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手裏剣術講座 Shuriken throwing instructions
「手裏剣術」講座、その他の雑談の「間」です。
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[744]
■
◆手裏剣の貫通テスト/続編◆
by:
鈴木方山
2005/09/06(Tue)05:41:28
◆ここ2日ほど、剣友の一人が来訪して、
しばらく、ネットを離れていたためにアップが遅れましたが、
手裏剣の貫通力を削ぐ布の効果について、再びレポートを
書いておきます。
ちょうど、その剣友が、小型軽量剣の流派の有段者(初段)であったために、
比較テストをするには絶好の条件が揃っていました。
結果は全く予想したとおり、あるいは、
以前から私が何度も指摘しているような結果となりました。
◆ところで、その前に、
その剣友から、土産に戴いた手裏剣から紹介をしておきます。
●根岸流のベースとなった「上遠野(かどの)流」(流祖は上遠野高秀)
の手裏剣のレプリカです。
約100gで、剣身は6角で、切っ先が三角です。
「刃付き」ではなく、「尖らせるタイプ」としては理想的な剣先の
「形状」なのですが、角度が甘すぎました。
これでは、せっかくの100gという重量が活かせません。
打剣したところ、5間ぐらいまで届きました。
↓
●もうひとつは、「知新流」の手裏剣のレプリカでした。
下の右図のような極端な後ろ重心で、130グラムほどのものでしたが、
打剣したところ、直打法で、5間半ぐらいは届くものでした。
ただ、この剣は、原則としては、「反転打」のほうが面白いです。
何が面白いかといいますと、
手裏剣にはめずらしい、変化球(変化剣)が打てるからです。
この極端な後ろ重心の剣は、反転打で打ちますと、
的の手前で、ストンと軌道が落ちるのです。
つまり、フォークボールみたいなものです。(左右には揺れませんが)
5間ぐらいになると、重心のせいか、的の手前で失速するせいなのか
それとも、回転の速度に変化がおきるのか、
かなりドロップするのです。
普通の剣による、ただの失速では、決して起きないような急角度で、
ドロップします。
したがって、確実に上段に向かってきたと思った剣が、
ストンと中段以下に落ちるので、もしかしたら、撃たれた側は
剣が消えたように見えて、剣を見失うかもしれません。
●またこの剣を3間半からの、「下手の反転打」で打ってみました。
この剣の下手打ちは始めてでしたが、剣の性質をすぐに理解出来ましたので、
5本とも、きれいに刺さりました。
●↓
__________________________
◆さて、ここからが、本題ですが、
テストには、以下の軽量剣を使いました。
奥の上のものが角型で、長さ15センチ、重さ約40g弱の軽量剣。
真ん中が、無冥流の軽量剣で、重さ、約58グラム。
先端は、かなり尖っています。
手前の黒い剣は、小型の根岸流もどきの剣ですが、
重さは、約64グラム。
■この一番手前の剣は、「元の剣体」は、剣友のものですが、
彼が打剣しているときに、ガーゼのような巻物が、
スポンスポンと抜けてしまい、剣が暴投することが多くあったので、
あまりにも危険なのと、剣尾の形の出来が悪かったので、
私の方で、打ちやすい重心位置と、持ちやすい尾部の調整に、
完全にカスタマイズをし直したものです。
そのために重量が数グラム増えました。
↓
↓糸を巻き直したもの。
↓黒く着色したもの。カラースプレーを三回重ね塗りし、
糸の起伏を潰してあります。
◆肝心の打剣テストですが、
その剣友自身が、打ち慣れている軽量剣は、
2間半ほどのかなりの至近距離から打剣しても、
ジーンズ2枚では、5本中、やっとこ、一本が刺さる程度、
10本でも2〜3本がやっとです。
その剣も、極めて非力な状態で刺さっていました。
(布さえなければ、その彼は、5本とも全部刺中できます。)
ジーンズは、一枚でしたら、たいしたことはないのですが、
2枚、3枚となるにつれて、それに正比例して、
ほぼ、2倍、3倍と貫通が困難になると思ってください。
↓
◆根岸流もどきの64グラムほどある剣でも、
ほとんど同じような結果です。
しかも、この剣は、先の角度がこれまた甘すぎて大変に良くない剣です。
軽量であるなら、先端は鋭利でなければ、
実戦的には全く意味がありません。(「ただの稽古用」としては問題はなくとも)
◆無冥流の小型剣ですが、これでも、やはり結果は、
5本中2本程度ですから、同じようなものです。
◆つまり、80グラム以下の剣は、
先端の形状をかなり工夫したとしても、
ジーンズ2枚以上(しかもこのジーンズは、薄手の部類に入るものです)
の障害物に対しては、極端に貫通力を削がれるということを、
その剣友の彼にも、現実の事実として実感して戴いたわけです。
なお、ジーンズなどを、標的面に、ぶら下げると、
的に比較的ぴったりとしている上部は刺さりやすい傾向があるのですが、
ズボンの裾に行くにしたがって、布がぶらぶらとしていて、
的との間に隙間が出来ます。
この隙間があると、剣が食い込もうとするときにその力を
布の重さが阻み、さらに、剣の衝撃や貫通力を、
「分散するように、布が揺れて動くこと」で、
さらに、剣は、刺さりにくくなります。
◆こうしたテストを、剣の重さや先端を変えながら、
何度も何度も繰り返して行った結果、
私は、実戦的と言える最低限の力を持つ剣を、
約90グラム以上で、切っ先がかなり尖っている剣か、
刃付きの剣であると結論しました。
_______________________________
■最後に述べておきますが、
私は、軽量剣否定論者ではありません。
事実、無冥流では、私自身が、
30グラムの軽量剣から250gの剣までの、その中間にある、
さまざまな、長さ、種類、重さ、形状の剣を、
打法のプログラムを随時入れかえて、変更しながら、打ち分けます。
従って、軽量剣を否定するものではありませんが、
ただし、軽量剣流派が、
実体もなく「実戦的である」ということに異を唱えています。
顔面に100発100中を的中できるのであれば、
剣など、ほとんどの流派のものが通用してしまい、そこには、
剣の優劣など、ほとんどありません。
(顔面に当たった剣が、相手を傷つける程度か、
それとも、殺してしまうかは、あとは「重量」と「殺傷力」の問題です)
しかし、実戦を想定するならば、剣は頭部以下の身体部位をも
かならず標的とする必要性が出てきます。
そうなったときに、衣服やその布の素材というものの持つ、
「貫通阻害性能」ということについて、深く考慮した剣を持たねば、
実戦という言葉を語る意味はないということです。
そこで、現在、多くの「賢明な」手裏剣の流派は、
手裏剣術における、「実戦性」ということを、
「剣 即 殺傷力」という事とせず、
相手の戦力を削ぐ「効果」というランクにまで落として
その有効性を主張するわけです。
ところが、根岸流その他の一部の中量剣と、重量剣を除いては、
剣の多くは、ジーンズすら貫通できないのが現実なのです。
ジーンズすら貫通できないものが、身体の動きで、
絶えず起伏が変化して、剣の力を分散してしまう衣服を
どうやって貫通などし、かつ、
人体に戦闘力の低下という影響など起こせるでしょうか??
そうした非力さの現実を無視して、
一部の流派の生徒は、自分の流派の「細く、非力な軽量剣」を
「自分の流派のものは、他の流派の剣と比較しても、
貫通力のある剣である」という意味のことを言ったり、
または
「貫通力に、優れた剣である」などと、
とんだ「戯言」、またはその「頭の悪さ」を露呈するような事を
平気で言うわけです。
こうした現状から、私は、
軽量剣を、「見せ芸」として演武したりすることには、
何ら、異議は唱えませんし、それは立派な芸です。
また、
「相手を殺すのが目的ではなく、敵の戦力を奪うのが目的だ」という
どこででも耳にする、手裏剣術の、「定番的・言い分」から、
他の武器や技と、手裏剣を併用しつつ手裏剣を使用する、
そういった意味においてであるならば、
その実戦性も、ある程度、認めますが、
ただし、それとても、約90グラム以下の多くの棒手裏剣は、
静止した武道の道着すらも、ほとんど貫通困難に陥るものであり、
従って、それは「威嚇程度のものにすぎず」、
とても「相手の戦力などは、削げない」という「現実」を
突きつけるわけです。
頭部、または顔面部を、
確実にヒットできる腕前や間合いでしか有効でない剣というのは、
基本的には、「ひどく、制限のある手裏剣」であると
私は、言わざるを得ません。
既に言ったように、私は重量剣の信奉者ではありません。
いろいろな剣を、剣の特性ごとに、打ち分けてゆきます。
まー、こうした「実戦で通用するか否か」という論や剣の性能論での
論議も含めて、
「結論」を言うなれば、
私は、「頭や、性格の悪い、武術愛好家」とやらが、嫌いである、
ということなのでしょう。
●なお、時代劇を見るときの豆知識として、
ここは、参考によいと思います。
↓
http://www2.ocn.ne.jp/~otoya/tisiki.html
★・・・ちなみに私の好きな三大時代劇は、
「座頭市(勝新太郎のもの)」
「子連れ狼」
「眠狂四郎」
この3つですね。
____________________________
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