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Title
手裏剣術講座 Shuriken throwing instructions
「手裏剣術」講座、その他の雑談の「間」です。
手裏剣術の画像・動画が、
他に類を見ないほど多く掲載されています。
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[808]
■
剣を常に最良の状態とする大原則
by:
崩残
2006/10/03(Tue)00:54:51
■たまたま、覗いた他所の手裏剣サイトの掲示板で、
あまりにも、初歩的で、基本的な事が理解されておらず、
馬鹿げていたので、見るに見かねての投稿です。
■気温、室温、湿度、これらの影響によって、
手が粘ったり、逆に滑ったりして、それが打剣に影響してしまうというのは、
そもそも、良い剣を作ろうとすることの「研究姿勢の不足」が原因です。
つまり、伝えられている剣を盲信して、何ひとつも疑問や改良心を持たなかったり、
あるいは、元々、伝えられていた剣の表面構造を、
思慮なく、うかつに「勝手に変更してしまっていた場合」などです。
●この問題を考えるときには、昔の人達が、それも特に実戦でそれを
使っていた人達が、どのような条件下で手裏剣を手にしていたかを
想像する必要があります。
つまり、「おててキレイ」な状態などあるわけがないわけです。
戦場なのですから、泥や、血のりや、汗、汚れ、水分、油分、そういった
手の状態であったわけです。
そうした条件下で手裏剣を打つとなれば、必然的に滑り止めが
必要とされたわけです。
(ただし、昔の鉄製品なら、刀剣類でないかぎりは、
そもそも表面がツルツルである事が少ないはず)
■そこで、
この世で「最も駄目な手裏剣」となる「悪条件」は次のものである。
>1/表面が、つるつるに磨かれた剣。
>2/しかも軽量であれば、なおさら。
理由は至って簡単である。そうした剣は、手の状態に影響されやすく、
滑りにムラが出るということ。
■だが、解決法は、至って簡単なことであり、次のようになる。
1/表面に、黒色の酸化皮膜を必ず作ること。
(通常、多くの流派の剣は、自然にそうなっている)
2/皮膜を作らない場合には、自分の好みの摩擦に調整するために、
耐水ペーパーの600番か、800番か、1000番か、
1500番か、2000番、このいずれが良いかを全て自分でテストして、
剣体の進行方向へではなく、「真横に磨いて」細かい傷をつけること。
(1500番以上は、ほとんど効果がないだろうが。)
3/重量のある剣を使うこと。
太さや、長さや、重量があるというそれだけで、
表面がたとえ、つるつるでも、それらは手の内に安定をする。
4/可能であるならば、滑走をさせる打法を用いない。
●私の打剣環境は、寒暖差が非常に大きな山岳地帯にいるために、
湿度90%以上、気温32度から、
剣を持つことすら苦痛となる氷点下10度以下であったり
極度の乾燥状態、いずれの条件でも、ずっと稽古をしていますが、
ただの一度も、打剣状態に、影響が出たことはありません。
むろん、滑走系の打法や、スナップ打法を使ってでもである。
その理由は、前述したような条件を満たす剣を使っているからです。
■剣の表面には、
一定した「微細な起伏」ないしは、「微細なざらつき」が
手の影響を受けずらい、安定した打剣のためには必要不可欠である。
ただし、赤くサビてしまっては行き過ぎの摩擦を生じてしまうので、
焼き入れしたときに「自然に形成される酸化膜」あたりが最も良い。
むろん、ガンブルーなどの薬品を使って作っても良い。
ガンブルーは、モデルガンショップに売っている。
油分を完全に落とした剣に、原液を筆で塗ればよい。
有害な薬品なので、傷口や目に入らぬよう、扱いには注意するように。
■以前に、私に家に軽量剣を使用する者が来たときに、
その剣先のメンテナンスの状態と、表面があまりにも悪いために、
酸化膜を作ったところ、その方が断然打ちやすく、
一定に、安定した打剣が出来る、と言っていたものです。
■もともと、ほとんどの流派の剣は、鍛冶屋さんの手作りによって
鍛造されているので表面には自然な起伏なり、酸化膜があるわけです。
そうでない場合でも、根岸流のように剣尾に糸などが巻いてある事で
この問題を解決する流派もあるわけです。
また甲野氏にしても、表面には「サンドブラスト加工」があるわけです。
このように、まず剣の表面を、手の粘りや滑りによる影響を
可能なかぎり受けないようにと、ほとんどの流派は、
既に多くの経験的な積み重ねと、実験と工夫・研究によって、
「常識的な表面処理」をしているわけである。
また、最近の機械旋盤で作られたのではない古い時代の手裏剣は、
手作り故の、自然な起伏を持っていたことで、
手の内の状態に影響を受けない安定した打剣には、都合が良かったのである。
■ということで、剣は、約75グラムを超える剣ではないかぎりは、
決して「表面を、縦方向に磨き込んではならない」。
(それ以上の重量のある剣ならば、気象環境に左右されず、安定する)
そして、もしも、剣を滑りをよくしてしまっている場合には、
できるだけ、滑走をさせないか、
または数ミリ程度の滑走に留めるような打法を使用することである。
既に前述したように、自分の好みの番号の耐水ペーパーや砥石で、
横方向へ磨いて摩擦率の調整をする手もあるが、
「最良の方法は、黒色酸化皮膜を形成すること」である。
________________________________
■反転打法について。
■反転打が有効であるのは、距離約5間以上からである。
ごくごく常識的なことであるが、反転打法が有効であるとされる
その根拠は、上図のように、たとえば7間の距離を取った場合には、
有効刺中範囲が、約1間前後に引き伸ばされて「拡大される」という点である。
これがもしも4間などの距離では、回転速度が速くなるために、
刺中範囲が直打法よりも「短縮されてしまう」のは常識である。
●図を見ると分かるように、距離を取れば取るほどに、刺中可能な
剣の角度が「延長」されるのであるから、反転打法は、長距離であるほど
有効であるのは、理屈の上では正しい。
また、この図ぐらいの距離であれば、
打剣直後から、相手が前後に動く距離を1間以内と想定すれば、
反転打で打つことは有効ではある。
●ただし、図を見ても分かるように、直打法の場合には、
有効刺中範囲は、2間前後あるので、どちらが打法として優れているか
となれば、当然、直打法となる。
6間から7間の場合に、何種類かの剣を、何種類かの異なる直打法で打ち、
それを撮影して確認したところ、
有効刺中範囲は、最大で3間、通常は2間であった。
■昔、甲野氏が、手裏剣術というのは、前後10cmずれただけて
刺さらなくなるのであるから、精妙な身体操作が必要である、
というような趣旨の事をどこかで書いていたが、
それが事実でないことは、甲野氏自身が一番良く知っているはずである。
10cmの距離の前後が刺中に影響するのは、
射程距離が2間半以下ぐらいの至近距離の場合のみであり、
しかもその場合に、打法が「直進系の打法ではない場合」、
つまり、剣が垂直の姿勢で飛び立つタイプの打法を使った場合のみである。
■これを逆に言えば、手裏剣術とは、
「距離の長さと命中率は、反比例」するが、
「距離の長さと刺中率は、比例」する、ということになるのである。
つまり、距離が短いほどコントロールは楽だが、
刺すのには、技の安定が必要になるのである。
距離が遠くなるほど、手の内の僅かな誤差が「大きな差になって出る」
という側面は確かにあるのですが、それを差し引いても、
どちらが難しいかと言われたら、私は、4間から安定した刺中をさせるよりも、
6間からの方が「刺さりだけ」は、安定します。
■甲野氏や、あるいは甲野氏の剣友である江崎氏の10間近い遠投を
横から撮影して、コマ送りでよく見れば、
その刺中範囲は、2間前後もあるのが確認できるはずだ。
そもそも「前重心の剣」を使用している流派で、
7間以上を打剣する人達は、ほとんどの場合に、
剣はそのような飛跡を描いているはずである。
剣の構造と打法の兼ね合いから必然的にそうならざるを得ないのである。
テレビでの古い画像しか見たことはないが、
前田師範の打剣の飛跡もしかりであるし、
八角流の半田師範の打剣に至っては、約7間距離ぐらいの場合にも、
コマ送りで見ると、
標的まで「半分の位置」で、既に剣先は的の方向を向いているのである。
●しかし、剣が軽量である場合や、前重心でないなど、重心位置の都合によっては、
反転打法に頼ることは、決して、悪くはない。
■以前に書いたように、反転打法に最も適した剣の形状は、
香取神道流、九鬼神流のような、若干後ろ重心になっている剣である。
世の中に出回っている手裏剣術の本には、
「反転打で打つと剣は、このように回転する」とか
「こうした剣は、このように回転する」とか、
香取神道流の剣を反転打で打ったら、剣尾から刺さったなどと、
まことしやかに書かれているものがありますが、
それらは、すべて、「検証不足」の記述と言わざるを得ない。
検証不足どころか、はっきり言ってしまえば、根拠の薄い主張によって、
「自流の剣は、優れている。反転打も直打も併用できる」と、
「あらかじめ希望している結論」に、持ってゆこうとするために、
綿密に「検証する気」すらないのである。
なぜならば反転打といっても、「距離」によって反転の回転飛跡は異なり、
また、「剣の形状(特に「太さの違い」が大きく関係する)」によっても、
反転の回転飛跡は異なり、
また「打法」によっても、反転の回転飛跡は異なるのは当たり前である。
したがって、あるほんの数種類の剣だけを例にとって、
「反転打では剣はこう回転する」などとは、とても言えたものではないのである。
しかも、ある「限られた種類の打法」でしか打っていないのに、
「反転打ではこう回転する」などとは、とても言えないものなのである。
>「この剣」を、
>「この打法」で、
>「この距離」で打つと、
>反転打法では、このように飛んだ、
という具合に、この「3要素」の組み合わせによって「個別に異なる」のである。
同じ剣でも、反転打法そのものを変えれば、
回転状態には違いが生じるのである。
■したがって、手裏剣を学ぶ者にとって、決してあってはならないことは、
>「言われたり、書かれていることを、何も疑わずに信じてしまうこと」
>「前もって仮定したり、既に自分が内心希望している結果へと、
> 都合よく物事を、こじつけないこと」
この2点である。
「人が、決して陥ってはならない邪心」を書であらわすなら、こうである。
すなわち、
「無自覚のまま、囚われている 虚しい先入観」に陥るべからず。
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