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[628]
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★雑 記★NO.628 『滲み書 の 一般販売 の 試み』
by:
鈴木崩残
2016/08/31(Wed)11:31:37
ごく最近、受けた書の注文
作品が出来上がると、こんなメールが依頼者の方に届きます。
↓
*********
ご注文の書が出来ましたのでお知らせします。
送付に際して、下記の1〜4につきまして確認の上、返信をしてください。
1−
この書には、私が書を描くところや、カウンセリングを収録した
トークのDVDは付属しません。
作品のみのお届けとなります。(額縁は付属しません)
2−
禅書は、今回からは、すべて「滲み書」に変更になりました。
3−
送料は「着払い」(ゆうぱっく または ヤマト便)となります。
これまで禅書では、送料は料金の中に一律に含まれていましたが、
地域により送料が異なるために、今後は送料は着払いとさせて頂きます。
4−
今回、**さんが希望された4種の文字は、すべて各3枚以上同封されています。
今回の料金は*****円(メールに記してあります)となります。
(到着しました封筒に同封されている書留封筒にて送付ください)
以上につきまして、了解をされました場合には「了解いたしました」と、
ご一報のメールの返信をください。
*********
作品のごく一部ですが下記のような仕上がりであり、かなり良作です。
赤色のインクで、薄く彩色してあります。
『武』
『剣』
『剣』草書体
『農』
他『営』。
なお、自我判定をほとんどしないので、下写真の左の落款は今後使わない予定です。
つまり、写真左にある落款のある書は、
今までに、「自我判定をされた方のみ」が持っている書ということなります。
これで、自我判定の時に付属した書と、そうではない滲み書が区別できます。
■なお、「滲み書」については、個別に、皆さんの希望する文字の注文を、
受け付けるかどうかは、まだ検討中です。
長く、いろいろな文字を書いてきた経験からしますと、
滲み書の模様に、非常に調和する文字というものがあります。
なので、皆さんが自分が欲しい文字を注文しても、滲み書としての出来上がりが、
必ずしも良作にはならないことも多々あります。
これまでに最近、桜の間にアップした文字は、滲み書に非常にマッチするので、
もしかすると、今後は、私がこれだと決めた文字だけを書き、
単純にそれを注文して頂くという形になるかもしれません。
文字の候補としては、14種類ぐらいです。(自我判定の時に付いた文字もあります)
現在の候補
『遂 泰風 泰龍 然 蓮花 元軸 龍心
刻 超 会 気 異名 巨無 要』
今回の『武』も、なかなか良い滲み書になりそうです。
見本
昨日までは、販売予定だったのですが、滲み色の濃さの見本として
手元に保存しておきたくなったので、販売はやめました。
『遂』 『刻』 『会』 『巨無』
滲み模様の部分の拡大(青色で彩色してあります)
↓
現物はこの写真よりもずっと繊細な雰囲気です。
滲み書の特異性
まず、私のオリジナルであり、
世界中どこにも、この手法で書かれた書はない、
ということが、最大の希少価値になりますが、
作品としての味わいが、過去の書とは全く違います。
今までにいろいろな分野の方たちにご覧を頂きまして、
書道教室の先生や、何十年も書を趣味にされていた方や、
書画用商品の販売店の方からも、
「素晴らしい」「いままでに見たことがない」「美しい」との絶賛を頂き続けました。
しかし、それだけに、いままでは、この滲み書は、個人的な贈呈以外では、
主に「自我判定」をされた方にしか、お分けしていませんでした。
それを今回、冒頭に方には、試験的に発売してみました、
皆さんから、注文されても作ることが困難なために(今回の冒頭の方のは例外です)、
何百枚も描いて、その中から良く出来上がったものだけを抜き出して、
ストックしておく以外に方法がありません。
何よりも、この滲み書は、技術だけではどうにもならず、
たまたま、いろいろな要素が上手く合致し、
それこそ何かが、その時に降りてこないと、
今回、4作セットとして紹介したような作品にはなってくれません。
滲み模様が、偶発的に出来あがる要素は、
描いた、その日、その時の、
1/文字全体の形のよしあし
2/筆づかい(かすれ や 墨の飛び散り)のよしあし
3/墨の濃さの決定(その日の気温によって変えます)
4/彩色インクの濃さの調整
5/その日の気温と湿度と、乾燥速度
6/20時間かけて乾燥する際の紙の傾き
7/用紙の選択
8/特に、墨の滲ませ方には、いくつもの複雑なコツがあります
●これらの要素すべてが、私が自分で見ても、文句なく仕上がるのは、
数十枚に一枚、時には百枚に一枚ということがほとんです。
今回のたった4枚を作り出すのに、これだけの失敗作が溜まります。
↓
ある部分までは意図的に模様を作れるのですが、あるところを越えると、
計算したり意図的に作り出せないほど絶妙な模様になりますので、
「もう二度と、この模様は、できまい」というものが数ヶ月に一度できることがあります。
そういう作品は、手放したくないので、売ることもせず、手元に取っておいて、
特別なご縁のあった方にだけ謹呈させていただくことも、今までには多かったです。
今回のこれらの書は、そんな高精度の作品を含んでいます。
________________________________
★下記の作品3点は、百枚に一枚出来る可能性すらもなく、
二度と出来ない可能性が高い滲み模様の作品です。
書店さん(ブッククラブ回 さん)に謹呈したもので「非売品」ですが、
仮に価格をつけると一例として下記のような価格になります。
裏打ちもしておらず、掛け軸にもなっていないのに価格が高い、と思われるかもしれませんが、
商品ロゴの製作依頼と比較すれば、毛筆書の価格としては格安のレベルです。
20000円 15000円
30000円
なぜこういう価格になるのかは、滲みの部分をよく見ると分かります。
あまりにも模様が絶妙だったり複雑すぎて、類似する模様の再現すら不可能なのです。
一例として左は濃い目の滲み模様、右は極端に薄い滲み模様。
どちらもそれぞれの趣があります。
_______________________________
>■「 額 縁 」は、各自でご購入ください。
「書」の紙のサイズは、352mm×252mmですので、
額縁のサイズ指定は、最低でも「B4用」(364m×257m)となります。
一例としてですが、下記のお手ごろ価格のですと、1200円程度からあります。
フレームの種類もいろいろですので、予算と、お好みで選べます。
http://www.art-maruni.com/products/list.php?category_id=584
___________
★
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