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手裏剣術講座 Shuriken throwing instructions
「手裏剣術」講座、その他の雑談の「間」です。
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[773]
■
■本当に「打ちやすい手裏剣」を求める試み■「その一例」
by:
鈴木方山
2006/03/10(Fri)17:42:31
●「どうやって、理想的な手裏剣を割り出せばいいのか?」
この課題に私は、長年、取り組みました。
その前に、仮定としてですが、
こういう非常に「分かりやすい事例」があったとします。
↓
「剣−1」 は50gで、20m、直打法で届いた。
「剣−2」 は100gで、20m、直打法で届いた。
「剣−3」 は、150gで、20m、直打法で届いた。
この距離は、実際に直打法で可能であることが、
何人かの打剣師によって実証されている「飛距離」です。
では、このように飛距離は3つの剣ともに「同じ」ということになると、
「何が一体、剣の優劣を決める決め手になるか?」
という問題が出てきます。
スピードはあっても、20m先では、ほとんど失速してしまう剣がある。
畳が貫通するほど20m先の的に深く刺さるが、
スピードは失われる剣がある。また、形状の都合で風に弱い剣などなど。
●手裏剣術には、その剣が「射程距離」とする距離の範囲があります。
それによっては、飛距離を捨てるか、威力を捨てるかという問題が出てきます。
武術的に言えば、「威力を捨てるということは、あり得ない発想」ですが、
「曲芸、または競技」という観点であれば、威力を捨てて飛距離を取る
ということもあり得ます。
「中級手裏剣術」や松の間掲示板でも書きましたように、
その手裏剣術が何を目指すかによって、決めなくてはならないものが
3つあります。
「剣体」の種類、「打法」、「飛距離」この3つです。
______________________________________
●そこで、では「優れた剣とは何か?」という事を定義しようとすれば、
それは、甲野氏が、遠近両用の剣を摸索したように、
まず、ひとつは、「遠近で、同じような結果を出せる剣」です。
3間から10間まで、使える剣です。
●刺中力という点では、切っ先は、材質の金属が折れたり曲がらない限界まで、
可能な限り鋭利にする必要があります。
●威力という点では、ある程度の重量を必要とします。
●形状という点では、遠近に関係なく、飛行姿勢が安定して、
狙ったところに打ちやすいことです。
さて、それでは、どうやったら、「優秀な剣」の設計が出来るか?
この問題を考えるときには、
私の取る方法は、剣の要素を「4つに分解する」ことです。
●1/もっとも投げやすい重さは何gか?
●2/もっとも投げやすい太さは何mmか?
●3/もっとも投げやすい長さは何cmか?
●4/もっとも投げやすい形状と重心位置はどのようなものか?
この4つは、「個別に」検証をしてみて、
あとで、この4つをもう一度、ひとつの形状の中に組み合わせるのである。
_______________________________________
●そこで、まず私は、人間がもっとも投げやすい「物体の重さ」とは
何かということを考えてみました。
ファクターとして「重量のことだけ」を、本当に正しく検証するためには、
「比重が異なり=重さが異なり」、
しかし「直径と手触りは同一」の「球体の金属」を、
プロの選手などに遠投をしてもらい、
その中で、何グラムの球体が遠くまで届いたかを、
何度か実験しなければなりません。
さしずめ、直径が同じ、アルミ球、銅球、鉄球、鉛球などでしょうか。
東急ハンズなどでは、確か数種類の金属の球体を販売していたはずです。
こうした同一の形状の球体を投げたとき、
人間にとって、もっとも遠くまで投げられるものは、限定されてきます。
なぜかというと、それは「個人の持つ投げる力量」とは別に、
物理的な空気抵抗の問題があるからです。
また、地球上の引力や空気の密度の影響下での物体の飛行には、
固有のものがあるからです。
物凄く極端に言えば、卓球の球は遠くまで投げられないということです。
●そこで、私は、人間が「物を投げるスポーツ競技」で使っている道具の
重さを調べてみました。
すると、細かい数値は、ミスや、違う部分もあるかもしれませんが、
だいたい正式な競技で使われる検定品や、練習用品は、
(誤差はあるものの)次のようになります。
◆槍投げの槍・・・・男子用800g 女子用600g
◆円盤投げの円盤・・2〜3s
◆砲丸投げ・・・・・2.7s
◆硬式野球・・・・・142g〜149g
◆軟式野球・・・・・136g(±1.8g)
◆ソフトボール・・・163g
◆ゴルフボール・・・46g
◆テニスボール・・・54g
これらは、同じ球体でも、大きさも違い、材質の手触りも違い、
槍や円盤に至っては、投法も違いますから、
単なる「投げ技」に使われる「道具の重さの参考」というだけです。
ただし、ハンマー投げのようなものではなく、手で直接に触れて
投げるものに、主に限定しています。
その点では、ゴルフとテニスのボールだけは道具で打つので例外ですね。
●さて、ボールの場合、軽ければ遠くへ届くというものではないことは、
ボールの遠投をしたことのある人なら分かるはずです。
そこから考えて、私は、「比重の違う同一直径の金属球」でのテストを
まだしていない段階ですが、おそらくは、
>「人間が最も遠投できる物体の重さは、80g〜130gのどこかにある、
と私は、経験則からは「推測」しています。
これは、球体がなかったために、
数センチというごく短い太い鉄の棒を、重量(長さ)を変えて、
投げてみた結果からです。
私が最近の剣の重さを、
おおむね、この範囲で製作する理由はそれです。
________________________________________________________________
■では、重さが決まったら、次に問題になるのが、太さです。
80gの鉄の棒で、最も投げやすい太さは、
女性にも協力してもらったテストの結果、断面は六角でも八角でも四角でも、
「対辺距離」で10mm以上であると、最終的に結論しました。
>やや幅の遊びを持たせると、「10mmから13mmの範囲」です。
これは、「80g〜130gの物体」に対しては、
指や手が、効率よく力を伝達できる太さである、ということです。
ただし、これは剣全体がこの太さでなくてはならなのではなく、
「指置きの(指先が接する)部分」における太さということです。
■さて、10mm〜13mmの範囲の太さの鉄の棒で、
あとは、重量を80g〜130g以内にするとなると、
長さというのは、必然的に決まってきます。
先端をどれぐらい研磨するか、にもよりますが、
>太さが10mmから13mmですと、
>おおむね長さは、16cmから23cmといった範囲になります。
_____________________________________________________________
■さて、こうして、人間が最も投げやすい重量がまず決まり、
そこから、次に太さと長さがある範囲に狭まった段階で、
最後に問題になるのが、重心の位置です。
この重心がどこにあるかということが、
剣を打ちやすくして、飛行姿勢を安定される「決定的な要因」です。
それは、流派の「打法とは関係なく」、
確実に「打ちやすい剣」というものがあります。
正しく言うなら、それは「投げやすい剣」です。
一般的な先端だけを尖らせた棒手裏剣というのは、
後ろに重心がありますから、直打法では、打ちにくいと私は断定できます。
それは、剣の大小に関わらず、物体が飛行するには
あまりにも非合理的な形状だからです。
そこで、多くの流派は、重心を少し前にずらしています。
方法は3つです。
1・剣尾を、削り込む。
2・剣尾に、軽量素材を接ぐ。
3・剣尾を、掘る。
・スローイングナイフの場合には、
柄の部分に「円形、その他の形の穴」をドリルであけることで
重心を前にずらしているものも多くありますが、
棒手裏剣の場合には、平たくはないので、これは使いません。
私はこの3とも、自分の剣には活用しています。
剣尾が、ある部位から急激に軽くなったり、
そうではなく、なだらかに軽くなってゆくことによる
両者の「違い」をテストするためです。
そして最終的な結論としては、重心はど真ん中または、
ド真ん中から、やや後方に来るのが良いということです。
先端が削れて軽くなっているのと、同量か、少し少ない程度に、
剣尾も軽くすることです。
中央以上に前へ重心をずらすと、「反転打」に応用がきかなくなります。
また、通常の「直打法」でも、前に重心をずらすことも、
ある地点を超えてやりすぎると、剣の飛行がアンバランスになります。
>これ以上前に重心をずらしてはいけないという、その地点とは、
>剣の長さのちょうどド真ん中です。これよりも前では駄目です。
>これより後ろに少しだけずれるのは構いませんし、逆に打法によっては、
>中央より、ほんの少し後ろにずれている方が打ちやすいのですが、
>そのときに誤差の許容範囲は、一例として次のようになります。
>剣の「全長の約2.5%の長さ」まで、ド真ん中から後ろにずれてよい。
一例として、「太さ11mm」で、「長さが200mm」の剣ならば、
糸で吊るして、つりあいの取れる位置が、
剣のド真ん中の「100mmの地点」よりも剣尾側に、
「5mm」ほどずれても許容範囲だということです。
下図↓にまとめました。
■こうして重心位置も決まり、
以上の「すべての打ちやすい条件」を満たす剣を作ろうとした結果が、
現在の無冥流の、「穴あきの11mm剣」です。
現在は角型ですが、六角や八角もいずれ近日内に試作してみます。
剣尾の中を掘っていますので、
巻物を巻いて剣尾の太さ(手の内への安定)を調整する必要もありません。
そして、こうした前重心の加工をする結果として、
「指置きの位置」が、少し前にずれ込みますので、
剣全体の長さを短くすることが出来るわけです。
「中級手裏剣術」で詳細に解明したとおりです。
◆また、どうして重心位置が少し前へとずれた剣が良いかの理由として、
次の図を参照してください。
これは、極端に分かりやすく、デフォルメしたものです。
↓
↑これは、知新流の極端な後ろ重心の剣ですが、
これが普通の先端を削っただけの剣だと喩えます。
すると、後ろに重心があるということは、打ったときに、
剣が手から離れる瞬間に重量が掌に残ります。簡単に言うと、
手離れの瞬間に、重く感じるわけです。
では、次に・・・・
↑これを逆向きにしたとしたら、どうでしょうか。
これは極端な事例にすぎませんが、
こうした前重心にずれている剣の場合には、
飛び出してゆくときにスムースに手から抜けてゆきますから、
結果として、手に残る重量感が少ないのです。
>つまり、「同じ重さの剣」があった場合には、
>単に、先端を削っただけの剣(実質的には後ろ重心の剣)よりも、
>何かの加工をして「重心が前にずれている剣」の方が、
>手離れの瞬間に、少し軽い感じで飛び出してゆくのです。
ただし、既に言いましたように、
剣体の長さのほぼ中央を超えてまで、
前に重心の吊り合いの取れる位置がずれては「ずれ過ぎ」となります。
______________________________________________________________
こうした結果として、
投げやすい重さと、投げやすい太さと確保して、
かつ飛行姿勢のバランスが崩れないように、
出来うる限界まで、重量を持たせて威力を維持し、
出来うる限界まで、剣を太くして、
出来うる限界まで、長さを短くして、
出来うる限界まで、先端に刺中力を持たせ、
かつ金属の強度も保護する角度に研磨する。
この結果が、「無冥流の穴あきの、対辺距離11mmの剣」です。
むろん、これは↑
上限の130グラムを基準として設計したものですから、
下限の80グラムで設計すると、長さや太さは少し小さくなってきます。
そして、こうした剣は、遠近両方に活用できます。
現在の時点では、2間から6間までは、どの距離でも威力は落ちません。
おそらく名人級の人が10間投げても同じ結果になるものと思われます。
(今度、テストをして戴く予定です。)
あとは、個人の力量による「剣のスピードの差」ですが、
これは、3間といった、ごく至近距離では、
打剣モーションと剣速を速くする稽古さえ積めば、
軽量剣と実質的には「大したスピードの差」は出ません。
おそらくはスピードガンで計ったところで、
3間などという距離では差は、ほとんどないのです。
これが、動体視力で剣を追えるか追えないか、
つまり、「剣を避けられるか避けられないかの差」が出るのは、
やはり、4間強、あたりを超えて、遠投になってからです。
これは本の中でも、説明したように、3間などという至近距離では、
投げたものがパチンコ玉だろうが、硬球だろうが避けられないということです。
そこで、もしも実戦だったら死活問題になるであろう「差」というのは、
「打剣のモーションの速度」の差です。
とうぜん、それに加えて、
「剣の持つ威力」の差、そして「命中率」の差です。
●ただし、誤解をしてはならないことがあります。
それは「軽量剣は打剣モーションが速いから有利だ」という思い込みです。
コントロールという点では、実は、軽量剣には、重大な欠点があります。
それは、ピンポイント的な標的の捕らえ方しか出来ないことです。
一方で、重量剣の場合には、むろん、むちゃくちゃにモーションが遅い
わけではありませんが、軽量剣よりも打剣が遅めであることが、
逆に、次の利点を持っています。
その利点とは、「剣の軌道変更」です。
重量剣は、手離れの直前に、相手の動きによって、
左右にコントロールを微妙に変更できます。
非常に高度な技なのですが、これは重量剣ならではの技法です。
モーションが遅めであることが、結果として、
狙いどころから動いた相手を「追った打剣」が可能となるわけです。
発射の直前にきて、わずかに指置きを操作することで、
距離の前後や、左右への逃げを、追跡できるわけです。
急激な軌道変更が可能なまでに、打剣のモーションを遅くすると
100gでは威力が出ません。
だから、この技法には125グラム以上の剣が私には必要でした。
これだと、仮にモーションがやや遅くとも、動く標的を狙えます。
軽量剣は、狙ったところから「予測外のところに相手が動いたとき」に
標的を外します。
つまり、軽量剣では、標的の「次の動き」を「予測して」打つ以外には、
手立てがないのです。
吊るして左右に揺らした的を使って、
軽量剣と中量剣と重量剣の3つで実験しましたが、
命中率は、圧倒的に、重量剣の方が勝っていました。
発射寸前までは、トマホーク状態なわけですね。
>■ただし、軽量剣でも、軌道変更が可能であり、
>重量剣よりも良い軌道変更を出来る方法があります。
それは、「ヘソ」で狙いの方向を定めたり、変更する方法で、
これであれば、「スナップ打法」でも、狙いをずらせます。
これについては、後述の投稿に詳細と動画があります。
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