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[702]
■
セックスのための音■「Z−55」&「干渉波」CD制作日記■
by:
ほ・う・ざん・
2004/11/27(Sat)17:36:46
「Z−55」のCDの制作日記をアップすることにしました。
のちのち、このレポートが「解説書そのもの」となります。
> ●なお、この投稿は、どんどん更新されます●
「Z−55」のCDのデザインの中には、文字を入れたくないので、
ここの投稿のアドレスを参照するように印字する予定です。
さて、ジャケは出来たのですが、中身はまだです。
裏ジャケ
CDを収めた状態(表)
CDのみ
インレイ裏面
>___2004.11/27___
■さて、今日のところは、まだ詳しくは、書き込みませんが、
現在、いろいろと実験中です。
基本的に何かのイメージを想起させてしまう音は、
楽器音であっても、自然音であってもセックスの時には、邪魔になります。
セックスのムードを盛り上げる音楽というのではなく、
セックスの行為の時に、気にならない音というのが大変難しく、
さらに、気にならないという消極的なものでは、商品になりません。
セックスに集中するための、精神状態や、身体の状態に、
何らかの効果的なサポートをする必要があります。
そのためのヒントを与えてくれたのが、「干渉波」の制作でした。
持続的な電子音で、あれほど耳障りでない音というのは、
私は初めて聴きました。
たいていの持続する電子音は、パルス状であってもなくても、
神経に負担がかかりました。(私の場合には)
しかし干渉波は、1日に何回も、「ただの環境音」としてかけていても、
特別、嫌な感じは全くしません。
そして、次々と現在、奇妙なことが我が家では起き始めました。
そのひとつが、猫の糞の匂いが、CDをかけてから、極端に
匂いが薄くなったことです。
うちの猫の糞の匂いというのは、たぶん、平均的な猫より
臭いと思います。何か腸に疾患があったのかもしれません。
しかし、それが日に2度ぐらい、CDをラジカセでかけるようになってから
2日目ぐらいから、糞の匂いが本当に薄くなったのです。
感覚として、一番臭いの100%とすると、30%ぐらいです。
糞を取るときに、いままでは息を止めていましたから。
ということは、何か整腸作用があったのかもしれません。
と、同時に、私の相方が、筋金入りの便秘なのですが、
そのせいで、オナラが臭いらしい(本人の自己申告+私もそう思う)。
便秘症の人は、たいていそうらしいのですが、
それが、また、時期を同じくして、その匂いが薄くなってしまった。
あとは、これで、実際に便秘が直ったらば、報告します。
もしもそうだったら、
便秘症の救いとなる、
「とんでもないCD」を作ってしまったことになりますから。
今のところ、相方は、他の漢方薬のお茶や牛乳、炭酸といった
便秘に効くものをわざと取らずに、このCDだけをここ2日、
ヘッドホーンで聴いています。
そして、本日からラジカセのスピーカーで聴く方法に変えました。
ラジカセは、トラック1〜2に関しては、やはり、ボリュームを
絞り気味にしないと、ほとんどの場合に、ラジカセのボディーが
振動して、ビリつきの音を出すでしょうね。
だから、音量は、ビリつかないところに押さえてあります。
■あとは、前に言いましたけど、私個人は、
快眠、快便が続いています。
それと、つい最近、「美容」のサイトで知ったのですが、
一定の変化のない高周波振動というのは、肌に悪いことがあるようですね。
だから、美顔用の超音波も、その周期に「ゆらぎの変化」を
必要とするらしい。
「干渉波サンプル」は約50秒しか一定の周波は続きませんので、
そういう意味でも、健康などを害する恐れは、極めて少ないようです。
実に単純な音でありながら、そこには、いろいろな事の効果に、
最も効率のよい「何か」があるように思えています。
■自作の「Z−55」では、このノウハウをもう少し掘り下げて、
さらに、正弦波ではない音源で、何がセックス全体に効果があるのかを、
現在、音源を検討してます。
「駄目なもの」は、膨大に候補があがりました。
現在目指しているのは、
1/男女ともに、
セックスの意欲や精力そのものを刺激、または増進する効果の音
2/男性の早漏の防止や勃起力強化、
そして、女性の感度上昇などにも効果的な音
3/サイズアップトレーニングなどの時に、かけられる音。
これを全部、クリアーすることは、到底難しいのですが、
いちおう、目標にはかかげて、現在、毎日、模索と実験をしています。
出来あがる音は、どうなるかわかりません。
意外にも、シンプルな音になるかもしれませんし、
逆に、何度も音を重ねたような奥行きのある音になるかもしれません。
聴いた耳にセックスを連想させる音でもなければ、
セックスシーンのBGMの音を作ろうとしているのでもありませんから、
そこが、難しいんですよね。
ちなみに、グルジェフでしたら、こういうのを
「客観芸術」とか言ってませんでしたっけね。
主観によってとらえるものではなく、誰もがその建築物の内部を歩くと、
同じ精神効果を引き出すようなものという意味で。
ちなみに、Z−55というタイトルの由来は、
ロバートモンロー氏の「魂の体外旅行」の中に出てくる
ガイドのアイデント(エネルギーパターン/拠点の名称)です。
裏ジャケのデザインは、その本の中(126P)で、
男女が肉の塊となって、混ざり合い、虫のようにうごめていてる、
「肉欲の山」が描写されている部分を、抽象化したものです。
そして、その雰囲気を、かもし出すために、
このCGの元の写真は、男女の裸体が映っているものを
加工し、コラージュしたものです。
そのためにジャケの濃い肌色(オレンジに見える)部分は、
これは、合成された色ではなくて、実際の人間の肌の色を、
抽象的に変形して、デザイン化したものなのです。
次回に続く〜
■
>______11/29______
ちょっと、感じたこと。
バッハの、無伴奏チェロ組曲は、
あらゆる種類のセックスシーンに、なんとなく、
BGMとして、マッチするような気がした。
下品なAVから、ヨーロッパ調の品の良い映画まで、
なんでも、それとなく、合ってしまう。
なぜかと考えると、バッハの曲は、情感を感じさせるものではなくて、
「即興的な音の構造的な遊戯」がメインなので、
余計な情感を想起させないで、
ただ、セックスの「肉体の動き」そのものと、
無機的に重なるような気がした。
ちなみに、チェロの音だから、合うというのではなく、
あの曲を、フルートの音やピアノでやっても、
やはり、セックスシーンに「ややシュールだが合う」というのが分った。
ポイントは、チェロの音だからではなくて、
あのアルペジオ音階の移動とリズムのようだ。
ただ、それは、セックスシーンの「BGM」として、
無伴奏チェロ組曲が合う感じがする、というだけの話で、
セックスしている本人たちの意識や体に効果的なサポートをするかどうかは
また、別問題になりますね。
でも、今、頭にある音源の案とは別に、
市販のCDの中から、さらなるヒントだけは探しています。
バッハの持つ、「人間臭くない旋律」「音階のうねり」は、
確かに、セックスに通じるところがある。
〜続く〜
●
>______11/29:夕方______
そうだ、松村氏の音楽鑑賞にあった、ジャズとか
アナログレコードで、思い出したことがある。
それは、私もなぜか、数週間前からアナログのレコードを
ちらほらかけていたのですが、
その中で、注目したのは、初期のカーペンターズ。
別に音楽的にどうのこうのでなくて、録音された音質にです。
当時のヴォーカルって、全くエフェクトなしですからね。
それでいて、あの音圧、あの繊細さ。すごいです。
そういうのは、たぶん、昔のジャズとかのレコードにも沢山あると思う。
ノンエフェクトの人間の声。
最近というか、75年以降かな?そのへんの音楽録音って、
どんどん機材が発達してきたせいなのか、
とにかく、音に色付け、広がりをつけるのが主流ですね。
とくにポップシーンでの話ですが、
すっごい、生々しい声とか、楽器音とかって、どんどん少なくなって、
どんな声にも、コーラスやディレイやリバーブがかかっている。
それにくらべると、当時のカレンカーペンターの声ときたら、
何も加工しておらんのに、あれです。
音質そのものが、もう今のものとは完全に違う。
それが、あらぬ方向へと動き出したのが、
「オンリー イエスタデイ」というシングルからで、
その時点で、「カーペンターズは終わったな」と、
高校生だった当時の私でも、そう思いました。
それ以来彼らのアルバムは全く買っていません。
編集や録音ではなく、彼らが、
作曲そのものに、コンピューターによる作曲技術を投入したとかが
その時期らしい(詳細は不明ですが)
そのせいか、それまでの、旋律構成とも全く変わってしまい、
音質も全く変わってしまい、
そして、やがて、あの拒食症問題へと彼女の運命も転がっていった。
で、どうこの話を締め括るかというと、
この、「ノンエフェクトの音圧/音質」というのが、
今回制作しているCDにも、重要な部分で、必要なんです。
いろいろといじっているのですが、
イコライザー以外は、何も通さない生々しい正弦波ほどいい。
とりあえず、それを何回もオーバーダビングしてみて、
あとから、エコーとかかけてみようと思っている。
現在、正弦波は、最大で、24個〜32個の発振を同時に鳴らしているけど、
あんまり重ねてモアレを複雑にしても、どんどんおかしな方向へいきそうで。
それと、生録の音の加工も考えている。
いえ、別にセックスの音とか、声なんか使いませんよ。
もっと、違う生録音です。
ちなみに、バイノーラル録音は使いません。
あれは、ヘッドホーンでないと全く意味がないから。
バイノーラル録音に興味ある人は、ネットで聴けますよ。
↓
↓
http://bbsitake.hp.infoseek.co.jp/binaural.htm
http://blog.ishib.com/archives/2003/0912_2301.php
ホロフォニクス関連
↓
http://www.23net.tv/modules/xfsection/article.php?articleid=26
http://www.23net.tv/modules/xfsection/article.php?articleid=25
**その他**
http://www.jimcom.net/tarkovsky/0815.html
http://www.jimcom.net/elehobby/dmhead/
●
>______11/30______
●えらいことになった。
相棒が便が出た。「干渉波サンプル」のCDをかけ始めて2日目である。
暗示とか思い込みなんてことは、あり得ません。
そんなもので便が出たら、誰も長年、苦労することありません。
私が心配したのは、ラジカセだと大きな音だと歪むので、
比較的ボリュームを絞っているので、効果的ではないかもしれないこと。
しかし、便はしっかりと出ました。
前に、出そうとしたときは、炭酸、コーヒー、ミルク、など
いろいろと試していたらしく、
やっと下剤的な出し方で出せたことはあったらしいですが、
その方法は、お腹が痛くなるということで、それ以来は、
漢方薬のお茶を何ヶ月も呑むも、ほとんど効果なしでした。
それが干渉波CDをかけてから、便が通るということは、
やはり、何かの整腸作用があるのかもしれないと思いはじめました。
●猫の糞は、あいかわらず匂わない。私にはこっちの方が脅威的です。
動物には暗示なんてかかりませんからね。
しかも、これまた元々元気がいい猫に拍車かけて、
こちらがまいるぐらい、妙に元気がいい。
●今のところ、「干渉波サンプル」に見え隠れする「効能」は
>快眠効果、快便効果、整腸効果、
>それに何か?のバランス調整作用。
>そして身体の特定の高さの部位に、5つの音程が対応しているのは確か。
★【干渉波サンプル】のCD
については、
その効果の内容や、購入の方法は、
↓の竹の間の投稿を参照のこと。
http://www.mumyouan.com/k/?T3283
http://www.mumyouan.com/k/?T3282
http://www.mumyouan.com/k/?T3281
http://www.mumyouan.com/k/?T3284
■
>______12/2朝______
●実は、「セックスのための音のCD」の構想案の「ひとつ」として、
セックスマニュアルの「虹のオーガズム」で解説した、
「セブンコンタクト法」の
「ガイドとなる音」にしようかとも考えて、ずっと、テストをしていました。
あれだと、ちょうど7トラックだし、10分のパートを7つで、
変化もあるしで。
●で、まずは、既に完成している、
「干渉波サンプル」で、いろいろと、試したところが、
>・TR−1は、「性器」と「足の裏」の相性をチェックするのに使えて、
>・TR−2は、「お腹」と「手のひら」の相性をチェックするのに使えて、
>・TR−3は、「胸」と「背中」の相性をチェックするのに使えて、
>・TR−4は、「頭部」の相性をチェックするのに使えた。
●つまり、相手との総合的な相性、波長の合う合わないを
チェックするための「セブンコンタクト法」には、
いまさら、新たな音を作らなくとも、「干渉波サンプルCD」で
立派に全部、間に合ってしまうと判明。
しかも、セックスの全身の中枢全体のバランスを
最終的に調整したり、
あるいは、男性でも女性でも深いオーガズムを経験する鍵となる
>「頭頂部」も、
>・TR−5の音で調整される。
●まさに、結果として、「万能のCD」だったわけです。
なんとも単純な音なのに、驚くべき効果です。
余談ながら、博士の糞がずっと匂いが薄い。
相棒は、順調に便が出始めている。
その他、いろいろな事に気付いてきたけど、
あんまり本当の事を言うと、瞑想馬鹿みたいな人から、
注文殺到するので、言わないことにした。
今でも、既に、告知から、たったの数日で、
70枚以上も出ているし。
あれは、体外離脱に応用するよりも、
トラウマ系の緩和とか、解毒効果とか、
そういう精神面で、その人が、「なだらかでない部分」を、
自然に調整する効果は、かなりあるみたいです。
まるで、「メンタル・マッサージ音」です。
「心の砥石」みたいですね。
音波でトラウマを削るみたいなもの。
●つまりは、瞑想の前段階として、
瞑想できる状態へ調整するというものです。
【干渉波サンプル】って、つまるところは、
「メンタルマッサージであり、
チャクラ完全調整のためのCD」だったんですよ。
なぜEO師が、この構想とテスト発振の音を残したかがわかった。
EO師がよく、
「この人たちは、そもそも瞑想以前のことをしなければならない。
ちゃんと生き切っていないから、途中で行法が出来なくなる。
霊的中枢のバランスがとれていない。
あれでは、エネルギーが頭頂や前頭部に集まるわけがない」
とよく言っていた、その「バランス」と、
「瞑想するための準備」をこうした音を補助輪として使って、
調えさせようというなんとも、親切な実験だったのでしょう。
〜続く〜
●
>______12/4朝______
うーむ。行き詰まりました。
楽器音の持続音などを、いろいろと多重正弦波に合わせてみたのですが、
まだ、うまくいきません。
楽器音といっても、転調したり、メロディーを鳴らすと、
人間の情感を動かしてしまうので、それを避けるために、
ただの持続音として楽器音を使ってみるわけです。
10分間、ワンコード鳴っているだけというシロモノですね。
しかし、どうも、その音が正弦波に合わない。
只今、実験中。しかし・・・・・
↓
これは、とうとう、壁にぶつかったかも・・・・・。
ある程度は、満足のゆくものにならねば、
もしかすると、配布しないかも・・・・。
「困ったにゃぅ・・・」
うまい、突破口がないかなと、ここずっと、探っています。
◆
>______12/11______
ひさびさに、製作過程を書き込みます。
音楽であるなら、めまぐるしく繊細に変化する曲が必要になります。
でも、今回のは、ダンスミュージックでもなければ、
サウンドトラックでもなく、
SEXの現場でどうかというのが問題。
そこで、たどりついたのが、
1/干渉波を40〜80個重ねるなどによる持続音を底流に録音する。
2/楽器音(合成音)をその上に重ねるが、
決して、情感を刺激してはならない。
SEXのときに、曲に気がひきつけられてはならないからである。
3/セックスの邪魔になるような印象的な曲や、
頭に残るフレーズであってはならない。つまり覚えられないようなもの。
4/普通の音楽は、仮にスピーカーを境界線とすると、
スピーカーの「向こう側」にその音楽の作り出す世界があるものが多い。
だから、人は「その音像のイメージの中に引き込まれる」。
しかし、この試験中CDの場合には、
音がスピーカーのこっち側へと、侵略してこなければならない。
そこが難しい。
■こうしたことから、一時は全音階使った前衛音楽みたいな
つぎから次へと、予測外の所に音階が飛ぶような、
パートの曲もありましたが、おもしろいのですが、
それはSEXとは、また別の世界に入ってしまうので、ボツにしました。
キングクリムゾンばりの、変拍子や、
弦をこするような持続音とかも試しましたがボツ。
そして前回検討した、人の声のオーバーダビングや加工もボツ。
結局、現在7トラックのうち、6トラックが、おおよそ形になっています。
以下のとおりです。
1●「接近」・・・・・・・複層干渉波+効果音
2●「触れ合い」・・・・・アルバム中、唯一の、複層干渉波のみのパート
3●「融合」・・・・・・・複層干渉波+エレクトリックドラム
4●「高まり」・・・・・複層干渉波+シンセベースのシーケンス
5●「合体」・・・・・・・複層干渉波+タブラーのドラムキット
6●「余韻」・・・・・・・複層干渉波+ベースギターの音
7●「安らぎ」・・・・・・複層干渉波+効果音
6トラックのタプラーの音のデータの打ち込みが
まだ、まったく出来ていません。
あまり音楽的に、変拍子を同時進行させるなどのことはせず、
シンプルにいきたいと思います。
また、伝統的なインド音楽はすべて無視。単に音が使いやすいのです。
いわゆる、普通のドラムの音というのは、
西洋の音楽の伴奏用に構成されたものです。
また、アフリカのパーカッションとかは、何か違う。
和太鼓の音も、どうも、気合のイメージが強くて、合わない。
そこで、行き着いたのがタブラーの音。
これも情感を刺激しない、数理的で無機的な雰囲気が、かもし出される。
■とにかく、難しいのが、サビの部分があってはならず、
仮に、メロディーがあっても、それは聴き手に、心地よさを与えてはならず、
また下手に転調すると、ぐっと、「普通の音楽」になってしまう。
かといって、サスペンスやSF映画のBGMになってもならない。
音を音楽としてではなく、
どこまで、「部屋や耳をターゲットとした【音波】として扱うかに
すべてがあります。
しかも、ただ鼓膜に攻撃的である音とか、
脅かしとか、驚きを与えるための変わった音とか、
空気を振動させるための音だけなら、
干渉波のようなものや、電子音で、出来ますが、
問題は、セックスの現場に鳴り響いていて、
共存できるものを模索している事です。
しかし、これって、下手したら、ストリップのときにかけると
合う音楽でも作っているのかいな?って感じです(笑)
しかも、未来世界のストリップ劇場?何それ?ですね。
部屋に、スコアやら、ミキシングの編集メモが散乱しています。
↓
なお、全トラックに、多重干渉波(複層干渉派)が録音されています。
聞いた耳には、ただの「音のうなり」にしか聞こえませんが、
最低でも、48音、最大で96近い正弦波の多重録音です。
そこに被せてある楽器音は、
なにしろ、椅子に座って聞き込むためのものではなく、
体動や、性技のためのものですから、
呪文のように、何回も単調に、
同じコードや、フレーズやリズムを繰り返しています。
味付けに、最低限必要な、微細な変化は、加えてありますが、
すべての音は、ゆっくりと変化してゆきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★おまけの博士君です。
帽子をかぶった博士君
↓
昼寝の博士君
↓
「にくきゅう」ファンの方のための写真
↓
■
>______12/13______
●たった今、仮のCDRに焼き付けたところです。
アルバムは、69分30秒という、容量ぎりぎりに仕上げました。
全部で7曲。短くて7分長くて11分のがいろいろです。
何を苦労したかと言いますと、
印象が、頭に残らないこと、
セックスの邪魔にならないこと。
イーノの環境音楽みたいでもなく、
エレクトリックドラムのかなり強いビートとか、
タブラーとか、ベースギターの高音域でメロディーも弾いてます。
また、シンセベースのマントラみたいに延々同じ繰り返しの
シーケンスというのもあります。
で、何が普通の音楽とまったく違うかといいますと、
底流にずっと「多重正弦波」が鳴っていることです。
これが基本的にはセックスセンターを刺激する仕組みになっています。
そして、こういうまるで、こもった機械音のような基礎の上に、
いったいどんな音を重ねたら違和感なくマッチして、
しかも、単に重ねるのではなく、それもセックスを
奮い起こすような方向に誘導しする音を重ねるかが、
とても難しかったポイントでした。
ちなみにタブラーは、4分の2、3、5、6、7拍子の
多重リズムが同時進行しています。
ただ、それほど複雑には聞えず、聴いた耳には8ビート?に
聞こえるかもしれません。
インド的なタブラーの奏法は無視して、単調に算数的に重ねただけです。
このパートは、挿入してカップルが腰を練って、体動する場面の音なので、
あまり複雑な凝ったリズムを使うと、
腰振るリズムが変なことになりますから(笑)
●そんなわけで、曲によっては、「あれ?普通の音楽?」
とも聞こえますが、低音の干渉波がどの曲にも入っているのが、
とても、普通の音楽とは言えないところです。
また、音楽的に楽しませるためにコードを転調するとか
飽きがこないように「変化させる」という普通の音楽的な工夫をすると、
セックスとはマッチしなくなりますので、
言うなれば、魔術儀式でもしているようなフレーズやリズムの
ループが多いと言えます。
でも、たぶん、音楽的に、分類不可能だろうと思います。
おそろしく、前衛的であるとか、変わっているわけではないですが、
ニューエイジのような軟弱さは微塵もなく、
テクノのような軽さもなく、
それでいて、神経にさわらないで、曲をかけていたことを
忘れるようなもので、しかも、変な低周波が鳴っている、
という、かなり「わけわかんない仕上がり(笑)」ですよ。
●もしも何に似ているかと、聞かれたら、
多くの人は、映画の特定シーンの音楽または効果音だと
言うと思います。
聴きようによっては、SFの「プレデター」などにも合いますし、
渋めのサスペンス映画のラストシーンに合うような曲もあります。
という感じです。
さて、いざ、実際のセックスの現場に持ち込んでみて、
どうなるかですね。
曲を創りながら、セックスをしては、また音を直したりして作る、
という方法はとらず、一気に7曲造り、まとめて、これから
セックスのときにこの音をかけてみて、また報告します。
チェックしてみて、もしもOKと私が判断しましたら、
チマチマと、注文制で、少ない枚数だけ配布します。
●
>______12/21(5:26)______
●「Z−55」を出荷して、一段落したところで、
私は、ためしに、あれを「音楽」という視点で
再度、違うバランスで、ミックスダウンしてみました。
オリジナルは、セックスのときを想定したいろいろな
バランスになっていますが、それを
リスナーとして聴くだけのためのミキシングにしたのです。
まる一日かかって、完成したこのバージョン・・・
聴いて、唖然としました。
元のトラックに入っている音の要素は全く変わっていないのに、
まるで、骨抜きの魚です。
もっと正しくたとえると、
オリジナルのが、痛いけど気持ちのいい「マッサージ」だとすると
このリミックスのものは、「なでているだけ」みたいなものです。
むろん、コンセプト的には失敗なので、このリミックスバージョンは
市場にでない、私のテスト盤です。
●そして、なぜ、同じものがミキシングでそこまで変わってしまったか
の原因は、いくつかわかりました。
これは今後、私が「音波音楽(勝手に造語です)」を制作することが
あったら物凄く大切な注意点になります。
1/多重干渉波または、音波音楽には、なるべくエフェクトをかけてはならない。
これをすると、音の輪郭がボケて効果が薄くなる。
(特にダメなのがリバーブやディレイ。なんとか使えるのはフランジャーや
フェイズシフター。それと波形を変えないトレモロは使っても大丈夫。)
2/「音波音楽」では、多重干渉波のボリュームを絞ってはならない。
普通の音楽的構成には、有り得ないほど、
少し大きなボリュームであることが必要。
3/最終的にミキシングするときに「聴く音楽」として耳で作ると失敗する。
音を作る段階〜演奏する段階から〜最終的ミキシングまで、そのすべてを
スピーカーでモニターして、空間をどう揺らすか、身体にどうくるかを
基準に作る必要がある。
●最後に、次回もたぶん、「音波音楽」になると思います。
ひとつは、「書店」とか「喫茶店」に似合う「音波環境音楽」のアルバム。
その中で少なくとも1曲は、多重干渉波を使わずに、しかも同じ干渉波理論で
ピアノの音を主体としたに曲も作りたいと思っています。
***************************
>______12/22______
●Z−55は全曲に
「多層正弦波(正弦波を50個〜80個重ねたもの)」が入っていて、
これで、音の「低部」をすべて支えているという事では、
あまりない手法の応用なのです。
普通は、音の底辺は、コントラバス、ベース、打楽器、
チェロの持続音などで「基礎の土台」を安定させますが、
このサウンドは、それを、低音の正弦波でやっています。
Z−55は、その上に、ごく普通の音に聞えるシンセ音が
オーバーダビングされています。
●制作日記に書きましたが、みなさんのところに届いている「Z−55」
は、楽器音と多重干渉波のバランスが理想的なもので、
このバランスをわざと崩したミックスダウンのものが
うちに2つあります。
ひとつは多層干渉波の音量を若干小さくしたもの、
もうひとつは、多層干渉波の音量を若干大きくしたものです。
このふたつは、まるで異なります。
前者は完全な失敗であり、後者によって
いかに多層干渉波がこの音楽の骨組であるかを痛感しました。
●なぜ多層の正弦波で音の基礎工事をしたかと言うと、
高域の周波数の倍音を含む音は、紫外線と同じように空気中で
拡散してしまい、浸透が悪くなります。
Z−55は、全体に音がこもったように聞えるのは、
極端に高い周波数をカットしたパートが多いからです。
ベースギター音にしても、カットしてあります。
どれぐらい高音をカットするかは作るときに重要な問題で、
何度もフィルターを調整しました。
●さて「音波音楽」は、低音部を正弦波の多層干渉波で支える。
(この低音部の基礎を、持続音などで支えるという手法自体は、
電子音楽の「リゲティー」などが使っていた)
そして、その上に、その基礎部分を補助する楽音を重ねるという手法
を命名してみようとすると、音波音楽というのも変ですから、
強いていうと、アンビエントがそれこそ「家具のように周囲に静止」
しているイメージに対して、Z−55で使われた手法やそのコンセプトは
もう少し、積極的に聞き手の行為に対して、補助するもの、浸透するもの、
という意味で、造語の部品となる英単語の候補としては、
infect
penetrate
back up
envelop
などです。
インフェクトは「感染」というイメージが強すぎるし、
ペネトレイトは、挿入とか言う意味もあってなかなか合っています。
「ペネトレイティブ ミュージック」とかになるのかな。
「バックアップ」は、もう日本でも馴染みのある言葉なので、
BGMならぬ、「バックアップ・ミュージック」としてもいいのですが、
意味が広範囲になってしまいますね。
エンベロープは、音響用語でもあるわけですが、
「包む」という意味もあるので、
「エンベロープ サウンド」もいいかもしれません。
●とにかく、Z−55は、行為のバックアップ効果を目指しましたが、
音楽として聴くだけの人の事も考えて、
「必要最低限の音の数」「必要最低限の変化」で構成してあります。
なお、人声に聞える部分が、
トラック3の最後と、トラック7の最後にありますが、
どちらも私の声の加工ではなく、機械による合成音です。
●こんなことばっかし、何週間も、こもってやっていたので、
今は、その反動で、ピアノの曲で現代音楽風とか、
普通の音楽で、遊んでみたくて、しかたありません(苦笑)。
■
●
■
>
●「Z−55」の感想メールが来たので紹介します。
今回は、気に入っていただけたらしく、
他にも沢山、お礼とか感想のメールが来ているのですが、
「感動した」とか、「すごい」とか、「気持ちいい」とか
「落ち着く」とか、とても、曖昧な表現が多く、
淡々と感想を述べたものが少ないので、
今回紹介するメールは、
私からコメント出来る内容のあるものにだけ絞りこみました。
>■メール/1
はじめに「Z−55」は自己表現としての楽曲ではない、
というところが、とても珍しいと思います。
生活の邪魔にならないように作られたっぽい、
「環境音楽」?イージーリスニングというカテゴリーのものは、
骨抜きの自己表現というか、表現したい明確なものがないことの
言い訳のような、生ぬるい音楽で、
その浅さが、かえって生活の邪魔になるものがほとんどです。
ですから、がっつりと、人の生活の邪魔になってもいいので、
自己表現を追及した楽曲であってほしいと思いつつ、
いつも音楽を聴いています。
そんな折に、こちらのアルバムを聴き、そこに
新たに「表現された物」は沢山詰っているのに、
作曲者の自己表現というものを感じさせない、、
その2つの共存を感じました。
その2つの共存はとても珍しいと思っています。
私の中では、バッハがそうだったんですが。。
その共存を考えると、珍しい現象なので、それは不思議な事なのに、
この楽曲自体は、自然と、生活に馴染んでしまっている。
正に、自然音というか、自然現象の一部といいましょうか。
方山さんが、自己表現として作られたものでないから、
生活に馴染むのだと思いました。
誰かの自己表現を、メロディーの向こうに常に透かして、
作曲者の姿を見なければならないというのでは、
セックス時の音楽としては、かなり邪魔となるわけで、
そういった意味でも、このZ−55は、役割として、
最適だと思います。
そういった訳で、セックス時でなくても、普通の生活時にも
溶け込むのではないでしょうか。
ただ、四六時中、音楽をかけてなければ気が済まないという人種には、
ちょっと、この良さはわからないと思います。
それは、静けさの中に、立ち現れる、風のように自然なメロディーというのを
感じる感性を必要とすると思うからです。
全体の曲から私が勝手にイメージするのは、近未来に、
近場の宇宙から地球を見ている、そんな距離感。
スペースコロニーが思い浮かぶのです。
「情感」は動かされない。が、
度々、自分らしくないような、
心の中に、ダンサーが出て来て踊るのです。
なんか、イメージのエクササイズのような。
★自己表現でない、
自然現象の一部のような、楽曲を是非、
興味がある方は聴いてみて欲しいと思います。
★だから、好き嫌いで聴く音楽と、ちがうなぁ、という感じ
★だから、一度、浴びてみたら?というか。感じとしては。
★どうやって、こういうのを、降ろしてこれたのか?と思う。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>ほ・う・ざん・のレスです。
自己表現ではない、というのは比較的使い古された
環境音楽の歌い文句ですが、
私の場合には、今回のテーマは「表現」ではないのです。
情感を絶対に刺激したくないというのはむろんありました。
情感やエロティックな気分を刺激するのではなく、
生理的、心理的な側面に音を働きかけさせることです。
(だから、体液の泡立ちを連想させるような音や、
空間をなでるような低音が含まれています)
そのために、音楽という概念を少しはずして、
音=音波という考え方で、音色や旋律を選びました。
情感を刺激してしまうと、セックスには不向きです。
また、情感を刺激しない音楽のひとつとして、
ジャーマンロックという分野があります。
いかにも、ドイツ人らしい、重厚な音が特徴です。
イギリスはもっと情感的で牧歌的ですし、
フランスはある意味、どことなくサイケですね。
イタリアは、元気がいいイメージ。
しかし、情感を越えた、哲学的音楽というだけでは、
今回のテーマの主軸は満たされなかったのです。
つまり、音楽や音を、自己表現の手段としてではなくて、
自然の鼓動や息吹を人を介さずに表現しようとしたのが
初期のジャーマンロックなのですが、
これをさらに、超える必要がありました。
すなわち、音を別の何かの「表現手段」にするのではなく、
音そのものが音波として、音を表現するということです。
絵で言うと、絵の具は、心の風景を描写するための絵の具ではなく、
「絵の具であることを主張するための絵の具である」
といったところです。
もしも私が次回、この同じコンセプトで曲を作るとしたら、
仮に、ピアノのパートを弾いたとしても、
ピアノで別の何かを表現するのではなく、
ピアノの音そのものから、私がインスパイアされたピアノの音
そのものを音波として構成するつもりです。
ただ、楽器音は、その楽器にまつわる固有のイメージが
すでに人間の中に固定されていますね。
チェンバロを弾けば、どうしてもバロックを連想してしまう、みたいな。
しかしその壁を壊そうとしたのが、Z−55です。
だから、ドラムっぽくなく、機械的な音波のようにドラムが鳴り、
民族的臭気を漂わせずに、数学的な周期だけで、タブラーが鳴ります。
ひとつだけ、トラック6で、ギターを弾きましたが、
これは、シンセサイザーを擬似的にギターの奏法に
似させてあるだけです。キーボードで弾いています。
これには、譜面がなく、即興演奏の一発取りです。
ちょっとフュージョンっぽく、遊ばせていただきまして、
気持ちよく、弾かせて戴きました。
音符をほんの5〜6箇所、あとで修正した以外は即興演奏です。
2回同じパートが繰り返されますが、2度目は、
ディレイ(エコー)が薄くかかっています。
だだし、この淡々として、情感のないような
フュージョンギターっぽいパートにも、
あなたが好き?な、バッハじゃありませんが、
一部、バロックの音階進行を使っているのは、聴けばわかると
思います。
ギター音なのですが、部分的にパイプオルガンやハープシコードが
よく弾くような旋律の部分があります。
これも、情感を刺激しないようにする要素として
取り入れました。
このトラック6の「余韻 または 雲海」という曲は、
他の沢山のメールでも、かなり人気があるようです。
私としては、セックスの最中のときには、この曲だけは、
ちょっとだけ違和感を感じましたが、イッたあとなら、
落ち着くので、いいと思います。
次の予定は、「書店のための音楽」ですが、
まだ構想すらしていません。
正月にでもゆっくり、遊びながら、考えてみたいです。
最後に、どうやって、降ろして来たか?というのは、
つまり、どうやってインスピレーションをどっかから
降ろしてきたか?という意味の質問かもしれませんが、
もしも質問の意味が、そうでしたら、
心を空っぽにしただけです。
そして、楽しんだこと。
むろん、制作日記にもあるように、
悩みはしましたが、全く苦しまなかったこと。
私が文章を書くときと、たいして変わりありません。
何も消耗もせず、苦悩もせず、
そして、セックスをサポートする音という、
コンセプトこそありましたが、自己主張をするつもりもなく、
また、何かを淡々と「情景描写する道具」として音を使ったのでも
ありません。
ただ、「その音のための音の配列」を、
自然な形で、組み合わせてあげたかっただけです。
結果として、出来た音が、とっている形は、聴く人によっては、
西洋的(?)な、サウンドトラックと言えるかもしれませんが、
しかし、本質的には、これは、禅寺の庭を創るようなものなのです。
つまり、あらゆる制作作業の中で、あせらず、気ままにしていて、
「無為」と「自然」と「タイミングの直感」だけを、大切にしました。
だから、たった2週間ですべてが出来てしまったと言えます。
音楽家の人は、経験的にも、よく知っていることですが、
たいていの場合、あとで聴いて、自分でも予想外に良かった曲というのは、
制作や編集には、なぜか、「ほとんど時間がかかっていない」ものなのですよ。
で、そういうものを、どこかから自分という着陸地に
「降ろしてくる」には、
人としての自分は(技術的な知識だけは残して)
一切、「退く」・・・、
そして、そこに「音だけが残って、音それ自体が戯れる」
ということが必要です。
言葉でいうと簡単そうなですが、
実際にも、簡単なことなのです(笑)。
ただ・・・それは、
「あまりにも簡単すぎること」なので、
物事を複雑にすることに中毒している普通の人には、
逆に、難しいのです。
まー、これも世の常ですけどね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>メール2
12月25日
こんにちは。
『Z-55』、早速聴かせてもらいました。
初めて聴かせてもらったのが、セックス時でした。
できるだけ、セックス前に、『Z-55』への固定観念を持ちたくなかったので。
(いつもはセックス時に音楽を掛ける趣味はありません)
「邪魔にならない」という消極的な意味ではなく、すごくいいと思います。
セックスの最中は、その行為にいつも没頭できている訳ではなくて、
意外と突拍子もないことを考えてしまったりもします。
その、考え自体がセックスに、邪魔になったり、味気なくさせてたりして・・・・。
でも、『Z-55』をかけると、セックス時に気がそれてしまっている時に
なんと言うか、その音に何気なく意識が向くので、
それが、良い意味でガイドライン・・・・というかサポートになって、
余計な考えが連なってゆくのをやんわりと、止めることができていました。
そのおかげで、鎮火しないセックスができて後味すっきりでした。
ここで、私にとってポイントだったのが、
「セックスの時に『Z-55』に意識が向いたからといって、
どこか別の世界に行ってしまうわけではなかった」、というところです。
そこが、「ただ気が散る」他の音楽と、大きく違うところでした。
そこで、改めて普通の時に『Z-55』をじっくりと聴いてみたのですが、
やっぱり、別の世界に連れていかれることは不思議と、全く無いのです。
私もプログレなども好きで、こういう音色と、ここまで練りこまれた
質のあるコンセプトというかビジョンがあると、
普通ですと、必ず「別世界」に心が旅してしまうのです。
その「別世界への旅」は、楽しみであったりもしますが、
同時に現実風景とのギャップで、旅の後の生活が、
虚しさ満点で苦痛だったりもします。
でも、この『Z-55』は、同じようなクオリティーなのに、
私の小さな部屋のテーブルに、お茶をすすりながら、69分30秒、いられました。
どこにもトリップしないで、ここにいられました。
これって、やっぱり謎音楽です。
>●コメントです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今回のアルバムは、わりといろいろな音楽を普段から聴いて来た人に
評価されることが多いようです。
別に、聴いた耳には、おそらく何の変哲も無い、
科学番組の効果音にしか聞えないと思います。
また、特別に、実験的な音楽のスタイルも取っていません。
ただひとつだけ、心掛けたことは、
制作日記にも書きましたとおり、
聞き手を「どこにも連れて行かないこと」です。
つまり、「今ここ」に居させる音づくりでした。
トリップさせてはいけない。
何しろ、セックスをしてるのだから、現実逃避をさせてはいけない。
イメージの世界に連れていったりしてはならない。
セックスの邪魔をしてはならないという事の制約は、
ある意味、とてつもなく難しいテーマでした。
いままでに、どんな音をかけても邪魔になったセックスの現場に、
邪魔にならないものを作れ、と自分に命じたのですから。
そのために、音の向こう側に、何かの主張があってはならず、
イメージが広がってもいけない。
それを作ろうとしたとき、必然的に、
前のコメントでも書きましたが、音を別のものを表現する
道具としてではなく、音そのもの、音波として使うという
事が私の中で定着しました。
そこからは、作業は早かったです。
何をすればいいのかは、はっきりしてましたから。
たとえば、トラック4では、テクノ系のシンセベースが
延々と繰り返されますが、実は、一番土着的な音に
仕上げたのも、トラック4の「前戯または自転」です。
普通、あの手の音のシーケンスを使うと、
どうしても、いかにもシンセのミニマル系の自動演奏に
なるのですが、それを避けるために、
原始的な感じのアクセントのさらに低音のベース音を
やや不規則に入れてあります。
逆にタブラーの音は、土着的でなく民族性を感じさせないように。
既存のイメージに重ならないようにしたわけです。
「余韻または雲海」も、いかにも伸びて気持ちよい
ギターフレーズになる手前で、全部、地味なところに
落ち着かせて抑えてあります。
普通のギターフレーズのサビのようなものを入れてしまうと、
ぐっとくる、気持ちいいフレーズになってしまい、
聞き手の頭に残ってしまうのです。
気持ちいいフレーズになりそうな手前ぎりぎりで、抑えるということの
繰り返しでした。
またエレキギターというのは、高音部に行ったときに、普通はそこで
音量があがり、ぐっと印象的な部分になるものですが、
「余韻または雲海」では、高い音を弾くときに、
わざとタッチを弱くして、音量をちっちゃくしてあります。
聴く側にとっては、ちょっともどかしい「じらし効果」なのですが、
そうしないと、曲が派手になってしまい、セックスの邪魔になるのです。
そんなわけで、このメールをくださった人の感想のとおり、
「人を、現実の、いまここ以外のどこにも連れ去らない音」
を作ることは、困難なテーマでした。
「いまここ」という、単に禅臭いことをテーマにした音楽は
あるでしょうけど、それは描写のテーマにしてはいけないのです。
そうではなく、実際に聴き手をいまここにいさせる音でないと。
いまここの「説明やら、説教」をしている音楽ではなく、
いまここを「感じさせる音」でないと。
それは思考の世界では実現できない領域なわけですから、
当然、作る私の側も、何かのイメージや理想やら、主張を排して、
音波や音色の組み合わせを、ただ構築する、
ということに専念しました。
初回の実験が、セックスの邪魔をしないという、
かなり困難なテーマだったことが
結果として、いい「壁」になりました。
次回は書店にかける音楽なども考えているのですが、
セックスのときほど、音が書店では邪魔にならない、
という既成事実があるので、取り組み甲斐は、少し落ちますね。
もっと、絶対に音楽が似合わない場所、音楽が
邪魔になる場所、というのは何だろうと考えると、面白いです。
たとえば、火葬のための納棺の時とか。
葬式ですと、最近は音楽葬とかあるわけですが、
葬儀のときではなく、通夜のときのための音とかですね。
むろん、お経でなく、Z−55のような「音」です。
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★
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