　↓
http://www.mumyouan.com/k/umenoma.html


ちなみに「竹の間掲示板」は、現在は、しばらく休止の予定。
　　　　　　　　↓
http://www.mumyouan.com/k/takenoma.html


ということで、竹の間のような話題を、
この「松の間」に食い込ませてゆきます。
（まー、新しく「桜の間掲示板」でも作ればいいのですが、
松の間の手裏剣話題が、それほどの速度で更新もされないと思いますので、
ここを併用します。）

すでに、武道、武士という問題にからめて、
いくつか政治的な話題を投入していますが、
ここに、精神世界系の論理がからんできますので、

武術系の人は、知識的についてゆけなくなったり、
または話題的についてゆけなくなったら、見ない方がいいです。
（むろん、時々は、手裏剣話題も入りますが）


【日本の有事について】

●最近、わりと現実的にこの問題を私は考えています。

有事というのは、いつの時代でもあり得るというものではなくて、
政治的に一定の条件、状況が揃ってきたときに問題になります。

たとえば、皆さんの中にも１９９９年という年に、
何か起きるかもしれないと勝手な妄想をしてしまって、
結局何も起きなかったという現象を見たわけですし、

そしてお次は、毎度お決まりの「２０１２年騒ぎ」に、今も踊らされているか、
あるいは自分で好き好んで踊っている人も多いと思います。


●有事の可能性を考慮するというのは、実際に市民の個々の生活に
現実感をもって接近してきたときに初めて意味を持つものであって、
予言の類で踊らされて騒ぐものではありません。

しかし、その「現実感覚」というのが、
私の中では、５０％をとっくに越えて、７０％ぐらいに達しているので、
そろそろ、自分のこの先の生死も含めて、
近未来への生活設計をしようかと考えているわけです。


●そもそも、個人が、その人生の中で最も優先すべき事は
本当に今やっているようなことなのかどうか？、
今自分がやっていることは、自分や社会に必要なのか必要ないのか？
本当は、そんなことをしたくて生まれてきたのではないのではないか？

などなど、
こういった自問というのは、徹底的に個人または社会が、
極限的な状態にならないかぎりは、浮上しないものです。

私が見たところでは、武術の世界になど足を踏み込むべきでなかった
大勢の人たちがいて、また精神世界や宗教になど踏み込むべきでなかった
大勢の人たちがいます。

もし個々に残された「自由な時間」があとそれほどないとしたら、
個々が生まれたときから現在までを一度振り返ってみて、
自分の人生の設計や今後が、これでいいのかどうか、

何ヶ月も引きこもってもいいので、それが唯一出来るであろうこの今時期に、
しっかりと、自問し続けて、よく考える時間を持つことをお勧めします。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●さて、有事の話ですが、

この約３５００年の世界の歴史全体の中で見ても、
今回のは、ちょっと大きな変化になりそうです。

何しろ、短期間で、地上の人口が現在の約半数にまで減るわけで、
その後も、減り続けて、最終的には、人口は約三分の一になるでしょうね。

むろんこれは天災や惑星の変動や彗星の衝突によるものではなくて、
人為的なもの、すなわち戦争です。


●さて、そうなると有事はどのような順番でどこから起きるか
という問題があるわけですが、身近なところでは朝鮮半島、特に
北朝鮮をアメリカがどう利用して、９．１１のような自作自演の
有事を引き起こすかを狙っている、

というところまでは、ネットジャーナリストたちや、
経済学者や政治評論家もある程度は予測をしようとしています。


●複数の論調の中の単なる一例に過ぎないが、リチャードコシミズの論調では、
青木氏が言うところのアメリカの「財閥」、つまりユダヤ金融資本の計画は、
アメリカが、北朝鮮と裏取引をした上で、
北朝鮮が日本本土または日本の米軍基地に、
威嚇用に核弾頭なしのミサイルを発射する。
（って、おいおいそんな命中精度は、アメリカの裏協力でもないかぎり、
北のミサイルにはないと思いますよ）

韓国に駐留していた米軍の多くは日本に集結。
結果として手薄になった韓国に北の部隊が南下して、
朝鮮半島有事「劇」の始まり。

むろんアメリカは多少の攻撃をしたり、核攻撃をするふりをして北を威嚇（という芝居）。

これによって、最終的に「アメリカと日本」が組んだ状態と、
一方で、「中国と朝鮮」が組んだ状態になり、
東アジアに「冷戦構造」が出来あがるというもの。

その結果、その冷戦構造によってまたまた、
一部の支配階級は儲けることが出来るという構図である。


●ところが、この予測地図というのは、
実際のユダヤ金融のもくろんでいる計画とは異なります。

ユダヤ金融資本が、実際にもくろんでいるのは、
北米、つまりカナダとアメリカ、そして南米まで、
移民法律を改正してしまい、
実質的に国境のないような状態に統合してしまい、
北米と南米を、ユーロのような共通の通貨で支配することです。

一方で、同じ構図をまずアジアに作ります。
そのためには、韓国と中国と日本は、ユダヤ金融（以下、ユダ菌と略す）
からしてみれば、合併させたいわけで、コシミズ氏の言うような、
「ユダ菌は、中国・韓国　対　日本・アメリカにしたい」のではありません。
むしろ、中国、日本、韓国を統合してしまって、そこにもユーロのような
アジア共通の通貨制度を打ち立てたいわけです。
民主党がやらかすと警戒されている、外国人参政権や国籍法の改正も、
その布石です。

それは、「合意」によるアジアの併合ではなくて、
単なる「征服」によるアジアの「強制併合」であるにすぎません。

ちなみに男女別姓などというのは、
国民から「税金」をより多く巻き上げるための工作でしょうね。


●結局のところ、ユダ菌が目指しているのは、
あらゆる政治、経済、軍事における「世界統一（支配）」ですから、
実質的に、それは世界征服の野望といっても間違いありません。


結局ユーロという通貨システムも、その第一幕だったわけです。
なにしろ、本当の意味でのユダ菌の経済的本拠地は、
アメリカやイスラエルではなくて
イギリス、ギリシャ、スイス、などですから。

ただしむろん、軍事的本拠地は、アメリカの国防省です。


●そういう意味からすれば、アジアを統一して、アジア通貨を確立するというのは、
むしろユダ菌側の計画に乗ることになり、この点で、コシミズ氏は
全く状況を読み違えていると言えます。


●ただし、だからといって、このまま日本国民の血税がアメリカに
骨の髄まで吸い取られるのを見過ごすというわけにもいきません。
ようは、どっちに転んでも最悪なのですよ。

そして、経済戦争に基づく、軍事戦略よりも、
もっとさらに最悪の事態、それが私が言うところの有事です。

そもそも、経済学者、軍事評論家、政治評論家、
ネットジャーナリストのような陰謀系評論家、
この自称専門家の人たちの想定している未来予測図というのは、
仮に、ユダ菌を支配階級の頂点として「想定」していたとしても、

ユダ菌が「次に儲けるためには、どんな戦争を演出して仕掛けるだろう」
という視点でしか、状況を見ていません。


●しかし世の中には二つの戦争があります。

ひとつは、経済的な戦略、つまり誰かが儲けるための戦争。
これは、通常兵器を駆使したもので、常に「適度な戦争」に
コントロールされたまま長引かせます。中東などが良い例です。
今日までの「作られた戦争」のほとんどはそうでした。

しかし、次回の戦争は二番目のものになります。

二番目のものとは、「完全支配のための戦争」です。
つまり「第三者が戦争の影で儲けるための戦争」ではなくて、
「征服」を目的とした戦争です。


●これに加担する国は以下の通り、
既にユダ菌の手が伸びた、ヨーロッパのほとんどの国、
そして、アメリカと、そして裏で完全にアメリカに操られた中国。
一見すると、アメリカと中国は対立構造に見せているだけです。

また、現在、中国の不動産が売れているとか嘘ばっかり報道されていますが、
現在、中国の不動産を買いまくっているのは、ユダ菌と、
あとはそれと癒着した中国共産党員の幹部たちです。

アメリカ経済では、もうドルの信用が得られないために、
現在は、中国を一時的に食い物にして、株価操作をしようというのが
現在のアメリカと中国の関係です。

日本の企業も、もしも今、アメリカのプロパガンダにのって、
中国なんかに投資したら、大暴落してすっからかんになりますよ。

だいたいその国の経済が、本当の発展しているのかいないのかを図る
バロメーターはひとつしかありません。
それはもっとも下層部で生活している人たちの標準的な生活状況と
失業率を見ることです。

中国の地方や、農村部がどんな状況にあるかを見れば、
とても中国が経済発展しているなどと信じる人はいないでしょう。
しかし、メディアは事実を報道しません。

アメリカ経済が、国全体としてはこれからもどんどん暴落してゆくのは
確かですが、中国も「同じ」なんですよ。

暴落してゆく中の、ユダ菌にとっての「最後のひと稼ぎ」のチャンス、
それが現在の中国であるに過ぎません。
用が済んだら、中国も使い捨てです。


●さて、「世界征服」のために、核の標的にされる国はどこか？
アメリカとヨーロッパ以外のほとんどの国です。
実際には、アメリカと組んでいたと思い込んでいた中国も標的になります。
なにしろ、あんな国とその莫大な人口は、アメリカにとっては邪魔ですから。
つまり中国はアメリカに、最終段階では、裏切られるわけです。
むろん日本もです。


●さて、このユダ菌による、「経済目的ではない」「征服目的の戦争」、
これは一体何を目的にしているのか、それが本日の本当の本題です。


簡単に言ってしまえば、人類の人口を現在の十分の一以下にすることです。

そしてそのあとで、
彼らが準備していた科学技術やインプラント技術によって、
残った人類をすべて奴隷化すること。彼らの計画はこれだけです。


●ここで多くの人たちは、「核戦争になったら、やった当事者も
放射能汚染によってただではすまなくなるさ。
だから、そんな愚かなことはやらないよ」、
とか、能天気な事を思っていませんか？

残念ながら、次の大戦で使われるミサイルに搭載されているのは、
過去の原爆ではありません。
皮肉にも「クリーンな核兵器」と呼ばれるものです。

つまりこういうことです。


●どうしてＷＴＣで純粋水爆の「実験」をしたのかを考えることです。

かつての冷戦構造とは、
「もしも核兵器を使えば自国も被害を受ける」
「自分たちがその後生活する環境も破壊される」という事が
「大前提」だったのです。

だが、放射線がゼロではないにしても、それを大幅に削減した純粋水爆は
「核による世界大戦の抑止という論理」を根本的に変えてしまったのです。

つまり人類が「以前よりも、ずっと気軽に使える核」を手にしたということです。

そうなった場合に、ユダ菌がこれまで行ってきた
「金儲けの為の戦争」とは「別の目的の戦争」があるわけで、
それが「本格的な世界征服」の為の「大量虐殺」である。


リチャードコシミズ氏にしても、ベンジャミンフルフォード氏にしても、
あるいは政治学者や、経済学者にしても、または保守系団体にしても、
誰にしても現在の情勢分析は、すべからく、

「ユダ菌が経済的に生き延びようとした場合には、
彼らは一体どうするだろうか？」という、
ただの「経済学的な予測地図」でしかありません。

しかしよく考えてみてください。
彼らの根源であるタルムードそのものがそもそも
「自分達以外は、人間と認識しない、選民思想の カルト」なわけです。

参考にどうぞ。
「ユダヤ資本の、ごくごく簡単な歴史」
　　　↓
http://www.mumyouan.com/k/?T3992


●つまり、「彼らの独断によって必要ない人類だ」と判断した
大半の人類を「不要な人類」として純粋水爆で抹殺するかという事を
主目的とした戦争こそが次におきる戦争です。

ですから、それは経済戦争という視点では分析不可能なのです。

「彼らがそ れをいつやるか」という問題と、
それを誰がいつ阻止するかという問題しかそこには存在しません。


●そして、その次の問題は、こういうことです。

核汚染がかなり昔の予測よりも少ない、という前提に立った場合、

皆さんは、大規模な戦争が起きないほうが良いと思いますか？

私はそうは思いません。

戦争から学ぶことは沢山ありますし、
このままずるずると、人口が増加することの方が、
むしろ、奴隷化される側の私達の生活の苦しみが長引くだけです。
また地球環境にとっても、これ以上の人口増加による資源の食いつぶしは
あきらかに悪いことであり、

また人類そのものが、狭い金魚蜂で感じる「窮屈な閉塞感」も、
そろそろ限界点を越えています。


●そうなったときに、確実に人口を急激に減らす方法というのは、
使われてもいいと私個人は思います。

ただ、問題なのは、「誰が」それを執行するかです。

私はユダ菌が世界人口を現在の一割以下に削減したあとで、
彼らが勝手に妄想した、歪んだ理想のユートピアを実現することなど、
決して許したくはありません。

かといって、このまま人口が増加することも間違いです。

そうなれば、選択肢はただひとつです。
次の大戦で、誰が勝つか、誰に勝たせたいかです。


●そして私が行き着いた結論は次の通りです。
ユダ菌の中には、すでに、その人類抹殺の計画に対して、
反乱を起こすのに充分な元ユダ菌の要員がいて、
既にロシア軍部と綿密に接触していること。


彼らの大半は、既に、ロシア軍部と、
アメリカの複数の地方（都市部でない所）で準備をしていること。


●ユダ菌は、ある時期に「計画通り」に、いっせいに、
アジア、アフリカ、南米の一部、そして中国やロシアを
核攻撃する予定を組んでいるはずです。

その核攻撃よりも前に、
ロシア軍の内部にいる「反ユダ菌（この人たちは元はユダ菌）」の
組織が、先にアメリカの主要拠点を核攻撃すること。

むろんアメリカだけではなくて、中国、ヨーロッパもロシアの
核攻撃のターゲットになります。


●こうすることで「最悪の首謀者」による世界統一だけは避けられます。

もしある種の予言が正しければ、
世界の人口は、現在の半分から最小にみて、現在の三分の一までで
食い止められます。

ユダ菌の計画していた１０分の１よりは多い残留数に食い止められるわけですし、

人口問題よりも何よりも、
ロシアが勝利すれば、そのあとの世界は、各国が自主的に世界を再建するという方向へと向かいます。
そこには、世界征服を目指すなどという馬鹿は存在しなくなります。

むろん文明の基礎的な復興に必要な歳月は、
半世紀以上かかるでしょうが。

どちらにしても、世界のどこも、すべて凄惨な結末になりますし、
私達日本人の多くは、直接の被爆よりも、
むしろ、食料物資の運搬停止によって「餓死」する可能性が非常に高いです。


●ちなみに、この戦争が、ユダ菌かそれとも反ユダ菌によって開幕するか、
その未来のどちらなのかは、
最初に着弾する「純粋水爆」の高度と、着弾地点で分かります。


もし、ロシアの原潜から発射されたミサイルが、
アメリカの国防省と、都市部の「地表近く」で起爆した場合には、
それは、ロシアの勝利へ向かうことを意味します。

アメリカの「上空」で爆発させると、
アメリカの地方に潜在している反ユダ菌の人たちにも被害が出るからです。
局所的に都市部や軍事施設、そしてユダ菌の居住拠点だけを重点的に破壊するためには、
「地表近辺」で起爆する必要があります。

しかし、もしも最初のミサイルが、
逆に、ロシアで着弾したら、それは最悪のシナリオが始まることになります。

ちなみに、アメリカの後ろ盾を失って、西側諸国と険悪になった
イスラエルが、イランやヨーロッパの地中海近辺に、
数発だけ純粋水爆を投下するでしょうが、
それは大戦の兆しそのものではありません。

ですから、もし奇襲攻撃的に、
ある日、アメリカ本土が、突然に、複数の水爆で攻撃された、
ということが起きたら、

そこから世界は「今よりもマシ」な方向へ
向かうということを記憶しておいてください。

それは単に「最悪の事態よりはマシ」であるというに過ぎませんが、
それ以外の選択肢は、地球の人類には、ありません。

人類の知恵や、思想や科学技術が、戦争を回避した
平和な世界を実現できるなどと、ありもしない希望を持つよりは、

個人個人が、近未来に起きることに覚悟を決めて、
各自で、どう生きたり、あるいは「どう死にたいのか」に、
精神面で、備えたほうがいいです。



　　　　　　　　　　　　　　●


●以下は、やや政治的な動画ですが、
動画の「詳細欄」にあるリンクのうち、日本語字幕のあるものを
貼っておきます。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=TiCBQrw7-jM


アロン・ルーソがロックフェラーとの会話を語った衝撃のインタビュー
と、彼の映画です。
（日本語字幕版）
　　↓
インタビュー
http://video.google.com/videoplay?docid=-5219614342883260978#

映画「自由からファシズムへ」"AMERICA:Freedom To Fascism"　by Aaron Russo film.

Part-1
http://vision.ameba.jp/watch.do;jsessionid=0DE4856B5272E48F01A1BC11DC8B5363?movie=731004

Part-2
http://vision.ameba.jp/watch.do;jsessionid=0DE4856B5272E48F01A1BC11DC8B5363?movie=731009

_______


■これも、かなり、よく出来ています「日本語字幕」
「モノポリー・マン」Monopoly Men________
　　↓
http://video.google.com/videoplay?docid=-845461387975920288&hl=en#

Money As Debt________
　　↓
http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771&hl=en#

反ロスチャイルドに関する多彩なリンク集
↓
http://www.anti-rothschild.net/link/animation.html#new0924_1

↑
この中にある「オバマの幻影−真実の反撃−」（１から１１まで）
というビデオが大変に面白いです。

アメリカの法律や内政が、今後どうなるかということは、
逐一、もろに日本の政策やアジア情勢に直接的に連結してくるので、
必見だと思います。

しかし「オバマの幻影−真実の反撃−」というの見ると、
アメリカってのは、よく知られたように、
建国当時から既に、民主主義でもなく、自由の国でもなく、
民間の金融システムによる完全な、独裁政治による無法国家だった、
という事が、実によく分かりますね。

しかも、近い将来、
代表的な「銃社会」だったはずのアメリカの一般市民は、
とうとう、銃による個人の「防衛権」すらも剥奪される予定のようです。


＿＿＿

★ . 　　

■さて、手裏剣の動画ですが、
ＰＡＲＴ−２が笑えると思います。

むろんＰＡＲＴ１と３は真面目なレクチャーです。
冗談はＰＡＲＴ２のみです。


http://www.youtube.com/watch?v=Ngpu-fTD7Kw

http://www.youtube.com/watch?v=SiT6s0DW5lI

http://www.youtube.com/watch?v=s_q4aZQ36ZA


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●さて、ちょっと前の投稿でも言いましたが、
そもそも、どの君主につけば、自分の民族や国家を
本当に守れるのか、あるいは正当な理由を持つ戦略なのか、
そうした事を判断する材料の一つにしてください。


●私は、たとえば、ネットジャーナリストのリチャードコシミズ氏の
論調については、
ユダヤ金融資本→北朝鮮→統一教会→創価学会→オウムその他のテロリスト、
という図式までは正しいとしても、

ここ５年先ぐらいまでの近将来的な展望である、
「中国と半島と日本との、日本にとって危機的な関係」については、
コシミズ氏の場合には、その一点においては、
全く信頼のおけない「楽観論」を彼は吼えていると私は思っています。

朝鮮人が、日本にとっては、小物の「文化泥棒」なら、
中国人は、根こそぎ日本の金を略奪する「財産泥棒」なんですから。


そういう意味では、私が、ロシアを含む東アジア情勢の分析に、
最も信頼をおいているのが、この青木氏です。

●私が常に絶賛する青木直人氏の動画。
これだと、つまみ食いみたいになりますので、
公式動画の全リストを文末にリンクしました。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=HPQwnOsF0qo&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=Fq_K_7eBdlQ

http://www.youtube.com/watch?v=OIVwiC09tWM&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=PAUtTH8lCsg&NR=1

http://www.youtube.com/user/NLChina#p/u/4/AdOeZVjmqSU

http://www.youtube.com/watch?v=00lYq1jtBsI


●こちらにリストがあります。
　　　　　↓
http://www.youtube.com/user/NLChina#g/c/76C4AF0F34BAE4A3

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手裏剣術の簡単な総論

●手裏剣術というものが、武術という狭い世界で比較的話題になった、
その最も大きな原因は、甲野氏の著作によるところが大きいのは事実である。

実際、私も、ある時期からそれまで手裏剣の世界では使われていなかった
「用語」である「身体操作がどうのこうの」という事を
「受け売り」で言っている人たちを見かけたからである。
特に１９９８年ごろから増えていた気がします。


そんな言葉は、昔から地味に、
全く人気のない手裏剣をやっていた人たちの中には、
ほとんど無かったんですよね。

そういうわけで、甲野氏が少しだけその分野の認知度を高めたというのは
確かだろう。しかし・・・

簡単だったのに実用性がなかった

●雑誌「秘伝」にて、私が論理を展開したように、
そもそも、昔、もしも棒状の手裏剣を使った者がいたとしたら、
その実戦における有効射程距離は、
常識的に考えて、２間からせいぜい３間。

したがって、別に手裏剣術が難しいとか、
身体操作が精妙だとか言われる筋合いはないわけである。

ということで手裏剣術が「武芸の中で最も難しい」というのは
実用的な近距離を射程基準とすれば、「単なる幻想」である。


●次に、では、そんなに簡単だった筈の手裏剣がなぜ、
ほとんど史料が残されていないのか？

理由は、いたって簡単である。
「役立たずだった」ので、誰も振り向かなかっただけの話である。

これに異を唱えそうなのは、数は少ないが、剣術流派の目録の中に、
手裏剣術を含む流派があるようだが、
果たして、それらの流派が「いつから」手裏剣術を道場の教科の中に
組み込んだかとをよく調べる必要があるだろう。
全てではないが、おそらくその多くは、江戸時代に入ってからであろう。

また「隠し武器という裏看板の技法だったので、道場外には漏れなかった」
という、ありがちな説は、
「小さな理由」としては正当性があるように見えますし、
事実であるであろう部分がある可能性は否めませんが、
実際に、手裏剣術が「戦績を重ねて勝利した記録」がこれほどにない
という現実を見れば、やはり当時の武芸をしていた当事者たちすら、
「その有効性に、疑問または不安があった」と考えるのが妥当です。


●そもそも、実戦において有効性のあった技や道具というものには、
次のものが必ず派生します。

１−その武器の図面や使用法の詳細な史料
２−その武術にまつわる実戦における多くの逸話
３−多くの後継者や、流派の存続に関わる大勢の人々。

隠そうとしたところで、嫌でもそれらは広まります。

その最も良い例が、手裏剣術以外の日本の武術
（剣術や柔術や弓術や砲術その他、複数）である。


●一方で、手裏剣術に関しては、ほとんどが失伝、
大切に保管された昔の手裏剣もほとんどなし。
後継者もほとんどなし。史料もほとんどなし。
そして、何よりも、「実戦における記録（武勇伝）」がほとんどなし。
これは他の諸武器ではあり得ないことです。


●つまり、ここから幻想や妄想を持たない正常な頭を持つ者ならず、
誰でも推論可能なことは、

ようは「現実的には役に立たなかったから、誰も保存しようとしなかった」
という事実である。


●手裏剣が使われた立合いの有無については、私はゼロだったとは考えない。
しかし、武術史から見れば、無意味なほどそれは少なかったことだろう。

また立合いといっても、それはあっても一対一のものであって、
多勢を一人で相手にする、または多勢対多勢の戦場とは異なる。
いわば、まるでフィクションの映画の決闘シーンのごときものでしか
その有用性がなかったのである。
（型としては、複数相手の想定のものも残っているだろうが）


■しかも、棒手裏剣を趣味として嗜む者も、
あるいは手裏剣術の著作の著者たちすらも、
手裏剣について説明するときに、いちいち、
「えー、これは映画でよく見る忍者が投げる手裏剣とは違いまして、云々云々」
と前置きをしなければならないというのも、情けない事態ですが、
ある意味でそれは、手裏剣の「歴史と伝統の無さ」が原因であります。

つまり、フィクションの時代に劇出てくる「車剣」よりも、
さらにその認知度が低いわけですから。


●そもそも、鎧を着て、槍と弓が主力兵器で、
その後の鉄砲の登場によって、大きく変わっていった国内の戦争というものが、
手裏剣など必要としたとは到底思えないのである。

使われたとしても、かなりマニアックで、
「まともに剣で戦ったら弱い者」が、戦いを有利に運ぶために
チマチマと使ったという程度のもので、
しかも、成功率はそれほど高くなく、低かったものだろう。


●これらが、手裏剣術と呼ばれているものの「過去の現実」であろう。

実戦で有効と考えられる近距離であれば、技術的には、全く難しくない。
しかしながら、これまでに説明したような事情によって、
実際には、使われることはほとんどなかった。


現代では何を研究すべきか？

翠月庵の市村氏の研究というのは、
非常に希少な文献を紐解いて、残されている剣術と併用される手裏剣術が、
本当に、勝負を有利に運ぶことが「出来るか出来ないか？」という
基礎検証を踏まえた発展形であると、私は位置づけています。

もしも誤解している部分や違っていたら、市村氏に指摘して
戴くとして、
私個人は、少なくともそう位置づけています。


●もしかしたら、史料にある兵法は、
実際には過去に使われなかったかもしれない。
また、実際に数は少ないが、本当に使われたのかもしれない。

ほとんどの真実がそのように、未だ闇の中にある中で、
市村氏が持つ知識と経験を総動員して、その有効性を検証し直している、
というのが現状であって、

それは、はなから「手裏剣は過去に役に立ったんだ」とか、
「手裏剣は現代に役に立つんだ」とか、挙句に「最強だ」とか、
そういう馬鹿な戯言を吼えている人たちとは
全くその基本姿勢が異なっています。


●先入観なしに、史料を再現、または変形してゆき、
本当に、「ある限られた戦闘条件内で」使えるのかどうか、
使えるとしたら、どこを工夫すべきなのか、
単に打剣するではなく、打剣に連なる「剣術の技」と違和感なく
それが融合できる動き方は、どこにあるのか、

そういった極めて冷静で、真面目な研究を翠月庵では行っている点を
私は心から尊敬し、評価しています。


●一方で、ちまたにある剣術・居合道場で、
甲野氏あたりに触発されて、手裏剣術を看板メニューに組み込んだ人たち。

この人たちを見ていると、市村氏の一環した研究姿勢に比べると、
最初から、目的が実に「曖昧」なんですよ。

剣術のオマケに手裏剣がコバンザメのようにひっつけても意味ないでしょうし、
逆に、手裏剣術の教室が、手裏剣にオマケのように剣術をひっつけても
意味がないように私は思います。

ようは、「一体何を目的にして、手裏剣をやっているのか」、ということが、
またしても、問われなければならないわけです。


●ちなみに、私個人の場合、
手裏剣術に興味を持った動機は実に単純なものでした。

極めて、不謹慎な言い方を、あえてしますが、
「こんな役に立たない武芸を、
大真面目にやるような者はそういないだろう」

それが私の大きな動機のひとつでした。
つまり、まともな頭で、「実用性」から考えれば、
過去にも現在にも、ほとんど実用性がない。

故に、私にとっては、はなから、武術的価値はなく、
また見た目ほど、暴力的ではない「心境」で打つ必要があったので、

武術や暴力的なものに全く興味のない私としては、
その「無用性」こそが、最初から、非常に馴染めるものであったことと、

新しいスポーツのスタイル、
または精神的なバロメーターとして利用しつつ楽しめないか？
ということだったのです。

もし実用性を考えたら、私は少林寺拳法と棒術だけに絞って学んだり
稽古をしたと思います。
実際、遥か昔には、そう考えていましたし。
その最大の理由は、
少林寺拳法は「犯人を捕縛するのに実用的な関節技が多いこと」、
長めの棒なら、運がよければ、日常的にそこらに道具としてあること。



●ただし、翠月庵の市村氏と出合って以後からは、
氏の個人的な研究方向に、私も大変に興味深いものを感じましたし、

氏は、他の「頭のおかしな手裏剣愛好家」とは全く異なる、
品格と知識と、確かな人生経験を持っていましたので、

私もまた、自分が個人的に研究してきたことが、氏の研究の何かに
少しでも役に立てばと思い、現在も交流を続けております。


　　　　　　　　　　　　　　　■

●さて以前にも松の間だったか、著書の中でだったか忘れましたが、
既に釘を刺したことですが、

たとえば、仮に市村氏が、ほぼ完全な形で、
一対一、または一対多の「対戦想定」の、
「刀法併用手裏剣術」を完成して、その有効性を証明したとします。

しかしそれは、イコール「過去に、やはりそうしていたんだ」には
全く繋がらないという単純な事実に注意する必要があります。

つまり現代でその有効性が証明されても、
それはなんら、「過去を証明するものではない」ということです。

過去にそうしていたかどうか、を証明するために必要不可欠なものは、
いい加減な「誇張」「不明瞭な記述」を含む、口伝や見聞や、
あるいは、現代における実験結果ではなくて、

専門家が多角的に時代背景や物証を見ても、信頼に値するだけの
偽書ではない実際の「過去の史料」が必要である、ということです。


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★ . 　　

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