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不愉快な「体育の授業」
子供に運動コンプレックスを生ずる害悪


●手裏剣や、武術とは直接に関係しませんが
「運動」という意味で総括的に関係してきます。


私の昭和の時代の小学校、中学の体育の授業というのは最低でした。

給食のまずさに次いで、ロクな思い出がないのが「体育の授業」でした。


中には自分で克服したものもありますが、最後まで嫌いだったものもあります。


体育の授業の項目をあげるだけで、嫌な思い出があるものも少なくありません。

私は、幸いに、運動音痴ではなかったので、
それぞれに、つまらないものを自分で面白くしようと工夫して、
なんとか、かんとか、こなしましたが。


最近では子供が学校でコンプレックスを抱え込まないように
「体育塾」という親切なものがあるようですが、

私の時代にあったのは、「出来ないと怒る教師」のみです。



では、項目です。

皆さんも、うへっ、と思い出すものがあると思います。



鉄棒（低いやつ）
のぼり棒
懸垂（高いやつ）

ドッジボール
ソフトボール
バレーボール
バスケットボール
サッカー

マット運動
跳び箱

かけっこ
水泳



●まー、とりあえずこんなものです。

どれもこれも、クソ面白くもない上に、
絶対に、必ずどれかしら苦手な子供はいるわけです。

しかし教師は、
生徒が出来ないと「どうして出来ないんだ」と怒るだけでした。

また、出来ないものがあると、時には子供の中で仲間はずれにされます。



●そういえば、印象的だったのが、黒田鉄山氏が、ビデオの中で

>>「運動会なんて、雨がふっちゃえばいいと思っていた。
>>かけっこなんか、大嫌いだった」

と「真顔」で言っていたシーンでした。
昭和の時代の体育というのは最低だったので、
それはそうだろうな、と私も思いました。




●以下に、何がクソ面白くなかったかを簡単に書きます。


ドッヂジボール

●これは、皆さんの中でも嫌な思い出が多いと思います。

見方をかえると、あれはイジメの一種で、全然教育的ではありません。

私の場合には少し特殊な事情があって、前に、当サイトの別の掲示板には
書いたと思いますが、

アメリカから帰国したときに、アメリカとは始業式が半年ずれているのですが、
馬鹿な父親が、私を半年先の学年に入学させてしまったために、
私は一番のチビとなったのです。
実際には一学年下なのに、一学年上のクラスに入ったからです。
（途中で正しい学年に修正しましたが）


そのために、本当はチビでもないのにチビ呼ばわりされ、
実際に、その学年内では、女の子も含めて、周囲が全員自分よりも背が高いというのは
子供にとっては、それだけでどこか威圧感がありました。

問題なのは、ドッジボールとかになると、チビは狙い撃ちをされます。

確か当時は、ドッジボールには軽めのバレーボールを使っていた、
と思うのですが、それでも顔に当たると痛いわけで。

私も最初は嫌でした。
ゲームとしても、ちっとも面白くない。
まるで奴隷いじめのゲームみたいです。


●自分から進んでやったのか、それとも偶然かは覚えていませんが、
あるときボールが自分の胸に当たり、跳ねあがって落ちてくるのを受け止めました。

すると、ボールは顔などに当たると痛いのですが、
胸だとさほど痛くない、ということがわかり、

それからは、ボールを避けずに、
むしろ、ボールに自分から向かっていって、胸にボールをあてて、
一度上に跳ね上げてから、落ちてくるのを両手で捕球する、ということをはじめました。

そのうち投げられたボールを、がっしりと捕球できるようになりました。
こうして、ドッジボールが嫌ではなくなりました。

怖がらずに逆にボールに自分から向かっていったのが良かったようです。

しかしそう上手くいくものばかりではありませんでした。



跳び箱

●これが最初のうちは、手をつけるタイミングと飛ぶタイミングがさっぱりわからずに、
低い跳び箱すら、やり方がわからずに飛べませんでした。

教師は「手はそうじゃない！、なんでそういう手になるんだ！」
とか怒鳴るだけでした。


それで、何かの拍子に出来るようになって、
それからはしまいには１２段飛びとかするようになっていましたが、
とにかく、教師がちゃんと教えてくれない。



ソフトボール

●ボールを投げるのは嫌いじゃなかったですし、ボールを打つのも嫌いではなく、
巨人の星とかのアニメの影響もあり、むしろ、草野球はやっていました。


ところが、学校のソフトボールというのは、でかくて持ちにくい。

たぶん、学校の敷地面積の都合なのか、遠くまで飛ばないようにするためなのか、
あんな大きなボールを投げたり打つのも、うっとおしかったです。


しかし、もうひとつ私が嫌だったのは、テレビで野球などは見なかったので、
「ルール」がよくわからなかったのです。

しかし、ルールの説明もなしに、体育でもやるもんだから、

「タッチアップって、それ何だよ？」
「え、なんでここで走ったらいけないんだ？」、
「こういうときには、どこに送球すればいいんだよ？」

とわからないことがよくありました。



鉄棒編

●幸いに、鉄棒の類は「教えるのが上手い友達」から教わったりして、
躓いたことはなく、逆上がりも、蹴上がりや、その他少し危険な技も
出来るようにはなりましたが、あんなもの嫌いな人にとっては地獄だろうなと思います。

特に、ワケワカメなのが登り棒。
猿でもないのに、どうしてただ上まで上らなきゃならないのか？


懸垂の鉄棒・・・・
幸いに体重が軽かったので、逆手でも順手でも、何十回かは出来ましたが、
体重と腕力のバランスによっては、あれもイジメや「おしおき」でしかないです。



サッカー、バレーボール

●バレーボール

これは中学のときでしたが、そもそも、バレーボールなんて高度な運動を
体育でやるもんじゃありません。

ド素人の私たちが、たったの３回以内に、
捕球して相手側に打ち返すなんて、出来るわけがありません。

結局は、みんな盆踊りみたいに、ふらふら動いて終わるだけ。
めったに、ボールの往復が長くは続かない。


●サッカー。

ただただ、走り回り、たまにくるボールをよくわからずに
仲間のほうに、蹴飛ばす。
サッカーが好きなやつが、勝手にシュートすればいい。

私はだらだら走るだけなのが嫌で、自分のところにボールが来たら、
無理やりにでも、ボールに対して、飛び蹴りや、後ろ回し蹴りをしてました。
当時、空手と中国拳法をやっていたので「少林サッカー状態」でした。

別にどう蹴ろうが、ルール違反じゃありませんから。



マット運動

●マットが「臭い」。とにかく臭い。

いちおう、空中での回転技以外は、前転も側転も出来ましたが、
あれも、嫌いな人にしてみれば、馬鹿みたいな授業です。



走る

●短距離はまだしも、長距離は大嫌いでした。
いくら基礎体力といっても、ただ走るなど、馬鹿じゃなかろうかと思いました。



縄跳び

●いちおう出来ましたし、そのうち３重飛びとか始めるわけですが、
これも、つまらない人にはつまらないと思うわけで。



バスケット

●これが、どうも、どこか陰湿なのでした。
「ボールの奪い合い」という意味ではサッカーと似ています。
私の嫌いな球技のひとつです。



柔道

●これは確か高校のときに２年ぐらい授業でやりましたが、
男子校だったこともあり、柔道着を着る事自体も面白かったせいなのか、
嫌いな生徒はいなかったようです。

ただし、授業開始前には、必ずプロレス状態になっていました。

教師が来るまでの間は、そこらじゅうで、四の字固めや、卍固めが始まり、
それに、ブルースリーの全盛期でしたから、蹴り合いです。
（むろん全部、遊びでです）


私の高校は、当時、
東京都内で５本の指に入る「名の知れた不良校」だったのですが、
イジメというものはなく、あっても本当にからかい程度のものでしたし、
どこまでならＯＫという、節度ぐらいはわかっていました。

たまに、本格的にキレると、
それぞれが適当に、校内で、サシで喧嘩してましたので。



水泳

●そういえば、中高にはプールがありませんでした。
私が水泳を授業で受けたのは、小学校までです。
５年の時だったか、潜水で２５メートルできたときには嬉かったです。

いろいろな種類で、何メートルとか泳げるようになると、
帽子のところに付ける色のついた線が増えて、それが、やりがいでした。
ちなみに、潜水と平泳ぎって、足と手が逆なんですよね。

小学校のときだけは、遊園地の流れるプールとか、
区営のプールなどに友達と行っていた覚えはありますが、

中高以後は、たぶん、一回だけ林間学校か何かで
１キロほど泳いだ記憶があるのみです。

その後、一度だけ、彼女と泊まった大島で海に「浸かった程度」で、
たぶん、高校生以来は、現在に至るまで、泳いだ記憶がないです。

しかし水泳というのも、
たぶん嫌いな人間にとっては、どこも面白いものではありません。

特にそれが学校の体育の授業となるとなおさらです。




そういうわけで、

●このように、私の時代の小学校、中学校の体育の授業というものは、
ほとんどの場合に、「その運動が嫌いになりかねないもの」ばかりで、
どれひとつとっても「面白く」もなく、

あれでは、子供に運動コンプレックスを植え付けるのは間違いありませんでした。




『イップス』


●この「イップス」という症状は、
今回、私の読者（相談者）の方からの報告で、私も始めて知りました。

運動に関係する話題であったので、以下、その部分のみ転載します。





中略


確か、２、3日前だったかと思いますが、
突然、偶然ですが、次のように、ふと思いました。


「確か、中学生になった頃、
　ボールが投げられなくなっていたことに気づいたなあ。

　小学生の頃は、何も考えずに自然とボールを投げられたのに、
　投げられなくなってからは、

　中学生、高校生、大学生、社会人、そして、現在に至っても、
　一向に投げることができない。


　そして、このようなことで、
　男として、当たり前にできることができなくなってしまい、
　随分と恥ずかしく、悔しい思いをしてきた」



このようなことを、突然、思い出しました。


ボールを投げることに対して、相当なコンプレックスを持っていました。

このコンプレックスについて、崩残さんに報告したこともなかったと思います。


実際、ボールが投げられないからと言って、
今の私の生活において、何ら困ることがなかったですし、
大した問題ではないと思っていたからです。



でも、正直、本当に恥ずかしくて恥ずかしくて、
崩残さんにでさえ言いたくなかった、というのが、本音でした。

それほど根が深いコンプレックスであったわけです。



しかし、今回、やっと掘り進めることができました。


詳しいことは、これから書かせて頂きますが、

結論として、このボールコンプレックスは、
今の体調不良の大きな原因の一つになっていたと言う事が分かってきました。



小学生の頃、何不自由なく投げられていたボールが、
なぜ、投げられなくなってしまったのかの原因について、まず探りました。


しかし、具体的な出来事等については、まだ当たりはついていません。
何となくこうではないかと言える出来事があるのですが、確証が持てずにいます。



ボールが投げられなくなってしまった原因について、
あれやこれやと、記憶を探りましたが、なかなか答えが見つかりませんでした。



それで、私と同じような症状に陥っている人は、他にいるのだろうかと思い、
「ボールが投げられなくなった」というキーワードで
インターネット検索してみました。


そうすると、予想以上に多くの事例が出てきました。
正直、本当に驚きました。

私みたいな人は、特殊な人で、そんなにいないだろうと思っていたからです。

ここでも、実際に調べもしないで、
勝手に、こうであると思い込むというＡＣ人格が出ています。



調べた所によると、このような症状は、
一般的に、「イップス」と呼ばれていて、1930年代頃から、知られているようでした。


この事実を知り、中学生の頃から、何十年も、
このような症状になっているのは、私ぐらいしかいないと思い込んでした自分に対して、
本当に恥ずかしい思いでした。自分自身の無知さにも、ほとほと呆れました。



「イップス」になる人は、プロ野球選手を始め、
野球を専門にやっている人達の中にも、結構いるようでした。

症状の重度については、人それぞれだと思いますが、
そんなに多くに人達がいるなんて、本当に驚きでした。



原因としては、
精神的な事（過度の緊張や過去のトラウマ等）のようでした。



私自身の事についても、改めて、どのようなトラウマが原因か探ってみましたが、
なかなか答えが見つかりませんでした。


原因そのものについては、特定できずにいますが、
いくつか、思い出したくもない、過去の出来事等が出てきました。


そして、ボールを投げることに対してだけでなく、
ボールそのものに対しても、恐怖症というか、コンプレックスを
持っていることが分かってきました。


極端に言ってしまうと、
ボールを手にしただけで、恐怖心が出てきてしまうと言う事です。


つまり、ボールを投げることだけでなく、
ボールを使うスポーツ全てに対して、
相当な苦手意識を持っていたということを思い出しました。

色々と思い出す中で、悲しくて悔しくて涙が出てきたりもしましたが、
もう、目を背けたくなかったので、思い出してみました。



・小学生の頃は、運動と言えば、ドッジボールでした。
このドッジボールが嫌で嫌で仕方なかったです。

他の男の人は、普通にできることが、
私の場合、ほとんどまったくできませんでした。

ちょっと強いボールがくると怖いし、
何とか、ボールを受け止めようとしても、ちゃんと胸で受け止めることができず、
ボールが跳ね返ってしまう始末でした。

ボールを投げても、弱弱しいボールしか投げられませんでした。


そのような私でしたので、ボールから逃げることしかできず、
最後の一人になることが多く、私だけが一人になっても、
ボールから逃げ回るばかりで、相手チームの人を殺すことができず、

それでは、一向に試合が終わらず、しまいには、

周りの人達から、「ボールに当たって、早く死ねや」と言われる始末でした。

とても恥ずかしく悔しかったです。



・小学生の頃は、幼なじみの「＊＊ちゃん」達と、
ドッジボールなどをして、遊ぶことが多かったのですが、
下手くそなため、いじめられたり、バカにされたりしていました。

それでも、私と一緒に遊んでくれるので、
当時は、よく一緒に遊んでいました。

でも、悔しかったです。今、こうして書いていても悲しいです。

　　

・小学生の頃は、体力テストということで、
ハンドボール投げがあり、飛距離を測定していました。

私は、当然、苦手でした。
ある時、ハンドボール投げの測定があったのですが、
ある男の子から言われました。

「お前、どうせ大して投げられないのだろう」と言うような事を言われました。

なんで、そんなことをわざわざ言われなければならないのかと思いましたが、
当時の私は、言い返すことができず、ワンワンとただ泣くばかりでした。



・中学生の頃でも、高校生の頃でも、ボールが投げられなくなってからは、
とにかく投げるのが怖く、嫌だった。


グラウンドでは、野球やテニス等をやっていたりする人達いて、
私が、たまたまグラウンドにいた時に、ボールが私の所まで、
転がってくることがありました。

相手の人達から、「ボールを取ってください」とか言われたり、
私も、「ボールを返して上げなければ」と思うのですが、

これが、どれだけ怖かったことか。


もうその場から逃げ出したかったです。

「なんで、不幸にも私の所にボールが転がってくるのだ」と思ったりしました。

逃げることも、無視することもできず、
ボールを上から投げて、投げられない事がバレルと恥ずかしいので、
仕方なく、下手投げで、ボールを返していました。

この時は、もう本当嫌だったです。



・大学生の頃、親しい友達が、ゴルフサークルをやっていたので、
私も興味を持ち、一度だけ、ゴルフの練習をさせてもらったことがあります。

素振りをするだけは、まだ良かったのですが、
ボールを所定の位置において、それをクラブで打とうとしましたが、
何度、ボールを打とうとクラブを振っても、まったくボールに当たらず、

「なんで、止まっているボールに当たらないのだ」と思い、
とても悔しかったです。


その時、周りの人達が、とても不思議そうな顔をして、私の事を見ていた事が、
今でも忘れられません。


どこか穴があったら、入りたかったです。




このように、思い出していけば、
いくらでも、悔しく恥ずかしい思い出はあります。


この他にも、バレーボール、テニス等、悔しい思いをしたことは、沢山あるのですが、
切りがないので、この辺で、やめておきます。



このように、あらゆるボールを使うスポーツが苦手で、
大変なコンプレックスを持っていました。

ボールを使うスポーツだけでなく、
運動全般そのものが、苦手なものが多いです。

いわゆる、私は、運動音痴です。



私は、どうして、
このように、運動全般に対して苦手意識を持ってしまったのだろうか。


人それぞれ、得意不得意はあるので、
私の場合、他の人と比べて、運動が苦手というのは、ある意味、仕方ないと思う。

しかし、苦手なりに楽しんでいる人達はいるだろうし、
運動が不得意であっても、それが楽しめないと言うのは、おかしい。

下手ななりに、楽しむことができるはずだし、
不得意や不器用であれば、それなりに努力して、その人なりのレベルで
楽しめるはずだし、

実際、カラオケ等で歌を歌うことについては、
音痴なりに、楽しんでいる自分がいます。


しかし、運動については、苦手意識が相当あり、恐怖心があり、
できれば避けたいと思っています。



なぜだろう、なぜだろうと探っていきました。


＊　中　略　＊



話は戻って、運動に関して、
探っていく中で、分かったことがあります。


上達が、順調に言っている時は、いいのですが、いったん止まると、
必ずと言っていいほど、私の中から聞こえてくる声がある事に気づきました。



　「どうせ、お前は、運動がどんくさいんだ。上手く行くはずがないんだ」



このような声が、いつも聞こえてきていました。
初めの頃は、その声は小さいのですが、
なかなか思うように上達しない状態が続いていくと、だんだんと、
その声は、大きくなっていき、しまいには、その声に負けてしまい、
運動や楽器を弾くことが楽しめなくなってしまい、
耐え切れなくなって、結局、止めてしまいます。


楽しいどころか、苦しくなってくるばかりで、
練習すればするほど、苦痛が増してくるからです。

これは、明らかに、ＡＣ人格の声で、私の本心ではないのですが、
思い当たるのは、一つしかないです。



子供の頃、小学生の頃から、いつも言われ続けていた、
父親が、私に対して発していた呪いの言葉です。


　何かあるたびに、父親は、こう言っていました。



　「お前は、運動が、どんくさいからなあ」

　「運動が、不器用だからなあ」

　「僕もそうだから、お前もそうだろう」



この父親の呪いの言葉については、既に掘り起こしていましたし、
その時の悔しい感情についても思い出していました。


しかし、これほど、自分自身の細胞の一つ一つに、
この呪いの言葉が浸透していて、今だに、その呪いが作用しているとは、
思いませんでした。

もう意識ではどうしようもできない、無意識のレベルで、
この言葉が染み渡っているという事が分かりました。



最近、ある時、鏡を見て、びっくりしました。
私の眼が、今、父親とそっくりになってしまっています。

それほどまで、父親の悪影響が私の身体に浸透していると言う事が分かり、
もう本当にぞっとしました。


私自身の顔ながら、もう本当に自己嫌悪しました。



「こんな私は、嫌だ。これは、私ではない」と強く思いました。



ボールが投げられなくなった、具体的な出来事等については、
思い当たっていませんが、推測の部分もありますが、
恐らく、次のようなことで、
ボールが投げられなくなったのだと考えています。



　(1)小学生の頃（たぶん2年生から4年生の頃）、
まったく何の苦も無く自然にボールが投げられていた。

壁にボールを当てて、キャッチボールの練習をするのが楽しくて
よくやっていた。

また、近所の男の子たちと、草野球チームを作っていて、
他のチームと練習試合をしたりしていた。

ピッチャーをやったこともあり、アニメの巨人の星の影響で、
消える魔球に本気で挑戦したりしていた。

また、アニメの侍ジャイアンツのバンババンの投法に憧れ、
やってみたりもして、とても楽しかった。


だから、この頃は、運動に対して、苦手意識など、
ほとんど感じていなかったと思う。

自然と何も考えず、ボールを投げるのが当たり前だった。




(2)何がきっかけで、野球を止めたのか、思い出せないが、
5，6年生の頃は、陸上部に所属していた為、
しばらく、野球ボールを握って、投げる機会と言うものが、なかった。


(3)中学生になって、いや、その前かな、
何かで、キャッチボールをする機会があったと思う。

野球ボールを投げるのは、久しぶりだった。

最初は、久しぶりだったので、下手くそになっていたのだろうと
思っていましたが、何度投げても、上手くいかず、
しまいには、肘が、肩が、ボールが、この辺で手離れしてと、
考え過ぎしまい、どんどんと投げ方が分からなくなっていた。


(4)恐らくですが、しばらく投げていなかったので、筋肉等が衰えて、
下手くそになっていたせいもあるだろうが、
この頃には、ある意味、父親からの呪いの言葉が、
完全に身体中に浸透していて、それが作用してしまったのだろうと思われます。


本当に悔しいです。父親を許せないです。
しかし、今、最も問題なのは、当時の父親の言葉ではありません。


何度も何度も、父親から刷り込まれ、ついにとうとう、自分自身でも、
「僕は、本当に運動がどんくさいのだ」と思ってしまったことです。

最大の敵は、自分の中に巣くっている、そのＡＣ人格です。


しかし、そのＡＣ人格の言っていることは、紛れもなく間違いです。

なぜなら、何の苦も無く自然と、ボールが投げられていた時期が、
確かにあったわけですから、本来は、元々は、
私は、運動音痴なんかじゃないのです。

運動が物凄く得意な人達や、上を見れば切りがないけれど、
苦手意識やコンプレックスを持つほどではないはずです。


だから、本来の元々の所までは、戻れると思っています。


身体の隅々まで浸透してしまった呪いを解除していくのは大変だけど、
やっていくしかないと思っています。



このように、父親の言葉が発端として、
運動全般に対して、大変な苦手意識を持ってしまったわけです。

そして、実際に、運動したり、楽器等を演奏する際に、
指先の運動をしたりする場合において、呪いの声が聞こえてきて、

それに負けまいとして、ああでもないこうでもないと、
頭で考え過ぎてしまい、身体の動きを自分の頭で、全て制御しようとしてしまいます。
制御できるはずもないのにです。


その結果、身体の自然な動きを邪魔してしまい、
結局、錯乱状態になってしまい、全て駄目にしてしまいます。

ボールを投げる時がそうです。
ほとんどの場合、いや、考えて投げてなんかいない。

多少は考えるが、ほとんどの動きは、無意識でなされていることが分かります。


でも、私の場合、呪いの声が聞こえてきて、それに頭の中が支配され、
身体の自然な動きに任せることができなくなってしまいます。


つまりは、身体のことを、ちっとも信用していないわけです。


細胞や筋肉だって、一つ一つは、小さな生命体であるはずですし、
リーダーである本体の私に信頼されていないわけですから、
やる気も無くすだろうし、

リーダーである私が、細胞や筋肉のやる作業に対して、
いちいち、ああでもこうでもないと指図しているわけですから、
たまったものじゃないと思います。


このように自分自身の身体を信頼していないことを、改めて、痛感しました。



そして、これは、今の体調不良にも繋がってくると思いました。


人間、生活していれば、色々とあり、
仕事をしたりしたら、疲れたりするのは、当然だし、
そうではなくとも、体調に一定の波があるのは、
よく考えてみれば、当たり前のことです。


でも、私の場合、自分自身の身体を信頼していないことから、
ちょっと疲れたり、しんどかったりしただけで、
ああでもこうでもないと、身体に対して、文句をつけてしまいます。
邪魔をしてしまいます。


具体的には、「やっぱり、身体が弱いからなのか」と自分の身体を責めたり、
よけいなサプリメント等を摂取して、

身体の要求をまったく聞かず、自分自身の勝手な考えで、
身体に対して、余計なことをしてしまいます。


まさしく、自分自身の身体に対して、
毒親ならず、毒主人になってしまっているわけです。

身体の細胞に対して、干渉し過ぎなのです。



このように、自分の身体を信頼できなくなってしまった、
元々の原因は、改めて、掘り起こしてみましたが、

思い当たるのは、やはり、母親からの悪影響です。


母親自身が、子供の頃、とても身体が弱かったそうで、
彼女自身、身体が弱い事を呪っています。


私が小学生の頃、彼女が身体が弱くて悔しい思いをしたことを、
良く聞かされたのを覚えています。

それが、無意識のうちに、私にコピーされたのだと感じています。



また、それよりも何よりも、もっと問題なのは、
私自身の体調がかなりひどい時、よく聞こえてくる声があるのを、
「関心地図」をやっている時に、気づきました。



私は、体調不良になった多くの場合、
次のような声を、自分自身に対して、発していました。


「俺は、こんなにしんどいんだ。誰か、俺の気持ちを察してくれ」


このような声がしているいということに、気づきました。



なぜ、そのような声を発するのかについて、探っていくと、
小学校から中学校の頃かな、いつも胃腸の調子が悪く、
両親に対して、調子が悪いことを訴えかけていました。


それに対する両親の反応が、とても鈍くて、
何か無視されているような、放ったらかせているような感覚に襲われる
ことがよくありました。


小学生の低学年の頃、風邪をひいて熱を出して、
母親がちゃんと看病をしてくれたというような記憶がありますが、
多くの場合において、
何かうるさがられているような、心配されていないような感じでした。


病気の時だけでなく、他の場合に、私が困った時の場合においても、
私が本当に困っていて、心配してほしい時には心配してくれず、
そうではなく、私が問題ない時等に、心配してくるというようなことが、
よくありました。



これについては、以前にも掘り起こしたことがあり、

要は、「親を心配させるな。迷惑をかけるな」、
「問題を起こさないでくれ」ということなのでした。



当時、そのような事を、子供ながらに、感じていた為、
両親に対して、何度も何度も、訴えかけました。

私の方を振り向いてほしかったからです。
本当に心配してほしかったからです。


ただ、それだけがほしくて、
体調が悪いことを訴えかけていただけなのに、
それに対しては、一向に応えてくれませんでした。


結局、私が、何度も何度も言うので、
しまいには、うるさがられる始末でした。



このような癖が、今だに染みついているのだと言う事を、
改めて、気づかされました。



色々と書いてきましたが、
今回、新たなトラウマに気づくことができました。

しかも、かなり重度に、私に悪影響を及ぼしていることも、よく分かりました。



再度、嫌な、悔しかった、悲しかった記憶を掘り起し、
辛くて、泣いたりしましたが、そのおかげもあって、

今まで、ずっと、苦しくて不安で、
しかも、どうして、そうなってしまうのか分からなかった事が、
なぜか分かりました。



今回は、気づき、なぜそうなってしまうのかについて、
再度、理解を深めたこともあり、

これらのＡＣ人格の癖の解除そのものは、これから、やっていく必要がありますが、

冒頭から、正直、苦しいと書きましたが、
今の所、半分以上、楽になっています。



まだまだこれから、解除への格闘が続いていきますが、
今回、こうして何とか、報告できて良かったです。



以上で、今回の報告を終わりたいと思います。




では、またメールさせて頂きたいと思います。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　敬具






●という少し長い報告でしたが、これは本来は松の間ではなくて、
隣の「桜の間」でのテーマである、トラウマ問題、機能不全家族問題なのですが、

それまで出来ていた運動神経にまで影響する事例があることを知り、
ひとつの参考に転載しました。





＊＊＊

文中に出てくる「ＡＣ人格」とは私の造語で、
「アダメトチルドレンの人格」という意味です。
本人にとっては「偽の人格」となります。

トラウマを原因として、そのトラウマに対抗したり、対処しようとして
正常ではない歪んだ形で育ってしまう人格の事です。




＊＊＊

■ところで、
私の時代の不良は、次の分類上では「ツッパリ」に該当しました。

http://matome.naver.jp/odai/2133501393803782101


６０年代から７０年代にかけてなので、世代が入り乱れていて、
私の上の先輩たちの時代が、都内では国士舘と朝鮮学校が、
しょっちゅう小競り合いをしていた時代です。

また暴走族のブラックエンペラーも全盛期。
関東連合だったスペクターの奴も同じクラスにいました。


昼休みには、後ろの黒板にナイフを投げて練習してしたり、
時には人を立たせてナイフ投げショーとかやっていましたので、
そのせいで、

「今度の喧嘩（集団での殴りこみ）に、ナイフ投げで加担してくれ」
と、頼まれたことも幾度かありましたが
「少年院行きはごめんだ」と断りました。


殴る蹴るや、手加減ありのヌンチャク、とは違って、
刃物による負傷沙汰は、しゃれになりませんから。


どういうわけか、学校の黒板というのは、
前にある黒板と後ろにある黒板は木の材質が違うようで、
ナイフが刺さるぐらいですから、木が少し柔らかかったようです。

今から思うと、漫画や映画の世界そのままです。

学校の黒板をズタズタにしておいて、おまけに昼にナイフ投げショーとかやってて、
よくも、３年間も、教師に捕まらなかったものです。
それ自体も奇跡的でした。



●当時の私のファッションは「ハード・ツッパリ」に比べると
ミドルツッパリで、ボンタン（だぶついたズボン）に、高めの襟の学ランですが、
ヘアスタイルは、リーゼントではありませんでした。

当然、学生カバンは、薄くぺったんこで、ケンカ用として角には鉛入り。
見た目には「ソフトツッパリ」でした。


ただし学生服の内側には常に、投げナイフが３本という点が、
他の学生たちとは違っていました。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

無冥流の刀術併用は先手を取らない


●無冥流の「武術形」の構成は、すべて、

「打剣は、相手が動いた瞬間」、つまり厳密には「後手」です。

相手が動かないかぎりは、決して打剣しません。（例外はありますが）


そしてその打剣のあとも、刀による攻撃も必ず「後手」です。


●つまり、手裏剣を打ち、相手がそのままひるめば、
それ以上の攻撃を決してしません。

もしも手裏剣が当たっても、それでも相手が向かってくる気配があれば、
場合によっては、「二本目の手裏剣」を打ちます。


つまり、刀を使用するということは、棟打ちでもないかぎりは
相手を殺すか、または一生残るような大きな負傷を追わせることになりますので、

極力、刀を使わずに手裏剣のみで、その力加減や回転の制御によって、
「相手へのダメージを調整」します。（わざと剣尾を当てる技です）



●抜き身での刀法を使用するのは、

相手が斬りかかってくるほどの余力を残している場合か、

それよりも、何よりも、主に、
相手が「第一投目の手裏剣を避けつつ反撃してきた」という場合を想定しています。


また、無冥流の武術形は、大前提として「一対一の試合」の形式を守ります。




◆それ故に、山賊から襲われた時などという、
現代の日本の生活にあっては、現実離れした、
馬鹿げたシチュエーションを元になどしていません。

現代でなくとも、たとえば「下記のような状況」は、
ほとんど、時代劇のチャンバラの世界のものです。


このようなものを前提として想定して、
「先を取る」ことによって構成した武芸と称するものなどは、
「品格がゼロである」と私が言うゆえんが、ここにあります。
　↓


>>手裏剣術は、旅行の道中などで「山賊」に出くわしたら、
>>手裏剣で先手をとって、その隙に乗じて勝つためにある技である


つまり、この手の先手を取る手裏剣とは、
相手が武士、武人ではなくて「山賊」を相手にしての技であるとの
「記述」すらも一部の資料にあるわけです。


私は、そんな山賊や野武士を想定したような、下品な形など作りたくありませんでした。



それ故に、出来るだけ刀は使用せず、

>唯一、「手裏剣を避けた相手が攻撃してきた場合のみ」に使用する

という厳しい限定を形の中に含ませています。


また抜刀に移る「連結部」の動きも、必ずしも相手を斬るためのものではなく、

>打剣直後に、横に動いたり、後退をして退避する事も出来るようにしてあります。


もしも相手が手裏剣を避けながらの攻撃をしてこないのであれば、
打剣後に、むやみに相手に斬りかかることをしないように、ということです。



つまり、無冥流とは、
「先手を取って勝つための手裏剣ではない」のです。



常に、出来るだけ斬らないで済むように、
「打剣」も「刀術」もすべて「後手」にします。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●ところで、仮に、一打目の手裏剣を相手が避けたとします。
避けたまま攻撃はしてこないとします。

するとまたも、そのまま、にらみ合いです。


そして、二打目もまた相手が避け、避けたまま攻撃してこないとします。

もしもこれで、手持ちの４本ないし５本の手裏剣がなくなったらば、
その時点で、刀法併用側は半分は、もう「負け」です。

そこから以後は「剣術　対　剣術」という形になります。



が、そもそも手裏剣を、２本も外したら、その時点でアウトです。


故に、そうならないために、

起こりなく、速くて、命中率のいい打剣を、稽古目標とするわけです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊


計測することによる体系の普遍性


●体系というものは、それを使用することが、多くの人に応用できること、
通用することをもってして「基礎体系」と呼びます。

秘伝とか奥義などは別問題とします。あくまでも「基礎体系」の普遍性または、
普遍性までいかなくとも「汎用性」が問われます。

誰がやっても、似た結果になるものだけが、
その基礎体系に意味がある、ということです。



●故に、その汎用性を考慮する場合には、
その試合の両者の技の力量の差、天候、足場、気運といった、
不確定な要素ならびに、変動要素は排除します。

試合では厳密に、両者の力量を同じにした上で、
特定の技の有効性の有無を割り出すことは非常に困難です。


たとえば、何かの武道で両方が３段同士を戦わせても、
均一なベースのジオメトリーではないので、データや統計がとれません。

よって、普通は、「だいたい同じような技量」の者を使って、
技の有効性があるかないかが検証がされます。




●無冥流が至った「武術形」は、ほとんど人を実験に使わずに行いました。
（他人の動きの速度解析はしましたが）


なぜならば、相当の普遍性を持っているのは、
「速度の計測」に基づくデータだからです。

それゆえに、今年の前半の私の動画のいくつかには、
必ず、特定の動きに関する、速度の「計数」が出ています。



●移動速度、抜刀速度、斬りの速度、打剣の速度、
これらを、私だけではなく、名人級の人たちの映像からも計測した結果、

>どうやっても、これ以上は速くない、どうやっても、これ以上は遅くない、
>という速度が数値化できました。


たとえば、１００メートルを７秒で走れる人はいません。ならば、

>１００メートルは７秒以上かかると「断定」できるわけです。


そうした、確実に「断定できる速度」を、

打剣、身体の動き、抜刀、斬りのそれぞれに当てはめたときに、
「それに対応する」のに、「最低限度、必要」になる、
「打剣速度」や「反撃速度」が、ごく簡単に割り出せます。


その速度を、打剣、抜刀、斬り、または移動や、回避運動で
実現できることがまず、客観性を持つ、確実な「対処法」となります。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●この数値は「個人の力量によって結果が変わる」という要素が
限りなく少なくなります。

速度には、その「可能な範囲」はありますが、
よほど、どちらかの動きが遅くないかぎりは、
ある程度「客観的」で、汎用性のあるものなのです。



◆拍子といった問題は、両者の力量に依存しますので、
こうした変則的なものは、計測データからは排除されています。

他の武術や、剣術（格闘技や剣道）では、
その、リズム感や、運動センス、格闘センスのあるなし部分の力量さこそが、
その時の勝敗を決めるものであっても、


>こと打剣や、あるいは「飛び道具」に限っては、
>「速いもの勝ち」＋「命中率の良い者勝ち」です。


逆に言うと、それに対する「防戦側」は、
どうやって、その速度と命中率に対処するか、のみを迫られることになり、
拍子も糞もなく、そんなものは関係ありません。


関係してくるのは、その速度は「どれぐらいなのか」という計測データです。
拍子などが介在するのは「飛び道具ではない武器術や格闘技」の場合です。


●弓矢や吹き矢も、相手や標的の不規則な動きを予測して放ちますが、
そもそもの肝心の発射速度が遅かったら、タイミングをいくら計っても、
とうてい実戦では、その「低速さ」を補えるものではありません。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●こうした結果から、手裏剣術側がもしも、
「手裏剣だけ」を持っている場合には、当たれば勝てますが、
避けられたら、「両手同時構えの両手打剣」をしないかぎりは絶体絶命です。

また最初の初打が、
適度な散らし範囲を持つ６本程度の「多本打ち」である場合は有利です。



●そうした「想定」の中で「手裏剣だけでは勝てない可能性」があるとして、
刀術を併用しなければ、とする「考え」が出てくるわけですが、


ここで、問題なのは、

山賊を相手に「先手を打って有利に相手を斬ること」なのではありません。
そんなことは、それこそ、強盗を相手にやることであったのでしょう。



●私が想定したのは、「礼節のある試合」です。


そうなると、「剣術のみの側」が、「手裏剣術のみ」に対して出来る、唯一の攻略法は、


>打たれる手裏剣を避けつつ、そのまま突撃して斬るか、

>または、剣術側は、ジグザグに動いて手裏剣の狙いをつけにくくする

というぐらいしか手立てがありません。

>あとは、せいぜい、コケ脅しの奇声でも上げて相手を威嚇する程度のことです。



これ以外の方法は、剣術側には、ほぼありません。
（剣術側が、逆に、刀を投げつけるなど以外には）



●そうなると「手裏剣術だけの側」にとっての「最大の課題」は、
手裏剣を避けつつ、自分に刃を向けて向かってくる相手をどう制するか、

または、相手を出来るだけ傷つけないようにしつつ、
その攻撃から、どうやって距離をとって、うまく回避するか、のみです。




●そこで「抜き身」で構えて手裏剣を投げた場合には、
手裏剣が当たれば、当たり所によっては、それで勝負は終わります。

相手にまだ余力があったらば、二本目の手裏剣を、やんわりと打つだけでも、
試合の「判定」としては、そこで終わりになるばずです。



もしも、剣術側が、打剣を避けて攻撃してきた場合には、

その時に手裏剣を打った側が剣術を出来る者であるとしたら
（つまり片方が刀術併用で、片方は剣術のみの場合）、

その時点では、勝負は実質的に「剣術　対　剣術」の状態ですから、
剣術の腕前が上である側が、当然に勝者となります。




■かくして、こんな「無意味に、面倒なこと」をするぐらいならば、


>そもそも、「剣術同士」で御前試合をしているほうが、

>ずっと品格も礼節もあります。


故に、「礼節もない山賊からの襲撃を相手に使うとされていた手裏剣」を、
試合で使うなど、本来は「あってはならない事」です。



●刀と手裏剣を併用することや、
あるいは、「手裏剣　対　刀術」の両者の試合などというものは、

>殿様が、暇つぶしに「見物したくて、武士に命じた　余興　だった」、

ぐらいに考えておくべきです。



■そのような、異種試合で、

しかも、片方は「手裏剣＋剣術」で有利になり、
片方は「刀のみ」で不利になる、などという、

>そんな「不平等な試合」を命じられた「剣士」の方も、
>たまったものではないのです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●それで、何度も同じことを言いますが、私の推測では、そうした御前試合などでも
手裏剣術側は、「手裏剣を避けられた経験」が必ずあるはずです。


そこから生まれたのが「刀術組込の形」であろうと私は推測しています。


何よりも「手裏剣を打つよりも前に」、刀を抜き身で構える時点で、
既に相手を制圧しようとしていますので、

それは、無礼な山賊に対して、
「先」をとって「まず手裏剣で不意打ちにする」ための技などとは、
とても思えません。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●ところで、あくまでも結果論なのですが、

面白いもので、無冥流がスポーツとして使用する「長剣」は、
１８０ｇから２００ｇほどあり、その長さと、先端の尖りかたから、
新品の畳一枚を裏まで抜けそうになることもあります。

つまり、きわめて「凶暴な剣」なのですが、
なぜか無冥流では、それをスポーツ用に使っています。

初心者にも、投げやすいことや、１０間でも通ること、
これが使用している理由です。



●一方で、今年「武術形」を作った時点で、
私は、使用する剣の重量を減らしましたが、
同時に、剣自体の持つ「殺傷力」も減らしました。


速度を出すために重量を減らした事も原因ですが、

長剣のような、致命的なほどのダメージを与えずに済む剣という
哲学的な要素を、そこに盛り込むことにしました。


そういう点で、剣の先端に刃をつけなかったり、威力を抑え気味に
改良しつつあります。


「武術形用なのにどうして？」と思うかもしれませんが、

武術形だからこそ、
危険な重量の手裏剣を避けて、相手へのダメージを抑えるのです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



★前にもリンクしましたが、
この最後の「形」は、何度も見ても良い形だと、しみじみ感じます。

近距離とは言え、スムーズな足の動きで、かつ起こりなく、速く、
しかも、一打もミスなく演武するのは、
なかなか難易度の高い形なのです。
↓

https://www.youtube.com/watch?v=pJl30ZKM5_s





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★ . 　　

>６／１９　１４：３０　文末に動画をひとつ追加しました。



無冥流は、なぜ打剣法において
「正対、逆体、順体」の３つを
バランスよく使うのか？



★逆体打ち


●無冥流に「形」が創られる前までは、すべて逆体打ちでした。

逆体打ちというのは、当然に、すべての手裏剣術流派が基本としているもので、
その最大の理由は、逆体打ちが投擲のフォームとして自然であり、
かつ、最も強力な打剣が可能だからです。


これついては、槍投げの選手や、野球の投手に順体で投げさせればわかります。
投擲術に類する運動をしている人たちには、順体には違和感があります。
実際に投擲力は逆体よりもかなり落ちます。

野球の野手も、補給の都合で、いたしかたない体勢になった場合のみ
順体で送球をしますが、通常は逆体で投げます。



●これは、決して「順体投げに慣れていない」とか、
どこぞかの阿呆が熱弁しているような、
「両手操作の剣術」を知らない奴らだからだ、云々の問題では全くなく、

>身体工学的に、逆体投げこそ「人体の投擲力を最大にする」ということです。

故に、特別な理由がないかぎり、投擲術を習得している人は、
わざわざ力を弱めてしまうような順体では、決して投げません。

順体打剣にのみ依存するのは、「投擲ができない者」のみであることは、
前の投稿でも明確に指摘したとおりです。


●これを機会に、剣術をやっている人たちは、
どんどんと「逆体打ち」へと変えると良いでしょう。

ようは、自分の利き手で、今までに過去に「物を投げ慣れてきた人」には、
逆体投げは、造作もなく、かつ自然であり、強い投擲になるのですから。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●ところで、欧米のナイフ投げは、そのほとんどが「順体」だったのです。

私はこれを「ダーツ姿勢」と名づけましたが、ダーツ投げのように、
投げる手の側の足を前にする姿勢で投げるのが、欧米の普通の投げ方でした。

この理由は、剣の「縦の回転」に決してブレを生じない為と、
何よりも、命中率が狂えば、
的の前に立っている助手に大怪我をさせることになるので、

>「速度よりも命中率を重視した結果」でした。


私が知るかぎり、逆体で、反転打または回転打でナイフスローをするのは
ジャックダカー氏のほかには、一人のみです。
あとはすべて、慎重に刺すために順体です。


●ただし、曲芸でのナイフスローでは、順体であっても逆体であっても
どちらでも必要なことは、絶対に体を捻らないことです。

わずかでも体を捻れば、命中率が狂ったり、剣の縦の回転に傾斜が生じ、
助手に大怪我をさせかねません。

そのために、

>「体の正面が真っ直ぐ前を向いている」のが曲芸のナイフ投げの特徴です。

速度は出さずに、慎重に狙う結果としてそうなったわけです。



★ところで、私が今までに見た中で、このドイツのブリット氏は、
最も大型のナイフを使用していた事例で、

かつ、また中型のナイフでも、その「命中率」においては、
ジャックダガーに並ぶ、トップクラスでした。

何が他のスローワーとレベルが違うか、というと、
助手の体とナイフの距離の「近さ」です。
↓





●が、一方で助手の体の脇に、
「いかなる場合も、絶対にミスなくナイフを刺す」という命中率は必要とせず、
「威力」を重視する「武術」または「スポーツ」としての投剣は、
出来るだけ威力を出すために、必然的に「逆体」になります。

特に「直打法」の場合には、逆体になります。



●ですから、この１０年で、ロシアのユーリ氏、アメリカのラルフ氏によって、
欧米で「直打法のナイフ投げ」が普及してからは、

それまで曲芸の世界では、ほとんど必ず「順体投げ」だったナイフ投げは、

>世界中で、またたく間に直打法による「逆体投げ」に変わりました。



私も基本的には「４間以上の距離」はすべて「逆体」で投げます。




●２００７年ごろまでは、無冥流も、逆体打ちのみでした。
それが、自然体や順体を取り入れたには理由があります。


それは「形」を作ろうと思ったことでした。


>「形」を作るうえで、順体打ちが必要になったのです。



というのも、「逆体打ちのみ」で形を形成しようとすると、
逆体打ち、逆歩打ち、・・・・・これで終わってしまうからです。

それでは形になりません。


空手や中国武術のように、
ある程度の時間、連続的に動き続ける仕組みを取り込むのであれば、
「逆体で３本程度打っておしまい」ということには出来ませんでした。


そこで、
逆体から「歩を進める工程（または手段）のひとつ」として、
順体、順歩というものを盛り込みました。



●また、「逆体でしか打てないと相手に読まれること」は武術的に不利ですので、
特に、武術的な要素の強くなる３間以内の距離では、

>逆体と順体、どちらでも打てる、ということが合理的だと考えました。

>むろん「順体でしか打てない者」も同様に武術的ではありません。



移動しながらの攻防の中では、必ずしも自分に都合のいい姿勢の、
逆体、または順体で常に打てるとは限りませんので、
どちらでも投げられるようにしておく必要があります。



そのために、無冥流には、逆体も順体も、どちらも盛り込まれ、

>さらには「後退しながらの打剣」も盛り込まれました。



あらゆる意味で、前後運動も含めて、

>完璧な「バランス」をもつ形になったのが、無冥流の「基本形」でした。

しかもそれには、次項の「自然体打剣」も含まれていました。




★自然体（正対）打ち


●「立ち姿勢での自然体打ち」というものは、古流でも現代流派も、
変化打ちの一種ぐらいにしか認識していません。

私が、どこの流派や体系も、基礎打剣には全く取り込んでいなかった、
この「自然体」を重視して、これを「最初に稽古すべき形である」
と、決めたのには、理由があります。



●自然体からの打剣（打ち終わりも自然体）、
これは武術的にも、その後の動きに「自由性」がありました。

>打ったあとで、３６０度の全方向に動きやすいことです。


また前回の動画で解説したように、「揃足」と並んで、

>抜刀への移行のしやすさで抜群なのが「打ち終わり」が「自然体」の場合です。



●それとともに、そうした武術的価値以上に、

>自然体での打剣というものが「直打法の手の運動を学ぶ」のに最も良い、

ということを確認したからでした。



下手に「足の踏み出しに依存した投げ方」をせず、

かつ「体重移動も使えない状態」で、「腰と腕の使い方」を覚えることが、

直打法の上達への早道であると認識したのでした。



●今でも私は、自然体から、そのまま踏み出さないで打つ「自然体打剣」は
たまに６間距離で行います。

これをしておくと、足を固定した「逆体の点打」「順体の点打」
そのどちらも、バランスの崩れが少なくなるのです。

（「点打」とは両足を固定したまま打剣する事の意味の新しい「造語」です）


★蛇足ですが、これは、非常に珍しい「自然体」からのトマホークスローです。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=OdJPeohWZy4





★順体打ち


●すでに述べたように、形をつくる都合上で順体打ちを取り入れました。

そもそも打剣の速度でも威力でも、人間工学的にも、
逆体打ちのほうが圧倒的に強いのですから、
何も順体打ちなど、特段に必要はありませんでした。


●が、これも、すでに述べたように、相手に、
「こいつは逆体でしか打ってこない」と読まれることは武術的には致命的です。
また既に述べたように「形」を作る上で、便利であったのも理由です。



●無冥流の手裏剣術の「基本形」の運足ベースとなったものは「太極拳」です。

そのために、中国武術と同様に、
逆体、順体の両方での、手による攻撃の姿勢もバランスよく盛り込まれている、
というだけではなく「後退」も含まれているのです。



●この基本形に、さらに「下手打ち」と「両手打ち」を包含すべきかどうかを、
その後に考えたことはあったのですが、
初心者用の「形」としては、あまりにもハードルが高くなりすぎることから、
基本形は、「利き腕による本打ちのみ」で構成しました。




★「基本形」と「武術形」の違い


●基本形は、とにかく、
「逆体でも順体でも打てる」、「点打でも歩打（動打）でも打てる」という事と、
足腰のバランス、後退運動と、まさに「すべての基礎」が含まれています。



■「基本の　形」の打ち方の順は、

>1/自然体打ち→　2/逆体点打→　3/順体点打→　4/逆歩打ち→　5/順歩打ち

>6/「順歩後退　逆体」打ち→　7/「逆歩後退　順体」打ち

>8/逆歩打ち→　9/送り足打ち→　10/直立打ち


この１０種類の打ち方で構成されています。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●では「武術の　形」はどうでしょうか？


無冥流の武術形は、起こりが少なく「揃足（せんそく）」で打つ、
というのが、「見かけ上の形」ですが、なんと、

第一動作から第七動作の「すべての打剣の直後に、刀を抜ける」のです。


もともとが、「いかにして、打剣直後に最速で抜刀するか」、
ということを目的として、新たに開発して組み立てたために、
次のすべての打剣動作から、すぐさま刀を抜ける状態にあります。



>1/自然体での打剣　→すぐに抜刀

>2/順体から「揃足」に移行しつつ打剣　→すぐに抜刀　→逆体

>3/逆体から「揃足」に移行しつつ打剣　→すぐに抜刀　→順体

>4/前足を後退して「揃足」で打剣　→すぐに抜刀　→逆体

>5/前足を後退して「揃足」で打剣　→すぐに抜刀　→順体

>6/順体から「揃足」で打剣　→逆体になった瞬間に抜刀

>7/順歩→逆歩と２歩進んで「横打ち（＝水平斬り、又は逆袈裟斬りに該当）」

（この応用は、この投稿の最後に「動画で実演」してあります。）



●つまり見た目には、刀を手に持たず、刀法併用に見えないにもかかわらず、

「見えない形」として、
すべての打剣直後に最速で「抜刀可能」な状態、という構成が内包されています。



●よって、剣術、抜刀術をすでに学んでいる人が、
この無冥流手裏剣術の「武術形」をマスターしてしまうと、
すぐさま「刀術組込」として応用できてしまうわけです。

むろんそのときに、剣術や抜刀術において、半端なものではなく、
きちんとした実力を養った人がやれば、なおさら完璧なものとなります。


●見世物根性で刀を振り回して手裏剣と併用するのでもない。

>形而下的には、そもそも「刀そのもの」すらも手にしていない。


それにもかかわらず、
この形の中のすべての打剣直後の部分に、
抜刀との「連結部が敷き詰められている」ということなのです。


ここが「基本形」との大きな違いです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●ただし、何度もいいますが、「手裏剣と刀の併用」などいうものは、
「どちら側の技」に対しても「品格を損なう」ので、
断じてやらないのが原則です。


そもそも、剣術だけ、あるいは単体の武術で負けがこんでいたとか、
勝っても、わずかばかりしかないその戦績に、ずっとしがみついている、とか、

剣術の世界の人の中では、勝てなかったような者に限って、
手裏剣を「併せて使おう」、などという事を、はじめるからです。


なぜならば、剣術に自信があれば（剣道などでも）剣士を相手に、
十分に勝ってきた経験の積み重ねがありますので、
二刀流にこじつけた手裏剣などという「横道」には逸れたりしません。


いずれにしても、直打法であっても、
ただ物を手裏剣に投げつけるという手裏剣術であっても、手裏剣術というのは、

そういう者の本人の過去の、「恨み節の、うさ晴らし」の道具ではありません。



●困ったもので、もともと、直打法手裏剣術のみをやっていた流派は別格として、
他の武術から投剣の世界に流れてくる者の「性根」を見ていると、

手裏剣術というものが、まるで、

>他の武術で、うだつがあがらなかった敗者の、
>「武術難民キャンプ」のようになっているとすら見えました。


それで、結局、そういう、まるで浮かばれない浮遊霊のような人たちは、
何を始めるかというのも、いつもいつも、これが毎度同じパターンなのです。


>彼らが必ずやるのは「自分の売りに出来そうな合成品」の捏造です。


実力のなさを誤魔化したり、または、過去にどこかで、ボコボコにされたか、
または、軽く無視された、などの秘めた「屈辱」を隠すための、

うおさおして、「変な売り物」を、焦って作り出そうとするのですが、
いつもその工程も、仕上がりも、「いびつ」なのです。


直打法というものの中に、「身体操作論」等を混ぜたがるのもしかり、
「刀法」やら「格闘技論やら」あげくに「精神精進論」までをも、
必死こいて、混ぜたがるのも、しかり。

どちらも、まったく「同類」の「心の難民」です。



●実際、自分の持ち場の武術で満足している人たちのほうが、よっぽど精神も健全ですし、
何よりも、手裏剣などは、一瞥しただけで、見向きもしなかった人たちは、
「その人たちのいる武術の世界」での「実力」があるのだと思います。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●ただし、直打法手裏剣術のみを、やってみて「楽しみたい」、という動機から、
他の武術とはまったく関連させずに、単純に「遊戯」として興味を持つ人たちは、
ピュアで、精神的にも歪んでおらず、正常なようです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●さて、このように原則として刀術は併用してはなりませんが、
もしも、どうしても、いたしかたない理由があって、
目に見える形で、刀を実際に構える場合にも、

以前にお見せしたように、その「刀術組込の形」は、たった「二つのみ」です。


その際も、刀は決して振り回しません。

まず、真っ直ぐ前方に構え、持ち上げ、
そして、「静かに、上から下に下ろすのみ」です。

これを逆体と順体の構えから行うという二種のみです。



その動きだけで、その防御が完璧であることを、示しています。



●「抜き身で構える」という点では、根岸流の刀術組込の形と同じですが、
無冥流の併用形では、刀を強く振るということは、決してしません。




無冥流の「形」の紹介
基本形・武術形・刀術組込形・前後打ちの形






「武術形」の中に隠されている抜刀への連動









＊＊＊＊＊＊＊＊＊

★ . 　　

打ち終わりが
自然体・逆体・順体の場合の動きの差


■先日の「順体姿勢」が「次の動きを阻害しやすい」ということを
今回は、「実演」を中心にして解説してあります。
↓





■順体打ちは、「打剣力」で逆体打ちよりも劣り、しかも、
打った後の刀術を制限してしまう。
つまり、全く「良いところなし」




・結論・

根岸流の刀術組込みの形が最強である


●すでに結論が出ているように、そもそも、手裏剣を打った後に抜刀をする、
といった余計なことをせず、逆体で抜き身で構えることに勝る
刀法併用手裏剣術はない、ということです。



・突進して、１間半から２間の距離を縮めるのに必要な時間は、
　０．７秒〜１秒である。

・打剣後に、最速で刀の柄に手がかかっても、
　残り時間は、わずか０．２秒〜０．５秒。

・「抜き身からの打剣」以外では、この速度に間に合う可能性は極めて低い。




今回の動画は、仮に、いたしかたなく、打剣から抜刀という流れに
なったとしても、逆体構えが有利であり、順体構えは動きの足をひっぱる、
ということを論じたに過ぎず、

結局のところ、合理性に基づく強さを求めるのであれば、抜き身での、
「根岸流の形に行き着く」ことはすでにこの掲示板で結論したとおりである。




●よって、もしも、それ以上のことをしようとするとしたらば、

鳴かず飛ばずの状態で、冴えなかったエゴが、しゃしゃり出るために
「妄想の中で、武術を、いじっているだけ」ということであり、
断じて、それは研究心や学びの精神ではなく、

エゴがその出番を貰える場を探して、うろうろとしてるだけの、
ただの「オレオレ主義」ということである。

必要以上に想定する敵の数や位置を増やすのは、
ただのチャンバラ志向です。


最もありふれたものは

「他人と違った事をすること」でしか「俺様はお前らと違うんだ」
　と「他人を馬鹿にする」ことが出来ない、一種の人格障害ですが、

この主な原因は「劣等感や敗北感」あるいは「中途半端さ」、
または、「他者からの軽蔑」に対する、屈辱からの恨み節のみですが、

それらに対しても、
「卑下するふりによって、自己麻痺の中に逃避する」のも
毎度毎度同じＡＣ人格のパターンです。

つまり「卑下慢」というのは、
一種のアルコール中毒（心の緩衝材中毒）とも同じです。




●結局、こうした物事に陥ってしまう動機は、
すべて、子供時代の「未解決」のトラウマに起因している、
ということは、大原則です。
（特に家庭内が大きいが、イジメ被害も関与する）


むろん、武術や武道をしてきても、
そういう心の問題を抱えていない人たちもいます。



その見分け方は非常に簡単で、何の振る舞いもせずとも、

その「立ち姿」だけで、わかります。


「姿勢」のよしあしではなく、「立ち姿」です。


問題を持つ人は、常にそれが歪んでいる。

そして、それは躾や訓練では決して矯正が出来ないものなのです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■また、とにかく、手裏剣術でビジネスをしています、とか、
手裏剣術の教室をやっていますとか、
うちの武道場では、手裏剣術も、やっています、
といった看板を掲げているところの、ほとんどが、

肝心の「動画」がないか、または極端に少ない、という点がまず駄目です。


商売をしたい人は、技術面で、しかたなく伏せる部分はあったとしても、
きちんとした撮影方法と、正しいアングルで打剣者と標的を同時に撮影し、
トリックがないことや、
「うまく刺さったところしか撮影していない」
「良いところ撮りだ」とは言われない形で、

何度でも、繰り返し同じ現象が再現可能であることを、
証明しないとなりません。

私のように、時には失敗もそのまま記録すべきです。



■また、動画をアップするということは、
それによって時には多数の批判を浴びることも覚悟し、
それを糧として、自分の技を磨くチャンスとなります。


こうした姿勢もなしに、ほとんどインチキの打剣に近い動画しか
アップしていないところもあれば、宣伝の為のさわり程度のものもあれば、

あるいは、ひどく汚らしく、「醜い動機」の悪臭漂う動画もあります。




■いずれにしても、高価なビデオカメラである必要もなく、
私などは、１万円台の「前時代の古いデジカメ」の動画機能しか使っていません。
そうであっても、かなり鮮明な画像を残せます。



■ですから、手裏剣術のサイトや、手裏剣術をやっているという道場を見たら
まず、そこの「動画」を徹底して探すことです。

どうしても動画の資料を、お金を出して買う必要が出れば買えばいいだけですが、
特に重要なのは、編集されたものではなく、未編集の「普段の打剣」です。



そういうものを、他人に頼るのではなく、「自分の手で」アップし、
複数の人たちに、何度も再生され、スローでも分析されるという形で、
自分の演武をさらすという、努力や覚悟もなしに、
手裏剣術などの会や組織を作ってはなりません。



■また、手裏剣術をやってみたいと思った人が、選ぶ際にも、
能書きや、文章ばかりが多いところ、は却下です。

また「写真」しか載っていない所もだめです。
写真はいかようにでも誤魔化せますので、
たいして技量がない人が、手裏剣を教えていたりします。



とにかく、きちんとした、わかりやすい「動画」が出ているところを観察して、
その動画から、そこの代表者のレベルの程度を判断して、決めることです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■ところで、私の自分の投剣を自分自身の目でも、
映像として長く見てきましたが、

ここ最近の打剣は、確かに無駄がそぎ落とされて、
「洗練」されたという意味では、悪くはないのですが、

しかし、数年前のほうが、野生的で生きた剣であった一面もある、
ということも、たまに確認します。


たとえば、下記の動画は、とても面白いもので、
「後退しながらの打剣」なのですが、
ここ最近の「武術形」とはまったく「異なる方法」を使っています。



■「武術形」における後退しながらの打剣は、
「重心を安定的に移動しながら」行っているのですが、

次の動画で私がやっていることは、まったくそれとは違い、
むしろ、「基本形」では、この方法を今も使っています。


７年以上も前の動画で、まだ、画質の悪いカメラでしたが、
残しておいて良かったと思う画像のひとつでした。

↓




■この動画で使用している剣は２００ｇ前後でかなり重いです。

が、この技法に関しては、重い剣のほうがやりやすいのです。


なぜならば、ここで打剣とともに、長い距離を「後退」しているその力は、
「剣の重量から生まれている」からです。



■非常にわかりやすくいうと、

「手のひらで壁を押すことで、後ろに跳ねているようなもの」と例えられます。


剣を壁のような感覚で押して、「その反動で後ろに移動している」わけです。

あるいは後ろに飛ぶその反動を剣に乗せているともいえます。


距離は最大で４間半からやっていますが、
うまく後退できるのには、コツをつかむ必要がありました。



今では、これは、ほとんど使わなくなった方法ですが、
こうしたいろいろな、たくさんの種類の実験や模索を、積み重ねてきた
ということが、今日の無冥流の土壌となっています。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


何年も手裏剣を稽古しているのに
上達しない者の原因


●それは簡単なことです。

ごくごく「基礎的な稽古法」すらも取り入れず、

稽古法に何の工夫もせずに、ただ放り投げて刺すだけとか、

独りよがりで、自分のやりやすい稽古だけを、
惰性でダラダラと続ける人は、上達していません。



●下記の動画を見るとわかるように、

的に刺すという「単純な技」ですら、
「やらねばならない事」はたくさんあります。


自分に対して、これぐらいの課題を課すことも思いつかず、実行もしなかったら、

それは何年やっていても、他人に教える事など出来ないような、
「素人に、うぶ毛の生えた程度」に留まるに決まっています。



●また、手裏剣術で、生徒さんに昇段など与えるというのは、
このぐらいのレベルを「どこまでできるか」で評価しなければなりません。

私が知っているある手裏剣の会やある流派の昇段のレベルは、あまりにも低すぎました。
手裏剣術、直打法投剣術を、見下げて冒涜しているかのようでした。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■以下の動画は、今現在の私の打法とはまた違う、当時の私の打法ですが、
見ると懐かしいものです。
まだ、現在の形に体系化される前の打ち方ですね。

↓

★基本稽古その１






★基本稽古その２









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

知新流の「初心者でない者」の打ち方は
「踏み出さず」＋「逆体」




●このことは前にも釘をさしておきましたが、
「投げるという動作が出来ない人」は、とかく順体に依存します。


これを理解するために、今ここをご覧の人は、
利き腕でない手で、（手裏剣ではなくて）ゴムボールでよいので、
投げてみてください。

すると、利き手でない手、つまり投げることが出来ない手では、
必ず、順体、つまり投げる手の側の足を踏み出すほうが、
楽に投げられるように感じます。


実際に、普通に、逆体で、物を投げるという動作は、
投げる腕の側の「足の蹴りを手に伝える」という、
ある程度高度な運動が必要です。

多くの人は右利きでしょうから、「左手」でボールを投げてみてください。
室内ならば、箸でも、紙くずでもいいです。
（ただしある程度「重量のある物体」の方が、より分かり易いです）



右手が利き手の人が、もしも左手で「逆体で」投げようすると、

１／「腰がうまく使えず」、

２／「左足の力」を「左手に伝達する事」がうまくゆかないはずです。


結果として、左足を踏み出してしまったほうが楽に投げられると思い込みます。

しかし、それでは投擲術＝投げるという動作にはならないのです。



だから、右手でも左手でも、どちらでも「順体の投擲」に固執する者は、

>そもそも、逆体で投げる動作が出来ないので、楽な順体に固執した、

とみなすのが妥当です。


実際、剣術をやっている人であっても、
「草野球などで遊んでいた人」であれば、逆体での打剣に何の違和感もないはずです。


>その人が、何の武術をしてきたかとか、
>それが順体系か、逆体系かには「全く関係なく」、


>そもそも「普通に逆体で投げるという動作を、人生の中でしてきたかどうか」、
>これだけが、手裏剣術には深く関係してきます。



ですから、手裏剣術をする者は、
ごたごた、みっともない「いい訳」を言わずに、

>普通に、徹底して「逆体」で投げる「基礎」を訓練すればいいのです。



普通に逆体で投げるというのは、ある程度高度な運動でもあるのですが、
小学校のときに球技などや、石投げや、草野球をしていれば
当たり前に習得していたはずで、全く大したことではありません。


しかし、投げる動作の出来ない人のことを、相手の身になって、
自分の身で経験したければ、利き腕でない手で投げれば、
なぜ、そういう人が「順体に執拗にしがみつくか」が、理解できます。


普通に物を投げる動作が苦手な者は、
２間や３間程度では、逆体投げで、なんとか届いていても、
「逆体での４間以上の距離」になると、とたんに弱い投げになるのです。



■いずれにしても、某サイトでの、下記の知新流の文書解釈も誤読である。

そもそも「棟押し」の飛刀法などは、存在しておらず、
単に、棟に掌を添えて、柄を下げぎみにしてから、
「下手から」、刀を相手に向けて「投げつける技」であるのに、それを、

「上手からの刀の投げ方」であろう、などと、それこそ、
予定調和的な結論や推論に押し込めてしまっているので、
とにかく、あてになりません。



>>飛龍剣＝刀を抜き「下段」に構えて
>>「左手」は柄、「右手」は剣の棟に掌をそえる。
>>太刀を打つ際には剣を一度上段に振り上げ
>>打ち出す手離れの時に柄の部分を下げて離す。
↑
たびたび出てくる「左と右」の相互誤植です。

原稿の文字が「草書体」であった場合でも左右を間違えることはない。
最も可能性として考えられるのは、「藤田氏の文字が汚すぎて」、
活版屋が判読できなかったことと、藤田氏自身の校正ミスによるものです。
（ほかにも左と右の誤植がある）

また、構えは「下段」とあり「脇構え」ではないことに注意。


　


ちなみに右の「棟押し投法」を使うと、刀は５間ぐらいまで直打で刺せます。
単純に「片手」で投げた場合には、刀は直打で４間距離で刺さります。




順体打剣は刀法併用として無駄な動き



◆まずは、古流剣術に、
「順体構え」からの「抜刀」はあるのか？
　　↓
（ほとんど）ない


動画での解説となります。

順体で踏み出したと同時の抜刀や斬りは、当前にありますが、
「順体になった姿勢のあと」からの抜刀は、わずかにしか存在しません。


ここは６／１５　２２：００に追記
↓

>しかも、制定居合の１１本目の「総切り」は、実質的には、
>右足を踏み出しつつ抜いているので明らかに違いますし、

>夢想神伝流の「逆刀」は「立ち上がる動作の中での抜刀」であるので
>「打剣という動作後の順体姿勢」からの抜刀とは相当に異なっています。







■打ち終わりが順体の姿勢の場合には、その次の抜刀は種類が限られます。


>>１／左足を進めて抜刀→右足を進めて斬り

>>２／左足を進めると同時に抜刀→体重が左足にかかると同時に逆袈裟

>>３／腰の右側で抜刀して→突き、または切り上げ

>>４／前に傾いた重心を、いったん前後の中心に戻してからその場で抜刀



しかし、打ち終わりの姿勢が「逆体」もしくは「正体した自然体」であると、
剣術の人たちは違和感なくスムーズに次の動き（抜刀その他）が出来ます。



■さらには、無冥流が「蒸留」をした結果到達した、

>「揃足」への運足　＋　かつ「起こりのない渾身の強く速い打剣」をすると、

>「打ち終わった時の姿勢」は、

>「逆体でもなく、順体でもなく、自然体ですらない」ために、

>打ち終わり直後に、「前後左右」のどの方向にも身体を移動することが出来ます。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●言うまでもなく今回の解説は「抜き身での順体構え」のことではありません。


順体打剣をした直後の、いまだ抜刀をしていない状態では、

その直後に一度、「自然体に近い形」か、
または、重心を中心に戻すとか、あるいは後方の足を一歩踏み出して、
剣術をやりやすい体勢に直す、という「無駄な手間」が入ります。



その点で言えば、「前回に投稿した動画」で私がしたように、
「自然体で打った後に、歩を進めて抜刀する」という方が、まだしも合理的です。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■お遊びの「的当て曲芸」であれば、
いいかげんな体重配分の「順体打剣」で、
４間や５間での、ひょろひょろで、空中で、斜めになりまくっている
ような剣を打ってもしかたありませんし、

または、「刀なしに、打剣のみで勝負する流派」なのであれば、
「順体打剣」にも意味が出てくるが、


「攻防性のある武術」では、
「順体構えからの抜刀」などは「古流」にすら、ほとんどないのである。



つまり刀を併用する際の「対人攻防の動き」すらもよく分かっていない者が、
順体に固執するのである。





■「抜刀前の姿勢」の参考動画■


古流のどの流派にも、
「順体の姿勢からの抜刀」は、「ほとんどない」と言えます。


なお、肉眼で実速で見て分からない人の場合には、Ｙｏｕ−Ｔｕｂｅの画面の、
「歯車のマーク」をクリックして、「設定」で、
「速度」のところを、０．５か０．２５にすれば良い。
　　



１／【夢想神伝流】
　　↓
https://www.youtube.com/watch?v=tmpw9QG2haU


右足を踏み出しながらの紛らわしい抜刀はあるが、
踏み出した状態からはではない。（座居での抜刀で一箇所のみ）

しかし、刀の速度と釣り合いが取れていないほどに、樋が音を立てすぎていて、
個人的には好きではないです。



２／【夢想神伝流】
　　↓
https://www.youtube.com/watch?v=94zKRZjvGiQ

唯一、四方斬りの初動部分にあるが、
これは順歩姿勢から抜いている、とは言えないものである。



３／【無双直伝英信流】
　　この動画は、すべて立ち居合いなので分かり易い。
　　動画中の「総留」は明らかに「順体からの」抜刀ではありません。
　　↓
https://www.youtube.com/watch?v=yT0v9FR2DDs



４／【柳生新陰流】
　　↓
https://www.youtube.com/watch?v=jzNCag-hlIQ


順体姿勢からの抜刀に見えるものはない。

「蛇足」ではあるが、甲冑をつけての近距離攻防も配慮されており、
この流派では、
「逆体での突き」もあり、
「逆体での抜刀」もあり、
「逆体での斬り」もあります。

余談ですが、珍しい「逆体での抜刀」で知られているのは「浮雲」です。



５／順体構えから抜いているのは唯一、この三尺刀の動画でした。
　　鞘が長い為の方策と思われます。
　　↓
https://youtu.be/eWmkbzImrFQ?t=4m8s



６／このように、右膝を立てた状態からの抜刀はよくありますが、
　　打剣直後の重心とは全く違います。
　　↓
https://www.youtube.com/watch?v=zQU-N1y2IQ8



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



２７年度　無冥流　夏季合宿稽古項目


●現状考えられる「全ての種類の打剣動作」を実際の金属剣で打剣し、
対する側も、金属刀で斬り込んでゆき、それを撮影し、検証する。
（むろん両者の位置は、ずらして行う）


実際の金属剣を使用する理由は、
軽い模擬剣では、小手先で投げられてしまい現実の打剣と異なるためである。



また、前述の検証は、相手の動いた瞬間を見て攻撃にかかるその先手を、
剣術側と打剣側の両方において行う。

それを真横から撮影し、どの、歩法、打法、刀法併用は、
剣術の攻めに対して間に合わないかを証明する。


●なぜ無冥流の「武術形」が形成されたかの理由を理解する為の稽古。


●「起こりのない、かつ強力な打剣」を、
「自然体打法」「足固定打法（点打）」「揃足打法」で徹底稽古する


●「打剣直後に左右に動けるようにもする」


●無冥流の非武術型の２間から１０間打ちの全フォームの再チェック。


●もしも時間があれば、無冥流の「横打ち」と「形」の稽古も。



後日、後述。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

★ . 　　

根岸流の刀術組込み形の完成度の高さ

■なぜ「予備動作」があるのかの説明（＝ただし推論）その他。
　↓



>↑この動画は１６／１３　１３：５０に更新しました。



＞一部お詫びと訂正となります。

>>原型の刀術組込の形では、手裏剣を構えるまでの間に、
>>刀は「左側頭部」にあります。ただし「防戦効果」は同じです。


オリジナルの形の動画
↓
https://www.youtube.com/watch?v=tnp9tcd5bpI&feature=youtu.be&t=20m50s



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■ちなみに、手を下に垂らした状態から→打剣→柄に手がかかるまでは、
早くて０．９秒、遅いと１秒ぐらいかかっていました。

「構えたところから打つ」という場合には、
打ち始めてから、柄に手がかかるまでは約０．５秒でした。

垂らした手が動いた瞬間から、構えの位置にあがるまでは、
大体０．３秒強、ほどかかっていました。




この形を「順体構え」でやってはならない

■根岸流の刀術組込み形は、必ず逆体から打剣しなければならず、
これを、順体固執信者が、順体構えでやってはならない。

「５本目」の形は、打ち終わりが逆体でないと、
その次の右足の順歩での抜刀がスムーズ出来ないこともある。


この形の構えからの「順歩打剣」をしてはならない

■さらに、この刀術組込み形で、絶対にやってはならないのは、
逆体もしくは順体から「順歩」による打剣である。



「打剣してから抜刀」の速度の比較

■次に「抜き身」ではなく、「打剣してからの抜刀のパターン」ですが、
ここでは、違いをわかりやすくするために、
抜刀は抜ききらずに「柄が側頭部か、または左腰の前方」に来たところで、
あえて止めています。

それによって以下のパターンをすべて行うと、違いがよくわかります。


１／自然体打剣からの「逆歩と順歩」での抜刀

２／逆体固定の打剣から抜刀

３／順体固定の打剣から抜刀

４／逆体から逆歩の打剣から抜刀

５／順体から順歩の打剣から抜刀



揃足（せんそく）での打剣

「揃足（せんそく）」とは私の造語です。

両足が揃った状態で打剣をする状態が、過去の古流の体系にも、
現代流派の中すらもないために、新しく用語を造らざるをえなくなりました。


たとえば、自然体での打剣というものはあるかもしれませんが、
それらは肩幅に開くので「直立」に近い「揃足」ではありません。
（しかし、自然体の打剣すら、見たことはないです）

また、自然体での片手打剣を非常に重視してきたのも、無冥流しかなく、
基本形や武術形の中にも必ず「自然体打剣」が組み込まれています。



■座打ちは結果としては一種の自然体なのかもしれませんが、
立って行うのは当流だけです。

両手で交互に打つタイプの打剣は、単にやりやすくしようとする結果として、
自然体になってしまっただけで、
意図的に自然体を重視しているわけではありません。
また、それは「揃足」ではありません。




結果や結論は、あとから生ずるもの


●物事は何事でもそうですが、結果、あるいは結論というものは、
激しい探求、または深い「探求の結果」として、後から生ずるものであって、
予定調和的に、最初に、そこにおいておくべきものではありません。

「結論先にありき」は、最も「非科学的で、非客観的な姿勢」です。


結論や結果というものは「最後の最後」になって、立ち現れてくるのであって、
最初に結論を用意するのは、科学実験の世界では絶対にあってはならないことです。



●途中で起きる、あらゆる予測できなかった事象や、
時には「反証」にすらなってしまう現象をも「すべて認めて、汲み上げて」から、
そこから整理と精査をして結論を出すのが、科学的姿勢として当たり前です。



●この重要な手順を無視して、

>「こうなるはずだ」「こうであるべきだ」「こうであって欲しい」

という「下心」を握り締めたまま行うことは、すべて、
ただの「信仰」またはカルトとすら言ってよいものです。




■少し違う話ですが、つい最近、某流派が、海外でのレクチャーで

「手裏剣術というのは手裏剣だけではなくて、投げた後に、
　刀で留めを刺すものなのです」

などと、自分の流派の「現状のレクチャー」の中では、
きちんと実演をやってもいないことを、平気で説明する姿を見て、
口あんぐりでした。


●しかし、一方で、では「手裏剣を投げてから刀で斬る」を、
「実演したらそれでいいのか？」、となると、
むしろ（特に他人様の前）では「やってはならないこと」となります。


私がここのところ、再三にわたり、解説し説明し、
その根拠も、きちんと羅列してきたように、

そもそも、

「直打法」で手裏剣を投げてから、「刀で攻める」というものは、
ほとんど、幻想チャンバラの世界です。


何よりも「剣術」の世界の中にあっては、
過去に「二刀流」としては有り得たり（現代では剣道の試合であったり）、
またはそれが「礼儀ある試合」として成立するでしょう。

なぜならば、刀が届く距離が、お互いの勝負の対等な間合いですから。


しかし、

>相手の武器の届かない間合いから、物体を手裏剣に打つなどということは、
>江戸時代以後の、作法や礼法を編み出した武士のすることではありません。

（鎖鎌については、「半・飛び道具」といった感じでしょうか）




■江戸時代より以前の時代で「勝てば、手段は何でもいい」という考え方ならば、
刀や武器を「刺すことを重視せず、投げつける＝打ちつける」ということは、
本能的に、または必要に迫られて行ったであろうことは推察できます。


しかし、「刺す事」を重視する「直打法」は、
それとは独立した「技、または芸」の領域であることは、
ここで、今さら、繰り返し言うまでもありません。




剣術に手裏剣術を混ぜると
剣術の品格が汚される


●余談となりますが、下記のような抜刀術・剣術を観れば、
こうした「完成された美」を持つ演武の中に、

手裏剣や、刀飛芸、などというものが割り込んだら、
どれだけ、それが剣術の品格を落とすものか、誰でもわかるはずです。


ここに手裏剣術が割り込む有様を、どうか想像してみてください。

刀そのものの美しさも、動きの美しさも「台無し」になります。

そう思わない人がいるのでしょうか？



■日本刀というものに、全くシンパシーを感じないこの私ですらも、
こういう人たちの演武は高く評価しますし、

もしも自分が教わる機会がこの人生の中であったのであれば、
こうした人たちに教わったと思います。

これらの人たちから私が感じるのは、本物の「追求心」です。
↓


「関口流／山田道場」
　　　（演武者によっても差があるのでしょうが、
　　　　必要不可欠な殺気、または品格があると個人的には感じました）

１
http://www.yourepeat.com/watch/?v=-iVKJmEIAFc

２
http://www.yourepeat.com/watch/?v=NmeBcsNoS78


「奄美養心流　抜刀術」
（こちらは古流なのかそうでないのか、私はまったく知りませんが、
　抜刀の確かな力強さが、気に入りました。
　最初に逆手で畳表を切っていますね）

http://www.yourepeat.com/watch/?v=1d6rdkZ5jew


こういう動きの中には、
「手裏剣など割り込んではならない」、と思わないのであれば、
美的センスのなさのからも、人格的にも問題ありです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■つまるところ、

剣術で生計を立てるプロではなくて「趣味」としてやってきた人が、
「直打法手裏剣術」という、
いまだ（いいかげんという意味でも）未開な分野に、
着手したり、足を踏み込む場合の「理由」「背景」「動機」というのは、

>私の目から見ると、その人たちが、そもそも、その剣術や抜刀術においてすらも、
>技や、その腕前が「未熟」「半端」であるために、

>その剣術の至らなさの穴埋めに、
>直打法手裏剣術を悪用・誤用していると私は感じました。



実際、その人たちは、自らの「抜刀・剣術の動画」をアップロードしていません。
つまり、自ら進んで「他者からの批判に自分を晒す」ということを、
「していない」のも、特徴でした。



●一方で、剣術や武術をやってきたのであっても、
剣術や武術「とは別に」、非常に長く手裏剣術やってきた人は、
安直に、併用などしていません。

（私の知るかぎりでは、甲野氏すら刀との併用などしていません。
講習会の余興などで遊びではやった事があるかどうかは、私は知りませんが）



●逆に「手裏剣術を中心とする流派」が刀術を組み込んだ場合となると、
今回テーマにした根岸流が代表例となるのですが、

刀術組込みの形は、常に、代表者また古参の方、
（以前は、齋藤宗家や苫米地師範でしたが）が、

最後に、「つつましく行う」のみであり、メインはあくまでも
「直打法手裏剣術」にありましたし、今もそうです。


●以前に、苫米地師範が、演武中に納刀を逆にしてしまい、
剣術側の人たちから陰で批判をされたこともあるようですが、
（最初に鞘を逆向きにしてから抜刀をしたためと思われますが）

私に言わせれば、そんなことは問題ではありませんし、
根岸流の場合には、刀術の部分は、ある意味では「おまけ」でいいのです。

「その形自体が、非常に完成度の高い刀術組込みの形」なのですから、

文化遺産としてずっと残すために、
控えめに、演武の最後に「その確かな存在感を示す」ということで、
十分な価値を持っていると、私個人は思っています。



●もしも、根岸流の演武者の刀の振りに文句があるならば、剣術をやっている側は、
直打法の手裏剣術の基礎を、たんまりと４年ほど稽古してから、
自分で他人に文句のつけられない刀の操作をやればいいのですから。


ただし、今回の投稿のように、
直打法の専門でもない人は、肝心の「構え」などの部分には、
「思慮のない改変」や「創作」を勝手にしてはならないということです。

また「投擲術」というものは、
各自が何の武術を背景にしてきたかに「全く関係なく」、また距離に関係なく
「逆体」「逆歩」が原則です。
これは「投擲術の原則」ですので、崩してはなりません。

順体打剣は、体勢の都合上で緊急性がある場合のみの使用法です。



しかしながら、そうは言っても、やはり、

>剣術・抜刀術は、
>「それ単体の演武」であってこそ価値があると、私個人は思います。





●また、そもそも手裏剣術を教えるなどというレベルから遥かに遠い人が、
他人様に教えてしまっていたり、教室や同好会を開いている例も、
身近にも見ましたし、あるいは遠巻きに、数例ほど見ました。

（ただし、こうしたレベルの低さは「手裏剣術の専門流派」には、
　ほとんどありません。
　決まってそれは、手裏剣術ではない「他武術・他武道」が中心の、
　流派または個人においてでした）





　　　　　　　　◆◆◆





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

「形」の重要性


●一定の距離（３間、４間など）から、
同じ立ち方や、同じ打ち方で、５本ないしは１０本の剣を刺す、
ということは、それほど難しいことではなく、慣れの問題です。

（それでも何年もやっていても、５本すら刺せない人もいるわけですが）



●しかし、移動距離は僅か（半歩ほど）であっても「前後に移動」したり、
「逆体と順体」の「打ち姿勢が、入れ替わる」と話は違ってきます。

たったそれだけで、刺さりにくくなる人も多いはずです。



●すでに２００８年の３月に無冥流の「基本形」は完成しており
今日も、全くそれは変わっていません。（それほど完成度が高いわけです）

この「形」の中には、「逆体」「順体」の入れ替わり、
前進、後退、自然体、と、おおよそ全ての重要な要素が入っています。


この８年間に、無冥流に関わった人たちも、関わらずに自習していた人たちも、
この「形」をきちんと稽古したのか、疑問です。


この形さえ、最初からみっちりと稽古したり、
または基礎の「教習科目」に組み込んでいれば、

今ごろになっても、まだ基礎すら出来ていない、
などという醜態にならずに、済んだからです。


●この重要な基本を飛ばしてしまい、武術形の創作だの、
前後打ちだの、変化打ちだの、併用形などに、手を出しても、
「基本がおろそか」になっているのですから「ダメ」に決まっています。



下記のリンク先は、２００８年当時の画像ですが、いかに重要かがわかるはずです。

基本形は、「足は固定して打つ　＋　踏み出して打つ」を基礎にしていますが、

ここ最近の「第三の形」である「武術形」は、
片足が浮いた瞬間に打つ、という違いはあります。

しかし、まず「基本」となるのはこれです。
↓

https://www.youtube.com/watch?v=kaS-NPJR8Ps



↑
ここは６／７に追記しました。




座打ちで五間と四間＆抜刀遊び


>6/6夕方。投稿の後ろの方に、動画をひとつ追加しました。


>この冒頭の動画は、6/6に更新。　　
↓

●本論に行く前に、前回の投稿の動画で宿題にしていた、
「中距離での座打ち」を試してみましたので、冒頭に挿入しました。

とりあえず、４間、５間では問題ありませんでしたが、
あくまでも、これはスポーツ遊戯としての剣速です。


最後の「おまけ」は、座打ちからの抜刀ですが、
もしも手裏剣を避けられてしまったら、
これでは遅すぎて、相手に逃げられるか、反撃されてしまいますね。
↓







自己満足ではない体系が生まれる理由





●私は仕上がったこれらの術を見て、どこにも自己満足のかけらもない
ということを確認して、非常に安心しました。


これらは、主に手裏剣術をしている側の人たち、
剣術に組み込もうとして失敗し続けている人たち、
その両方の思い、気持ち、ジレンマを汲み取って、
きわめてパーフェクトな形にまとめることが出来たからです。


●なぜ、こうした非利己的で、自己陶酔に決して陥らないものが出来上がるか
という理由は、非常に簡単なことです。


それは、私自身が、

純粋に「何をどうしたいか？　そのためにはどうすればいいか？」

これだけしか、物事をする時に、考えていないからです。

（手裏剣に限らず、放射能測定でも、男女和合の性の術でも、
仕事でも、何でも同じです）



●誰に勝とうとか、世間にどう見られるかとか、見栄えがどうだとか、
他人の為とか、自分の為とかすら、何も考えていません。

今回の技を生み出した原動力は、たったひとつの課題でした。
それは、

「敵が自分の投げた手裏剣を、避けて攻撃してきたら、どうすべきか？」


これのみです。



●奇襲的な、先制攻撃や、威嚇攻撃をかけて、
そこそこ自分の側を有利に運ぶ「チャンバラ劇」などならば、
それこそ、誰にでも出来るのです。

打剣はそこそこで、そのあとに、いかにも俺様は剣術やってます、
みたいに刀を振り回してしまえば、それでおしまいです。

というより、そういうことは、そもそも剣術の世界でやっていればいいのです。


しかし、手裏剣術、ことに「直打法」を、
他の武器術に「付け足す」ということがまず駄目です。

それはどう理屈をつけて説明しても、「見世物芸」です。



●今回の「打剣」「歩法」「刀術組み込み」（両手打ちは基本的に不要と考えています）

これは、手裏剣を専門とする流儀の側、剣術を専門とする流儀の側、

そのどちら側のスタンスにも、私は立っていません。

どちらのスタンスにも立っている、とも言い換えられます。


私が一環して言ってきたように、
ここで見つけようと試行錯誤していたのは、

>その二つの「接続部分」「接合点」

だったのです。





失敗した人々


●しかしそれに失敗し続けてきた人たちを私は見てきました。

そうした個人・道場・組織は、名前を具体的に列挙できるぐらいにあります。

少なくとも６つか７つは、その名前を挙げることが出来ますし、
おのおの、どこが間違っていたかも個別に指摘できます。



●一番失敗し続けたのは「剣術」側にいた人たちです。

剣術に自己同化しすぎて、価値観まで犯されているが故に、
手裏剣術の理を、無理やり剣術の側に定義づけたり、ひきこもうとして、
結果として出来上がったものは、

「剣術に見栄えを出すだけの、つけたしの手裏剣や、飛刀術」かまたは

「手裏剣術は、素人には出来ないのだ」という歪んだ精神状態の体系、

あるいは「昔からうちにも、こんな手裏剣と体系が伝わっているんだ」
という「捏造」の繰り返しです。

（これも多かったです。手裏剣術がブームになったあとから、
ここ１０年で、いつのまにやら、

「昔から、手裏剣術は当流の武術の中にもあった」とか書かれているサイトも多く、
しかも記事内容や剣のデザインが、どんどんご都合主義で変わってゆく）



●ようは、この人たちは物事に向き合う動機が「汚れすぎている」のです。



ごく単純に、問題点は何かを拾い上げ、
ただ単純にそれを解決する方策を、一生懸命に探求すればいいだけであるのに、

そこに、「他勝への邪念」「歪んだ競争心」
「自己主張」「劣等感」「傲慢さ」「無知性」

そうしたものが干渉してしまっているからです。
ようは、「己自身が全く見えていない」のです。



●それもほとんどの剣士は手裏剣など、当然に無視したのですから、
剣術の「趣味」があった、ごく一部たちが、
とにかく、「じたばた」したのに対して、

逆に「手裏剣術」を専門とする流儀の人たちは、ごく一部の阿呆を除いては、
実に静かなものでした。


もともとそれが、「一人一流」、または「手裏剣術は一代限りのもの」であると
彼らは、自らの経験上からも、よく心得ていますので、

余計なものを手裏剣術にひっつけようとした愚か者は、ごくごく一部にしかおらず、
多くのマトモな人たちは、ただ淡々と、的に向かって打ち込んでいたのみです。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●さて、なぜ、今回私が練り上げたような、

静かで、
殺気も目立たず、
足も楽に動けて、
しかも起こりの少ない、
強い速い打剣が出来て、
なおかつ「必要最低限の技だけに絞られた」、

こうした、透明感のある、しかも汎用性のあるものに至り、

あくまでも結果としてですが、
「手裏剣術の発展に寄与するもの」に至ったかと言いますと、

私は、「自分」の存在意義など全くどうでもいいと思っているからです。



●科学者が、人ではなくて科学それ自体の為ならば、時間も命も削るように、
私にとっても、「直打法それ自体」が重要であり、
自分の価値の有無など、全くそこに介在していません。



●このような文面を読むと、
まるで自画自賛しているように受け取る人もいるでしょうが、
今回の体系は、「私が作った」とは私は思っていませんので、
「自賛」には、なり得ません。

それぞれの領域の人たちの無意識的な悩みを汲み取って出来上がったというだけで、
私は単なる媒体者にすぎないと思っています。


だから、自画自賛をしているのではなく、
出来上がった「結果の作品」を賞賛しているのみです。



●ちょうどそれは、私が「書」を書いているときに、
とても信じられないような筆の動きの書が出来ることがよくあるのですが、
その時には「自分が書いた」などとは微塵も思ったことがないのと同じです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■さて今回、冒頭の動画で紹介したものは、あくまでもざっとしたものですし、
刀の「操作部分」は、基本的に本質と関係がありません。


前記した、打剣としての「接合部」としての位置づけとしては、

手裏剣術流派の側、剣術流派の側、
そのどちらからも文句などつけられない質の仕上がりになっているはずです。


もっとも文句や、イチャモンや、不満があるならば、
その人たちは、今までのスタイルの限界内の中で、満足したままで、
手裏剣を打ったり、手裏剣と刀を併用していればいいだけですが。



■なお、注意点としては、今回の打法と歩法は、あくまでも、
遠くとも３間、実質的には２間以内における攻防を想定したものであり、
それ以上の距離にまでは適応できるものではありません。


距離の確認（　6/6　夕方に追加　）
　↓





●歩法や、見た目だけを真似ても、この打剣法は困難ですので、
きちんと稽古したい方は、書店からＤＶＤをお求めください。
↓
http://bookbazar.biz/mumyo/hozan.htm#dvd2


なお、当方に直接にメールで注文しますと
３０％引きで送料無料となります。





あるべき姿


ここのところ、やや煩雑になってしまった要点を、
もう一度まとめておきます。



身体運動論と関連づけるな

ある種の、鳴かず飛ばずの状態の「冴えない人」たちが、
甲野氏や、黒田鉄山氏に、どういうコンプレックスを持っているのか、
あるいは、模倣して便乗したいのかは知りませんが、

古流武術の身体操作論などは、居合いや剣術や合気道などに任せておいて、
そんなものを、手裏剣術という「芸当」に、持ち込みなさんな。


どうせ、武術とは大して関係ないのですし、
無理やり関連づけて稽古した連中は、
ことごとく距離も刺中率も「下手くそ」な手裏剣しか打てなかったのですから、
その「結果」がすべてを物語っています。




剣士は手裏剣を併用するべからず

これは剣士に限らず、他の武器術でも同じです。

アクロバットの見せ芸ではないのですから、
複数の武器で、複雑なことをする必要はありません。

演武では、「それぞれの武器に固有の良さ」を披露してください。




剣術家が打剣する時は「逆体」にせよ

すでに前投稿で、懇切丁寧に解説した通りの原理による。
順体では、力のタイミングが不合理となる。

「必読」
　↓
http://www.mumyouan.com/k/?M1210




武術だと言い張るなら原型どおりにせよ

伝書にあるだの、古流ではあるだの言うならば、
あきらかに後世になって、一部で普及していった「直打法」とは明確に分離し、
石や、刀や、棒手裏剣は、刺す芸を目的とせず、
現実にそうであり得たように、敵に「投げ打つ」という形にのみ留めること。

距離は「２間以内」であるので、「自得」すれば良いだけ。
よって他者から教わる必要もなく、また他者に教える必要もない。


ただし、それとても決して品格のある行為ではない、と個人的には感じるし、
見る目のある武人が見れば、私と同様のことを必ず感じるであろう。

二刀流の剣道の試合でもないのに、
剣しか持たない相手に、刀以外に手裏剣を持って打ち付けることに
夢中になったりする事の中になど、礼法も糞もあったものではないのですから。




手裏剣術のみを披露する

他人様の前では、手裏剣術のみを披露し、
もしも、なんとしてでも、己の剣術も「ついでに」ご披露したいのであれば、
剣術流派の演武の中で行うか、または、まったく別のものとして演武すること。




直打法手裏剣術は「行ずる」もの

●「標的に向かって、３本〜９本の剣を、美しく刺す」


ただただ、単純な、この「的当て」の中にこそ、

そのすべての「価値」があり、「難しさ」があり、「自己対話」があり、

直打法手裏剣術の「妙」があり、「尊さ」すらそこにはある。



●だが、それを他の武器などと併用すれば、そのもっとも大切な部分の妙は、
希釈され、分散してしまう。

また、他の武術の理合や、身体論など持ち込めば、
もっとも大切な、その「妙」が乱され、犯される。


体、肩、腕、肘、手首などを痛めるような間違ったものでない限りにおいては、
どのような投法を、自分で独自に編み出しても良い。

ただし、原則として手裏剣術は、基本は「逆体」で打つべきものです。




●そして、そこに、

余計な武術を持ち込まず、余計な思考を持ち込まず、

「静かに　打ち込む　という曲芸」を、「行」にまで昇華することである。



直打法手裏剣術を、武道、武術などとは思わず、

立禅や、経行（きんひん）だと思うぐらいで、ちょうど良い。



そして、幸運にも、それを行ずる中から、

会得するものが、「何か」あったのであれば、

それを、他の武術のみならず、「日常生活や仕事」で応用すれば良い。





「純黒」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「醸」

　



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




■近代の手裏剣術については、香取神道流の古い動画があったのであるが、
こんな感じで、楽しくやっていたようです。
とても、のびのびしているように私には見えます。
↓
https://youtu.be/iYkk7NC8Zqg?t=32m11s


■前田勇氏で検索をかけると、筑前手裏剣研究会というところが出てきて、
甲野氏も言及していた「寺坂進」氏の名前が出てきて、
こういう楽しい演武会が福岡であることを知るのであるが

(先頭にｈを)
　↓
ttp://chikuzen.3.pro.tok2.com/h27kasuga/h27enmoku.JPG


肝心の前田勇氏の著作については、古い冊子があるものの、
大学や個人コレクターからの「貸し出し」となる。


筑前塾については、こちら

（先頭にｈを）
　↓
ttp://chikuzen.3.pro.tok2.com/pos/syuriken.jpg


で、こういう活動状況のようです。
↓
http://chikuzenjyuku.blog.bbiq.jp/blog/2012/07/post-a8f5.html


この方、しっかりと、直打法、上手いですよ。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=dOO09NWdneg


どうか、小難しいことや、凄そうな話や、理屈を、むやみに語らずに、
これからも、こうして童心に還り、「楽しんでゆくこと」を切に願います。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=-VeR2aZp2CU



一方で、こういうの駄目です。
手裏剣術の演武というものは、打剣者と標的を必ず同じフレームに入れて、
距離や、刺中ミスも収録しないと、なりません。
↓
https://youtu.be/mhr7xWuOVUM?t=3m13s


お弟子さんが、ブログで「刺さるのかよ？」と書いたことが原因で
ムキになってしまったようですが、最後のドヤ顔はよろしくありません。
あの近距離では、単に誰でも出来る事しかしていないのですから。



これとは別の所もので、もっとひどい動画は、
刺さる音を「効果音」であとから入れていて、
これまた、打剣者と標的がこれまた「別撮り」。
目も当てられない、ひどいものでした。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

>６／３更新・「正座」について後半部に、追記しました。


時代劇アクションでしか
やってはならない「座打ち」と抜刀


●真面目腐った研究が、前回の投稿で、ようやく全部終わりましたので、

一気に、ふざけた打剣をします。



これらの「打剣からの抜刀」は、あくまでもアクションですので、
時代劇の中など以外では、絶対にやってはなりません。



座打ちの姿勢となるのは、９つの「座陣」で、
どの姿勢からでも、座打ちから抜刀へは、問題なくスムーズに動けます。







●この最後の「悪党の　またぎ抜き」は、あるかどうかは知りませんが、
てっとり速く抜けるのは、これしか思いつきませんでした。



●あぐらも含めて、この「９つの座陣」での打ち方は、
ずっと昔に、どれも全部やったのですが、
「スポーツ的な剣速」でも良いならば、４間からは刺さったはずです。

久しぶりなので腕が落ちているかもしれませんが、今度、やってみます。


その中でもとりわけ強い打剣が出来る座陣があれば、
それが「近距離でも使える姿勢」ということにもなるからです。



こうした「併用芸」を、絶対に人前で
「演武」などと称してやってはならない理由は
「卑怯すぎて、武人失格」だからです


相手に「手裏剣を投げつけて襲う」などという、こんな卑怯かつ「下劣な技」は、
真性の剣士たるものは、絶対に他人様の前で演武など行ってはなりません。

剣士は刀だけで勝負をすべきです。

というより、刀を携帯するのであれば、「演武」は「刀だけ」ですべきです。



>ちゃんと刀を持ちながらにして、刀とは別の物体を「手裏剣に打つ」などというのは、

>剣に未熟な「弱者」や、追い詰められた者が、苦し紛れにすることです。



とあるエッセイにも、こうある通りで、これが正論です。
　↓

>>武士道では正々堂々と一騎打ちで戦うのが武士であり、
>>相手が攻撃できない距離から一方的に攻撃できる飛び道具は、
>>卑怯な道具と考えられた。

>>ただ、弓矢のみは古来より流鏑馬など神事で用いられるため、
>>飛び道具の中では例外とされた。

>>手裏剣は「邪道の技」と位置づけられ、
>>江戸市中では道場を構えることは許されなかったらしい。
>>ただ、江戸以外では道場を構えることはできた。




>◆そもそも、刀と手裏剣を併用して、それを公然と演武するなどは
>「武人として失格」である上に、

既にここ数回の投稿で私が指摘しているように、


>「刀法＋手裏剣術」という「ミックスした見せもの芸」でしか、
>アピールや自己主張ができないのでは「駄目」なわけです。


それでは、二つが混ざってしまうせいで、
どちらの至らない不出来さも目立たないように誤魔化せてしまいます。


しかし、他人様の前で演武するからには、
少なくとも、どちらか「片方の武道のみの演武」だけ、となっても、
プロフェッショナルでなければなりません。

他人様に教える立場にいる者は、なおさらです。


そして、そもそも、それでも「手裏剣術をしています」というのであれば、
武人としての品格、そして「技としての品格」を落とさないように、
他の武術とは分けて、「直打法手裏剣術のみ」を披露すべきです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●さて、私は、その「直打法手裏剣術」を「遊戯」として楽しんでいるのであり、
その中にあっては、今回のような、
こうしたアクション（殺陣のようなもの）でも遊びます。


以前に「荒野の七人」のアンダーハンドスローのナイフ投げが、
あの速度で現実に可能かどうかを検証したようにです。
　↓
https://www.youtube.com/watch?v=Hyi3fYVUWyg


■「荒野の七人」のナイフ投げを、ここまで厳密に検証して、
しかも実演した人は、世界中のどこにもいないはずだと思います。


私個人は、自分のこの動画が、大好きです。



結果としては、

>「銃を抜く事に関して素人の相手」ならば、
>「物凄く練習をすれば、下手の反転打の方が銃を撃つより早く到達する」

「という可能性が出てくる」というものでした。距離は４間においてです。


これらも、あくまでも「投剣術」の「可能性の追求」なのです。



■今回は、

刀の携帯をした座打ちは、「投剣の邪魔になるか否か？」が検証対象でしたが、

「全く邪魔にならずに打剣できて、しかも刀も速く抜ける」

という結論が、もう出ましたので、これは、これまでとします。


なお、次の投稿では、確認の為にこれを、
「２間半と２間の距離」でテストしています。
↓
http://www.mumyouan.com/k/?M1213



◆また「武術」だの「文化」だの「精神の練磨だの」の理由付けは、
私の臭覚にとっては、悪臭の口臭が漂うもので、うざいので関係ありません。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■ちなみに、とにかく「江戸時代」というのは、「変な時代」です。
「ちょんまげ」だの「正座」だのと。

泰平の世になり、暇人と、口先だけの人間たちが増えたせいか、
芸能や文化が発達したと同時に、
ある程度「へんてこな習慣」も生まれたようです。

「直打法手裏剣術」もその一つなのでしょう。

武術などというよりは暇人の「遊戯」だったのかもしれません。


ところで、正座と茶の歴史について、面白い記事がありました。
↓

http://www.seizajsa.com/work/easyseiza/17.html





いやがらせと統制目的から始まった
正座と、直打法手裏剣術との違い


●正座の歴史については、


>>「江戸場内では刃傷沙汰がときどき起きていました。
>>そのため、刃傷沙汰を防止する意味も含めて、足がしびれ、刀が抜きづらく、
>>機敏な動作に支障をきたす作法が注目されるようになりました。

>>やがて、将軍に拝謁するときには、動きづらい長袴を礼装にして、
>>正座をとらせるようになったといわれています」


という説があるように、あきらかな政治的な「いじめ」「制圧」を
動機として始まっているようです。

さらには、


>>「武士たちにとって、作法は精神的拠り所の一つだったと考えられます。
>>とりわけ江戸時代も後期になって「武士と町人の経済力が逆転」すると、
>>武士は作法を重視するようになります。

>>庶民がまねることのできないような洗練された振る舞いや教養、作法を
>>武士は身につけていったのです」


>>なんだか、半分意地になっているように聞こえるのは私だけだろうか。

>>だが、意地にもなるだろう。


>>上流階級の姿勢が庶民の日常の姿勢に取り入れられてしまったのだから。
>>確かにそうなると、「もっとカッコよく正座してやるんだから！」となってくるのだろう。

>>なんとも「分かりやすい流れ」である。



とあるように、

しみったれた「虚栄心」「意固地」もここに関与している。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●このような、「物事が始まった、いきさつ」というものを私は重要視しています。

これは、私の仕事の大半を占める部分が「カウンセリング」であることも理由です。


カウンセリングというのは、相談者のもっとも古い記憶（２歳、３歳まで）を探り、

そもそも、なぜ大人になって、そうした考えにとびついたり、
そうした性格になったり、そうした言動をするようになったのか、

ということを本人自身に探らせます。


すると多くのものは本人が大人になって、
自己決定したのだと思い込んでいただけで、

いわゆる毒親から、強要や洗脳されたり、押し付けられたものであったことに
気づく事例が大半を占めています。


「わかりにくい」洗脳の事例は、

「父親によって不幸そうな状態になっている母親の顔色を伺う子供、
　母親を介して父親に反発しただけで、
　母親の悪い性格に迎合してしまった子供」の「その後の挙動」などです。



●そして、これは、個人史のみならず、歴史とか「文化」においても同じです。


そうした意味で、この「正座」もまた、私がよく言う、
「湧き上がるような創造性が、輝きを放つ」といった歴史ではなく、
ただの「統治」が目的だったということになります。

そこに、さらに、武士の意地や見栄までも関与してしまい、
目も当てられないような結末になったわけです。

ただ、たまたま、生活習慣にそれが取り込まれたというだけで、
それが「正しいもの」と思い込んでしまうのが、煩悩のなんたるかです。


つまりは、「他人の目や社会からの評価」に、しがみつく性根である。

これをカウンセリングの世界では、「他者承認への飢え」と言います。



●さて、そうしてみると、正座というものは、もともとは、
逆らう可能性のある相手の「戦闘力を削ぐため」に開発されたわけです。

これは、かなり「毒親の手口」と似ています。

躾、恫喝や、暴力や、言葉による恐喝で、子供の牙を抜いておく方法です。

だから「正座は、学校その他で、処罰（おしおき）ともダブる」のでしょう。



●しかし、とうぜん、あらゆる武器術は、
政治的な統制、治安上の命令などされない「それ以前の時代」にあっては、
正座などとは「無縁」であったわけです。


それが、のちに武道の作法の中に取り込まれたわけですが、
すると今度は、その正座からでも攻撃できるように工夫を始めて、
「おいらは、お前ら庶民とは違うんだぜ」と、馬鹿な事をやってしまいます。



ここで非常に私が重要視するのは、

>「もともとの動機、原因が不純なものであり、
>それを原因として、その後に発展したものは、すべて不純である」


という動かしがたい「大原則」です。


>もともとが不幸から生まれたものは、不幸しか作りださない。

>克服とは幻想・妄想の産物であり、
>事の発端を、明らかになるまで自分で解明して、
>深く理解する以外には、自由（身軽）になる道は決してない。




●これは、カウンセリングにおいても頻繁にある事例であり、

たとえば、横暴な父親、または馬鹿な母親に育てられてた場合には、


>「親からの経済的、肉体的、精神的な被害を受けたり、いじめられた、その結果、

>それに対抗しようとして、その後に本人が起こした行動は、

>すべて、本人を強くすることはなく、歪んだ精神状態のまま成人し、

>そのまま、その性癖を引きずったまま生きる」


という大原則です。


物事は、すべて「原因」までさかのぼって、そのときの感情と思考を、
すべて再現して精査して自分で「解明」して理解しないとならず、
それをせずに、

「あのときの苦境を、その後の自分は努力で超えたのだ」と思い込んでいても、
ずっと両足を鎖でつながれた状態にあることに気づきません。


それは普通に歩いているときには目立ちませんが、
ひとたび、走ったり、何かの行動を起こすときに、足が重くなり、
思考力が低下し、躓いて倒れてしまいます。

多くの場合には、
「ここぞ」という一番肝心な岐路で、すっころんでしまいます。

（これが毒親が仕込んだ「決して成功しない子供」だからです）


＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●こうしたことに鑑みるならば、

「正座」は、一種の「イジメ」から始まり、

そして、武士の正座は、「見栄」からはじまり、

あるいは、「教育」と称してはじまった、

実に、「よろしくないもの」となります。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●では、この「正座」の部分を「直打法手裏剣術」と置き換えてみると
どうでしょうか？


元来は、「正座ではない」つまり「正刺」などせず、

進退窮まって「投げつけ」たり、

または奇襲や、なりふり構わぬ戦法として「物を敵に打つ」という、

「武器の投擲」があったであろう事ならば、容易に察しがつきます。



●ところが、だからといって、そのために、
毎日、裏山で、刀を投げて刺す練習をしている武士などいるはずもありません。

戦の時代にあっては、そんな「ド暇な武士」など、まったくあり得ないことです。

また貴重な刀を、練習の為になど、投げることもしません。
（実際の現場で、いたしかたなくなって、打ち付けるのみです）




●しかし、殿様でも、庶民でも、「暇人」が増えるようになると、

「この短刀を、うまいこと投げて、高い確率で刺せるようにならないか？」

などということを、裏山で、おっ始める人間が出てくるというわけです。


>「直打法手裏剣術」の発祥というものは、実用性や必要性から生まれた
>「投げつけ、打ちつけの投擲」とは、「系列」が違います。



生まれた「系列が違う」のに、ただ「どちらも手で投げるから同じだ」、
などと、思慮のない人たちが思い込んでしまっただけなのです。



●さまざまな、他の武器術は「必要性のもとに」に発生したわけですが、
唯一「直打法手裏剣術」だけは、

「ちょっとした、曲芸的な技」への興味、好奇心から、

数少ない者が、「それぞれの事情や理由」で始めたものであり、
（相手の目さえ潰せばいいんじゃないか？と脳内妄想したり）

その結果として、結局は熟達した者も「少数」で、

ゆえに、実戦では、たまの「まぐれ勝ち」以外には、「実績」がなく、

たいして使い物にならない事も明らかになり、

>「武術史の隅っこ」に追いやられた、というのが現実の姿なのです。


さらには、現代にあっては、
秘武器・隠し武器並みに、その稽古人数が少ないものとなっています。



●この系列は、他の武器が「自然なあぐら」であるのに対して、
人工的に作られた有用性のあまりない「正座」とも似ているのです。

わざわざ投げにくい「直打法」などという制限まであるからです。



しかし、それが正座とは「まったく異なる点」は、


正座は「押し付けられたもので、一種の虐待から始まった」のに対して、

「直打法手裏剣術」は、殿様でも庶民でも、どちらにしても、

暇人や、「剣だけでは勝てない弱者」（それこそ、あだ討ちする側）が、

「曲芸的な攻撃法」として、着手した可能性が高い点です。



つまり、「他の多数の武器」と並べたときに、
血肉を斬り合って、命をかけて使ったのが、さまざまな武器の発祥であり、
その使用にあたっての動機や原因だったのに対して、


>直打法手裏剣術は、どう考えても「緊急性」や「有用性」よりも、

>「曲芸性」が強いことから、もとからして、半ば「暇人の遊戯」であり、

>たまたまその中に、それを技に使ってやろうなどとしたものが
>ごくわずかにいただけであるわけです。



これが、私が少し前に、

>直打法手裏剣術の演武の風景は、
>「リアリティーが薄い」＝（どこかフィクションに見える）と述べた理由です。




●しかし逆に言うと、歴史的に最も「血塗られていない武器」であり、

また人が「いじめられたり」「お上からの命令」で始まったような「正座」とは違い、

個人の「好奇心」または「凝り性の一種」から始まったという点で、

他のすべての武器よりも、ずっとその動機と発祥が、
「健全」「健康的」なものだと私は思っています。



つまりそれは、一種の、湧き上がるような「好奇心」から生まれたもので、

>人殺しや「統制のための教育目的」が、その「種子」ではなかったということです。






●「正座と武士」についての参考リンク
　↓

http://www.seizajsa.com/work/easyseiza/18.html




「手裏剣は伝統古武術とは呼べない」
と、私は２０１０年に、きっぱりと言っているのである

↓

http://www.mumyouan.com/k/?M1088





■しかも、伝統性を持たないのみならず、

反転打、回転打、「打ち付け技」ならばまだしも、

直打法に、安定的した「実用性」「戦闘性」を持たせるのは、
極めて「難しい」のである。



●その、困難な「難題」に取り組んでみて、
ぎりぎりにまで論理的、かつ単純化して、編み出した「歩法と打法」が、
今回の「ＤＶＤ−２」に収録した「武術手裏剣」です。



対人戦では、

「こいつは右足を前に踏み込んだ時にしか、打剣してこないな」とか、
「こいつは左足を前に踏み込んだ時にしか、打剣してこないな」とか、

「こいつは、順体でしか、打剣できないな」とか、
「こいつは、逆対でしか、打剣できないな」などと、

敵に読まれてしまうことは、絶対に許されません。


ですから、どの足や構えの姿勢、どのタイミングで打つかは、
相手にまったく分からないようにしました。

しかも実戦では、刀が上に動いた時に打つなどとは限りません。


勝てるかどうかは、その時の対戦者らが持つ「相対的な実力差」によりますが、

「負ける可能性の極めて低い術理」なのです。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

>前の動画の投稿をここへ移動し、新たに一本動画を加えました。

>5/31更新　無冥流の「恐怖の作法」を追加しました。



「第三の形」


■さて、無冥流の刀術組み込みの、さんざんな模索を経て、
最終的に、刀なしの「打剣のみの形」に「蒸留・精製」された形を、
お見せしたいと思います。


無冥流には、「基本の形」「前後打ちの形」までは今までありましたが、
それにもうひとつ、新しい「形」が加わり、ようやく完成となりました。

それは「実戦型」です。

すべては実戦で通用するか否かのみを基準として組み立てましたので、
そのための基礎はすべて入っています。

一見すると簡単そうですが、どの歩法も、片足打剣のタイミングも
きちんとした基礎訓練を重ねないと出来ません。

この訓練方法は、新しく発売された手裏剣術の「ＤＶＤ−２」に収録されています。




●これで、やっと、１年にわたる、歩法や、対戦想定という、
ある意味では、私にとっては面白くもなかった試行錯誤を詰めていった結果を、

元の純粋無垢な「打剣（直打法の技）」だけに戻してあげることが出来ました。



●出来上がったものは、かつての無冥流の「基本形」を基礎にしていますが、
起こりが少ない点が異なり、
また、歩法も極度にシンプルになるまで練り込まれてきましたので、

居着かずに移動し、しかも非常に強い打剣力を秘めながら、

見た目にそうは見えない、とても「静かで、穏やかな形」となりました。




これは私の美学の一つでもあります。

見た目は、力強い動きに見えない、迫力としては見えない、

が、質的には、力強いという「構造美」です。




４間から「素早い動作」で打つ方法。
計７本の剣を使用して「横打ち」も使う「形」。
刀術組み込みを「左手打ち」へと変換。







刀術組み込みのゆっくりした操作。
別種の「居打ち」の座り方。






　　　　　　　　　　　　　◆　◆　◆



無冥流の「恐怖の作法」


■稽古中には、私も、ここまで厳密には、行うことはありませんが、
演武となったらば「義務づけられる作法」が、無冥流にはあります。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


もしも他人様の前での演武で、５本の剣を打つことなり、
２本を刺中ミスをしたとします。


貴方は、その２本を地面から拾い上げ、
他の剣とまぜてしまい、また５本を手にして引っ込むか、
あるいはまたその５本で別の演武をしてしまうと思います。


しかし、

>これは、私に言わせれば、きわめて「失礼」な動作です。



私は動画の編集の都合から、カットすることも多いですが、

ふだんの稽古においては、地面に落ちた剣を、そのままにしません。

刺さらなかった剣を必ず拾い、それを刺します。



屁理屈をならべて武術や礼法を、謙虚を「装っただけ」の口調語っても、

「このことの意味」が分からない人が大半でしょう。



私は、何も、全部の剣が刺さらないと自分の気分が悪いから、という理由で、
そうしているのではありません。



失敗した剣を、そのままにして、次のイニングに行くということは、

>刺中ミスをした「剣に対して失礼」だと感じるからです。

>それは無責任です。


ミスをした剣は、それが刺さるまで打ち、
全部の剣が刺さって、はじめて終わりとします。




■皆さんが「演武会」で、特に、５本、８本を打つという場合に、
これをしている「ご自分の姿を想像」してください。


５本を打ったが、２本が落ちた。

その２本を拾い、もう一度打つ。

もしも失敗したら、また拾い、そして打つ。


この様子は、誤解をしやすい人には「未練がましい」としか見えないでしょうが、
そうやって全部の剣が刺さるまでやめない、という行為は、
次のことを意味します。



>１／刺さらなかった剣を、「ちっ、失敗だ」と心無く切り捨てずに、
>　　落ちた剣を大切に扱い、刺さるまで打ってあげるという「心」。


>２／見ている観客も、打ち損ねを、何事もなかったようにスルーするよりも、
>　　きちんと最後まで責任を取る様子に、すっきりとした印象を持つ。


>３／何度失敗したとしても、それを恥じずに、刺さるまで繰り返すことで、
>　　自分に対して、失敗をそのままにしないという姿勢を貫く。


>４／またそのような、せっかくの、打ち直しのチャンスがあるのに、
>　　それを生かせなければ、２度目でも刺さらないという自己嫌悪と、
>　　刺さらない事の焦りに引きすり込まれるでしょう。
>　　まさに自分の内面との戦いです。



■私が見るかぎり、現存する流派の人たちは、過去にも現在にも、
失敗した剣は、ただ、「あとで拾って、まとめてしまうだけ」です。


しかし私に言わせれば、

演武の「途中で打った剣」が失敗をした場合にも、
それは、一番最後には、丁寧に拾い上げ、
もう一度立ち位置を変えてから、刺さるまで打剣すべきです。


それを見ている人や、後世の人達が、その所作を何と言おうと、
「その姿勢」の中に、「人生に対する姿勢」が現れます。



刺さらなかった剣を、単に、自分の「未熟さを受け入れた」
などという「甘い意味づけ」だけでは終わりにせずに、
最後まで、本当に誠実に「やり直す」という点が重要なのです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■生きてきて、過去に失敗したこと、後悔のあったこと、
やり残したままのこと、何かの恨みや恐怖が、鬱積したままのこと、

そうしたことを、必ず、
その目的が終了するまで、やり尽くすということです。



だらしなく、自分のした打剣ミスを、やりのこしたまま、

さも、「何事もなかったかのように」、５本の中に、まとめてしまい、

「さぁー、心をリセットして、リフレッシュして、また５本だ」

とするのではなく、



>その落ちた２本を、「決して見捨てない」ということは、

>「自分の中の２本」を見捨てないということであり、

>「観客の心の中の２本」を見捨てないということであり、

>「その２本の剣の魂」も見捨てないということです。




おおげさに、仰々しく、いかにも礼法やってます、
などという、形の動作の中においてではなく、


落ちた剣は、そのままにしない＝「自分の過去の悔恨をそのままにしない」

という、人生そのものに対する姿勢です。



●また、それは落ちた剣に対する「慈愛」でもあり、
（落ちた剣とは、「自分自身そのものの一部」なのですから）


失敗という恥を忍んでも、それをきちんと拾い、
刺すまで繰り返すという、自分への厳しさでもあります。



そして結果として、上達もするのですから、一石４鳥となります。



■落ちた剣というものを無視したり、「失敗だったな」で終わりにしてしまうほうが、
ずっと貴方は「楽」なのですから、

>「楽ではない道」を選ぶわけです。



ある意味では、失刺・失打のやり直しという、恥ずかしいことを、
自分から進んでするのです。

しかも、それでも刺せなければ、あなたはだんだんと自分の技量のなさと、
精神的な焦りへと追い込まれます。



■なお、後から打った剣の衝撃で、前に刺さっていた剣が落ちた
という場合には、その落ちた剣を打ち直す必要はありません。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■礼法とか、心とか、精神というものは、

いかにもそのように見える形の中にあるのではなく、

その礼法を「その人が、自然に生み出した」のはなぜか？

どうしてか？、ということを見極める、澄んだ意識が必要です。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■私が、ふと、あるときに、これを始めたのは、

落ちている失敗の剣を「自分」が、気にいらなかったからではなく、

「剣」のほうが、私に語りかけてきたように感じたからです。


「私も、他の剣たちと一緒に、並びたい」と。



■それまでは、私も、多くの人たちと同様に、失敗して地面に落ちた剣は、
そのままにしていて、ほとんど注意も払いませんでした。

「ただの失敗した、地に落ちた剣」にすぎませんでした。



しかし、その日からは、拾った剣に、

「よしわかった。一緒に、並ぼうね」と、

（少し危ない人のように）心の中で語りかけるようになりました。



しかし、そののちに、考えてみれば、
「無数の失敗した剣」こそが、今日までの創意工夫を支えてきたのですから、

>「失敗した剣を、ぞんざいに扱いべきではなかった」と、

あとになってからですが、気づきました。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■皆さんは、いつも打っているその剣を、
じっと何分も、本当に、意識の眼を向けて、
その剣に、注意を向けたことは、あるでしょうか？

手裏剣の外見の出来がいいとか悪いとかではなくです。

ちょうど他人を先入観で見ないのと同じ姿勢で、
手裏剣という物体を、よく見たことがあるでしょうか？


剣が、何か言っていないか？、何か要求していないかと、
そういう電波なことを、真面目にやったでしょうか？


>私は「剣のことは、剣に聞き耳をたてろ」と、よく言ってきました。


物体に対して、聞き耳をたてるということは、何ら電波なことではなく、
道具や素材に対して「職人さんたち」も常にやることです。



ですから、稽古が終わった剣は、必ず綺麗にして、
保管する前には、剣先も、必ず研いで下さい。

たとえ自分が、その夜に、疲れていても、
よほど、剣先が、つぶれていないかぎりは、
手入れには、ものの「１０分」もかからないはずです。


投げ捨てる道具だからといっても、
それがもしも、過去に、人の命の境界線を分けたものだったのだとしたら、

手裏剣に対する愛情や気遣いとは、
投剣愛好家や武術家が、何十万円もする刀に向けるそれと差異があってはなりません。



■私は稽古前に手裏剣に一礼はしませんが、

終わったあとには「今日も、楽しかったですよ」という気持ちを
本心からこめて、手入れをします。


形式的に、一礼されて扱われるだけの、中身のない心よりも、ずっといいと思うからです。



■玄関先で、出社の時に、ダーリンがキスをする、
がそのあとに、妻は、別の男と浮気に勤しむという、
メリケンドラマのような、「形ばかりのラブ」を繰り返すよりも、

玄関でのキスはなくても、生活のひとつひとつの中で、
心から愛されている妻のほうが、ずっと良いいのと同じです。





■他者や古人の中からでもなく、

自分自身の中から「湧き上がるもの」だけが本物であり、

その湧き上がるものが、何であれ、
それを他のものや、本や他人の言葉を悪用したり、
「本心だったもの」に上塗りしてしまって、誤魔化してはなりません。



また、他人の中に、おのずと湧き上がった結果を模倣しても、
決して、その人のその原点には至れません。


いつまでも、それは、チープな「借り物」、そしてただの「盗用」です。


「昔の人がやっていたのだから、自分もやれば、近づけるはず」

とやって、真に近づいた人は「誰一人も」いません。




一方で、それに「本当に、近づいた」のは、

>まず最初に、「自分自身の本心」に、近づいた者だけです。




ですから、今回私が書いたような、

私自身の剣に対する礼法についても、

その形だけ誰かが真似をして、剣を拾って刺しても、全く意味がありません。



それは私自身が、剣の声を聞き、

「世話になってきた、失敗した剣を、
　落ちたまま、だらしなくするのは、申し訳ない」

と、「本気で感じた」から、その後も、行うようになったものですから。




■よって、自分は手裏剣のことをどう思っているのか？

本当に好きなのか、手裏剣の「何が」好きなのか？

それとも手裏剣が好きなのではなく、「別のこと」や、
「自己顕示欲」こそを目的にしているのか？


こうしたことを自問して、自問するだけではなく「自分の答え」を出して、

そこから、自分の「生き方」の中から溢れ出した、
「自分らしい礼法」を、たとえ、他人に、それが分からなくとも、
手裏剣に加えてあげてください。




■それはたとえば、

「今日は、演武会なんだから、頼むから、全部刺さってください」

と、みっともなく「手裏剣を拝む」というのでも、全くいいのです。


ただし、もしも、それが「本気で」そう思っているのならばです。



「まー、一本ぐらいミスしても、１本ならいいだろう」

と考えているなら、そんな「嘘っぱち」の心で、
この作法をしても意味がありません。



ポイントは、常に「本気、本音かどうか」のみです。


本気で、本音ならば、その礼には「魂」が入ります。



しかし、そうでなければ、

ただの、もうとっくに、枯渇して死んでいる、骸骨やゾンビが、

生きているフリをして動いているようにしか、

私には見えません。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■この作法（恐怖の掟）があるだけでも、
無冥流に入門しようとする人は皆無となるはずです。

もっとも、未熟者が、他人様の前で、軽率に演武などしなければいいだけの話であり、
それを食い止めるためにも、この礼法があります。


下手くそだったら、幾度でも「刺し直し」をする事になりますから。



●「事例」をいくつか、わざと作ってみました。
　　↓






●さて、無冥流には、「基本形」の出来具合よりも重要な、
ひとつの「印可」基準というものがあります。


それは、「その人らしさ」の個性が、
打剣や、打剣の合間に、にじみ出た時です。



まだ「他人の猿真似を、やっとんのか」ではなく、


「あ、実に、＊＊さん、らしい！」

これが手裏剣においても、「その他」においても、合格基準なのです。



その人の本当の「個性」とは、

情報や経験の「混合物」「堆積物」つまり、積み重ねではなく、

今この瞬間に、「元から在るもの」だけから発芽します。


その芽が息吹いた時というのは、私に分かります。


それは、ただの打剣動作のスタイル、その他の「癖」ではありません。



それは、見ると、生き生きとしているので、それを「息吹く」と言うのです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●ところで、私が昔から罵倒する事象の中に、

性格のねじれた者が引用したがる「禅語」というものがあります。


どういうわけか、実力のなさを誤魔化して、虚勢を張るために悪用する人が、
武術家や、その他の精神世界の分野でも絶えません。



しかし、禅語というのは、

「本来の禅以下」の俗世間の価値観の中では

決して、引用してはならないほど、絶対的に荘厳なものなのです。




■悟りというのは、

自分が、生きたり、死んだりすることに、

「新たな言い訳」や「知見」を見つけることではない。



自分が、生きたり、死んだりすることの

その「言い訳の　一切を、すべて失う」


ということだからである。




最も尊い「それ」には

一切の　意味がなく

一切の　価値がなく

一切の　知恵もない



それ故にこそ、それはその純度を保ち

汚れなき「本来の面目」「不生」「不二」と呼ばれるのである。



「それ」が

いかなる種類の、勉学や、瞑想や、座禅や、訓練をさせても、

人々に絶対的なまでに伝わらない事を、不立文字と呼ぶのであって、

断じて、「それ以下の次元の文脈」で使うな、ということである。




感情や、思考や、体感、技、心などは、すべて、
言葉以外の訓練で、「伝わり得る」ものである。



だが、「それ」「これ」だけは、絶対的に「伝わらない」ものであり、

それが伝わらないのは、文字においてだけではない。


何度生まれてきて、５００年修業しても、
決して、伝わることもなく、体得できるものでもありません。




●ところが、時間と訓練を、はるかに超えて、

今この一瞬に、それを体験する者たちが過去にも現在にもいました。



そこに、すべての妙と法の原則があります。



そのことの一端を、いろいろな禅語は表している。



だから、学者といえども、どこの誰であろうが、

「ある種の禅語」の一部は、

半端者が、軽率に、もて遊んだり、いじる為の語句ではないのである。






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＞５／３０更新　かなり加筆しました。


ちゃんと見ないと
順歩打剣に見えてしまう打法


■前回の投稿の「その２」の動画で、いったい何を舞い上がって
勘違いをしてしまった人がいたのか、それを解説しておきます。

「技術屋」というのは、勝手に「よく解釈されること」を最も嫌いますので。


まずは、勝手に「順体」の身体運動であるかのように、
勘違いをされてしまった当の動画をご覧ください。（短い時間ですからどうぞ）
↓

https://www.youtube.com/watch?v=wgKFksffw5k



■次が解説です。

４分の１の速度でも十分に理解できるはずですが、
より、理解しやすいように、
速度は全て「８分の１（×０．１２５）」にしてあります。


これを見ても、これらが「同側型動作」に見えたら、救いようがありません。





実質的には、無冥流の投法は「逆体」で力を出しており、
順歩であるかのように見える、踏み込んでいる前足は、おまけに過ぎません。



解っていない事を言語化するな

「手離れを惜しまずは"嘘"」



■これも厳しく言っておきますが、

「言語化する能力がない武術家」を「脳みそが筋肉」と揶揄するよりも

もっと始末の悪い者もいます。

それは、自分が「ろくに解ってもいないこと」を、
いい加減に言語化してしまい「俺は言語化できるぜ」とＫＹな事をする輩です。



■前述の解説動画は、実は、
「非常に難しい力学的な問題」を孕んでいるのですが、

さらに解説をしないと、頭の中が大混乱している人も多いでしょうから、
とにかく、理解しやすいように、噛み砕いて、かつ簡潔に説明しておきます。




◆私は動画の解説（字幕）の中で、


>「剣術の理合であれば、
>　順体の場合には、
>　着足と離剣は同時であるべき」と言っている。


だが、「順体」の打剣でこれを行うと、確実に手離れは遅くなる。

「足が着いた後」に打剣をするなど論外であるし、
足が着いたと「同時の打剣でも遅すぎる」。


そこで、どこぞかの、いいかげんな教本から借り物の言葉で
「手離れを惜しまず」とか、のたまうのも全くの「愚」。


剣術の理合で、ぎりぎりに手離れを早くしても、
「着足と同時の打剣」までが限界である。

もしも、それよりも早くしてしまったら、
それは踏み込んだ足が宙に浮いたままで打剣することになり、
それは「剣術」とは調和しない。（だが「投擲術」とは調和する）


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


◆そもそも、「手離れを惜しむな」ということなど、現存する著名な
手裏剣術の師範の誰一人として言ってもいないし、行ってはいない。


根岸流の、故・齋藤宗家は、

>「出来るだけ、剣を手に保持する時間を、長くする事で強い剣を打つ」

ということを言われていた。
つまり、手離れは「ぎりぎりまで遅くする」ことの重要さである。


明府真影流の大塚師範も、手離れを早くしろなどとは言っていない。
距離によっては、押さえは効かせるように言うが、
手離れを惜しむな、などとは言っていない。


私もまた、２００９年以後は、

>手離れ位置を変えるな。離剣の位置は一定にしろ、

と言っている。




◆そもそも、手離れ位置を早めにしてしまったらば、
剣の威力が落ちるのは当たり前である。

だから、どの手裏剣術士たちも、
出来るだけ力を込めてから打剣をしようとする結果、

>ぎりぎりまで、手離れを遅くする工夫をそれぞれに独自にしている。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


◆さて、本題に戻りますが、

剣術をしている人たちの打剣が首落ちしやすい理由は、


１／剣の力の最大地点が打剣のそれよりも前にある、
　　という「だけではない」。ここが重要である。


２／「順体」で、剣を振り下ろす動作の時には、おおむね、
　　前足の踏み出しと、同時に力が最大になる。

この「２」の「癖」の方が「１」よりも大きな原因となっており、
この癖ゆえに、剣は前に回転しやすくなる。



◆ところが、剣術をやっている人に、たとえ、少しやりにくくとも

>「逆体」「逆歩」で打剣をさせてあげると、剣は刺さるようになる。


また、この場合には、「逆歩」の際の「前足に体重が移動する瞬間」に
手離れをさせると、その剣は刺さる。



◆つまり、手と足が同時的に動いて力を出す、という剣術の理合は、
「打剣動作」においては、

>もしも「順体」でそれをすれば調和せず、

>「逆体」でそれをすれば、剣術の「踏み込み力の一致」が、調和する。



よって、剣術によって染み付いた身体運動を、
より無理なく打剣に応用できるのは、「逆体・逆歩」であって、
決して順体・順歩ではない。



◆それを、ただの見かけと、
本人の勝手な主観的な（理合と称するものの）思い込みによって、

>>「剣術をやっている人たちには、順体打ちがやり易い」などと

いいかげんな事を言ってしまうのである。


事実は、「逆」である。


たとえ身体運動としては、逆体打ちは「馴染み」がなくとも、


>長く剣術を経験してきた者は、逆体で打つことによってこそ、
>剣術の理と、打剣の理の「タイミングが一致する」のである。



◆こういうことも、何も解っていないで、

>>「剣術やっている人は、やっぱ順体だよね」

とか、他所様のところで
解ってもいない、いい加減なことを、ぶっこいているような馬鹿がいるから、

「いいかげんにしろ」と私は言いたくなるのである。


もう、恥ずかしい事、この上ないのです。




◆嘘だと思うならば、剣術経験２０年のおっさんや、お兄ちゃんたちに、
「逆体」で、きちんと「逆体打ちの基礎」を教えて打たせれば、
そのほうが、ずっと「剣術で染み付いた、発力のタイミングと一致」しているので、
よって、結果として刺さるのである。


いや、わかっていない人に指導されるよりも、

>剣術家の人たちは、「ご自分で」やってみればいいのです。


身体運動の「慣れ」としては、
「順体」（入り身）がやりやすいように感じてしまうでしょう。
しかしその剣は刺さりにくくなります。

一方で、あえて慣れない「逆体」（脇構え）で打剣してみることです。
そのときに「前足の踏み出し」と「同時」に、「最大力」になるように
腕の力を調整して、打剣してください。



それでも刺さらない場合には、
あとは「手の内の慣れの問題」だけであり、ポイントは断じて
「手離れを惜しまないこと」などではないのです。




◆まったく、目も当てられません。


だから、よく自分でわかってもいないことを、
あちこちの言葉を、「これなら知見として使えそうだ」
「これなら馬鹿には見られまい、ちっと文化人的に見られるかもね」と、
つぎはぎして、パッチワークなどしても、


経験のなさと、考察の足りなさと、中身のなさが露見するだけだから、


>みっともないから、もうそういうことは、やめて、基本に戻りなさい


と、私は言っているのである。




◆さて、理論的な話が、まだ続きます。




順体と逆体の大きな違い


逆体と順体の最大の違いの一つが、構えた時の「肩」の位置です。


順体では、「逆体よりも僅かに前に」、肩の「支点」が位置します。

すると「ストロークの時間＝距離」が逆体よりも短くなるために、
逆体よりも、剣に力が乗らず、弱い剣になります。



◆これを補なおうとして行うのが
「前足を、１／４歩、または１／２歩、前進させる」、
または「後ろ足を一歩前へ前進させる」という動きです。


もしも、この「歩法の補助がないと」、
確実に、順体打ちは逆体打ちよりも「打剣力」においては劣ります。
（「ストロークが短い」＝銃で言うならば「銃身が短い」からです）



◆そこで「足の踏み出し（１歩、１／２歩、１／４歩など）」でそれを補うわけですが、
ここで最初に述べたように、


>「逆体」では、剣術と同様に、「着足と離剣が同時になされること」で、
>良い剣が打てますが、

>「順体」では、剣術と同様に、着足と離剣を同時的に行うと、
>手離れが遅すぎる結果となります。

（肩の支点の位置が、逆体よりも最初から前に位置しているからです）



◆そうなると、そこで、やってしまいがちなのは、
足を踏み出してから、離剣するまでの時間を無理に延ばしてしまうことです。


こうなると、口では「手離れは惜しまずだ」と言いつつ、
ところが自分が言ったそのとおりにすると、剣は立ったまま飛ぶ傾向になる。


結果として、そういう者が「順体で４間以上」から刺さるようにするには、

「無自覚」のうちに、「手離れを遅くしよう」としてしまい、

一歩進めたその前足が、離剣よりも先に着足してしまい、

>着足後に、肘が捻じ曲がったような腕で、打剣する羽目になります。


こうなると、もはや、「見かけだけ」が「順体」で打っているだけで、
剣術の理合である身体運動の発力のタイミングですらもなくなっており、

>身体を、ねじりまくり、腕を振りまわしまくり、
>しかも、手足が一致しないので剣も弱い。

（２間以内では、目立たないが、３間、４間では特にそれが目立つ）。


それを、無理に強い打剣で届かせようとするものだから、

>大振りして、前に突っ込んで投げてしまい、肘の筋まで延びてしまい肘を壊す。



◆こんなことをやっているから、私に、
「へんてこな打剣」といわれてしまうのである。しかも身体に有害。


この打法は、もともとは、「力を出して打ってはならず」、
単純に、６間、７間の「投げ」を、安全に楽しむものであり、
まさに、「的当て曲芸」だからこそ、やっても良いものである。


それを、すぐに身勝手な勘違いをして、
４間、５間などで、武術的に見える速度を目指してやってまったらば、

それこそ、

>古武術では駄目だと言われている「加速運動」に頼ることになり、

>手と足の運動タイミングはバラバラになり、

>もはやスポーツ投擲からも外れてしまったというわけである。



●こうなると、解決法はひとつしかないのです。


>１／直打法手裏剣術の基本となる、「逆体」での打剣に戻すこと。

>２／腕は大振りしないこと。頭上に大きく構えたりしないこと。

>３／側軸でコンパクトに起こりを少なく打つこと。

>４／肘を伸ばし切るような間違った投擲法をしないこと（直打法に限らない）。

>５／下手に足の力（歩の力）に頼らないで足を固定して打つこと。

>６／手裏剣は打剣のみ稽古する。他の武術は混ぜない。
>二つを混ぜないと「アピール」出来るものがない、とかは駄目である。




　　　　　　　　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊



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