▲
控えの間
-
全館目次
- 松の間
■
BBS
- 竹の間
■
BBS
- 梅の間
■
BBS
- 桜の間
■
BBS
■
松竹梅の間:ログ表示
松の間
竹の間
梅の間
桜の間
★ 番号指定:
1ページの表示件数:
件
☆ 検索語 :
検索表示 新着から
古い方から
タイトルだけ表示
タイトルと5行
全部
「性と死のホームページ」 http://www.mumyouan.com/
.
より詳しい使い方の説明(9月11日変更)
■松の間へようこそ■
掲示板
Title
手裏剣術講座 Shuriken throwing instructions
「手裏剣術」講座、その他の雑談の「間」です。
手裏剣術の画像・動画が、
他に類を見ないほど多く掲載されています。
ブラウザーの設定などの理由で最新情報が表示されない場合があります。更新ボタンやF5キーを利用してみて下さい。
[755]
■
スローイングナイフを手裏剣のように投げるために必要なこと。その他雑談
by:
鈴木方山
2005/10/09(Sun)01:33:01
>●「古武術の手裏剣術を学んでいるのですが、
>スローイングナイフを直打法で投げようとしても、手裏剣のようには
>うまく投げられません」
という、おたよりの質問が来たので、今回は、そのことについて書きます。
原則として、私はスローイングナイフを投げることは、
お勧めしません。理由としては、手裏剣とは違って、
広い範囲に刃があり、的から弾かれて撥ねたときに、
本人または、周囲の人や物にとって、非常に危険だからです。
私のように、手裏剣術の多角的な研究の一部として探求し、
またその為の万全の安全対策を取っているというなら別ですが、
遊び半分で、見よう見まねで、行うものではありません。
■スローイングナイフそのものの話は、後回しにしますが、
手裏剣術をやってきた人が、スローイングナイフを打つと、
打剣のあらゆる要素の「誤差が大きく出る」というのが分かるはずです。
ちょっとした腕や手首の不注意な「振りのねじれ」や
手の内の操作も、手裏剣を打ったときに自分で見るときよりも、
剣の飛行や刺さり方の曲がりに大きく出ます。
一定の「正多角形の断面」を持つ棒状の物体である、
古武術の棒手裏剣とは違って、
ナイフは、「平べったく」なっており、
いくつかの、突起部のデザインがあるために、手裏剣のようには、
きれいな飛跡では、飛んでくれないはずです。
(これは、ナイフの持つ複雑な重心位置や、
直打法での投げにくさや、
刃面による空気抵抗によるものです)
逆に言うと、自分の手裏剣の打剣が正しく上手くなっているかどうかを
チェックするための手段として、スローイングナイフを投げてみて、
上達度を自覚するのもいいと思います。
私も、自分の左手の打剣が、
少しは、使い物になっているのかどうかを最近は、
スローイングナイフでチェックしています。
たった半月前には、まったく利き手でない方の自分の手で、
しかも、ナイフなどという、
もっとも打剣が難しいものを刺すことなど、夢物語でしたが、
最近は、まずまずの仕上がりで、威力はまだですが、
刺さるようになってきました。
しかし、もともと、スローイングナイフ、ナイフ投げというものは、
半回転、もしくは、一回転以上の回転を与えることを
前提として作られた製品が圧倒的に多いので、
それを直打法で打つには、市販品のままでは、難しいのです。
そこで、おそらくは、大げさに言えば、史上初公開となるでしょうが、
市販のスローイングナイフに対して、
それを、確実に「日本古来の手裏剣術」の打法を応用できるものへと、
カスタマイズする方法を紹介しておきます。
______________________________
↑
これが市販されているナイフの中で、直打法に転用できる可能性の
ある形状のナイフで、こうしたシンプルな形状以外のものは、
ほとんど直打法には、使えません。
ただし、ここの画像にあるナイフもまた「重大な問題」があるのです。
左の4本は、「形状」は理想的で問題ないのですが、重量があまりにも
軽すぎるために、3間以上の距離になると、空気抵抗によるブレを
生じます。私の腕前で、どうやっても、4間が限界でした。
重量は軽いですから、飛距離は出ると思いがちですが、
軽いがために、ちょっとでも角度が斜めになると、空気抵抗を食らって
速度が落ちたり、コントロールが安定しないのです。
ただし、この左4本のものは、約7.2メートルの距離内で、
室内で「ただの遊び」として的に刺す、というのでしたら、
充分な娯楽性はあります。
また3間以内でしたら、それこそ目にも止まらないほどの
相当に速いスピードで的確な位置に打つことは出来ます。
しかし、その軽すぎる感触が、あまり好きでないので、
私はこれは使いません。
また、こんな不安定なナイフを使って、サーカスでプロの曲芸を
している芸人さんは、絶対にいません。
■さて、では何が問題なのかを説明します。
前述の右にある2つのナイフは、
重心位置もよく、重心位置に指を置いた場合の、掌にくる剣尾の
位置も、ほとんどこれで理想的でいいのですが、
↓
問題は、この突起です。
↓
↓突起は、このように完全に削ってしまう必要があります。
ヤスリかグラインダーを使えばいいです。
直打法では、この部分を指先がやや滑走しますので、
この突起があると、直打法では、邪魔になって、打てないのです。
それを、削ってから、さらにグリップには、糸などを巻きつけます。
↓
↑
こうしてして仕上げたものだけが、手裏剣で使われる
打法のいくつかを、ナイフ投げに転用することが出来ます。
市販品の中で、こうして理想的な重心位置と、加工の簡単さを
もっているナイフは、それほど多くはありません。
スローイングナイフメーカーなどのサイトを見る人は、
左右にある突起物を削るのが楽であるような形状のを探せばいいのです。
探せば、いくつかのメーカーのものはあります。
たとえばオンターゲット社の一部のものか、
あるいはコルト社のものなどです。
ただし、コルト社のものは、重心調整のために、
剣尾側も少し研磨をしないとならないはずです。
それと、重心位置が適切であるかどうかに関しては、画像では
判断できないものも多く、実際に手にしてみないとわかりません。
画像のものは、重量は約120グラムですが、
この程度の簡単なカスタマイズで、
立派に「古武術の手裏剣の直打法」で、打てました。
距離は4間です。
フルパワーではなく7割以下の力で投げてもこれですから、
その刺さりの深さをよく見てください。
一枚が約1.5cmある床用マット4枚分を、楽々と貫通して、
一番後ろにある畳にまで、食い込んでいます。
↓
↑
右の画像では、刺さる深さがよく分かるように、
上の一本は刃長全体を見せていますので、
刺さった下のものと比較するといいです。
約9メートルから安定した打剣が出来ます。
■以下は、その他の、私が稽古に使用するナイフです。
これは、前述のものよりは、重量が少し軽いものです。
これも、8から9メートルは安定して打てます。
ただし、スローイングナイフを、よく知っている人は、
画像を見れば一目ですぐに分かりますが、
剣の尾部の長さを「接ぎ足して」あります。
これはこの製品の場合には、市販のままでは、重心位置が
直打法で打つための適切な場所にこないからです。
↓
また、さらに、左の2本などは、全体のバランスを補正するために、
剣先の形をも削って、カスタマイズしてあります。
正確なコントロールを実現するためには、
重心の調整だけではなく、糸の巻き方や、
その糸の表面をどう処理するかも実に微妙なのです。
こうしたことには、マニュアルがあるわけではなく、
すべて、術者個人の経験によって割り出した知識がないと出来ません。
どうカスタマイズしたらいいのか?というのは、
まずは、手裏剣の「打法と剣の原理」が理解されてなくてはならず、
また、打法がある程度、きちんとできていなければ、
そもそも、自分がやっているカスタマイズの仕方が、
正しいのか悪いのかも、分からないのです。
ただ私から、言えることは、
1/ナイフを「縦に手に持ったとき」に、
指の滑走がひっかかる部分がないという事と、
これに加えて、剣尾にも、横に突き出るような突起がないこと。
2/剣のつりあいの取れる重心位置に指置きが位置し、
そのときに、剣底は、掌の安定する部分に位置するという形状である
という条件です。
このためには、研磨加工が出来ない人は、
「ウェイト付き」のスローイングナイフというものがありますので、
それで重心の調整をすればいいです。
ただし、せっかくのスローイングナイフでも、
「グリップ部の曲線」が直打法の邪魔になるナイフも多いのが現状です。
これらの条件を満たせば、手裏剣術の稽古を長く積んだ人であれば、
いつも使い慣れている手裏剣と同じぐらいの距離に、ナイフを飛ばすことは、
決して難しいことではありません。
ようは、使えないものは、使えないと文句を言っていないで、
使えるように、自主的に工夫をするのです。
■糸に漆を塗って、最終的な仕上げをしたものです。
↓
●補足事項
もしも緊急の場合など、加工を施している時間がない場合には、
スローイングナイフを、縦方向に持つのではなく、
90度向きを変えて「横に持って打ち出す」ということが出来ます。
ただし、言うまでもなく、その場合には、
あたかも飛行機が飛ぶような形になり、空気抵抗を、まともに食らいますので、
軽量のナイフでしたら、距離はせいぜい3間どまりと考えてください。
________________________________
■雑談■
一部の手裏剣の本には、
剣尾を掌底で「押し出すように打つと威力が出る」
とか、いかにも「剣が直進的に飛び出す」かのように、
書かれているものがありますが、
これは完全な「説明上のミス、あるいは、根本的な誤り」があります。
そのせいで、「本で読んだとおりにやっても、全くうまくいかなかった」
という人の話を、数名の方から聞きました。
そこで、何が問題なのかだけを簡単に説明しておきます。
_____________________________
●剣の底または尾部を、掌で押し出すという場合には、
大きくわけて、2つの方法があり、「異なる2つの結果」が出ます。
ひとつは無冥流の「直進系の打法」のように、
本当に「剣の底面に」極端な力を、効率よく与える場合です。
この場合には、腕を振っている最中の、剣の移動姿勢というのは、
あまり目立たない地味なものです。
正確に剣の底に力を付加している場合には、実は、腕の動きには、
あまり大きな特徴はないのです。
しかし、これによって相当の超重量剣でも、楽に打剣することが出来ます。
↓●このように、見かけは何の変哲もなく見えますが、
剣底の面に有効な力を、うまく加えています。
___________________________
しかし、もうひとつの方法は、剣尾を掌底で見るからに「押し出す」
という打剣方法があり、
これは、実際には剣の底面は、押し出されておらず、
「剣尾の末端部の側面」が押されているだけです。
鞭を振るようなモーションで、前から後ろへ一旦テイクバックし、
前に振るときに、ぐっと掌底を突き出すようにします。
しかし最後の手離れの直前には、また少し剣が前に傾くような
軽いスナップ運動がなされます。
↓
この運動の結果として、それは剣底に「威力を与えるのではなく」、
手離れするときの、剣の姿勢を、立った形にするという効果があるのみです。
そのせいで、掌で剣尾の側面を押し出すような打法を使うと、
一見すると打剣距離だけは、飛躍的に伸びるのですが、
それは、剣の「飛び立つ姿勢を補正したため」であって、
「剣の姿勢が前傾姿勢で飛び立つ」のとは、全くの別問題です。
こうした事をも、きちんと正しく知るためには、
このふたつの異なる打法を200グラム前後の剣で打てばいいのです。
重量のある剣を使うと、何が分かるかといいますと、
いろいろなことが分かるのですが、
とりわけ、はっきりと分かるのは、
剣に本当に威力を加えられたのかどうかということです。
軽量剣は、打法を変更しても、それによって変化する威力の差が
目に見えた形になりません。どれも同じようなスピードになってしまいます。
しかし、重量剣ほどに、
もしも、きちんとした効率のよい力が加わっていなければ、
飛行の姿勢の様子や、スピードの明らかな低下、刺さる深さの変化などの、
目に見える結果として、はっきりと出ます。
軽量剣では、打法の威力や発射姿勢の状態や、
打法によって一体「何が大きく変化しているかの明確な差」が
きちんと自覚出ないのです。
■剣尾の側面を意図して掌で押している打法では、
剣は、立ちぎみの姿勢に補正されますから、確かに距離は伸びますが、
これで重量剣や超重量剣を打つと、威力は弱くなります。
一方で、本当にストレートに剣の底に対して力を加えると、
結果は、一目瞭然で、重量剣でも、
剣は少ない力で、直進的に飛んでゆきます。
このときの打剣フォームの最大の特徴は、
テイクバックの手首の角度が一般の打法よりも、かなり少ないことです。
________________________________
こうしたこと、つまり、「手の中で何が起きているのか?」、
ということを正しく学ぶためには、やはりある程度の重量剣が
必要なのです。(どんなに最低でも80グラム以上の剣)
その適切な観察の繰り返しがないと、
打剣現象についても、間違った解釈をしてしまい、
その間違ったことを他人に教えてしまいかねないのです。
その結果、教えられた側は、
言われたことを再現することが全く出来ないままになるわけです。
剣の「底面」を、本当に掌で押し出すという打法と、
単に「剣底の側面」を掌底で押し出すのでは、
剣の飛行に与えるその効果は、
「全く違う種類」のものなのです。
ちなみに、その違いを現象として明確に理解できるもののひとつとしても、
スローイングナイフというものがあります。
重量剣とは少し違いますが、重量剣とは別の意味で、
「打法による違いが極端に現象として現れる」からです。
_______________________________
★
.
<<-- これ以前の投稿 10件
(755 番)
これ以後の投稿 10件 -->>
松の間 の最新投稿
全館目次
C mumyouan 当サイトのコンテンツの無断転載は著作権法により禁じられております。
- BlackVoid BBS CGI 2006.08.30 -