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手裏剣術講座 Shuriken throwing instructions
「手裏剣術」講座、その他の雑談の「間」です。
手裏剣術の画像・動画が、
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[814]
■
手裏剣術の起源
by:
崩残
2006/10/11(Wed)05:21:30
◆手裏剣術の起源については、歴史的な記述や、諸説あるものの、
いまだ、本当のところは、明確には分からないでしょうね。
歴史的な考察などというものは、新しい発掘品や古文書が出たとたんに
定説がひっくり返るほど不安定なものなので、そうした観点からではなく、
ごく当たり前に物事を推察してみることにします。
◆そもそも、人間が、単に物を投げるのではなく、
尖った棒状のものを「投げ刺す」という事を、どういう状況下で思いつくかを考えると、
ありそうな局面は次のようなものです。
1/戦場に落ちていた、先端部の木が折れていた槍の矛先を投げてみた。
2/小太刀や短刀を投げてみた。
3/釘や針を投げてみた。
手裏剣術の起源や歴史については、たとえば仏教法具を出所とする説も
ありますが、これには、やや無理を感じます。
車剣については、そうかもしれませんが、棒手裏剣には当てはまらない
ように私には思えます。
中国では、「飛ひょう師」なるものが1900年前後に活躍したそうですし、
古くから、飛ひょうは、あるようです。
これもまた、元々は、槍の先端を投げたことに由来するようにも思えます。
欧米になると、スローイングナイフはハンティングにも古くから使われて
いたようですが、もともと、重量のあるナイフを投げるほうが主流だった
ために、小動物を相手にするときには、必ずしも刃が獲物の方を
向かなくとも、ナイフの重量の持つ衝撃で獲物が気絶したり、
ダメージを受けて動けなくなるということも多いようです。
それゆえに、回転打法が主流となったわけです。
時代的に、西洋と東洋で、どちらが先に、投剣術が芽生えたかとなると、
私見では、おそらくは、どちらも、時代が遡るほどに、
双刃の剣を使っているので、どっちとも言えないです。
ただ、問題になるのは、日本だけに存在する「直打法」です。
これの起源となると、若干推察は出来そうです。
◆手裏剣に対する見解として、現在は、主に2つの種類があるとする
見方があります。
ひとつは、釘や針のような物体の投擲から始まった流派の流れを組む、
とみられるもの、
もうひとつは、刀や槍や打根などの投擲からはじまった流派の流れを組む、
というもの。
前者は、軽量剣が多く、後者は重量剣が多い、というものです。
この釘・針の系統と、刀の系統に、二分して、
「直打法の打法」もそれによって違うのだろうという意見を
軽量剣使用者から聞いたことがあるのですが、私は、異論があります。
人間というのは、手にした物体から、まずその投げ方を考えます。
棒手裏剣が、投げることを前提に設計されたのは、かなり近代のことであって、
もともとは、既存の物体・武器を投げてみた、ということが出発点のはずです。
となると、とうぜん投法が先にあるのではなくて、
物体によって、投法が決定するわけですが、
そのときに、私は、直打法などというものは、最初はなかったと
推察しています。
「直打法」が確立したのは、おそらくは、定説にあるとおり、
根岸流や上遠野流の元となった願立流や、
円明流あたりからと思われます。
どうしてそこで(直打法)が確立されたかを推察するに、
それは、おそらく最初に投げたものが、「短刀」であったと
推測されるところにあると思います。
双刃の剣や、槍の矛先、釘などとは違って、
「片側にしか刃がない」ということは、投げたときに、
当然のこととして、刃が相手の方向を向いている必要があります。
むろん、逆にでも刺さるのですが、効率から言えば、刃は相手の方を
向く必要があります。
ここから、刃を相手に向けてまっすぐに投げ放つという発想が
出てくるわけです。
これが槍の矛先であったら、特に刃がまっすぐに相手に向かうように
打つ必要はありませんから。
この短刀の刃を相手に向かってゆくように打つ、
ということが、直打法の直接の発想の原因になったと私は思っています。
しかし、実際にそのように刃がブレずに飛んでゆくことはとても
困難で、たいていにおいて、短刀状の物体は、3間ほどになると、
空中でピストルの弾丸がゆるやかに回転するような運動を起こします。
そこで、この回転を避けるのが困難なために、
最初は短刀状であったものを、槍の矛先のようにしたり、
切っ先を両刃にしたりしつつ、最終的には、
「先端を、多角錐状に尖らせただけ」というシンプルな形にしたのだろうと思います。
そして、また、短刀は刃がついているわけですから、
反転打で打とうとすると、手の安全のために、持ち方も制限されます。
そうした要素がからまって、直打法の基礎が出来たのだろうと思います。
◆こうして、直打法が確立したのは、投げたものが短刀だったから、
と推測できるのですが、
一方で、反転打はどうだったかといえば、
おそらくは、最初に存在したのは、反転打だったと私は思います。
その理由としては、短刀ではなくて、釘状の物体を最初に投げたとすれば、
頭が大きく、先端が細いという釘の形状からして、直打法では打てず、
反転打なら容易に刺さったはずだからです。
和鉄の釘自体が、とても貴重な時代もあったでしょうから、
どのぐらい、釘が投げることに使われたのかは分かりませんが。
◆したがって、私は手裏剣術のルーツとなる流れを、
使っていた剣や物体が、大型であったか、小型であったかという、
今まで誰もが口にしていたような、いかにもそれらしい分類法ではなくて、
「最初にそれが、反転打法だったか、直打法だったか」で2分類しています。
おそらくは、反転打の法が、時代的には前に存在していたと私は思います。
◆ですから、以前にも書きましたように、
香取神道流や、九鬼神流、戸隠流などに伝わる、
針状の手裏剣というのは、もともとは、
それらをその流派内で手裏剣術として確立する前は、
「反転打法」で打っていたと推測しています。
それが近距離で直打法で打つようになったのは、
他の直打法を使う流派を模倣して、途中から取り入れたのではないかと
思っているわけです。
つまりそれらの流派では、「剣の由来」と「打法の由来」は、
「別々の所からだった」のではないか、というのが私の推測です。
後ろにふくらみのある剣は、あきらかに直打よりも反転打において
その本来の飛行バランスと威力を発揮しますし、
「釘」などの形状から発展したと思える形状をしていますから。
◆さて、本当の、元祖「直打法」となると、それは万国に共通する
「槍投げ」であるわけですが、それが日本では、打根になったり、
あるいは、もっと小型にするために、短刀の投剣術になり、
ここで、手の内が「槍投げとは全く異なるもの」に進化せざるを得なくなり、
最終的には、隠し武器と呼ばれるまでに、小型化されたわけです。
その用途も、昔は、重量剣を使っての、正面きっての勝負だったものが、
刀が、飾り物になっていった江戸時代や、
幕末にかけては、その必要性や、一種のブームによって、
中量剣や軽量剣の「隠し武器」に変形していったのかもしれません。
◆反転打を使う、暗器としての手裏剣術は、戦国時代以前にも
あったはずです。
また上遠野流は、もともとは中型の剣や、細長い軽量剣であったとする説もありますが、
「大型剣での直打法」の手裏剣術も、戦国時代にあったと推測されます。
◆さて、手裏剣術は、もっと古くは、日本武尊(742−773)が、
白鹿の目に食べ残しの蒜の片端を持って、打ち当てたという
古事記、日本書紀の記述をもってしてその始まりとする、
という説もある(藤田西湖 著「図解・手裏剣術」より)
◆流派名で古いものを見ますと、
伊賀流・甲賀流が(永禄=1558〜)
円明流が(慶長=1596〜)
願立流が(寛永=1624〜)
とありますので、手裏剣術が、あからさまに登場するのは、
1550年代以降あたりからなのでしょうかね。
結局のところは、
「直打法」が、どこからどう発生して、変化してきたものかは
正確には、わかりませんが、
ただ、ひとつだけいえることは、
剣尾に房のついていない剣で「直打法」を行うのは、
世界中で、日本だけかもしれないという、「文化的な」希少価値ですね。
剣術の系統と歴史の「概要」については、
↓下記の記述が参考になります。
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%B7%F5%BD%D1/detail.html?LINK=1&kind=epedia
◆
「道」のようにバランスが崩れた字も私は好きなのです。
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