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>2/28-17:46 更新(最後にYuo-tubeにアップした2画像を追加しました)
>3/1-15-36 更新。卍標的の画像と、遠投に関する推察を追加し、
>武道合宿の宿探しに便利なサイトを紹介しておきました。



■手裏剣術、投剣術、この中では、飛距離とは別に、
「命中精度」という課題があります。

この課題というのは、長く私の中で、保留にしてきた分野のひとつですが、
最近になって、ひとつの成果とひとつの結論が出ましたので、
簡単に解説しておきます。


■最近、私は「卍打ち」というものを始めました。

卍打ちといっても、有名な「打剣動作」の「卍まんじ」ではなくて、
標的が一辺40cm四方の「卍」の線で出来ているということです。

これは、私の独自の練習用の標的で、
布ガムテープをそのように「卍」の形に標的に張っているわけです。

この卍の形の点を狙って、左、右、下、右、上、下、左、下、真ん中、
と、9つの点を順番に狙うわけです。

単純に縦に並べるとか、横に並べて打つのではなくて、
狙いの順番が、上下左右するわけです。

■以前の私は、コントロールに問題があり、このようなことは真似すら
出来ませんでしたが、最近になって、ひとつの工夫をしたところ、
かなり良い感じで、剣が自分の思ったところに行くようになりました。

ただし、私はこれまでの自分の投剣フォームを一切変えていません。


■さて、そこで、簡単な考察をしてみると良いでしょう。

打剣における「コントロールを決定する要素とは何か?」という問題です。

ありがちな考え方は、とにかく真っ直ぐにすればいいという考え方ですが、
これについては、距離に関係なく、「違う」というのが私の結論です。

真っ直ぐならコントールも真っ直ぐになるはず、というのは、
確かに、あまり深く考えずに納得してしまいそうになる理論のひとつです。

それは、「一面で事実」ですが、他面では「事実の全体」ではありません。


■そこで、コントロールの良い打剣者を例にして、説明してゆきます。


たとえば、他流では、ずいぶんなボロクソを言った師範もいたようですが、
私が近江流のサイトの動画を最初に見たときに、
もっとも感嘆したのは、次の点です。

身体の動きはまっすぐに前進してゆく。
特に標的にあわせて、腰を捻っている様子や、
前足の位置を、そのつど修正している様子はない。
しかし、剣は中段、次に左から右に3本順番に打たれる。

となれば、それが出来る理由は、いわゆる、よく剣術で言われるような、
正中線に全てを沿って打剣しているからではなく、
真っ直ぐを基本としながらも、手離れの前にコントロールの変更・調整を
しているということ。


■次に、全く違う、例のロシアの人。
聞いた話ではシステマという武術と関係があるようですが、
この人の場合には、全く完全なサイドスローです。
つまり、銃や弓のように、目の照準と腕が真っ直ぐに位置しているわけではない。
しかし、この人のコントロールは非常に良いです。


■次に、ラルフ氏。多角的な投げ方はもとより、
特に彼のアンダーハンドのコントロールは、まさに天才的なものです。
しかし、そのフォームは、真っ直ぐというわけではない。


■次に、百発百中の八角流の半田師範。フォームは独特のもので、
時に、わずかな剣の傾きを持つので、これもいわゆる、古流の
真っ直ぐではない。


■次に俗に言われる古流の、正中線に沿った真っ直ぐ。
これも、角度だけ、にわか作りで真似てみたが、至近距離に限れば、
確かにコントロールは「少し」よくなる。


しかし、比較すると、真っ直ぐにするということが、
特にコントロールを「大きく決定している形跡がない」ということ。


●そして、次の事例を考えてみましょう。

野球の投手は、18メートル以上の距離をおいて、
ボールわずか1、2個の幅という、コースぎりぎりのコントロールを
成し遂げています。

いかに、投げるものがボールとは言え、脅威的なコントロールです。
しかし、アマチュア選手でも、それに近いコントロールを持っています。

確かに、投げる物体が球体であることと、
直打で棒状の物体を投げることの違いはありますが、
しかし、投擲のコントロールということでは、人間は確実に、
そうした微妙なコントロール能力があるということです。

ではその野球選手の腕の振りやフォームはどうなっているかといえば、
実に、多彩で、様々です。
むろん、それらは、日本の古流武術の形などとは全く関係ありません。


しかし、そこで実現されているボールの威力とコントロールは抜群のものです。


■さて、では、これは一体どういうことなのか、と言いますと、

人間には、目と腕の位置関係をすぐに学習して、
黙視で見た標的に、投げた物体をあてる、かなり高性能の能力があり、
その際の微妙な修正をする際には、
腕や身体の角度が「どのような状態」にあっても、
少しの練習をすれば、そのコントロールが可能であるということです。


■
>つまり目と腕は、真っ直ぐである必要はなく、
かなり開いた腕であっても、下手からであっても、
斜めであっても、サイドスローであっても、逆打ちであっても、
>人間は、自分の投げる物体のコントロールを正確に行う為の
>「優れた学習能力がある」ということです。


■では、投げ方、フォームの種類は、剣のコントロールの良さには、
絶対的な条件となるものではない、という事実がある以上、
そうなれば、コントロールを決定する要素は何かということになります。

そこで、再度これらの投剣者のある部分に注目すると、ひとつの
共通項が出てきます。


近江流。その剣の太さと剣の形状。
ロシアナイフスロー。そのナイフの保持の仕方とナイフの形状。
ラルフ氏のナイフの投げ方。
半田師範の手の内。
そして野球選手。

それらに共通することは、「手の内」をどう安定させるか、
または、安定させたか、という問題です。
つまり「剣の保持の仕方」に、いくつかの共通点があるのです。


半田師範の作る手の内は、中指に添って、他の指で剣をそっと包み込む、
完全なる滑走路、あるいは「銃身のような形」が形成されているようです。

ラルフ氏は、私と同じように、剣を滑走はさせませんが、
DVDを見た人は分かるように、ある一定の手の内をしています。


■つまり、投げ方の角度とか、目と腕が真っ直ぐであることや、
正中線がどうのこうのがコントロールを決定するのではなく、
「コントロールの悪さ」があるとしたら、
手の内に原因があることがあるということです。

何を隠そう、私がその１人でした。

コントロールを少しマシにしておくために、私はいろいろな
他人のアドバイスなどを、実験的に参考にしてみましたが、
あまり大きな改善はされませんでした。

たとえば、ダーツの競技のように、まっすぐということ。
これは何もダーツのように手裏剣を持つということではなく、
右足前の順体にして、目と剣を直線上にしたということです。

また、たとえば、前足の踏み出し方の工夫。
後ろ足を動かないように固定する。
あるいは、腰を切らない打法。
そして座打ち。

しかし、少しの効果に終わり、劇的な改善は起きませんでした。


しかし、ごくごく、つい最近なのですが、
ある時、下手からの直打法による「ナイフの投げ方」を工夫していたときに、
私の手には、ひとつの致命的な「クセ」があったことに気づきました。


それは、ほんのわずか、2mm前後なのですが、
私の薬指の、第二関節あたりの側面が、剣の軌道を若干阻害していたのです。


■どうしてそうなったかという原因は、明白でした。
それは私の自作の剣が、まず軽量剣から出発し、中量剣でも、
比較的細い剣を長い期間、使っていたからです。

そのときに、剣が細いと、剣を安定して包み込もうとするために、
無自覚のうちに、薬指が、ほんのわずかにですが、内側に寄っていたのです。

これが極端になってはいけないということは、自分の著作の中でも
書いてあったのですが、私のそれは、打剣に悪影響するほど、
極端に剣にぴったりと「指の根元の側面」を当てているわけではないので、
問題として考えずに、そのままで、つい最近まで来ていました。


しかし、下手の直打で、ナイフが手から離れる場合に、
指のどこも、一切、発射軌道を阻害しないようにするためには、
私の薬指は、あと1mmか2mm、剣から外すべきであった事がわかりました。

結果、現在の私の手の内は、親指を除く4指のうちの、
「中指から小指まで」の3指が、真っ直ぐに平行に揃っている、
という形になりました。(遠投のときだけには、少し変わりますが)


■そこで、打剣をしたところ、今のところ、3間距離であれば、
狙う標的の位置が上下しようが、左右になろうが、
縦や横に一列に並べるのであろうが、
今までには全く出来なかった、そうした剣のコントロールが
急速に出来るようになってきました。

そこで自分のコントロールを検査するために、
狙いが変則的になる「卍打ち」、を始めたのです。


■つまり、私は、姿勢や体重移動の方法が原因でコントロールが悪かったのではなくて、
また、打剣フォームや腕の角度が間違っていたのでもなく、
「手の内が悪かった」という、ごくごく「初歩的なミス」です。

そこで、耳や側頭部に近い位置から投げて、
それをだんだん外にしてゆき、
肘を思いっきりサイドに開いた投げ方をしたりしても、
>その数本の剣は、側頭部から違う距離のポイントから投げられても、
>標的では、同じような場所に刺さります。

また、まったく普通にボールを投げるように投げても、
結果は、同じで、今までの私のノーコンとは全く違う状態になりました。


■つまり、私に限って言えば、
コントロールを「悪くしていた原因」が、指のほんの1mmか2mmの
位置の間違いだったということです。

■ただし、使う剣の剣尾に、巻物があろうがなかろうが、
それは、よほどの「変な巻物」でないかぎりは、
剣尾の形状はコントロールには悪影響しません。

>剣尾に巻物がある剣は、「それなりの打法」で打ちますから、
>それはコントロールには、なんらの支障もありません。
そのことは、根岸流や、八角流や、その他の剣尾に加工を施す流派が、
既に実証済みのことです。


■ということで、まったくあきれかえるような、基本的なミスですが、
こうしたことも、自己流ならではの「遠回り」であり、
私にとっては、本当に、いい勉強になりましたが、
「皆さんは、遠回りする必要はありません」。


もしも自己流でやっている人で、どうも何ヶ月しても、何年しても
コントロールが悪いという方は、
一度、「剣を保持している指」が、剣の発射時に、
なんらか僅かな軌道阻害をしていないかどうかを、観察してみてください。

フォームを考え直す以前に、手の内を考え直してみてください。


■打剣フォームというものは、
既に、述べたように、ロシアの投法、ラルフ氏の投法、
そして、投手の投法、そうした自由なフォームであっても
投擲術のコントロールというのは、
それこそ「実に精妙に」なされているのですから、
打剣のときの姿勢や、特定の型は「絶対的な要素」ではありません。


人間の脳は、目と腕と体の、その位置関係の修正を瞬時に計算できる
「高性能のコンピューター」なのですから、


野球選手のように、あるいはラルフ氏のように、
私達は、斜めになったり、飛び跳ねながらでも、打剣することが
可能だと考えて良いでしょう。
必要なのは、少しの練習です。


■以上が、物体を投げるという行為の中に、
「人間が本来から持つ、優秀な計算能力」の事例を現す投剣者への観察から、

「身体の各部をまっすぐにすること」は、投擲術のコントロールに
「絶対に必要なことではない」、というのが、「私の論理」です。


そして、個人的な一例としてですが、私の場合には、これまでの何年もの、
そのコントロールの乱れの主原因は、
ほんの僅か2ミリ程度の「指の位置」のズレが、コントロールを悪くしていたのでした。




　　　　　　　　　　　　　　　■


■You-tubeに、私の手裏剣の試作歴と、大きな影響を受けた本や
人物の紹介をしておきました。
使用したBGMは、「真夜中の禅寺」という曲です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=b0lXm_ohbsY

http://www.youtube.com/watch?v=7NBF-FCFqR8


_____________________________________________________________


卍標的です。一辺約40cmです。
まだ9本すべてを、図形の頂点に刺すまでは上達していませんが、
薬指を修正してから、そのとたんに、かなり思ったところに行きます。
距離はまだ近い距離で、3間からです。
↓


_____________________________________________________

次は、前回の「遠投」についての追加考察です。

ガリレオの振り子の運動に関する法則など、思い出してみまして、
まるで小学校の理科みたいですね。

空中における剣の傾き運動は、手から剣にあたえられる力が複雑ですから、
これほどに単純なものではないのですが、
ごく一面では、こうした物理法則が応用できそうな面がありました。

あまりにも単純な図式ですので、現実との間には、違いがあるでしょうから、
全ての剣が、この通りになるわけではありません。

振り子運動を、上下をひっくり返したものとして剣の運動を考えるわけです。





推論としては、重い剣が遠くまで届くのではなく、
長い剣が遠くまで届くということです。
このときに、重心位置がかなり後ろにある「ドライバー」のようなものが、
遠くまで届いてしまった原因は、この図のような効果によるものかも
しれませんが、

ただし、依然として「ほぼ中央重心(2.5%〜5%後ろ)」の剣が、
確たる高性能を維持しているので、確かなことは、まだよくわかりません。


●余談ですが、「武道合宿さがし」に便利なページがあります。
↓
http://www.tabiplan.co.jp/budou/index.htm


●ただし、もしも手裏剣の稽古をする場合には、
現地で手裏剣術用の古畳などが、宿側の手配で用意できるかどうか、
またそもそも手裏剣自体の稽古が可能かどうかは、
直接に宿の責任者や、ご主人に事前に相談しましょう。


使用するのが標準的な手裏剣であれば、
標的の前、「最低2間まで」、古畳などを敷きつめる必要があります。
また標的の前の横にもです。
剣は斜め前に撥ねることも多いからです。
2間以下では、強く撥ねた剣によって床を傷つける恐れがあります。

畳一枚の標的に対して、床を保護する畳が、
↓の図のように6枚あれば、大丈夫です。

　　　　　　■
　　　　　■■■
　　　　　■■■


傷をつけてもいい畳の枚数が宿にない場合には、
撥ねた剣が貫通しない厚手のカーペットをロールで
持参するか、またはあらかじめ宅急便で送っておくのがいいです。



***************************************************

★ . 　　

>3/5-2:08 文末に、近距離の下手からの直打法を更新しました。



のんびり　ぽかぽか手裏剣


【はじめてやってみた、ちょっと変わった「打法」】距離は全部4間。

○距離4間　195ｇ　パーフェクトスローイングナイフ。
糸を2重にまいてペンキを塗ったら、20グラムほど増えてしまいました。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/hodome0001.avi

http://www.mumyouan.com/shuriken/video/hodome0005.avi

http://www.mumyouan.com/shuriken/video/hodome0002.avi

○160ｇ 30cm　角型8mmの、なんがーい剣で、やってみました。
室内3間は、少しだけ投げてみましたが、はじめて4間でやってみました。
あまりにも剣が長すぎて、まだこの剣の癖がつかめません。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/hodome0003.avi


>●ようするに、台車の上の荷物が前に飛び出すようなものです。
>下半身が台車だとすると、上半身が荷物に喩えられます。
>その力が最後に腕から剣に伝達されるようにするわけです。


○下手反転で、ちょっとちょっと　遊ぶ。

http://www.mumyouan.com/shuriken/video/hodome0004.avi

【手の内を変えたことによるコントロールの改善】
　距離3間半
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/iodome0002.avi


●つまり前回の投稿で説明をしましたように、
頭の側面の近い位置や、体の前面あたりから投げても、
頭の側面から遠い場所から投げても、ワンモーションでもサイドでも
剣は狙った中央にまとまるということです。

【これは、完全に水平なサイドスローではありませんが、
　サイドスロー「気味」にして、横一列に並べようとした場合】距離4間。
　この前に、これと同じサイドスローのフォームで、
　「縦に並べようとした」のですが、
　剣が縦に「ジクザク」に並んでしまって、失敗しました。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/iodome0004.avi


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


●いずれの打剣風景も、このぽかぽか陽気に、まったりと、
のんびりと、やっていますので、
威力面は、一切無視して、ただ「ほいっと」と、狙いをつけただけです。
俗に、これを「置きに行く」とか言うらしいですが。

とにかく、暖かくて、いい気持の日でした。

殺気立って打剣するばかりでは、剣と仲良くなれません。
気持のいい日は、その空気の気持良さを、剣と一緒に楽しむのです。



　　　　　　　　　　　　　●


ちなみに、私のハンドルネームが変わった理由については、
竹の間の説明をご覧ください。
↓
http://www.mumyouan.com/k/takenoma.html


名前が変わるに従って、
剣の投げ方まで、だんだんと変わるかもしれませんね。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


>∽

スローイングナイフによる、下手の直打法です。
さすがに、2間という至近距離になると、
コントロールは別としても、刺すだけに関しては、とっても簡単です。

195g knife no-spin underhand 3.6m

http://www.mumyouan.com/shuriken/video/jodome0001.avi


・




>ここから後の新規投稿は、有料部分を含む投稿が開始されています。



・


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★ . 　　

>3/13 16:23　梅の間に「早漏の旦那でも女性がイケる最後の手段」を更新しました。
↓
http://www.mumyouan.com/k/umenoma.html

>3/12-18:00 隣の梅の間を更新しました。

>世の中には、セックスを極限まで進化させる修業というものがある、ということは、
>スマートでなく「ただのスケベ」が多い、武術の世界の人も、
>知っておくと、損はないでしょう。

この投稿です。何事でも「奥義」というのは、ここまで奥が深いということです。
↓
http://www.mumyouan.com/k/?U1170


****************************************************

さて、・・・


　　　　　　　　　




●楽しみにしていたラルフ氏のナイフが届きました。

私はこういうものが大好きです。

その人のチャレンジと研究心の歴史のこもった剣。

こうした剣に触れると、いろいろなものが見えたり意識に感じます。

その人がどのように考え、工夫し、練習の日々を重ねてきたか、
その人が、何を考えていたか、
その人が、どう楽しんでいたかなど。


私は常に、ほとんどの要点を「剣」から教わるタイプです。
耳を澄ませると、
剣からはふたつの声が聴こえてきます。

ひとつはその剣を物理的に作製した人物が作っているときに、
どういう雑念を交えたり、どういう事を、悶々と頭の中で
考えて作っていたかということ。

もうひとつは、物理的な剣ではなくて、
その剣を設計した人物の心の思いです。
たとえば、とっくの昔に死んでいる古人の想っていたことも
現代に制作された品物の形の中に残存することがあります。


前者は例えば、手裏剣に限らず、刀なども、打ったり研いだ人間がどういう心で、
または邪心をよぎらせながら研いだかは分かります。

大抵において、全くの無心で刃物を研げる人間は、
私が知るかぎりでは、ほとんどどこにもいません。

どんな人間でも、必ず、どこかで意識が途切れて、
気がつくと関係のない雑念に翻弄されてしまっていることがほとんどです。

そうした、人がヤスリをかけたり、研ぐことによって
必然的に付着してしまう微細な雑念を、最後に綺麗にするために、
私にも独特の剣の清め方があります。


特に、何種類かに限定した香または香に類する植物で行います。
そうした香による清めを施さない剣は、
造り手の脳裏の中にある想念の種類(例えば殺人妄想など)によっては、
無意味な殺気を帯びたままになることもあり、
時に、人を傷つけるような邪気を放っているものもたまにあります。


●最も理想的な香は、伽羅の香木ですが、卒倒するほど価格が高いので、
普通の人は、これを使うのは、やめましょう。

安くて使えるものは、香辛料として売っているタイムと、月桂樹の葉です。
これを燃やした煙でも充分です。

あとは僧侶が使う塗香(ずこう)ですが、これは、メーカーや品種によって
かなりのムラがあります。
つまり、粗悪品は効果がありません。


ちなみに、「あら塩」は、よほど儀式的な作用をほどこした塩でないかぎりは、
「ほとんど何の効果もない無力なもの」であることは、
心霊的な現場作業の専門家の間では、よく知られています。



●剣にどういった雑念があるかということは、
目でみたり、指先で触れて判断するというよりも、
もっと感覚的なもの、直感的なものです。


世の中にはいろいろな剣があります。
たとえ機械で作られた剣にも、大元の「設計者」の心が宿っています。

そしてそれぞれの剣は、こう投げて欲しいという要求を私にしてきます。

それは伝えられているような投げ方では全くない、
もっとダイナミックで大きなモーションで投げる事が「私の本来の投げ方だから」と、
私に望んでくる剣も、今までにありました。

逆に、こういう小さなモーションでこう投げて欲しいと言ってくる剣も
ありました。


私は、部分的なものを、表面的には、
技術的な事も、多少は他者や本から学びもしましたが、
一にもニにも、私の最大の恩師は、
もの言わぬ「剣」そのものでした。


八角流の半田師範が、よく言うことで、私の好きな言葉ですが、
「良い剣は、剣が、こうなげろと教えてくれる。
　投げ方は、剣が導いてくれる。」
という言葉があります。


このラルフ氏のナイフもそうしたナイフのひとつでした。

しかし、それでいて、このナイフは、
必ず、こういう投げ方をしろとは、
押し付けた言い方を言ってこないのです。

そこにも彼の性格のようなものが染み付いていました。


おそらくは、いろいろな試行錯誤を重ねてきた歴史がそこにあるせいか、
私の投げ方に、ナイフの方が、逆に、
興味深く、心を向けているように、感じました。

そこで、私はナイフに言いました。

「よく、感じててごらん。これが私の投げ方のうちのひとつだよ」

そうやって、いくつかの打法を試したのですが、
ラルフ氏のナイフは、ほとんど全ての打法で投げられました。

これは私には意外なことでした。

もう少し打法が制限されるかと思ったのですが、
予想以上に、投げやすく、
これはたぶん、特に根岸流の皆さんが、
手裏剣を投げるのと同じようにして投げても、違和感がないかもしれません。

グリップ部があるために、それになれた人の方が投げやすいです。

特殊なバランスであるのに、飛行姿勢は、安定しています。

このナイフは、もうひとつ私の予想と違っていました。

DVDから推測するに、300gを下ることはないだろうとは思っていたのですが、
テープを巻いた部分の重量が画像からは推測できなかったので、
正確な重さが分かりませんでした。

計ってみると、このナイフは、「385ｇ」ありました。


匕首などを投げていたので、重いとは全く感じませんでしたが、
しかし、この重さのナイフを、あのラルフ氏のスピードで投げることは、
私には、到底できません。

もう少しだけ軽いかと思っていたのですが、３８５グラムもあったとは
ちょっと驚きました。

しかし、刃厚は意外にも薄くて、４．５ｍｍでした。
これなら、もしもきちんと刃をつけたら、相当に切れるナイフになります。
（これはあくまでも、スローイングナイフなので刃というほどのものは、
　ほとんど付いていません）



で、彼がスタンダードに、日常的に使っているこのナイフですら、
３８５グラムあるということは、
アンダーハンドで彼が２３メートルという長距離投げているあのナイフは、
このナイフの長さや大きさから換算しても、
あれは、５００グラム近くもあると推測されます。



●さて、いろいろと、ここのところの私の個人研究の内容から推測するに、
30cm前後を超えるあたりの長さからは、
それより小型の長さの剣とは、設計理論が変わってくる部分が出てくる
可能性があるということです。

それが変わってくる最大の理由とは、
指が置かれる位置や剣底の位置と関係していそうです。


いずれ、このラルフ氏のナイフを投げる動画を
upしたいと思います。


ラルフ氏の直打法によるナイフスローの妙技を、
まだ見た事のない人は、松の間の読者ではほとんどいないとは
思いますが、観たことのない人は、こちらを参照。
↓
http://www.mumyouan.com/k/?M847

新宿のコンクリートで売っています。
中野の古書大予言にもあります。


******************************************************::


●そういえば、3/7の朝に、半田師範が非常に具合が悪そうな顔で
私の夢に出てきた。

心配して、私が触れてみると、師範は、おでこがとても冷えていた。


かなり具合が悪いにもかかわらず、夢の中で、撮影の取材があり、
体育館で、演武をすることになっていた。


そこには、八角流のお弟子さんが6人いて、3人ずつのケームに別れ、
ボーリングの球のようなものをお互いに投げて、
それを網で受け取るという稽古をしていた。
どうもこれが手裏剣に役立つらしい。

また八角流のお弟子さんが3人で一組になって、同一方向に向かって
刀を振るという練習があり、
これは3人の息、チームワークを合わせることによる精神面の訓練らしい。


夢の中での半田師範の打剣フォームは、実際のそれよりも、
かなり低い姿勢から放たれるもので、
取材をしていた解説者は、その打剣姿勢の低さについて、
「それが重要性を持つ」と解説していた。


●しかし、この取材班というのが、思いっきり怪しい連中で、
ジョーク番組程度の制作能力も無いという無能なやつら。

いささか、私は強い不信感をそれに対して持っており、
この取材班というのは、夢の世界だけではなく「実在」するので、
その素性と動きを調査させる予定でいる。

なにしろ、撮影して放映したと称する映像が半田師範への提出もされていない
という非常識ぶりからしても、完全に「アウト」である。



●そんなわけで、3/7の朝に、半田師範の夢をかなりの明確さで見ました。
やや心配なので、そのうち、電話してみようと思う。


傑出した人って、常に、短命だから。

いや、縁起でもないこと言って、
八角流のお弟子さんたちには、すまんとです。




__________________________________________________________________

★ . 　　

手裏剣は4つに分類される





●これまで手裏剣または投剣用の物体というものを、
きちんと整理して、(おおざっぱな分類ではなく)細部まで明確に定義して、
どこからどこまでをその区分けの線引きとするか
という事をした人が、今までに、どこにもいなかったので、
今回は、ここに概略を記しておきます。


●剣の種類を「重心位置」という基準のみで、あえて区分すると、
下記のように、私は分類します。


�@「前重心」・・・・・・これは実際に重心位置が、
　　　　　　　　　　　　全長の中点よりも前にある剣のこと。
　　　　　　　　　　　「俗に言われている前重心」ではなくて、計ると実際に、
　　　　　　　　　　　　本当に中点よりも前で吊り合いの取れる剣。
　　　　　　　　　　　　これは手裏剣としては、バランスが悪い剣と
　　　　　　　　　　　　なることが多いので、実際には少ないです。
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　ただし本当の実戦に耐え得るような「超小型剣」の
　　　　　　　　　　　　設計では、この特殊な比率が必要になる場合があります。


�A「ほぼ中央重心」・・・今までに述べてきた「性能のいい剣」で、
　　　　　　　　　　　　重心位置が剣の、中点から後ろへ、
　　　　　　　　　　　　全長の「5%の範囲内」の距離までのずれを上限とする範囲の剣。
　　　　　　　　　　　　個人的には中点から「2.5%」のものが最も投げやすい。
　　　　　　　　　　　　この場合に、設計範囲とすべき剣の「全長」は、
　　　　　　　　　　　　最小で200mmから、最大で270mm間での範囲とする。

　　　　　　　　　　　　つまり、たとえ、この中点から後ろへ5%までの位置に
　　　　　　　　　　　　重心がきているような「既存の剣」であっても、
　　　　　　　　　　　　それが全長15�pの小型剣とか、19cm未満の剣である場合には、
　　　　　　　　　　　　それは「中距離」まではよくても、「遠近両用」として
　　　　　　　　　　　　性能がいいとは、私個人によるテストの範疇では
　　　　　　　　　　　　認められませんでした。


�B「やや後ろ重心」・・・一般的な「先端を削っただけの手裏剣」が
　　　　　　　　　　　　ほぼこれに区分されます。
　　　　　　　　　　　　重心位置は全長の中点から、
　　　　　　　　　　　　「6%以上10%未満の範囲で」後ろにある。
　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　つまり遠近両用として最も理想的な
　　　　　　　　　　　　「一般的な先端だけ研磨した形状の剣」というのは、
　　　　　　　　　　　　これまでの伝統的な手裏剣の固定概念の常識を完全に裏切り、
　　　　　　　　　　　　実は、その長さは、280mm(±10mm)の長剣であるということ。
　　　　　　　　　　　　隠し武器という「囚われの概念」を取っ払ってしまい、
　　　　　　　　　　　　純粋に力学的に突き詰めると、という話である。


�C「後ろ重心」・・・・・重心位置が全長の中点から、
　　　　　　　　　　　　全長の「10%以上」、後方にあるもの。
　　　　　　　　　　　　長さ300mm以上の手裏剣、ナイフ、槍、刀などに適応される。



　　　



ほぼ中央重心の剣が良いのは全長27cmまでが限界と判明


●前述の図面を見てください。
これは、同一の鋼材で、ほぼ同一の太さ(8mm)で試作した、
全長が、270mm 275mm 280mm 300mm　の剣です。
(下から2番目だけは剣の太さが違います===6mm)


●テストの結果、いわゆる遠近両用の剣として、「性能がいい」と
判断される「�Aほぼ中央重心の剣」が適応できるのは、
剣の全長が270mm(±10mm)までが限界である、ということでした。

つまり、全長が280mm(±10mm)あたりの剣では、「�Bやや後ろ重心の剣」に
しないとならないということ。

さらには、全長が300mm(±10mm)を超える場合には、「�C後ろ重心の剣」
にしなければならないということです。


ここに「±10mm」の許容範囲を設けた理由は、個人の手の大きさによる誤差を
考慮してです。


●なお、私がテストする(試し打ちをする)という場合には、
5種類から10種類の打法をすべて順番に行ないます。

世の中には、自流のたったの一種の打法か、せいぜい2種の打法で
投げて「投げにくい」とか「刺さりにくい剣」だと決め付ける人も
いましたが、
そのような人達が手裏剣など検品したら、世の中に過去からある
多種の手裏剣、そしてナイフなど、そのほとんど80%が、
「投げにくい」ということに強引にされてしまいます。

反転打は含まなくて、「直打法だけ」でテストするとしても、
それは複数の性質の異なる投げ方をしてみなければ、
剣の性能評価は出来ません。


●さて、この剣の「重心位置」を基準とした4区分は、
棒手裏剣にかぎらず、刀でも槍でも、ナイフでも適応できます。


これが何を意味するかは、無冥流の理論や、「中級手裏剣術」の書籍を
読まれて理解された方には一目瞭然のことでしょう。


●つまり、重要性を持つのは、
剣を保持したときの、人間の「指先の点と、掌底部の点との距離」
によって、剣の長さが決まってくるということです。

そして、手がかなり大きい欧米人を基準として割り出したとしても、
それでも、「�Aほぼ中央重心」の剣は、270mm以上には作れない
ということです。

もしも作ると、無冥流の打法理論で理想とされるよりも、
剣底が、掌底の位置から、はみ出てしまうのです。

もしもそれでも強引に、正確に「遠距離」を投げようとすると、
剣底が手首側まで、はみ出る形で剣を深く保持し、
指を滑走させる距離を長く取る必要が出てきます。
(この方法で遠投をする人もよくいます。一例=甲野氏)


●では、剣の全長が280mmを超えたらどうしたらいいかといえば、
まず、「�Bやや後ろ重心の剣」で作ってもさしつかえないのが、
約280mm(±10mm)です。


●そして、もしも剣や刀の全長が300mmを超えた場合には、
重心位置は、もっと後ろへずれないと、「理想的な手の内が作れない」
ということです。

こうした理由から、全長が300mmを超える剣や、刀や、匕首や、ナイフの場合には、
重心位置を、中点から後ろへ「10%以上」ずらすための加工をしないと、
理想的な打剣をするための手の内にうまく収まらないということです。
(「片手で投擲する」という前提での話です。)

たとえば、日本刀の脇差や槍などを、
本当に理想的な、美しい軌道で、
5間を超える距離まで投げるためには、
「具体的な、裏技的な方法」として、その調整をどうするかと言えば・・・、



全文を読むには、こちらからどうぞ。

なお申し込みは2007年の10/28に締め切りました。

★ . 　　

手裏剣術団体に対する雑感



●最低限必要な「宝物」


●世の中では、手裏剣を「個人の趣味」として行っている人達がいます。
私もその1人です。

この人達については、
「どうぞ、お怪我だけは、されないように気をつけて、
　そして、自由奔放に楽しみ、
　個人的な好奇心を満たす探求を、末永く楽しみ、頑張ってください」、

と、私は心から、激励を送るのみです。


●一方で、手裏剣術、私の好きな表記では「　手　離　剣　術　」を行う、
「団体や小規模な組織」というものがあります。

この場合には、
古来からその流派が手裏剣術を、継承している剣術や体術である場合は、
これは「全く問題なし」です。

既に体系は完成しているのですから、それを単純に継承するのみですが、
ここで必要なのは、
決してわずかにでも「改変」「複数の体系の混合をしない」
「改良をしない」これが継承の意味です。

それをしたときから「決して、その流派名を名乗ってはならない」ということは、
私は著書にも書きました。理由は、その後の「文化資料的な混乱」を避けるためにです。


●さて、これとは別に、剣術や体術を主体とした団体が、
「手裏剣術もやってみたいなー、やってみようじゃないか、」
といった、やや軽い動機で、始めるところがあります。

動機が「軽め」であるのは、全く問題ありませんし、
むしろ、しかめっツラをして、これは古流武術の研究・実践なんだと
嘘ぶくよりも、正直に、「おもしろそうだから」という動機で全くいいのです。

ところが、そのときに、その団体や、小規模な場合には無名の「クラブ」や「同好会」が
自分たちの会の手裏剣術の体系づくりの「元となるもの」を、
どういう理由(目的)で、どこに求めるか、ということが出てきます。


●こうした場合、多くの場合には、既存する「手裏剣術教室」なるものを
少し見学したり、短期的に入門したりする人がいる一方で、

古くから剣術や体術と手裏剣術の体系を持つ本当の意味での古武術の
門を叩いて、そこから自分の手裏剣術づくりの為に、
何かを取り入りようとする人もいます。

しかし「古武術」という看板だからと思って「古武術手裏剣」を
期待して行った人の場合でも、「全く古武術ではなかった」と
幻滅してくる人も多いと、いろいろな人から聞きました。

私などは、逆に、古武術的でない、現代的な工夫のされた打法に
興味の大半がありますから、むしろそうした「手裏剣」組織の方が好きですし、
そうした団体については、私個人は、好感と親近感が持てます。

■一方では、残念ながら、全く古武術からは、かけ離れた打法であるにもかかわらず、
古武術を名乗るところもあるようです。


**********************


●最近では、私の知るかぎりでは(つまり製品の納品数から換算して、)、
かなりマニアックな人達が、
「中級手裏剣術」や「無冥流のDVDを」、参考にし始めましたが、
私の主観を排して、客観的に見ても、その理由というのは、

全く、それが自由で、何の伝統や剣の種類にも、全く制限のないスタイルであり、
そこに、誰でもが自分用に転用、盗用できる、
一定の理論が、明確に確立されているからであると思われます。

つまり、著者本人の私の目的とした通りに機能してくれていて、それは、
「無流派層の人」にとって、非常に便利で、参考になるということです。


●しかし、小規模団体であれ、個人であれ、もしも「手離剣術」を始めようとすると、
とりわけ、クラブや同好会では、絶対に必要不可欠な「教材」というものがあるのですよ。

そもそも、手離剣をはじめようとしても、
一体、何から手をつけたらいいのか分からないものです。
なにしろ、最初に手をつけるはずの「手離剣」そのものの選択すらも、
出来ないはずです。

というのも、どういう手離剣を選び、それをそこの会の「稽古用」として統一するか
ということなしには、その会は、手裏剣の看板など、掲げられないからである。
稽古用とは別の「コレクションの剣」は、個人の趣味で持つことは出来ます。

しかし、その手裏剣会の「基礎打法」については、
主催者が確実に生徒に教えることの出来る「実際の腕前」と、
生徒の個性を見分けて、「個人ごとに適切に教えるための方法論と順序」を、
完全に、会得していなければならないからです。

また実力の腕前も、どこかの手裏剣教室の「初段クラス」では指導者、
代表者としてはダメであり、
一般基準からも、少しばかりは「傑出」している必要があります。



●「個人が好きに手裏剣を持ち寄って、好きに投げる」のであれば、
それは、「総合手裏剣同好会」となります。このスタイルも決して悪くはありません。

もしも、私が作るとしたら、そういうスタイルの会になります。
都会の住環境で稽古場に不自由をしている人達に、
投げる「場所だけ」を提供する。

剣は、存分に、槍でも、超重量手裏剣でも、軽量剣でも、
好きに持ち寄って良い。


ただし、その中で、もしも尋ねたいことがあるのであれば、
私は、私に分かる範囲の中でならば、助言や協力は出来ます。

また、そうした場で、全く無流派的に、他の道場の師範の方と交流することも
あると思います。


●私は、自分の体系は持っていますが、
その形の中に他者を型にはめようとは全く思いません。

そもそも、今となっては、
あまりにもその体系が、(おおざっぱではなく、細部まで説明すると)、
複雑すぎるものになっているので、
これは、私一代で確実に消滅して、「絶法」となりますから。


ただ、それを必要とする人に、その人の目的に応じて、
「小出し」にすることは出来ます。

本にも書きましたが、私の理想のシンボル(人物的シンボル)とは、
「剣の検品師」のオヤジです。
あるいは、いろいろなところから手裏剣を仕入れて売っている
手裏剣屋のオヤジです。

けっして、武術家でもなく、武術研究家でもなく。
(ただし、キチガイじみた投剣研究においては、
その座を譲るつもりは、今のところは、ありません。)


●さて、ずいぶんと「小見出し」の表題とは話がずれてしまいましたが、

そもそも、全くのゼロから、「手裏剣の会」を立ち上げるという場合には、
結局は、剣を仕入れる、あるいは買うにしても、
そこで、手がかりの参考にするものと言えば、

会員が持ち寄った剣を、回して使ったりしながら、
あーだこうだと、
結論の出ない中を、何年もうろうろとしかねません。


また下手に結論を出してしまって、
量産して作った剣が、あまり良くない性能であった、などということは、
あちこちの会で、日常茶飯事です。


そこで、私がお勧めするのは、次の剣の「教材」です。
これは、皆さんの中で、個人の人でもよし、これから会を作ろうと
志のある人でもよいので、
こうした重要な物資には、資金というものを決してケチらないでください。


●教材として用意すべきものは、次のものです。

のちに、「多本打ち」の研究まで出来るという利点から、
私は角型を推奨しますが、
鋼材の種類は、基本的に、断面が、

「正円、正四角形、正六角形、正八角形、正12角形」などになります。


これらのうち、とりあえず、正四角形の鋼材で、
●太さ、7mm 8mm 9mm 10mm　の四種類を、何メートルか用意します。
正確に言うと、約3.1メートルです。


●次に、この四種類の鋼材を、すべて「下記の寸法」に切断して、
その先端を、好きな尖り具合に、研磨します。

15cm　16cm　17cm　18cm　19cm　20cm　21cm　
22cm　23cm　24cm　25cm　26cm　27cm　28cm(必要ならば29cmと30cmも)


つまり、たとえば、一例として、自分の会としては
「中量剣」あたりを採用したいと思う人がいたならば、
まず四種類の太さの鋼材を用意し、
15cmから、28cmまでの、「14種類の長さの剣を作れ」ということです。


●こういう、最も基本的な、テスト用の教材も用意せずに、
何かを模倣したり、部分的に既存の本や他流の一部をパクりながら、
手裏剣術の「クラブ」なんぞを作ったり、
とってつけたような稽古法など創っても意味がありません。


この「基本教材」を作ると、
とりあえず、56本〜64本(30cmまでの場合)の、
>「基本教材」が出来ることになります。


もしも切断と研磨を自分たちの力でやれば、
鋼材に贅沢さえ言わなければ、経費はほとんど、タダ同然(きわめて安価)です。

あくまでもテスト用、学習用、なのですから、
強靭な鋼材などは、全く必要ありません。


●もしもこれを、金属加工業社に外注すると、
「仕上がりが良い」という前提だと、
一本あたり、日本で一番安い(であろう)ところで、1000円前後、
普通の相場だと、1500円前後は見た方がいいです。

ただし、全く同じ長さとか、全く同じ内容の加工をするとなると、
10本単位ぐらいで、どんどんと、単価は落ちます。


ですから、もしも外注をすると、
この56本の教材を作るのに最大で、85000円近くかかると思ってください。
もしかすると業者によっては、
50000円ぐらいで済むところもあるかもしれません。


しかし、こうした剣は、それぐらい価値のある教材です。

これは、その会にとっても、個人にとっても、
末永く、会や個人の研究の「歴史的な資料しての宝物」となります。
それは、こうした基礎研究をしましたという、
個人や、手裏剣の会の、貴重な足跡となり、あとから入会する人に
とって、教材となるのです。


そして、これぐらいの最低限の教材は、「最低限必要」なのである。


●15cmから28cmまでの長さで、太さが4種類、
これをまず、問答無用で、
先入観なく、先見的な希望をもたずに、
自分の出来る打法で投げること。

この最も基礎となる、自得行為をせずに、
他流や古流の「猿真似」をする人が多すぎます。


剣というものが、長さ1cm、太さ1mm違うことで、一体何が違うのか、
それを他者から言われたからではなく、本に書いてあるからでもなく
「自得」をしない人は、
手離剣術の「最も基本となる領域」について無知のままで、
その後、ずっと進んでゆくことになります。


●たとえ、現在ある剣の中に、たまたま投げやすい剣があったり、
たまたま自流が持っていた剣が投げやすかっただけ、
ということでは、狭い意味での自流の手裏剣についてのみ語れるだけで、
「手離剣術」または「投剣術」という、ひとまわり大きな枠の中で、
何かを語ることは、決して出来ないということです。


この56本の剣は、のちに、使われなくなる剣も多いでしょうし
のちには、剣尾などがテーパー加工に研磨されて、「お下がり」するかもしれません。


しかし、剣というものに向き合うときに、最も基本となるのは、
剣の長さ、剣の太さです。(厳密には、剣は長さ5mmごとに打ち心地が変わります)


>これらを、「1cmの長さごとに」「1mmの太さごとに」その変化を感じ取り、
>どこかに自分に合う長さと太さを見つけて、


>そのあとから今度は、剣の断面を、
>円形、四角、六角、八角、十二角、のどれが合うかを検討します。


>そして最後に、「前重心」「ほぼ中央重心」「やや後ろ重心」「後ろ重心」
>このどのタイプを選択するかを模索します。



●こうしたすべての作業の基本となるのが、
先端を研磨しただけの、ごく単純な一本の棒手裏剣です。

それをしないで、手裏剣の会など、
性急に、ただのノリで立ち上げる人がよくいます。


●ちなみに、こうした「直径と長さ、それとある程度の形状の変化」のある
研究資料と称する、とある手裏剣の「宗家の遺品」を見たことありますが、

残念ながら、私の目には、その宗家が、「特定範囲の先見的な、希望」の中で、
剣を試作したとしか、思えませんでした。

剣を見れば、その人物が何をしようとしていたかは、私には分かります。


私の見たそれは、非常に「限定的な長さの範囲の中だけ」のテスト用の試作品であり、
バリエーションも、非常に乏しかったです。

その手裏剣の宗家は、総合的な手裏剣術の研究のし直しをしたわけではなく、
そうしようと意志したのでもなく、
単に、手裏剣が苦手だった本人にとって、「打ちやすいと思えるもの」で、
かつ小型の、暗器を作ること、

そして「作るのが簡単だ」という事にこだわった手裏剣を作ろうとしていた
という形跡だけしか、そこには見て取れませんでした。

確かに、古来からある手裏剣の中には、
手作業では制作が困難なものもありますが、

さりとて、昔の鍛冶屋さんたちは、
立派にそれらを、大量に作り上げてきたのですから、

何も製作が簡単であることなどは、
手裏剣にとっては、「全く何の価値もありません」。



●ということですから、個人であれ、会を立ち上げるのであれ、
そうした皆さんが、最低限やらねば、そもそも手離剣術の世界が
「始まりもしない」のですから、まず、この「教材」を用意することです。


この4種類の鋼材の太さというのは、
もしも「重量剣流派」を目指すのであれば、
用意する鋼材の太さは、
10mm、11mm、12mm、13mm、などとすればいいです。

ただし、この場合の最大寸法となる、幅13mmの、28cmの長さの剣となると、
もうそれは、殺人的な、超重量剣になりますが・・・。
先端の造り方によっては、畳2枚でも、貫通してしまいます。


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「一本打ち」をしないと時間の浪費である


無冥流の稽古法の中で、重要なのは、「一本打ち」であることは、
本の中でも、述べましたし、何度も掲示板でも述べているとおりです。


「一本打ち」というのは、
「投げたときの感覚を確実に体に残しておくため」に行うものです。


いくら残心だと、それをやっている気になっても、
手に次の剣を保持している状態というのは、
次の剣を持つことに、無意識的に、意識が動いてしまい、
結果として、
どうしても、意識の密度(意識の周波数)が、甘くなります。


連打することが必要な感覚テストもありますが、
上達を速くしたいのであれば、一本だけの剣にして、
「それを打ったあとの体の余韻の感覚」を、
ひとつも漏らさず体に余韻として残して、よく味わうことです。


●そして的まで歩く間に、何がよくなかったかを考えること。
的から、また立ち位置に戻るまでの歩行の間に、どこを変えたらいいか結論を出すこと。


この、実に「地味な稽古」、
これを私は、何度も何度も行ってきました。

一本の剣をもって、的との間を往復し、

「行き道では、いけなかった部分」を割り出し、

「帰り道では、次の打剣では、どうするか」を割り出す、


この、丁寧な、自覚的な思考作業を伴う「一本打ち」なしに、
いくら何千本と、打剣を繰り返しても、
それは体力づくりと、感覚づくりにはなっても、「繊細な感覚」を
身につけることにはなりません。

また、特に、誰も教えてくれる人のいない独学の人は、
なおさら、この「一本打ち」を必要とします。

何がいけないのか、何をどうすればいいのか、それは、
この禅の「きんひん」にも似た、
「瞑想的な歩行」の中で、
おのずと、あなたの内面から、
どうすればいいかの「直観の声」が聞こえてくるはずです。

もっとも禅の世界の「きんひん」は、もっとゆっくりですが、
無冥流の、手離剣術の稽古法においては、
普通の歩行速度でかまいません。

またここでの目的は、心を空っぽにすることではなく、
常に、行きかえりに、感覚の余韻と、頭をフルに使って、
どうしたらいいかを、自分で思索する「行」なのですから。


　　　　　　　　　　　●


それと、前にも言いましたが、
刺さろうが、刺さるまいが、
距離は利き腕であるならば、理想的には3間から、
そして、刺さらなくともいい、という気持で4間から投げることです。

近距離では学習効果がないと私は力説してきました。
それは、剣の飛行姿勢がある程度黙視で見えるからこそ、
次にどうしたらいいかを割り出せるからです。

目にも留まらぬ速度で、刺さったり、刺さらなかったりするのでは、
いっこうに効率の悪い稽古法です。

きちんと、3間から4間の距離をおいて投げると、
ときには、それまで刺さらなかったものが、まぐれでも刺さることがあります。
また、やけに首落ちしないことがあったりします。

そのときに、「自分が何をどうしたからそうなったのか」の理由を、
理解することがよくあります。

これを自分が刺せる至近距離で稽古していたのでは、
上達のためのヒントを得ることが出来ないのです。


●私もよく、刺さらなくてもいいので、
段階的に、無理な距離に引き伸ばしてきました。

刺さらない距離だからこそ、

「その飛行にどういう問題があるのか?、

　その打法の欠点は何か?、

　一体、どこをどう改善すればいいのか?、

　剣の形に何か問題はないか?」

などが、判明するのですから。


●ということで、「手裏剣術の基礎学習」において、
最も大切にしなければならないのは、
本数を打つことではなく、「一本打ち」です。

それである程度の「学習が済んで」形が出来たらば、
そのあとは力やスピードや命中率をつけるために、
何百本、何千本打つことは、
それはそれで、おおいに、結果に繋がるものとなります。


そして、剣の姿勢が自分で、黙視で見える、
3間から4間から開始することです。

*************************************************


教材用の手裏剣を外注する場合


◆皆さんが、鋼材だけを購入するにしても、
7mmから16mmの太さというは普通のホビーの店にはありませんので、
鋼材の専門業者になります。

そして先端などを研磨してもらうには、次の方法になります。


>�@金属加工という業種でタウンページを調べます。

あとは電話で詳しく相談してください。
電話で「手裏剣を造りたい」というのが、もしも心が引けるのでしたらば、
単に「製品サンプル」です、とでも言えばいいですから。

鋼材の種類は、いろいろありますが、贅沢な鋼材は必要ありません。


>�A鍛冶屋さんに頼む。

ただしこの場合に、刀匠に頼むと、えらいことになりますので、
普通の、刃物鍛冶の人または、その昔「野鍛冶」と呼ばれていた農具などを作る
鍛冶屋さん頼むことです。
鍛冶屋さんにしてみれば、角型の棒手裏剣などは、ごくごく初歩的な
作業ですから、1500円から1800円程度でやってくれるはずです。

だだし、商業法による「基本的な表記のないサイト」では、
もしも金銭によって製品の受け渡しをすると、
違法となり、サイトが閉鎖に追い込まれたりするばかりか、
確実に、「行政処分」を受けてしまいます。

基本的に、物品の受注売買をインターネットで行う場合には、
絶対に、この記載をしないとなりません。


そうでない場合には、「個人の作った物品」を販売するときには、
�@「小売店を経由」しての販売や、
�A「楽天などのオークション」で販売するのが通例です。


�@の小売店販売は、
私が、手裏剣やDVDを市場に出すときに、取っている方法です。

�Aの楽天のシステムの利用は、
「十手工房」のチェリーさんが使っている方法です。



●当ホームページも、もうすぐ有料化される段階になりましたら、
こうした記載義務のある事項が、メインページに記載されます。



全文を読むには、こちらからどうぞ。

なお申し込みは2007年の10/28に締め切りました。

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失敗例とは「成功例に包含されている」という簡単な事実



●いつものように、たまにですが、
他所の武術掲示板などで、見かけた馬鹿げた主張を、またここでネタにします。


著作権の都合上原文を持ってくることが出来ないために、論旨のみ、
箇条書きにしておきます。


>>「大家」の言葉はあまりアテにならない面がある。
>>彼らの助言は「自身の失敗談」の記載が欠けている事が多い。
>>「技術」を深く理解するには「成功例と失敗例」をバランスよく検証する事が不可欠だ。


●まずもってして言えることは、

　　　　　　「甘ったれ　なさんな」の一言である。


そして、科学でも、文学でも、芸術でも、武術でも
「体系や技術」とは、

>80%の、膨大な失敗の山の上に築かれた
>20%の、成功事例を集めたものである、という事実。


このことを理解できないような人間が上述のような言葉を、
思慮もなく、「軽はずみに」口にするものなのである。


●数えきれないほどの失敗例という{死体と残骸の山}の上に、
体系というものは常に成立している。


故に、少しでも知恵のある者であれば、

>その、最後に残った「成功例の中にこそ」、
>失敗例を、自発的に発見するのが当たり前の作業なのである。


何も、子供がオムツを取り替えてもらうような事までを要求しなくとも、
知恵ある者であれば、
著者や師範が、親切に、いちいち失敗事例など説明しなくとも、
体系そのものの中に失敗例の足跡を見出すことは、簡単なことである。


つまり、もしも失敗事例というものを知りたければ、

>「必ずやれ」と書いてある事を、わざと「やらないでみる」。
>「やるな」と書いてあることを、わざと「やってみる」。

これを自分ですれば、
たちどころに、先人たちが何の失敗を重ねてきたかなど明白に分かる上に、
しかも、その理解は、頭ではなく、体感的に理解されるということ。


すなわち、先人たちの失敗事例とは、
成功事例の中で構築されている体系における
「こうすべし」「こうするな」の言葉の中に、
きちんと「もう既に、含まれているのだ」ということである。


こうしたこと(失敗例の親切な説明)までを、
先人たちや著者や師範に要求するという姿勢からして、
「甘ったれ」の上に、全く基本的な「洞察力すらない」と言うしかない。


失敗例とは、完成した体系、すなわち「成功例」の中にきちんと
明確に、潜んでいるのである。


その成功例の「すぐ裏側にある失敗事例」を、
自発的に体験して見つけるのが、
物事を「学ぶ側」として、ごく常識的に必要な姿勢なのである。


**********************


●さて、ところで、そもそも、前述の文で言われている「大家」というのが、
一体、「何の分野の大家」を示しているのかすら不明である。


自動車産業の大家なのか、発明の大家なのか、芸術の大家なのか、
そして、そもそも、
大家という言葉の定義は、経済効果のための捏造や「演出された大家」のことなのか、
それとも、産業経済、科学分野における「客観的な成果」への評価を基準とした
大家の事なのかという定義すらもあの文では、曖昧だ。


もしも、「仮に」だが、武術家とか、
さらにはここで、仮に「手裏剣術」という分野に局部的に限定するならば、
手裏剣術の世界には、「大家」など、ただの1人も存在していない。


ただし「大家なる者」は、存在しないが、次のような者は存在する。


■手裏剣術の可能性を、独自の視点と好奇心から、
それまでよりも一歩前進させたという意味において、
甲野氏は、大家というのではなくても、
手裏剣術の世界での大きな「先駆者」ではある。

■大家というのではなく、半田師範は、
全くのゼロから、それまでにない深遠で精妙な体系を作り上げたという意味において、
手裏剣術の「大天才」であると私は尊敬している。

■大家というのではなく、手裏剣術の「大努力家」といえるのが近江氏である。


■逆に、この私なんぞは、卑下でもなく実際の事実として、
全く何者でもない、ただの「道楽手裏剣」愛好家だが、

ただし、他に類を見ないほどの、手離剣術の「大怠け者」ではある。

昔、「怠け者の悟りかた」という私の大嫌いな「軽薄な内容の本」があったが、
さしずめ、私は次作を執筆することがあったらば、
「怠け者の手離剣術」とでも、したいぐらいである。

ただし、これは正確に言うと、
投剣術において、いかにして怠けるか、
という研究に励みすぎて、余念がなかったために、
結果論としては怠けられなかったという不幸にみまわれているわけである(笑)



●さて、手離剣術という分野に限定すれば、大家などというものは、
今日まで、どこにも存在していない。
しかし、それぞれの個性的な「先駆者」たちは、
歴史の中に何人も存在した。



●次に、「失敗例」「失敗談」などと、
ひとくくりに実に、曖昧なことが言われているが、
一体、それは「何の失敗例」のことであるのかさえも不明であることも
問題である。


たとえば、手離剣術とそれを取り巻く失敗事例の中には、
下記に記載するような、これだけの「失敗の種類」があるのである。

一体、その「どの分野の失敗例」なるものを、
「成功例と併せてバランスよく検証することが不可欠だ」とか言っているのかすら
不明なのである。



*******手離剣という世界における「失敗の世界地図」*******


剣という道具にまつわる失敗談

手裏剣の歴史そのものが、
そもそもこの失敗の歴史そのものであると言っても過言ではないので、
これは、いくら書いても書き足りない。


打法にまつわる失敗談

これはある打法が目的を達成できなかった場合の、原因と解決法のほか、
とんでもない失敗事例が出た打法などのこと。
また、その失敗がたまたま、新しい打法の発見となった事例など。

また、ある打法を特訓するためには、
その打法の「特訓専用の剣」をわざわざ作ることもあり
それにまつわる試行錯誤の失敗事例なども多い。


周辺の道具にまつわる失敗談

剣の制作に使われる、グラインダー、サンダー、ヤスリ、砥石、
などの使用に関係する失敗談。


ケガや故障にまつわる失敗談

剣が体に刺さった、皮膚が切れた、
足に剣を落として、穴が開いて、血が噴出した、など、
その他、腕を痛めた、肘を痛めた云々、
こういう失敗例は、数え切れない。


器物破損にまつわる失敗談

剣がなくなる、ガラスを粉々に割った、床を傷つけた、
その他の物品の破損、剣の紛失の原因となるいろいろな失敗事例が
ここにもある。


映画撮影にまつわる失敗談

これはたとえば、「白上一空軒」氏の著書に面白い記述がある。
着物の袖を貫通して手裏剣がその後ろの木に刺さるシーンの撮影のときに、
えらく難儀したという話。

剣先の研磨が足りなかったのかもしれないが、私なら、もしも映像的に
支障がないのであれば、着物を水で濡らすように指示したでしょうね。
水分で重くなった生地は、剣が貫通しやすくなるからである。
その他、アクション撮影の現場で、
もしもノートリックで手裏剣をつかうことがあれば、
そこでの失敗事例など、数限りなく出てくることになるだろう。


剣の制作や外注にまつわる失敗談

基本的な設計ミス、場合によっては体積計算をミスすることもある。
また、変な工場に外注してしまって、
仕上がりが思うようになっていなくて失敗したなど、これも事例はある。


剣尾の材質にまつわる失敗談

これは、円錐形に研磨された剣尾に、糸を巻くときに起きるもので、
一例として、他所の流派は、そうした剣尾に「ガーゼ」を巻いて、ただ
ボンドで止めていただけという、とんでもない手裏剣を見たことがあります。
それを私の家にもってきた者が、投げたらば、
ポンポンはずれてしまい、暴投になって、危ないことこの上なかった事がある。

この場合は、前に松の間で「動画」も出したように、
すべり止めシートを巻き、完全に剣にシートが固定されたその上に、
糸、布、ガーゼ、こうしたものを最後に巻くということをしないと危険である。


その他いろいろ

足場の材質や、足場の角度の違いによる失敗談。
射撃と同じように、逆光の中で狂う距離感のこと。
その他の、標的までの距離感が狂う原因となるものに関する失敗談。

などなど・・・・などなど・・・などなど・・・


*********

つまり、失敗例や失敗談なんぞは、
「技術的」にも、そして、手裏剣を取り巻く「周辺事象」においても、
いちいち書いていたらきりがないほど、膨大にあるのである。

そして、そうした無駄とも言える失敗の山の中から、
「後世の人達は、失敗しないように」という思いをこめて書かれるのが、
体系という名の「成功事例の結晶」そのものなのである。

すなわち、その成功事例の結晶こそが、
裏返せば、失敗事例そのものを「明確に語っている」のである。

だから、私に言わせれば、

>「完成された、その体系の表面の、
>　その「すぐ裏側に」、ありありと、明確に見えている、
>「無数の失敗の足跡」すらも見出せないような者」が、

>「他人の失敗例、など聞いて、どうする気だね?」
>「他人に失敗例、など残してそれが役に立つとでも思っているのか?」

と言いたいものである。


また、失敗例というのは、他者に説明するようなものでもなく、
記録に残すようなものでもなく、
その失敗から掴みとった知恵のみを、後世に残せばいいのである。

「これこれ、こうやると、こう失敗しますから」なんていう事を書いたり、
「私は、成功もしましたが、こんなに失敗しました」なんてことは、

そういう記録を残すことは、
読者にとって親切だったりするのでもなく、
それによって、親しみやすい体系になるわけもなく、
いわんや、そんなものは、美談として成立するものでもなく、
また結果として、読者に「分かりやすい手引きとなるわけでもない」
のである。


そういう話は、
ビジネス成功者たちとか、芸能人の破産経験者が、
「自伝」で書けばいいだけのことである。


>つまり、「体系伝書」と、
>「失敗事例を引き合いに出して、それを売りにする」ドキュメントや「マニュアル」とは、
>その二つは、書かれたり残される「動機や目的」が違う、ということなのである。



●また、そもそも、いろいろな体系というのは、
その無数の失敗経験の山の中から、

「どうしても、これだけは気をつけなさい、
　これだけはやらないようにしてください」、
ということぐらいは、常に、どこの書にでも書いてあるから、
それだけで、充分に「過去の先人たちは、親切だった」のである。




自家製手裏剣を作るグラインダー使用者への助言




●さて、ここまでは、ただの雑話で、
それでは、ここからが本論になります。

今回は、松の間の皆さんには、
そういう失敗事例の中から、「グラインダー」の使用における
注意点を述べておきます。

ほとんどの人たちは、自分でグラインダーなどの電動工具や
ヤスリを使って、剣を自作したり、剣先や剣尾を自分で修正するはずです。

そこで、今回は、グラインダーは、どういう石を選ぶとがいいかとか、
グラインダーの使用上の注意点の話です。


私も電動工具は、ド素人の立場で長年使用してきましたので、
経験的にこれはマズイだろうという失敗した使い方もありましたので。

後半の購読部分で、これらの画像について、
私の失敗談も交えて、説明しておきました。












●それと、長さと、特に重心位置が、かなり違うにもかかわらず、
すべて、同一の打法と、同一の打剣感覚で投げられる剣を
どうやって作ればいいかの方法が、ようやく完成しました。





さて、ホームグラインダーの石で、一番いいのは、・・・



全文を読むには、こちらからどうぞ。

なお申し込みは2007年の10/28に締め切りました。

★ . 　　

>3/19-3:55更新。
>you-tubeの「銃と弓」のお勧め動画リンクと、無冥流のDVD情報を追加しました。
>有料購読分のところに、すぐに工場に発注できるfax用の図面をつけました。



ここのところ、ご無沙汰していました動画です

まずは、是非、皆さんに見て戴きたい、

you-tubeの素晴らしい映像です


■剣術で、夕日のガンマンの銃に立ち向かってみたい、
・・・とか考えている方は、考え直した方がいいという一例です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=qvD3HedoreY

■こちらは、「クレー射撃」の達人。
見よ、この技!・・・・・・古武術では、絶対に、勝てない。
とはいえ「古武術には火縄銃や大筒とか大砲も含む」という定義ですと、
ショットガン対火縄銃だと、少し話しは違ってきますが。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=IJD6dSvo1pg

スポーツシューターとか書いてあるので、これは「スポーツ」なんですね。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=eUL44BS8EBI&NR

■こちらは、アーチェリーの凄い記録映像です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=ZcNY2t0h-HE


■雑感■

最初のリボルバーでの5連発は、
電源コードをひいた撮影用の標的の破裂に、銃の動きをあわせたのか?
とも疑ったのですが、

コマ送りで見ると、左→右→そして中央を上から下へ3発と、
きちんと撃っていました。銃口から出る煙の方向からも推測すると、
どうやら、これは本物のようです。約0.8秒に5発・・・凄すぎる。
これがオートマチックだと、バックの反動でブレるんでしょうね。

黒い真ん中にピンクの的が見えていますが、
これがもしも風船だとしたら、風船本体はもう少しだけ大きいので、
実際にあの真ん中の小さなピンクの範囲を狙わないとダメというのでは
なさそうです。

仮に破裂しているところは電気的なトリックだったとしても、
リボルバーの連射だけでも、5発/0.88sec というのは、凄いです。

●ショットガンの方は、これは何か特殊な競技専用の銃なのでしょうかね。
火薬量が極端に少ないのか、それとも火薬ではない力で飛ばしているのか、
ずいぶんと音とが小さいですね。



　　　　　　　　　　　　　　◆


ラルフ・ソーン氏のナイフを投げてみた

●いきなり、スケールと迫力がトーンダウンしてしまい申し訳ありませんが、(笑)

>"Thorn's Knife" from 27feet and 22feet

あとで確認したら、なんとか畳の裏面までは抜けないで済みました。
ドアに傷をつけると、マズイものですから(汗)。

槍とか模擬刀を投げるときには、畳の裏まで貫通することがあるので、
ドアと畳の間に堅いボードを挟んでいるのですが、
今回は、それを挟んでいなかったので、ヤバかったです。


●5間から、直打法。385ｇナイフ。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0020.avi

●4間から、直打法。同ナイフ。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0021.avi


「基本学習」の為の「教材手離剣」の実演


●まず、下の画像を見てください。
これは、先端を研磨しただけのもっとも単純な棒手裏剣ですが、
もしもきちんと「重心とは何か?」ということを学習したい皆さんは、
これを、ご自分で、どこかに外注してください。
一般的な金属加工業者や、鍛冶屋さんでも、どんなに高くとも、
せいぜい一本1600円から1700円ぐらいのはずです。

●近江氏のところも、いよいよ受注の準備が揃ったようですので、
そうしたところに依頼するのも手です。





●寸法は以下の通りですので、この画像をファイルに保存して、
拡大してプリントアウトして持ってゆけば、
鋼材屋さん(その他)は、すぐに分かります。
　　　　　　　　　↓

　　　


●この棒手裏剣は、「無冥流の長剣」とでも「仮名」をつけておきます。

今までのような、剣尾に穴を掘ったり、
また剣尾に向かって絞るように細くするテーパー加工をした
「ほぼ中央重心」のタイプのものではなく
また、剣尾に接ぎを施したものでもなく、

私が、ここのところの研究成果から、始めて取り組んだ、
性能のいい「ごく普通の棒手裏剣」です。

これは、距離1間から距離7間までをカバー出来る「やや後ろ重心」の単純な剣です。

これを投げてみれば、「重心位置と長さとの関係」というのが、
いかに重要であるかが理解されます。

また、これをやや普通の人達にように、手に深く保持して、
滑走をかけて投げてもかまいません。


●剣は、短いのがいいんだと、ずっと思い込んでいる人や、
また、もしも飛距離や元々の性能を斬り捨てていいのであれば、自分のための実験に、
ご自分で糸ノコで、剣尾を何cmか切断すればいいです。
(ただし、せっかく理論的に割り出した結果28cmとなったのに、
そんな切断をするぐらいなら、最初からこの剣など作らない方がマシです)


●さて、もしも、手の内に収まらず「長い、」と感じる人には、
「先端の側面部」を少しだけ研磨すると重心位置が後ろへずれて按配がよくなります。

もしも、剣がこれでも「短い、」と感じた人(指のかなり長い人)は、
指置きにある指を少しだけ曲げればいいですが、
それでも気にいらないときには、わずかに「剣尾の側面」を削ってください。

ただし、この長さは、日本人の平均的な男性の手には、ほとんど合うはずです。


●少し前の投稿で、長さが1cmずつ、太さが1mmずつ違う
「教材用の剣」を揃えるといい、と書きましたが、
「全くのゼロのスタートから試行錯誤は面倒だからしたくない」という人は、

この棒手裏剣を4本ほど持っていれば、
「手裏剣における重心とは何か」という事を正しく学ぶ教材としてはそれでも充分です。



■それでは、この剣の実演をしておきます。

特にこの剣が優れているのは、普通の18cm内外の棒手裏剣よりも、
格段に長いために、直打の下手打ちが、とてもやりやすいことです。

皆さんも、ちょっと練習するだけでも、下手の直打法で、楽に3間届くことです。


それでは、動画と、ごく簡単な説明です。
必要な説明は、動画の中で、言葉でしゃべっておきました。

______________________________________________


●説明のみ。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0005.avi

●5間から(from 9m)
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0006.avi

●6間から(from 10.8m)剣尾に糸を巻いていますが、
6間までならば、何も巻かなくとも届きます。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0019.avi

参考までに剣尾に糸なしの6間。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0022.avi

●7間から(from 12.6m)
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0018.avi

______________________________________________


●反転打、下手打ち4.5間
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0008.avi

●反転打、下手打ち3.5間
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0009.avi

●直打法、下手打ち3間
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0010.avi

●直打法、下手打ち2間半
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0011.avi

______________________________________________


●いろいろな打法で投げる(これだけ、ちょっと大きいファイルです)

【滑走打法、ワンモーション打法、押さえ打法、逆重力打法、
　停止打法、瞬発打法、スナップ打法、など】
　2投目のワンモーションは、首落ちせず失敗。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0012.avi

●直進系の打法3種類で投げる。(直進打法、直進2点打法、跳ね上げ打法)
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0013.avi

●でかい事を言って、3間から5cm四方のポイントを狙ったものの、
左下に7cmもずれてしまい、失敗してしまい、失礼しました。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0015.avi

●距離3間半から、
ちょこっとだけ、手裏剣教室系のモノ真似をしたつもりだったのですが、
あとで再生して見たら「全然、まるっきり似ていなかった」。

逆打ち(水平打ち)は一本目失敗で、2発目は、ばっちり奥深く食い込みましたが、
距離は、前足を踏み出した位置で、たったの1間しか出ず、
これでは、全く何の使い物にもなりませんね。

逆打ちは、肩の高さや、側頭部の高さから打つのは、楽なのですが、
腰の位置から打つのは少しばかり、難しいです。
もう少し、季節が暖かくなったら、私も、みっちりと稽古をし直します。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0017.avi


●最後に「緩急」をつける稽古法です。距離は前半が4間からで、後半は3間半です。
私は、「奇数を強めに打って、偶数を少し弱く打つ」ようにしていますが、
まだ緩急が変化しても8本全ての剣を刺せるまでは慣れておらず、
2本ほど刺さりませんでした。
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/kod0023.avi


■ここで紹介した、下手からの「直打法や反転打」、
その他の多数の特殊な打法、
これらはすべて、無冥流のDVDで、投げ方を説明していますので、
自分であれこれ工夫してもどうしても下手打ちが3間から刺さらない人は、
DVDを参考にしてください。


■↓のページの中ほどに、DVDの簡単な紹介があります。
東京都内ですと以下の書店やショップにあります。全て通販も可。


　　神保町「書泉グランデ2F/武術コーナー」
　　中野「古書大予言」
　　新宿「コンクリート」と「模索舎」
　　小岩「ブックばざーる」
　　末広町下車「イアーズ」

　各お店の場所や電話はこちら
　　↓
http://www.mumyouan.com/i3.html



　　　　　　　　　　　　★★★


「皆さんが、自分で工場に頼んで作る場合」


★さて、もしも　この太さ8ミリの角型の棒手裏剣を自分で作るために、
「鋼材を、切断だけまでしてもらって」あとはそれを、自分で削りたい人は、
切断する長さ(28cm)を指定して、鋼材だけ注文すればいいです。


★または、先端部の加工までの全部を、どこかにお願いしたい人のために、

最近、私が見つけた、そういう会社を、以下に、紹介しておきます。

たぶん、4本とか5本だと、8mmの角型でしたら、
送料ぬきで、一本あたり、1600円前後(税別)で済むと思いますが、
正確なところは、きちんと見積もりを取ってください。


　　　　　　　　★詳細は以下に記載しました。


　　　●そのまま工場にすぐにfaxを送れるような便利な形式で作った、
　　　　無冥流の最も代表的な剣3種類の
　　　　「寸法指定図面」も記しました。
　　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　



全文を読むには、こちらからどうぞ。

なお申し込みは2007年の10/28に締め切りました。

★ . 　　

●手裏剣術を対人を想定した練習を安全を確保した上で
行いたいという場合に、
だいぶ以前に、私は昔ながらの「消しゴムつきエンピツ」を、
お勧めしました。どう、思いっきり人にぶん投げても、
よっぽど運悪く、あるいは打ち手が下手くそで、
消しゴムでない方が目に直撃でもしないかぎりは、
問題のない道具でした。
しかし、難点は軽すぎることでした。


それとは直径がかなり違いますが、この道具も使えます。
↓





●製品名は「スポンジ・カバー」というものです。
本来は、一体、何に使うのでしょうね??　私は知りません。


ホームセンターで、ゴム製品や、スポンジ製品のコーナーに
あると思います。

一個せいぜい150円以内ですから、対人稽古をしたい人は、
3つぐらいは持っていても、損ではありません。


●ちくわのような穴があいています。
距離としては2間までが実際の剣速に似た感じで練習できますが、
それ以上の距離になると、3間では、空気抵抗が大きくて、
飛行速度が遅くなります。

しかし接近戦の練習でしたら、これでも充分です。


●もしも当たったときの「屈　辱　感」を、もっと感じたい人は、
このスポンジの中に、両端の穴の入り口から、3cmから4cm余白をとって、
このスポンジよりも数センチ短くて、ちょうど直径が入る
「木の棒」を、この中に仕込むといいです。

当たったときに、独特の、嫌ゃーな、「屈辱感」を味わえますので、
対戦ゴッコとはいえ、少しは本気になるので、良い練習になります。


木の棒ぐらいでしたら、ケガはしません。
仕込むのは「アルミ管」でもいいです。
ただし「アルミ棒」だと、少し重量が増えすぎて、
安全面では、保証できなくなります。

(より危険な対人稽古でないと、
　やる気が出ない、そんなものは武術稽古でない、という「病気」の人は、
　木の棒の両端を半球状に削ったものがお勧めです。
　ただし、木の棒とは言え、太くて重さのある木の棒の場合には、
　顔面や目に、もしも下手に当たると、タダでは、すみません。
　しかし、何事も、「痛いと覚える」というのも確かな現実なので、
　痛くても、それでないと意味がないと思い込んでいる人は、
　御勝手にどうぞ。)


●このスポンジカバーを使われる人は、
とにかく、穴の入り口に3cmか4cmほど余白を取れば、
中に木の棒が入っていたとして、
顔面に穴の部分が当たっても、
スポンジがクッションになるので、怪我はほとんどしません。


●遠慮なく本気で、思いっきり相手の顔だろうが、
どこにでも当てられるのがいいです。


むろん、投げる方の人は、きちんと「直打法」で投げることです。
そうすると、ちゃんと穴のところが、相手を向いて当たります。


*********************************************************


もうすぐ有料化されますが・・・


◆さて、あと約一週間ほどで、松の間も「有料購読」の対象になりますが、
原則として、このサイトが有料化されるのは、

1/「竹の間と、梅の間」、
それと新しく出来る、私の雑談用の「茶の間掲示板」

2/それ以外に当サイトの「ホームページ」にある
いくつかの「コンテンツに対して」です。


◆しかし、こと、手離剣術に関しては、
私はなるべく多くの最新情報と最新の研究の結果を、
今日まで、ここで発表してきましたし、

本来であれば、有料講習などでなければ、
ここまで突っ込んだ方法論は解説されないだろう、
というような細かい内容まで、
存分にオープンに、全てを公開してきました。


◆普通の手裏剣術サイトの場合には、「入会」したり「弟子入り」しないと
「教えない」というスタンスですから、
それらのホームページでは、主要部分や、肝心なところは、
すべて一般には、伏せていますが、

この松の間には、秘密にするという必要性が何ひとつもないので、
有料講座並みの情報を、今日まで、何年も、ずっと開示してきました。


◆ただし、せっかく竹の間などと連動して、試験的にまず1年だけ、
有料化されるというこの機会ですから、
松の間でも、お得な情報や、裏技的なことは、
有料購読の部分に、「少しは、含む」ようにと、考えました。

せっかくお金を出して見る人も、この松の間にも、おられるのですから、
その方たちに対しては、
多少の「優遇」、差別化はあってしかるべきだと思うわけです。


●そこで、既にいくつかある、最近の過去ログの投稿で、
>全文を読むにはこちら・・・
と表示されているものには、
それなりに、無料で読んでいる人よりは、少しお得な情報を、
「続きの内容」に入れました。


◆しかし、「原則」としては、
いままで長く、ご覧になって戴いている皆様も多く、
そして、このサイトを見てから、
手裏剣術を始められた人も多いでしょうから、

松の間では、有益な情報や研究成果を、
これまで同様に、無料公開情報の中に、
なるべく多く含むようには、してゆくつもりです。


ただ・・・、とっておきの動画などは、
もしかすると、有料分に回すものも、一部は、出てくるかもしれません。


******************

　　　　　　　　　　　　　　　
◆さて、秋葉原から少しのところにあるお店でも、
無冥流の、DVDと本の販売を開始しました。

★このページの一番下までスクロールしてください。
↓↓↓
http://www.ears.jp/index2.html


ここのお店は、最寄の駅は、地下鉄の「上野広小路」になります。

基本は、パソコンのジャンクショップで、
PCの周辺機器等の掘り出し物が見つかるかも。

また、一般には流通していない、
インディーズの、テクノ系、エレクトロニクス系の変わったCD音源や、
同店内の「魔術堂」には、
専門的な「西洋魔術の用品」などもあります。

　　とっても、ユニークなお店です。

______________________________________________________________

以下は、

●「対人練習法」について
ある方と、メールで、やりとりした私信です。

世の中には、徹底しないような曖昧な姿勢で、対人練習をしたり、
実戦論を口にする人がいるからです。


　　　　　　　　　　　　****●****


全文を読むには、こちらからどうぞ。

なお申し込みは2007年の10/28に締め切りました。

★ . 　　

>5夜連続で見た「あしたのジョー」の感想を、文末に追加更新しました。



●さて、使用する剣が、一種類だったり、
多くても5種類以内に限られる他流では、
このような修練は、全く「必要のないこと」ですし、

これは手裏剣術史上、行われたことすらもない試験内容ですが、
これが、無冥流のテストなのです。


■8種類の異なる剣を、距離3間から、各2本ずつ、計16本投げて、
「一本もミスしてはならない」というテストです。

このテストでは、刺中だけクリアーすればいいので、
畳の上半分ぐらいを外さないかぎりは、命中精度は、問われません。


この8種類というのが、
長さも、断面も、重さも、太さも、
何よりも、「重心位置がすべて違う」というのが、この試験の難関です。


長さは下は140mmから上は285mm、重さも軽量から２００ｇまでと、
すべて異なっているために、
心を無心にして、純粋に神経だけを研ぎ澄ませないとなりません。

また普段、ほとんど使い慣れていない剣も、半分以上混じっています。





●こういうことは、創始者の自分が、まずやらないことにはならぬ、
と、やってみたところ、
一回目は、余計な事を全く考えないでやったので、クリアできました。

しかし、調子に乗って「動画」を取ろうとしたら、
どうしても、1本か2本をミスしてしまう事が続くので、
とうとう撮影を断念しました。

とにかく、これは、難しい。

使い慣れた剣をわざとほとんど使わないという点では、
無冥流の中では、技術的には、もっともレベルの高い試験です。




もしも本当に、昇段試験に、この方法を採用するならば、
８種も剣が変わるというのは、普通の手裏剣の師範レベルの人でさえも、
かなり、しんどいので、
剣は、異種のものを「５種、各２本で、１０投」に、
本数を落とした方が良さそうです。


●さて、最近、作った剣です。
全長200mmから、270mmまでの範囲での「ほぼ中央重心の剣」の
研究が一段落したので、

次に研究課題としたのは、280mmから310mmという、
長剣研究への挑戦です。

これは「やや後ろ重心の剣」と「後ろ重心の剣」の最終的な試作品です。

　　　　　　　　





●10mm角で、長さが300mm前後になると、重さも200gぐらいとなり、
超重量剣の部類に入ってきます。

前回みなさんに、「学習用の剣」としてお勧めしたのは、
8mmで128gと、「重い中量剣」でしたが、これが幅10mmになると、

　　　　　128g×(10の二乗÷8の二乗)=200g

となるわけです。


●もしも、9mmの角型で、長さ280mmの剣にすると、重量は162gなので、
重量剣クラスの流派を目指す人は、
9mmの角型で作るといいかもしれません。



200g長剣の動画

まだ出来立てのホヤホヤの剣で、50回も打っていないので、
あまりうまく刺さらないのは、勘弁してください。
■距離3間半から。↓
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/senuma-san0008.avi


後ろ重心の剣、こちらは非常に投げやすく、コントロールも思うところへ
集まりました。
しかし、この剣は、この手の形の剣としては、殺人的な威力です。
■距離4間から。↓
http://www.mumyouan.com/shuriken/video/senuma-san0010.avi


ただし、見ての通り剣速が落ちますので、
理想的には、これより1mm細い、9mmの角型を上限とすることを
お勧めします。

ところで、・・・・
ラルフ氏の385gのナイフや、その他200g代のナイフや超重量剣、
300g代の槍や模擬刀を投げても、
私は手首の筋肉が痛くなるなどということは、
手裏剣を初めてから、ただの一度もなかったのですが、
この285mmの長剣では、初めて手首の筋肉痛になりました。

それが、良いことか、悪いことかは分かりませんが、
長い剣は手首に負担がかかるのは当たり前の事です。

太くて200gで、長さ約200mmの剣と、
同じく200gでも、長さ約300mmの剣では、
手にかかる負担が違ってくるからです。
(棒の真ん中あたりを持つのと、棒の端っこを持った時の
手にかかる負担の違いに似ています)


しかし、「手首のちょっとした鍛錬を兼ねる」という意味では、
太さ10mm、全長280mm、重量200gのこの長剣は、かなりいいです。

ただし、4間から、実戦的速度を出そうとすると、
私の力量では、ちょっとつらいものがあります。

このタイプの剣は、
剣底に、あまり効率良くは力を加えられないというのが、その理由です。


___________________________________________________________________


★５夜連続で見てしまった「あしたのジョー」


・・・雑談です・・・


●ところで、HNKのBSでとことん、「あしたのジョー」というのを
五夜連続で、見てしまいました。

しかし、今見ても、画期的な「演出」ばかりでしたね。
線で、真っ黒になるまで書かれたコンテ画とか、
心象表現の方法とか、背景とか、無音の使い方とか。

スポコンではなくて、人間ドラマですから、当然でしょうけど、
当時は、スタッフの気合いが入っているなーと感心しました。


同時期に双璧をなしていた、巨人の星も、
それまで、野球漫画で、投げたボールが、極端に歪んでいる、
なんていう絵はなかったのに、
漫画で、初めて、投げたボールが、「ひしゃげて」いましたね。

あしたのジョーも、スローモーションがやけに多かったりして、
あれは、ドラマとか、むしろ「映画」に近い、創り込みなんでしょうねー。

巨人の星も、あしたのジョーも、
片方はドヤ街、片方は長屋から話が始るハングリーな設定の共通点とか、

主人公が、いっとき、自分の世界を退いて、
ヤクザがらみの世界に入る話があるというのも、
このふたつのアニメの共通点ですね。

故・梶原さんの好む展開だったんでしょうかね。


●いや、しかし、五夜連続は、この老体には響きました(笑)。

そして、しばらく、アニメの中で使われていた、
それぞのキャラクターBGMが、頭にこびりついて、
今も、次々と違う曲がリピートしております。

(力石とか、白木ようことか、ドヤ街の子供たちとか、
丹下のおっちゃんとか、それぞれの登場場面でかかる音楽です。)


番組の司会をしていた、
中川翔子さんのブログ↓にもありますが・・・

http://yaplog.jp/strawberry2/2


●私が一番ウケた視聴者からのイラストは、

　　　　　　「　さ湯よ　」　の絵でした。


*************************************


私が魅せられたナイフ投げ


●ところで、みなさんは、何がきっかけで、
手裏剣術というものを知ったり、知っただけではなくて、
それを行おうと思いましたか?

昔から、自分の流派に、既に含まれていたから、と言う人、
甲野氏、その他、テレビ放映を見てと言う人、
映画やアニメを見てという人、
市販のdvdなどを見て、という人、
いろいろでしょうね。


●ところで、私はそもそも手裏剣を本当に本格的にやろうと思ったのは、
2002年暮れごろからでした。
つまり、まだ、たったの約5年しか経っていないわけです。

ただし、私は中学校のときから、ナイフを投げていました。


以前にも、松の間で書きましたが、
私の原点は、「特攻ギャリソンゴリラ」の、ナイフ投げのアパッチです。

多くの人が「荒野の七人」のJ・コバーンに魅了されているのですが、
私はどちらかというと、アパッチのあの無口なクールさに参ったクチです。

アパッチといえば、
少年漫画の「アパッチ野球軍」にも、網走という少年がナイフ投げで
登場しましたし、
「愛と誠」というのも主人公がナイフ投げの名手です。

最近では、「橋の上の娘」という映画があるようですが、
断片的な一部しか、私は見ていません。


●銃器が武器のほとんどを占めている戦争映画やアクション映画の中で、
夜間の潜入のときに、音がしない武器という利点から、
ナイフ投げの名人が敵兵をナイフで、し止めるシーンというのは、
子供だった当時の私の心を打つものがありました。

よく悪役側がナイフ投げの名人という映画とかは、たまにあるのですが、
やはり主人公とか、脇役がそれである方がいいですね。


●ところで、ナイフ投げをノートリックでやっている映画、
というのは、もの凄く少ないのですが、そのうちのひとつに、
故・岸田今日子さんの、お風呂場での色っぽいシーンが出てきた邦画が
ありました。題名は覚えていません。

その映画の中で「切り出しナイフ」を投げる悪役の青年がいたのを
覚えています。
最後は、あっさり銃で撃たれて死ぬのですが、
その役をやっていた人は、トリックでなくて、
映画の中で、切り出しナイフを、一回転で、刺していました。

それは、私が初めて見た、
「トリックなしのナイフ投げ」のシーンでした。


以後、本物のナイフ投げを見たのは、サーカス、
そしてテレビでやっていた、アメリカ先住民の「斧投げの名人」でした。

いつしか、私は距離2間ほどの距離をとった部屋の中で、
古くなって使えなくなった「ちゃぶ台の上に板を張ったもの」を、
壁に固定して、それに向かって、ナイフを投げ始めました。
当時はすべて反転打でした。


●そして私が13歳のときから、30年以上も経過した今でも、
私のすべての原点は、ナイフ投げにあります。


ところで、同じ重量の剣があった場合には、
正多角形の断面を持つ手裏剣やスパイクよりも、
平面的なナイフを縦に投げる方が、「力の伝達効率がいい」のです。

4間以内のブレが起きない近距離であれば、
先端部全体に刃も付いていることから、
重量が同じ剣である場合には、
棒手裏剣よりも、確実に貫通力や斬りの威力もありますから。

最大5〜6間までの距離に限定するならば、
直打法による投げナイフは、手裏剣には決して負けない、優れた武器です。

しかも携帯性もよく、広範囲に刃付けされていれば、それ自体が
武器になっていますから。


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■ところで、「ボクシングネタ」への、こじつけですが、
これ、ちょっと笑えます。笑えるのはパンチより「キック」なんですけどね。
分かりきった展開でオチもなく「ベタ」ですが、時々笑えます。
↓
http://heli.boy.jp/1/2007/03/post_294.html


こっちは、ちゃんとパンチものですが、
猫と住んでいる人はわかるでしょうが、
これは見えない敵ではなくて、
たぶん、「小蝿」とか追っているのでしょう。
↓
http://heli.boy.jp/1/2007/04/post_295.html


これも、おかしい。「不精道」の典型です↓
http://heli.boy.jp/1/2007/03/post_293.html


以下は、おまけですが、非常に地味なのですが、おもしろい心霊モノです。
↓
http://heli.boy.jp/02ufo2/2007/04/post_194.html


なるほど、メディカルミステリーという分野があるんですね。
↓
http://hb.jpn.org/hb2/2007/03/post_12.html


最後のこれは「コケ嚇し系」で、非常に「悪趣味」です。
しかし画像を見ないで、目をつぶって聴くと分かりますが、
これは映像効果ではなくて、音の周波数成分の効果なのです。
↓
http://hb.jpn.org/hb1/2007/04/post_28.html


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