▲
控えの間
-
全館目次
- 松の間
■
BBS
- 竹の間
■
BBS
- 梅の間
■
BBS
- 桜の間
■
BBS
■
松竹梅の間:ログ表示
松の間
竹の間
梅の間
桜の間
★ 番号指定:
1ページの表示件数:
件
☆ 検索語 :
検索表示 新着から
古い方から
タイトルだけ表示
タイトルと5行
全部
「性と死のホームページ」 http://www.mumyouan.com/
.
より詳しい使い方の説明(9月11日変更)
●梅の間へようこそ●
掲示板
Title
助っ人リンク
2007年3月までは「質疑応答用の掲示板」
2013年12月までは「禅書道」と「原発事故関連記事」
2014年以後は「テーマを決めない日記」になりました
★
「無明庵の書籍の案内」
★
ブラウザーの設定などの理由で最新情報が表示されない場合があります。更新ボタンやF5キーを利用してみて下さい。
[1938]
■
無明庵日記●猫の足跡-その688●「素人による 食品検査奮闘記・第67回」
by:
鈴木崩残
2014/06/13(Fri)07:34:01
「素人による個人測定・奮闘記」第67回
水溶液検体の必要性
●水溶性検体といえば、普通の食品では、醤油や、酢、となります。
ジュースやお茶は、長期間保存が出来ませんので、
塩分が多い醤油や、もとから腐敗防止効果のある酢が理想的です。
ただし、醤油にはK−40が150Bq/kgほど含まれてしまいます。
測定所での醤油の測定結果の一例
↓
>>セシウム137:0.511±0.362Bq/kg
>>セシウム134:<0.3Bq/kg
>>カリウム40:151±34.4Bq/kg
●私がなぜ、カリウム含有率が低くて、比較的純度のいい、
セシウム水溶液を作ろうと、少しやっきになっているかには、
明確な理由があります。
以前に書いたような、素人測定の宿命である「経済的な理由」により
何万円もする「標準線源」を1リットルも買えない、という事もありますが、
それ以上に最も大きな理由は、
「コンプトン散乱」と呼ばれる影響を計算上で差し引くためです。
●以後にも書きましたように、この「梅の間」では、
コンプトン散乱といった私のような素人が分かりにくく、
とっつきにくい言葉ではなく、「カリウム津波」と呼びます。
カリウムの山を大きな津波としてイメージし、
その波がそれより左のスペクトルに向かう波があり、
それが、セシウム領域の波の山に加算されて、
「かさ上げ」している、というイメージです。
既に、日向野さんから、すごく丁寧に(飲み込みの悪い私のために)、
わざわざ新規作成された「イラスト」を戴きまして恐縮しておりますが、
それに対する私の、つたない理解をもとにして、
以前に、この奮闘記に書きましたように、
この「左へ向かうスペクトルの津波」が起きる原因は、
放射線が、全ての物体に衝突するたびに、
「その毎に、低くなってゆくエネルギー」を発生しながら、
減衰してゆくので、
カリウム40のような、大きなエネルギーがスペクトルの中あると、
その津波の余波で、測定で狙っている領域のセシウムの波も少し持ち上がる、
というイメージ(現象)です。
これは多くのネット上の資料や図にもありますように、
K−40の左側に、こんもりと盛り上がった丘陵のような形があることで
理解できます。
たとえば、下記のリンク先では、
「問題−5」のところです
↓
http://bq-center.com/wordpress/?p=774
もっと強調されたものは、これです。
↓
http://www.taroumaru.jp/guidebook/pm1406/26
●さて、全ての測定所の測定器は、
ソフト上でそうした影響を「補正」していると思います。
では、どれぐらいのK−40があった場合には、どれぐらいの比率で、
それを補正する係数を適応したらいいのか?となります。
●そのために、濃度を自由に調整できる、
「やさしお水」をバックグラウンドとして使う、という手もあるのですが、
これは、本当に正確にやろうとすると、
測定するたびに、K−40の濃度を近似値に調整したBGを取得する
という作業が必要となり、かなりの時間がかかります。
あらかじめ、数段階の濃度の「やさしお水BG」を用意しておく
というのも前には考えたのですが正確性には欠けてくるかもしれません。
カリウム含有量は検体ごとに違うから、影響もそのつど違うわけですから。
*********
●そこで、私が考えたのは、まずK−40の濃度が変わると、
セシウム領域に「どれぐらい影響するか?」という具体的なデータです。
それを調べる方法として次のような手順を考えました。
★1/
一例として、
セシウム137が10Bq/kg、K−40が50Bq/kg
という、水溶性の液体があったと仮定します。
これをまず測定します。
★2/
次に、やさしお1gを8.39Bqとして、
K−40だけを50Bq増やすには、
50÷8.39=5.9g(約6g)のやさしおを加えます。
すると、セシウムは同じ濃度で、K−40だけが100Bqに増えます。
このK−40が100Bqの試料を測定します。
★3/
「2」で測定したときのセシウムの山や面積が、
最初の「1」で測定したときのセシウムの山や面積と差があれば、
その差分の比率(%)が、K−40の「カリウム津波」による影響とみまします。
それを「補正係数」とします。
★4/
同じようにして、今度は、やさしおを、
さらに「12g」ずつ加えてゆきます。
すると、セシウムは同じ濃度で、K−40だけが、
100、200、300、400、500、600、700Bq、
これぐらいの種類のデータを取ります。
そして、おのおのセシウム領域が、これらカリウム40の増加に伴って、
何パーセント「面積や山の高さが増えたか」ということを調べます。
★5/
こうして取得したデータをもとにして、
たとえば、ある任意の食品検体が、
セシウム137が、15Bqで、
カリウム40が「200Bq」だったとしますと、
データの中から「K−40が200Bqだったときの補正係数」を
セシウムの数値に対して適応します。
こうすれば、自分の測定用の補正係数が割り出せます。
●測定の環境変化によって、誤差は出ますが、
大雑把ではあるものの、カリウム津波の影響を考慮した定量となります。
●似たようなことは、たとえば、Cs−137に
10Bqほど汚染されている事が確認されている、
「米ぬか」や、小麦粉や全粒粉、などに、
やさしおを同じように加えて調べる、という手もあるのですが、
混ぜたときに均等に混ざらないと正確なデータが取れないと推測されます。
さらには「ぬか」と「やさしお」では、粒子の大きさや比重が異なるので、
重い、やさしおだけが下に移動することにもなります。
しかし、米ぬかの場合には、何よりも一番問題なのは、
元々カリウム40が400Bq/kg前後含まれていることが多いことです。
こうなると、前述したようなカリウム津波のデータはとれません。
●こうした理由から、やさしおが溶ける検体として、
水溶性の試料の必要性を感じて、私は試作しているわけです。
マリネリ容器内での「均一性」に非常に優れているからです。
しかし実際には、Cs−137が15ベクレルぐらい汚染された液体で、
体積基準線源(係数を割り出すための試料検体)として、
長期保存がきくものというのは、
今のところ、発掘するのが、なかなか難しいのです。
それゆえに、梅の間では、ずっと「液体試料」の自作を試みてきました。
●ちなみに、カリウムが非常に少なくて、セシウムが25Bq/kg以上ある、
といった検体を探すのは、下記の表を見ると分かるように、
とても困難であると分かると思います。
液体試料としては、25Bq/kg前後に汚染された「みりん」があれば、
文句ないのですが、ないと思います。
↓
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/kalium.html
*********
●ですので、もしも、塩化カルシウム+精製塩を過熱した「熔融塩」によって、
土壌からセシウムを、塩水として取り出せていなかった場合には、
最終的には、酢酸アンモニウムを使って、
なんとか10%でも抽出できればと思っています。
【塩化カルシウム】の購入先
(ただし「熔融塩法」は台所では危険すぎるので、
庭、または、それなりの「作業場」が室内にないとできません)
安いのを買うとゼオライトが入っていて、
塩化カルシウムは75%ぐらいというのが多かったです。
ですから、純度が高いもののほうが良い。
私が使ったのはこれです。
↓
http://www.monotaro.com/g/00539752/
■ちなみに2100度まで高温にできる、お手ごろ価格のバーナーがありました。
一回に10分の加熱が必要として、70分もあれば、10回も使えます。
↓
http://www.monotaro.com/g/00367088/
http://www.monotaro.com/g/00367131/
「次の新しい投稿」に、作業の様子の動画があります。
*********
●カリウム40以外の、他の核種による、
セシウム領域のピーク位置への「嵩上げ」や「誤認」に関しては、
資料を探すのではなく、現場で、日々の測定をしている、
実務経験が豊富な、数箇所の「測定所の方たち」に直接にお聞きして、
少しずつ学んでゆこうと思っています。
測定検体に含まれる核種の分布するケースにより異なるので、
実際の測定を何十、何百とせずに、ただ頭の中だけで理解しても、
実戦現場では、逆に間違うだけですから。
とにかく、沢山の検体を
「測定しまくる」、「検証する」、「考えたり、参考資料を見る」
そして自分の測定したものを測定所で「クロスチェック」する、
これを繰り返すしかないのです。
そのための食材は、
大変に残念なことですが、日本には毎日、あちこちにあります。
■なお、私個人は、自分で素人測定したもののチェックは、
おのみち−測定依頼所−さんに常にお願いしています。
私が、非常に信頼を寄せている根拠は、
以下のようなチェックをされている点です。
http://onomichi-labo.blogspot.jp/2014/06/32014.html
この複数のうちの醤油2検体は、私が提供させて戴きました。
我が家で「以前に」使っていた製品だったからです。
また、これまでに濃度の低い、ローズマリー、玄米、松葉なども、
チェックして戴きまして、
中には、GEによるチェックをした検体も多くあります。
それらの測定結果、おおむね、非常に近似値の数値をはじき出している
という点から、
信頼性の高い測定をされている点で私個人は、常に頼らせて戴いております。
また日々、疑問に思われたものは、その精度を高める調整を、
「現場の測定の中で」詰まれておられるという点で、
杉原様の測定への姿勢には、心底、いつも敬服しております。
さらには、0.5Bq/kgから2Bq/kgあたりの、
とても微妙な濃度の領域で、杉原様の測定は、
ゲルマニウム半導体検出器での測定と誤差が非常に少ないのです。
この領域は、私の素人測定ではとてもカバーできない範囲なので
本当に助かります。
また測定結果も、数種類出してくださる事もたびたびあります。
今後とも自分の測定で10Bq/kg以下の範囲で定量した検体は、
時々、チェックしていただき、混在する天然核種のkeVなども
そのつど教えていただき、勉強をさせていただいく所存であります。
*********
★「アルマジロ休暇中」の間に、
測定に関しての基礎は、このあたりをもう一度、私も読んでおきます。
「たろうまるさん」
↓
http://www.taroumaru.jp/main/pm1406/
もっと詳しく
↓
http://www.taroumaru.jp/download/ftp/pm1406_manual.pdf
「基礎」ここから1〜5まで辿れます。
↓
http://bq-center.com/wordpress/?p=651
「定量下限」と「検出下限」
↓
http://www.radio-isotope.jp/tech/tech_MDL.html
その他
↓
http://www.taroumaru.jp/main/screening/
【測定所の方が書いた勉強用の資料集(投稿の最後にある)】
↓
http://www.mumyouan.com/k/?U1920
【土壌の測定法で、とても参考になった例】
↓
http://geiger.grupo.jp/blog/610135
_____________________________
・追記・希望が見えてきた
●僅かですが、土壌から、セシウムを抽出できました。
今回は、何しろ、はじめてだったので、熔融温度が足りなかったりと、
不手際がありましたが、これを受けて次回は、
1/2100度まで温度をあげられるバーナーを使う。
連続加熱10分ほどで熔融できるようである。
2/元の土壌を300Bq/kg前後の焼土を使う。
これは既に、関東の知人に頼んでありますので、来週には手に入ります。
土壌は今回の約2倍の500g使用する。
これで、おそらくは、10から30Bq/kgほど抽出できると
踏んでいます。
今回のテストでの測定結果の詳細は以下のとおりでした。
茶色検体とありますが、実際にはうっすらとした茶色ですので、
その水中の粒子の成分のために検出されたのではないと推測されます。
なぜならば、以前には、シュウ酸で3時間煮たときには、
出来上がった真っ黒な液体中に、うんともすんとも何も出なかったわけですから。
実は、もうひとつ透明に近い灰色の検体があり、
そのほうが熔融温度は、よかったのですが、煮出さずに、
常温の水で溶かしたのが失敗で、検出はごくごく微量でした。
左が薄灰色、右が薄茶色の液体
↓
*********
■「おのみち−測定依頼所−」様よりのレポート
「液体試料(茶色)」
********************************************
3σ(精度99.7%)
セシウム137:2.71±0.810Bq/kg
セシウム134:0.872±0.425Bq/kg
カリウム40:<3.0Bq/kg
との結果となりました。また、スペクトルからみますと、
天然核種
「タリウム208」(583keV)
人工核種
「セシウム137」(662keV)
「セシウム134」(605keV、796keV)
の検出と判断いたします。
セシウム137及び134共にピークが確認できます。
セシウム137と134の比率も、0.872/2.71=0.321771...となり、
理論値である0.365に概ね近いものと考えられますので、
福島第一原子力発電所の事故によるものと考えて差し支えないものと推測します。
なお、天然核種として、タリウム208をごく微量検出と判断しました。
これは、605keV付近のピークが、少し左にもなだらかに、
583keVあたりまで伸びているのが確認できますので、
タリウム208が含まれていると判断しました。
中略
従いまして、この茶色の検体には、
ビスマス214は存在していないと判断しました。
******************
●ちなみに、測定所には1リットルで出しましたが、
自分のマリネリでは600mlなので、煮て600mlまで濃縮します。
そうしますと、1リットルでの測定所の結果の数値に、
数値×(1000÷600)となり、
セシウム137:2.71±0.810Bq/kg →4.51Bq/kg
セシウム134:0.872±0.425Bq/kg →1.45Bq/kg
の水溶液になります。
濃縮してみました。
↓
■それにしても、0.7Bq/kgという濃度が、
このようなスペクトルで捕らえられて見えるというのは、
なんとも羨ましいです。私もアルマジロで頑張ります。
↓
_____________________________
★
.
<<-- これ以前の投稿 10件
(1938 番)
これ以後の投稿 10件 -->>
梅の間 の最新投稿
オーガズムTop
全館目次
C mumyouan 当サイトのコンテンツの無断転載は著作権法により禁じられております。
- BlackVoid BBS CGI 2006.08.30 -