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>12/15-16:40 文末に最古の武術とも言われることのあるインド武術の映像を
>リンクしました。


【雪の上での打剣】

新雪だったので、それほど滑ることもなかったのですが、
これが翌日の朝になると、すべて氷になります。
そうなるとスパイクシューズが必要になるか、
さもなければ、
もう修業だと諦めて、足の重心移動の訓練にするしかありません。

っていうか、。。。

雪の上で、雪駄を履いて無理やり打剣しようとする私が、
単に馬鹿なだけなんですけどね _(e^)_。









【後ろ重心の剣は前傾発射が可能です】


■ちなみに、剣が手離れする時に、垂直から35度以上の前傾姿勢で
発射しても、軌道の途中でも直進し続ける時間が長いのは、
「後ろ重心の剣」のみです。

なぜそのように飛行するのかは、ごく簡単な物理の原理によります。

具体的には、全長の10%以上、剣の中央部から後ろの位置に
重心のある剣ですから、
香取神道流の剣でも、まだまだ後ろの重心が足りません。


■ただし、以前にも、松の間で何度も釘を刺したように、
現存するほとんどの流派の剣は、

いかなる「長短の距離」であっても、
飛距離の、早ければ約半分の位置、「遅くとも標的の手前約三分の一」から
刺中可能な姿勢にあるということが、
以前に撮影した結果分かりましたので、

特に、無理をして前傾姿勢で剣を発射することには、
あまり意味がありません。


●それよりも、今回の動画で重要なことは、
指を添えて重心を押さえる、あるいは、
その他の指先の微細な操作が、やりずらい手袋などを装着した場合には、

ラルフ氏の投法のような、指の神経が少し麻痺していても投擲が可能な
打法を使えるということです。


●今回は軍手という、比較的簡単な手袋でしたが、
キッチン用の手袋(電子レンジから皿を出すときに使うあれ)だと、
少し難しくなります。
また皮や合皮の手袋の中には、極端に摩擦が大きいものもあります。
軍手よりも、もっとモコモコの、毛糸の手袋で次回はやってみようと思います。


●なお、「極端な後ろ重心の剣」を使用すると、
剣は前傾した状態で手離れてそのまま比較的長く飛行します。

ただし、投げ方に少しコツがあり、
日本の一般的な手裏剣のように投げても
「せっかくの後ろ重心」の剣も、普通のように前方への回転を起こしてしまいます。


●ラルフ氏のDVDを持っている方は、
彼が、草原でオーバーハンドから中間距離(推定6間から7間)を投げている
スローモーションの映像をコマ送りにして見ると良いです。

中間の距離を投げているにも関わらず、
彼の手から剣が離れるときに、それは垂直ではなく、
垂直よりも前に傾いて発射されています。


■なお、画像は撮らなかったのですが、ちょっとやってみたところ、
表面が氷状に凍結していかぎりは、雪の上からでも直打で9間は届くと思います。

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■最古のインドの武術が、達磨を通じて少林寺に伝わった、
という、ディスカバリーチャンネルのレポートです。

これを見ると、仏教でも、ヒンズー教でも、武術でも、数学のゼロでも、
なんでもかんでも、インドに発生しているというふうにも
見えてきますね。

http://jp.youtube.com/watch?v=Yy9ih-g0aTE

http://jp.youtube.com/watch?v=rIR138ceCck


■それと、You-tubeの武術の動画を広く掲載している
ちょっと便利なブログを見つけました。
ちらほらと、関心のある分野をメニューから探してみるといいです。
↓
http://budo.blog81.fc2.com/


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★ . 　　

>文末に、無冥流の理論と剣で、上達していったアメリカの青年の
>動画を追加しました。



■年内最後の手裏剣講座は、35センチを超えるような長い剣の場合に、
どうやって重心位置を調整するかという方法です。





■次の動画は、既成事実の「おさらい」ですが、
剣は全体の距離の三分の二の位置で、既に刺中可能な姿勢に
なっているということの「復習」のためのものです。

原動画は秒間30フレームだったのですが、
ファイルがでかすぎたので、ここでは20フレームに落としています。
それでも、一時停止をしながらご覧になりますと、
空中での剣の姿勢変化が、はっきりと見えると思います。






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●さて、今年は実に面白い年でした。

「分銅鎖は時速200キロを超えている!」の「デマ」が出たり、
「手裏剣の速度は、体感100キロオーバーだぁ!」とかの「大嘘つき」が出たり、

その挙句には、刑事訴訟の一歩手前まで、手続きが進んだりと、
面白いといえば、大変に面白い年でした。

結果として、当初は全く予想もしなかったようなポストにいる
警察関係者や、監査機関の人たちに知り合えたりもして、面白かったです。

そしてまた、あいがわらず狂った人間による事件が起きた結果、
野放しになっている「猟銃」の取り締まりの強化もされるようで、
何よりです。



●来年がどのような年になるかという予測は、
竹の間で毎年恒例で、やっておりまして、
8割がた、いつもだいたいの概略は的中していますので、
関心のある方だけ、参照ください。

まだ今回の予測は詳しくは、竹の間には、書いていませんが、
一言に言えば、「セパレートの年になります」。

余計なものを自分から完全に分離する年が平成20年です。

タロットカードの「最後の審判」と呼応する面がありますので、
それこそ、江原氏が言っていたように、
全員が、痛みの中に放り込まれた上での「膿み出し」の年になります。

ただし、今年の秋までに既に、自分の膿を自覚的に出す事の出来た人は、
一般の人よりは、ゆるやかな変化になります。

全く自分自身の問題に何も清算をしてこなかった人達が、
予測外の膿の破裂を起こします。

もっとも膿というもものは、出ないより出た方がよっぽどマシですが。


ということで、


来年も、
松の間の話題に関心のある人は、
どうぞ、よろしくお願いいたします。


　　　　　　　　　★★★★　★★★★


********* ********* ********* ********* ********* *********


■なお、年末に、忍術に関する書籍を4冊ほど買い込みまして、
ただ今、勉強中(というより、それらの情報を考察中)です。
歴史的考察がしっかりしている本だけをなるべく選びました。


今のところ読み込んだ限りでは、
伊賀、甲賀が原点となるのは確かなようである。


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次の動画は、まだ「本格的には」手裏剣を始めてから、2ヶ月程度の人です。
練習量も、多くても週に2日程度の人です。


●たまげたのは、1ヶ月前までは、2間半程度の飛距離だったのに、
たったの一ヶ月(実質的には1週間だったのですが)で、
10メートル(約5間半)に距離が伸びていたことです。
しかも、無冥流の穴空きの剣でです。

■たびたび、「武術考察」をリンクさせていただいている
市村氏の場合も、おそらくは一般的な手裏剣術の飛距離の成長速度から
すれば、相当に早い速度で6間まで到達したと思います。

何しろ、当の私自身が、暗中模索の中で、
独自に試行錯誤をしていた時期には、
5間の壁から抜け出すのに、約1年もかかってしまいましたから。





　　　　　　　　　　　　　　■●■


むろん、飛距離を伸ばすこと「それ自体」には戦略的な意味はありません。
しかし、私が飛距離を最低でも7間までは伸ばすように言う最大の理由は、
「剣と身体の一体性」を感じることが重要だからです。

それ以上の8間から10間は、私のように、単に個人的に興味のある人が
ひとつの遊びとしてやればいい分野です。


■しかし最低でも7間を目指す理由は、剣速の個人差にもよりますが、
剣が飛行している間に、人間が「その剣と意識の一体感」を感じ取れる
距離というのが、おおむね5間から7間ぐらいの間だからです。

それよりも近いと、武術的には大きな意義が出てくるのですが、
無冥流の「学習感覚」としては意味がないのです。


■また再三言いますように、
自分の最大飛距離の約半分の距離というのが、
その人の実質上の「有効射程距離」と考えていいです。

たとえば、6間での刺中率と規定の命中率が7割の人がいたら、
3間が実戦でその人が発揮できる能力の距離です。
(市村氏と対戦シュミレーションをした結果、この数値は、
欲目で見ないで、少し少なく見積もっていたほうがいいと結論しました。)


■今年、市村氏を初めとして、また海外の方と接してみて、
「重心を指で押さえる」「無滑走二点打法」という基本法が、
距離を伸ばす意味でも、
また、初めて手にしたような、いろいろな剣に即時的に対応出来る方法
として有効であることが、
私以外の他者によって、確認が出来たことは大きな収穫でした。

最初に剣の「重心位置を捉える感覚」を身につけると、
あとは、かなり短い剣や、長い剣を持ってもその部分が共通法則ですから、
適応能力が非常に速いです。


一例として、市村氏が私のところを訪問されたときに、
大きめのナイフや、今回の動画で使用した短刀を投げていただいたのですが、
市村氏がはじめて手にした「初打」で、剣が4間ほどから
なんなく刺さって行くのを見たときには、ちょっと嬉しかったです。


というのも、以前に別の某流派の人とも接したことがあるのですが、
その人は、剣が変わると、
素人なみに、全く打剣がダメになる人でしたから。

なにしろ、滑走打法やスナップ打法の最大の欠点は、
練習なしに、初めて手にする日用品を初打で、刺中できないことです。

むろん、無冥流でも初打刺中率は、100%ではないですが、かなり高いです。

実際、私自身が、今まで、何名かの他流派から戴いた剣のほとんどを、
手にして、すぐに初打で4間〜5間から刺すことが出来ていましたので。


■他流の批判ということではなくて、
あくまでも、「体系の目指す目的が違う」という前提で言いますと、
無冥流では、

>1-まず飛距離を伸ばすこと。

>2-そのために、重心の感覚を捉えて、
>　なるべく無滑走二点打法で、少スナップで投げること。

>3-剣と自分の身体感覚とを、徹底して「仲良く」させること。

>4-剣に、最初から不要な暴力的な力や、支配力を与えてはならない。
>　力は、必要と感じたら「あとから」自分の判断する必要に応じてつければいい。


■私自身のこれまでの経緯を自分で振り返りますと、
私の打剣モーションというのは、数年前までは、
かなり無駄が多かったといえます。

しかしその無駄が少なくなった原因は、
手裏剣にあると称する型や、
大切なのはフォームだなどという理屈や訓練によってではありません。


私がとにかく目指したのは、10間投げでした。
それを達成するためには、打剣フォームなどどうでも良かったのです。


しかしその大きなモーションで10間を投げているうちに、
自然に、それよりも近距離での打剣のときに、
大きなモーションが、少しずつ無駄が取れていったという、
単なる「自然学習」だったのです。


その点で、私の学習法というものは、
無理に、これが手裏剣のあるべき打剣フォームだというような
古いやり方を押し付けるのではなくて、

まずは距離を出そうとすることで、本人なりの身体能力の各部が
大きなモーションの中で、いろいろな複合的な機能をして、

それに慣れるに従って、その複合的な動きを、
近距離の時には、単にそのまま少し縮小するだけで良いということです。


■逆に、最初から型にはめたフォームで投げさせられてしまう人は、
距離が伸びてゆくに従って、いちいち、遠投用に部分的に打剣フォームの
一部を変更する必要が出てきてしまいます。


しかし、私が稽古をする各自の人に言うのは、
「重心理論を正しく把握することだけ」です。


打剣フォームというものは、「人の数だけ存在」します。

その人に独自の個性的な動きというものを、「癖」をも含めて、
それを規定の形に押さえ込むのではなくて、
まず全開に開放させるために、あえて、最初から長距離を投げさせます。

そしてあとは、その人が自分独自の体の動きを損なうことなく、
単に、距離を縮めたときに、それをそのまま小さな動きにするだけで
良いのです。


日本の古武術では決して認めようとしない、
この「その人の個性的な身体の動きを、最大に伸ばすフリースタイル」を
私は奨励していますので、

今後、海外の人達は、私達日本人が思いもつかなかったような、
角度からの投げ、投げ方そのもの、
そして彼らが投げやすい「新しい剣それ自体」を創作してゆくと思います。


■なお、今年一年の「手裏剣術講座」について、
ご感想がありましたら、お気軽にお寄せください。
今後の研究材料の一部とさせて戴きます。


hakaboo@mail.goo.ne.jp


■ただし、ご本名、氏名、年齢を必ず明記のこと。



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●たまには、いつも梅の間にある我が家の料理画像を、
　ここ松の間に掲載しておきます。

　別に今年からここが「料理講座」に変わるのではありまんせんので、
　ご安心を。(^__^)


正月の手作りお雑煮です。




うちの手作りロールケーキです。




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●いつもは、松の間オンリーの方も、
正月ですから、よろしかったらば、
めでたく「松竹梅」の、各掲示板を散歩ください。


●なお、何人かの方から、年賀状を戴きました。
　ありがとうございました。

　返信は個別に書かせて戴きますので、しばしお待ちください




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★ . 　　

【なぜ武術家に馬鹿が多いか?】


●近頃では、私がたびたびこの問題を提起したり、
あるいは、市村氏なども自らの見てきた武術の世界の経験を踏まえて、
「魑魅魍魎の徘徊」といったことを、見解として述べたせいであろうか、

その魑魅魍魎それ自体が、そうした見解を模倣して、
武術は精神の歪みを起しやすいだのと、
他人からの借り物で、知ったかぶりをする者も、
ちらほらといるようである。

●すなわち、「どうしてそうなるのか?」
という根本的な洞察力もないままに、

単に、反省するようなポーズを取ったり、自覚があると言いたげな、
わかったようなことを言う馬鹿者もいる。


●だが、武術が持つ、その最大のジレンマと自己矛盾とは、
何度も私が指摘するように、
「現代における実用性」に対して、

明確な哲学を持っている者と、そうでない者のうち、

目的も曖昧なままに、あるいは親などから仕込まれたり、
無自覚的に武術に足を突っ込んだ人間にそのフラストレーションが
起きることは明確である。


それ故に、私は代々、師範をしていたというそういう系列の
人物ほど、この「馬鹿度数」は大きいと見ているし、実際にそうであった。


●武術のその「社会的価値」または「正当事由を持った価値」が、
明確に存在し得たのは、言うまでもなく、
現代的ではない武器で「殺し合いをしていた、その時代で、のこと」である。

何事でもそうであるが、ある時代を経た結果、
全くその本来の価値を失うというものがある。

それが、現代においても価値を持つ、
工芸であるとか、芸術であれば別であるが、
そうでない、「単なる過去の遺物」というものは、明確に存在する。

●この事実に対して向き合うことから逃げ回る者は、
たいていの場合に、めちゃくちゃに破綻した論理で、
価値を無理やり「捏造」することになる。

その結果が、武術をやれば、やれ精神がどうのこうの、
人格がどうのこうのという、毎度お馴染みの、精神の堕落である。

あるいは武術の身体運動を、なんと介護に生かすだの、
(さすがに、あれはプロの介護士たちからクレームがくるだろうが。)

また、戦国の武将のやり方は、現代の商売でも通じるだのと、
無理のある価値のこじつけをしたりなどである。

(ただし、江戸時代の「物を大切にする文化」は全く現代でも
価値を持つものである。)


●また、「身体能力の向上」という点では、
体操や陸上、または筋肉番付的な競技の方が、
よっぽど「総合的に見れば」優れているといえる。

つまり、とかく武術に関わる人間は、「強さ」への妄想と幻想、
あるいは、強さの「追究」をしがちだが、

>それが「何」に対して「強いのか?」という点では、

身体能力が強いということになると、
それは武術の世界に限られる問題ではない。


●となれば、
それに対して、武術の世界では、
身体能力が優れているとか、身体能力が強いということは
それは、武術の勝敗を決める要因とはまた少々「別の問題」である。


>元来の武術の世界で、唯一問題になるのは、
>人間であるところの「相手の行う暴行や暴力」に対して、
>自分が強いのか弱いのか、

たったそれだけのことを問題にしていた、
という明白な事実をまず、認識することである。

とかく自分たちの価値があるのかないのか、
常に、迷いの中に住んでいる武術家は、
頭が悪いので、こうした「強さ」ということに対しても、

深く考えることもせずに、漠然と、
やれ「身体を強くするため」だの「精神修養に役立つ」だのと
言っている本人も「何を言っているのか分からない」くせに、
そうしたことを他者に言う始末である。


●武術における強さというものは、明確に、

>それは、素手または武器によって行われる暴行、暴力に対して
>強いのか弱いのかを問題にする。

これに異論の余地は一切ない。

武術は熊や鹿を相手にするのではない。それは狩猟ではない。
そして、かつまた、それは銃やミサイルや、
最新の装備をした兵士を相手として「想定」しているのでもない。


●この、実に中途半端な、いわば時代錯誤といえる
無理のある「状況設定」の中で、
常に武術、ことに古武術は、語られてきた。

つまり、もともと、その論理維持には「無理」があるのである。


●一方で、そうした脳内妄想から、いち早く脱却できた人達は、
競技武術の世界で、存分にその腕を振るってきた。
防具やルールのある中で、明確に勝敗に決着をつけるという形で、
彼らは、現代における「武術の位置づけとは何か」という問いと
ジレンマから開放された。
そして、その道は全く正しい道であった。


●そして、その時代対応の波から取り残された人々がいる。

それが、俗に古武術と言われる世界、
または、現代社会では何らの出番もなく、
何の実用性もなく、そればかりか違法物となり、
銃器を相手には、何ら通用しないような古い武器にまつわる、
型、居合い、などを行う人達である。

むろん、この中には手裏剣、鎌、忍具、その他の古武器の体系が
全て含まれる。


●以前に松の間で明確に分類したように、
武術に向き合うときには、「9つの異なる目的」がある。


自分で、自分が何をしたいのかを自問して、
そのうちの「いくつか」に自らの目的を「明確に限定」して行うならば、
道を見失うことはないが、

しかしそれを明確に出来ないままに、
単なる、日本刀マニア、単なる武器マニア、単なる居合いマニア、
単なる古武術マニアである場合には、

その次に多くの場合には、
次のような、歪んだ精神状態に陥る危険性があることを
よく留意しておくことである。


■一言で言ってしまえば、現代の競技武術ではなく、
古武術にまつわる人間のうち、最もその下層部にいる魑魅魍魎とは、
次のような精神状態に陥った者のことを言う。


>　　　「自分が、命を賭ける機会も持てないくせに、

>　　　　またそういう命がけで行う対象を自分の内面に見出せないくせに、
　
>　　　　命を賭けるという「そのセリフ」やスタイルへの、
>　　　　ただの「曖昧な憧れ」に埋没したまま、
　
>　　　　自分1人で、勝手に酔っ払っている、酔っ払い」


これこそが、私が最低の古武術家たちの中に見た、
彼らの、根底にある、「精神異常」の根本であった。

だから、皆さんもよく、
そういう「最低の武術家」からこういう言葉を聴いたことがあると思う。

「武術とは、死ぬか生きるかの生死の境だから、つかめるものがあるんだ」


●この彼らの言い分が、もしも実際に戦場に言った者の言葉であれば、
いくばくかの説得力を持つのだが、
実際には、全く説得力を持っていない一面がある。

なぜならば、実際に第二次世界大戦で、戦場の現場にいた者は、
刀や槍で闘っていたわけではない。

そして、それは幻想に描かれるような武士道などとは程遠い、
まったく醜い政治的な命令でやっていた「防衛や惨殺行為」に過ぎない。


そういう意味では、その同じ醜い動機で「武術」が使われていたことでは、
それは、戦国時代でも、江戸でも、幕末でも何ひとつも変わりはない。


●ちなみに、私の知るかぎり、
「実際の戦争を経験した者」の誰一人として、
「またあの殺し合いをしたい」などと言った者に私は出会ったことがない。
「もう二度と戦争、つまり人殺しは嫌だ」が彼らの一致した意見である。


■一方で、皆さんが勝手に憧れている武勇伝や神話とは、
1000もある「単なる虐殺行為」の中に、たまたま少しあった伝承や誇張された美談にすぎない。

すちなわ、戦争全体の「僅か1%以下」の、誇張を含む美談や、
名勝負の場面の逸話や、
あるいは漫画のストーリーや、「小説」やらに憧れているにすぎない事が多い。

また日本刀という、100万円以下で買える「製品」に対する
憧れから、古武術の世界に入る者も、多くいるだろう。

実際、純粋に、剣術や居合いに興味があったから、結果として、
その後、真剣を買ったというよりは、
この順番が逆になっていて、
「日本刀を自分で使ってみたくて」、
という動機の者は、かなりの数いると私は見ている。
(むろんそれが悪いと言っているのではない)


●また、武術家たちの、「別の心理的な側面」を見ると、
そもそも、血塗られた、汚れた分野であることが事実である武術に対して、
罪悪感や、妙な引け目をどこかで感じているからこそ、
逆に、そうした人々は、
さかんに武術の意義やら、身体能力への貢献やら、
やんやと、その正当性を「捏造する」とも言える。

この一例は、忍術である。
実際の忍者には、カッコ悪る過ぎるような面も多々あり、
地味だったり、なんら武勇伝にもならないような雑用も多くあった
であろう中で、

結局のところは、身分が低かったという事実からの
心理的回避行動のために、
わざわざ、誇張や嘘を混ぜて、自分たちの先祖がすごい人だった
という誇大広告を、自分たちの「雇い主」に対してした形跡があると
いう定説はかなり信憑性がある。


●だが、忍術に限らず、どう、転がしたところで、武術の発生の真実、

>その本質とは、どこをどう捏造したところで、
>何を論理武装しようが、「殺人術」または、「国内で勝利する技術」
でしかありえなかったのである。


●たとえば、正義の為に何かやろうとする者がいても、
何も武術は正義の実現の正当な手段には全くならない。
すなわち、武術を何か別の目的の為に正当化することは許されない。

また、国家間や、隣人間の問題解決や、正義の実現の手段などは、
武術以外に、いくらでも他に存在する。


●すなわち、
冒頭に述べたように、身体能力の発達やその強さを目的とするならば、
他にいくらでも身体能力を高める分野はある。

精神をどうこうしたいのであれば、
武術以外に、いくらでも方法と経験の場は存在する。


●となれば、である、、、

その実現手段が、「どうしても武術でなければならない」もの、
それは何であるのか、各自で、自問し続けることである。

何しろ、世の中には、他のもので、事足りるものが大半を占めている。

また、そんなに生死の境を、さ迷いたければ、
さっさと死にかけて、「臨死体験」でもした方が、よほどいい。


精神の発達というものなどは、

親子関係や、親の洗脳からの自立のプロセスや、
恋愛関係や、社会生活の中でこそ、
最もその「基盤」となるものが鍛えられるのであって、
武術には全くそのような効能はないと私は断定できる。


であるならば、あなたの何かの目標の「実現手段」として、
どうしても、それが「古武術でなければならないものとは、何なのか?」、
はっきりと、答えられるものなら、答えてみるがいい。


ただし、競技武術、これは明確に競技の中で
育つものがあると私は認識しているのでそれは私は除外する。


だから、私がここで問いかけているのは、競技武術ではない、
型だけをやっている武術、
刀や何かを振り回したり、投げたりだけしている武術、
自由組み手なしに、約束組み手だけやっている人達。

この人達は、自らの武術の目的がどれだけ自覚的に明確なのか、
そして、それは、本当に古武術でなれば実現できないことなのか?

そこが、重要な自問課題なのである。


現代のスポーツ武術や、厳しい僧院の修業ではなく、
生死をかけた、スタントショーや、冒険家になるのでもなく、
また、実際の現代の戦場での戦いに行くのでもなく、

>絶対に、古武術でなければ、実現が出来ないとあなたが
>断定できるような「目的」とは、一体何であるか、
>それを各自で問うことである。

もしも、それを見出すことが出来ないのであれば、
あなたは、全く自分の目的を明確に出来ないままに、

単に、今にも沈みそうなオンボロ舟で、武術という妄想の世界を
舟に水が浸水しながら、漂流しているに過ぎないのであるから。

そして、ただ、無力に、

「命がけで危険なものだからこそ、精神が研ぎ澄まされるんだ」と、


私に言わせれば、もっとも鈍感で、愚鈍になったその精神で、
何かに命ひとつも賭けられない人生のままに死んでゆくのである。


●世の中には、
このビジネスに失敗したら、首を吊ることになる、

この戦いに負けたら、社員が路頭に迷い、
自分の家族が全員首をくくることになる。

もしもこの恋愛に負けたら、一生後悔する、

これで悟れなかったら、明日には自分で絶対に命を絶つ。

そのように、命をかけた人など、
世の中には、いくらでもいるのである。

だから、
>「命がけ」という、この重みのある言葉を、

>単なる、暴力や殺傷の目的で作られた刀や剣というオモチャを、
>偉そうに、振り回しながら、それがまるで武術の専売特許だとか「勘違い」して、
>ほざいてんじゃねぇー、ということだ。


ならば、命を賭けることにその存在意味があるのでもなく、

身体能力を開発することに、その存在意味があるのでもなく、

精神をどうこうするために、その存在意味があるのもない、ところの

>「武術」とりわけ、形式だけを守る古武術に、

>あなたは一体、どういう存在意味を見出すのか、自問することである。

>絶対に、その実現手段が、古武術でなければならないと
>断言できるものは、一体何であるかである。


　　　　　　　　　　　　　◆◆◆

________________________________________________________


●世間では、私のことを、とんだ誤解をする人も多くいて、

私のことを、武術否定論者であるとしか見えない、めくらも多い。


私は現代の日本の社会の中で、武術などに(職業上の必要性以外での)
実用的な用途はなく、

いかなる実利的な意味も「人殺しを前提とした武術」にはないと言い、

かつまた、そもそも、同種同士が殺しあうなど、
人間の中にしか見出されない、動物以下の知能だと断言する


むろん、精神修養の効果のみを強調したいのであれば、
そういするのは自由であるが。
そうなると、それは殺人武術でなくてはならない理由が全くない。
(「競技武術」は別である)


■しかし、私が、たったひとつだけ、
武術による「殺害」を、許可、または心から容認できる条件がある。

それは、すなわち、

命をかけて、人間同士で殺しあうことが、

楽しくてたまらない者。

それこそが人生の全ての楽しみである者。

生き延びるための必要性という陳腐な言い訳ではなく、

また家族や国を守るためという、そんな、
正義感に磨りかえられた、陳腐な動機でもない。


全く純粋に、殺人武術をこの上もなく心底愛する者。


●これであれば、私は、その「閉じた世界」の中で、

両者または、両陣営が、存分に殺しあうことを認めるだろう。


*******************************



一方で、私が決して認めない戦いとは、

その戦いをしたくもないと思っている人達を
直接、または間接的に、巻き込むような理不尽な戦争である。

また、いくら武士道を口にしたところで、

それが、君主に対するコビ売りであったり、

自己顕示欲の歪んだ形であったり、

自衛の正当性やら、正義感を振りかざしたものであったり、

政治的な利害関係に基づく戦争や殺し合いであったならば、

それは、私が定義するところの

「殺人道」に全く反する。

私はそれを「殺生道」とは言わない。
なぜならば、対象は、他の生物ではないからだ。


この「殺人道」というものは、ともすれば、

「精神異常の犯罪者が、殺人を楽しいと思っている」
ということを容認するように誤解されがちだが、

私に言わせれば、俗に言われる殺人鬼とは、
人を殺すことで、彼の内面に巣食っている「別のもの」を
殺そうとしているという意味で、

それは、純粋な「娯楽」には昇華されてはいない。


だから、私は「修羅道」を否定しない。

ただし、それは、まっとうな神経と精神状態を保持したままで、

かつ、互いに殺しあうことに同意した者同士が、

他人に迷惑をかけない場所で、それを行うのであれば、

その戦いは、「修羅への奉納」として認めていると言っているのである。


そこにいかなる報酬もなく、賞金もなく、名声もなく、
ただ、闘う技術のみを進化させようとする者、

それであれば、私は「殺人道」を容認する。

つまりは、政治、国益、そういったいかなる利益も損得も介在しない
のであれば、

私は、それを「武道」ではなく「殺人道」としておおいに
賞賛しているということである。

むろん、それは私の美観から言えば、全く趣味ではない。

しかし、外からそれを否定する必要性も、私は全く感じない。


●逆に、私が徹底して否定するもの、

それは、物事をするとき、純粋さの欠如である。


純粋さというものを、決して「単純化」と一緒にしてはならない。

純粋さとは、単純な型や方針に自分を納得させるような行為ではない。

すなわち、複雑さを経た純粋さというものがあるのである。

真に「純粋である」ということは、

ポーズでもなければ、理念の単純さでもない。

それをすることが、本当に楽しい、

そういいたいところだが、世の中の馬鹿武術かぶれの人を見ていると、

自分の中に全くない、楽しみを、
表情をひきつらせながら「捏造」するような馬鹿者も、
他所の掲示板で見かけたことがある。

なにしろ、そういう者は、それこそ、
その文体と論調から発しているオーラがどす黒く濁っているのですぐに分かる。


そうでなはなく、
本当に、この人は武術をすることが重要な趣味、または本業である、

そのように認識できた人というのは、
私は本当に少ない。

ちょうど、それは、竹の間の「禅問答」の「現代版・南泉斬猫」に
私が書いたように、
本業であれ、副業であれ、趣味であれ、

その道をすることが、真に、その人の宿命そのものであったような人、
そうでしか、ありえなかった人、
決してその人の自己申告によるのではなく、真にそうであった人、
そういう人を私はほとんど見たことがない。

しかし、そういう人は、確実に存在する。


一例として、武術研究を、本業としている人の中では、

武備舎の岩井氏、

九星会の伊藤氏、

伊賀の忍術研究家の黒井氏、

戸隠流の初見氏、


本業ではない人の中では、

八角流の半田氏、

そして現在交流のある市村氏である。


本業、副業にかかわらず、
この人たちは、確実に、前世から、その道を意志して計画している。

だから、この人達の最大の特徴は、
「必ず、伝統の枠から、さらに発展し、変化(へんげ)すること」である。


過去の業から武術をやってしまっているような人は、
単なる過去の繰り返しや、過去への憧憬や、
あるいは、自分の過去の「業」の清算行為でしかない。


むろん、今生で、初めて武術というものに接するという
縁を持っている人達もいる。その人たちはそれでいい。
全く私はそれを否定しない。

ただし、その人達は、私の関心の範疇にはいない。
それらの人たちは、
それぞれの個人的な動機で武術に向き合えばいいのであるから。



●しかし、自分個人のためではなく、
「武術研究そのもの」に、
その生涯の時間の何割かを割く人々は、
必ずといっていいほど、
武術という世界そのものに貢献するような、


　　　　　　　　　　　自流を確立する。




　　　いかなる権威や、ご都合主義の伝説にも、すがりつく事なく。



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★ . 　　

【忍術・怪しすぎる古武術の頂点】

"Ninjutsu"
A suspicious history document



●ここで言う、「怪しすぎる」というのは、
怪しくも魅力的という意味ではなく、

実に、いいかげんで、怪しいという意味です。

しかし、同様のことが、権威や歴史があると自負する
他の剣術や武術の各流派にも全くいえることであるというのが
私の結論です。

●ただ、とりわけ、その中でも、怪しさの部分が満開になる
素地が多く存在したのが、忍術という分野であるので、
この分野を例にすることは、他の古武術の怪しさを測る
ひとつの絶好のサンプルだと言える。

つまりは、他の古武術も、歴史や権威があるなしに関わらず、
忍術という最も怪しい分野がしたことと同様のこと、
つまり捏造や、改編や、混合、誇張、嘘書き、を行ったであろうということです。

●むろん、虚実で言えば、忍術の「真実の面」も含まれます。

私がここのところ、忍術関係の本を読んでいて、たどり着いた結論は、
忍術もまた、現代における存在意義を、問われたら、
それを各自の中で、明確にしていなければならないと言うことです。


●とかく、忍術という分野は、一歩間違うと、
(いや、そもそも存分に、なんぼでも、間違っていいのですが、、、)

他の古武術からは、いかに権威や歴史を振りかざしても、
「忍者ショーごっこ」と見られる傾向があります。

そもそも使用する武器それ自体が、むちゃくちゃ、怪しく、
かっこ悪く、卑怯の極みですから。

しかし、「実際の戦争というものは、そういうものであった」
という意味では、むしろ、逆に、
他の単一の武器による古武術よりも、
よっほど「現実感」「現実性」があったりもするわけです。


●しかし「現実性が非常に高い」ことの、その一方では、
捏造された歴史や文献や、最も捏造されたと思しきものは、
伝書や、その出所や、彼ら忍びの「先祖についての嘘」です。

しかし、それには政治的な事情や、
当時者たちの「利害関係が何枚も絡んでいた」という点について、

山北篤氏の著書「概要/ 忍術・忍者」は、
非常に明解に、その理由を解説していました。


●もしも忍術というものについて正しく知りたいという人や、
忍術愛好家や、忍術道場に通っている人、またはマニア、
この人たちは、この本を必ず読んでおくことです。


【その発生と衰退】

●一般的にも、いわゆる「和製」忍術というものが実際に活躍したのは、
戦国時代であるといわれています。

内戦状況からしても、その必要性からしても、
私個人もそうであろうと推測しています。

しかし、それは、体系として既にあったものではなく、
「自然発生したもの」であるといえます。

忍術は、「自然発生した」という意味においては、
そのルーツを探ること自体が無意味ですし、

また、日本の忍術が忍術であるとはいえません。
中国、その他、ヨーロッパにも、その基本となる、
「諜報」「謀略」「防諜」
「不正規戦」「破壊工作」「暗殺」などはどこにでも発生したのですから。


●忍術や忍者というものを、日本に固有のものとする考えは、
全く馬鹿げたものです。
その本質を見れば、それは世界中にあります。

ただし、日本に固有の歴史をたどった、
「いかにも忍者している」格好や道具という狭い話題に限定してしまえば、
ある程度、その歴史は明らかであるといえます。

余談ですが、
どこぞの手裏剣会では、「三不過術」という歌い文句があるが、
もともとこれは、室町末期に中国から伝来したピャオという投擲術に
由来する言葉であって、そもそも日本産ではない、
(これって「産地偽装?」(Joke Joke))。

といった有力な説もある。



●また、忍術においては、そもそも最初は自然発生したにすぎない、
いろいろな技や道具に対して、
あとになってから、中国の文献を取り入れて伝書を構成したりと
かなりの混乱が見られる。


そもそも忍具の形状にしても、
仏教が伝来した時点で輸入された法具に似たものも多いことから、
そもそも、純日本製というわけではないし、

また、以前にも中国武器の映像を松の間で紹介しましたが、
限りなく戦国時代に使われたかもしれない武器に似たものが多いことから、
そもそも、武器自体の遍歴が、ものによっては、
中国大陸の文化に依存していると言える。

ただし日本刀の製法は「別格」。


●そして、
実際に「忍者的な活動」が大活躍したのは戦国の暗黒時代であっても、
多くの伝書と称するものが作られたのは、泰平の世になってからであり、
その際に、かなりの偽書が作られたようである。

なぜならば、戦国時代が終わった時点で、
忍者的な活動をしていた人々は、全く仕事がなくなったのであるから。

そして技が途絶えるという危機感から、記憶をたどって
伝書を書いた誠実な人達もいたであろう一方では、

「問題児」なのは、次の人達だった。

この部分は、北山氏の著書から、編集して部分的には「意訳」した上で、
抜粋させて戴くとする。
概要を全部述べると、大変に複雑なので、手短にであるが。

*********

■そもそも、忍者と呼ばれるような小集団は、
当の戦国時代には、「臨時の雇い兵」にすぎず、
用が済めば、不要の者であった。

また、その時代にも、いわば傭兵のような商売をしていたわけであるから、
自分たちの技や力を誇張して、大したことのない技でも
さも秘伝や奥義があるように見せて、
継続的に報酬を得られたり、仕事をもらえるように計ったとして
不思議ではない。

また、そもそも、「忍者的」な者たちは、
もともとは、一歩間違えば、ただの山賊や、その場で雇われた平民や、
ならず者と紙一重であるような者たちだった。


■次に、江戸時代になると、その子孫たちは、
下忍として農民になる者もいた一方で、
幕府の御家人や藩士として生きる者もいたものの、
それらの世界の中では、たとえ上忍といえども、
出生も出来ない、うだつのあがらない下級武士に過ぎない。

またどうでも良いような雑用で使われていたであろう中で、
人間が必ずとる「心理的回避行動」について、山北氏は、実に
明確で正しい論を展開している。


原文をそのまま書くと、こうなる。

_________


このような状況に置かれた人々は、なんらかの逃避行動を行う。
(それは、たとえば)、
「実は俺は偉いのに、周りが無理解なのだ」と憤る。
「実は自分は別の人間なのだ」と創造したり未来に夢を描く。
そのひとつに、
「俺は実は、偉大な過去を持っているんだ」という逃避行動がある。

そして彼らにはいかにも自慢できそうな先祖がいたではないか。
つまりそれが「忍者」である。

彼らは「先祖が偉大だったんだ」という前提で忍術書を書き、
それがその後伝えられた。

そうして幕藩体制の中で、うだつのあがらない自分たちの誇りを
取り戻そうとしたのである。

____________


●そして、北山氏は、実に明確に、
戦国時代の、「本当の現実的な側面」についても、こう言及する。

忍術はスーパーマンなど必要としないということ。

つまりは、以前に、武学倶楽部の市村氏が述べていた
「短期促成」に非常に通じる、戦闘の基本論理である。


■漫画や小説という創作の世界ならば、1人だけが出来る
超人的な技でもよかろうが、

実際の戦場では、少なくとも数百人の兵士が身に付けられる技で
なければ、役に立たない。
世界にただ1人が出来る技であったり、
何百人に1人しかいない秀でた体力を持った者だけが取得できるような技では、
それはチームプレイであった戦国時代の実戦では、全く役に立たない。


真の忍術、あるいは「戦国武術」とは、
天才や選ばれた者など全く必要としてはいない。

そこそこの才能の持ち主が身に付けられる程度の難易度の技、
これこそが、戦国に必要とされる忍術の姿なのであると北山氏は強調する。

野武士や、貧しい農民出身の者、
山賊のような者、武術など何も知らないもの、
こうした者たちを大勢集めて、
兵士として短期で、使いものになるように仕上げなければならない、

それも戦国の時代であれば、それこそ何百、何千という兵士を。

そんな時代に、限られた資質のある者にしか伝授しないといった、
秘密めいた秘伝だの、複雑な論理や技など「全く不要」であったのだ。

そこで本当の意味で「知恵」が必要とされたのは、
兵士一人一人の「戦闘技術」よりも
むしろ「全体の攻略戦術そのもの」である。

そういう意味では、
殺しの技としては、誰でも習得できる程度のものであっただろうが、

一方の、最も重要な諜報活動や、戦略の立て方となると、
それにはそれぞれの分野に秀でた者が選ばれたに違いない。


■一方で、日本刀に関しては、これだけの数が、
かなり古い時代のものも残されているというのに、

肝心の忍者刀は、ただの「ひと振り」も骨董屋で見出されたことがない、
という点から、実際にそのような刀が実戦の場で存在したことそのものが
疑わしい。

一説によれば、実際に使ったというよりは、
団結のシンボルとして持っていたという論もある。


●このような虚実が交錯する忍術の世界であるが、ただし、
いわゆる「和製忍者」の発生地が、
伊賀・甲賀の地域であるということは、確かなようである。

そして、伊賀の忍者が江戸城の警備兵として江戸に入ったのは、
1580年とされているが、

その後から、虚実が混ざった、さまざまな忍術が、
実際にも使われたりしつつも、
あるいはその一方で捏造もされていったのだろう。


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■長々と、歴史を紐解いてゆく作業を、この松の間でやっている
暇もないので、忍術について、
冷静な視点を持ちたい人は、ぜひ、

山北篤氏の「概説- 忍者・忍術」新紀元社　を参照してください。






●ただ、私に言えることは、

総合的に言えば、

忍術には、
なんらの権威もなく、
なんらの正統な系図もない。

よって権威主義に陥るなかれ。

忍術には、多くの虚偽がある。
よって全てを信じることなく疑え。

忍術の現代における存在意義とは、


1-その精神が、現代で役立つとか、どうのこうのというほどの、
そんな大それたシロモノではないし、

2-情報収集ならば、今のCIAの方がよっぽど、
その体系や、能力や、道具や、電子機器も発達している。

3-また、いわゆる俗に言う「武士道」とは言えないのであるから、
立場も中途半端なものである。

4-現代で、逮捕術に応用といっても、
そうしたものは、システマなどを入れても世界には無数にあり、
何も忍術だけが、「差別化された幅」を利かせるような分野でもない。
(現代の警察や軍で、絶対に必要なものではない)

5-サバイバル技術というのは、それはそれで
別に確立された、「サバイバル」という分野があるので、
これも何も忍術の専売特許でもない。

このように、忍術の中には、
その当時の「微妙な立場」や「汚い仕事の内容」によって、
いわゆる単純な武士道ではない形で、
ごちゃごちゃに、
いろいろな「道具や技法や武術要素」が織り交ぜられたわけであるが、


6-では「誇れるか?」といったら、

そもそも、忍びとは「誇りなど捨てて行われるべき」ものであり、
また、全く人に知られることなく死んでゆくのが、
本当の忍者的な活動なのである。


だから、一体、なぜ忍術が、
今どきのこの現代に、必要なのか、

その存在理由を、
(他の古武術同様に)、無理やり、めいっぱい搾り出せば、





1/継承する価値があるかないかは、別問題として、
　そういう技術が、かつて存在したという、ひとつの文化の継承を
　それを行いたい者が「自主的に行う」という作業。
　ただしこの場合には徹底して、歴史的な根拠の検証をしようとし、
　「身内に甘いような主観」に陥らない冷静な姿勢が必要となる。


2/忍者ショーの中でも良いし、本や映像でもよいので、　
　虚実を織り交ぜながら、その文化を、細く長く伝えてゆく。
　
　この場合には、人々に関心を持ってもらうためであるならば、
　ショーという「演出」の中に虚の部分が混じることは当然のこととして、
　観る側も、それを虚の部分として楽しむという視点が必要である。


3/逆に、安全な防具、または安全な武器によって、
　開き直って、現代で競技化することも、本気になれば不可能ではない。
　それは、かなり面白い競技になるだろうと私は推測している。
　また、競技になったおかげで、逆に過去にどうであったかの
　検証すらも可能になるかもしれないという利益もあるだろう。


4/そして、最も創造的かつ、未来にも繋がる道があるとしたら、
　それは、完全に現代の政治、法律などに合わせた道具と技によって、

　その現代での実用性を徹底して追及するか、
　それとも、スポーツとしての娯楽性を徹底して追及するか、
　そのどちらでも構わないので、

　権威や過去の遺物を尊重しつつも、
　それに一切、自由を奪われることなく、
　現代で、新しく「現代忍術」というものを、堂々と創作すること、
　これが、精神衛生上は最も正しい道だと言える。




結局のところ、

「手裏剣術」という、その社会的な位置が、中途半端だった世界に対して、
「どう向き合うか?」ということに対して、

私が出した結論と同様の結論が、
忍術という世界に対しても適応されるといえるのである。


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アメリカ製スローイングナイフ

Throwing knives of American





■話は突然変わりますが、輸入したアメリカのスローインクナイフです。
日本国内では売っていません。
あちこちのナイフサイトは時々見ていますので、
もしも国内に理想的なものがあったら、とっくに手を出しています。

バランスから言うと、
もう少しだけ横手筋あたりが狭い方がいいのですが
8間距離ならば、直打でいけるので、
スローイングナイフとしては充分です。

重心は、こう見えても前重心ではなく、ほぼ中央に調整しました。

いつも、毎度ながら一番試行錯誤をするのは、ハンドルの部分です。
約1年間、徹底していろいろな糸の素材や、天然漆や合成漆、
そして油性や水性の数種類の塗料をテストして、
だいたいの「形」は決まったのですが、

手裏剣やナイフの元々の剣身の太さや長さやとのバランスがあって、
結局は、まだ明確な数値とか比率で表せるほどの公式化は出来ていません。














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手裏剣の着色法と柄の部分の処理


●「錆止め」　兼　「滑り過ぎ防止」のために、
通常は多くの手裏剣は表面処理をします。
中には全く処理をしない軽量剣流派の剣も見たことがありますが、
好みと打法の違いなのでしょうが、
私は「個人的」には賛成できませんでした。


●日本語でしゃべっていない部分もあり、
その部分は英語で解説してあります。

今回は古い方法と現代的な方法を含めて、3種類を紹介しました。




●個人的には、これらの方法とは別の方法が私は好きです。

「菜種油とヒマシ油とグレープシードオイル」という、
粘性が異なる3種の油を、私が割り出した比率で混合した油を剣に塗って、
それを低温の炭火で、時間をわざと長くかけて皮膜を作る方法です。

これは、高熱のガスであぶって作るよりも遥かに膜面が長持ちする上に、
無滑走二点打法をするときに、私好みの、ちょうど良い摩擦を生んでくれます。

陶芸で言うところの「灰かぶり」のような状態になるので、
表面の起伏に、私好みの味わいが出ます。
この処理をした場合には、使い込むほどによくなります。

綿色をかける場合には、絹でなくともウールでも構いません。
今回は布を手に持っていますが、
これを、やりやすい道具つまり、
布を箱に敷き詰めたり、布を刷毛のように加工するものを
作ることをお勧めしますが、
今回は時間がないのでそこまで解説しませんでした。


■なお、コンロのような不自然な形の熱源を使うと、
円周のどこに置くかによって火力に「相当のムラ」がありますので、
コンロの場合には、何度かに分けて膜付けを行います。


また英文で解説してあるように、このあとで必ず
最低限でも、剣の先端部の数センチだけは、オレンジ色になるまで熱して、
焼き入れと、焼き「戻し」を行います。



■さて、次は、巻物の部分です。

実際に、巻物をするタイプの手裏剣の、いくつかの他流派のものを
以前にも、何本か頂戴したのですが、
グラインダーで切って分解してみると、
そのほとんどが、細い糸を苦労しながら巻いているものでした。

また、漆をそのまま使っていて滑りすぎるという欠点があります。
漆の中に、滑り止めの粒子になる不純物を混合することで回避できますが。


ただ、漆は「本物」になると価格が高すぎます。
また合成漆や、別の木の樹脂による代用品でも、
本数が20本、30本になると、それなりに経費がかかりすぎます。

その上、一番問題だったのは、本格的な漆を使ったからといって、
投げ心地が良いわけでは全然ありませんでした。


ところが、前にも言いましたし、
「中級手裏剣術」の第三版にも書きましたが、

最も安価な、水性のハウスペイントが、
あらゆる「微妙な条件」を全て満たしていたのです。

微妙な滑りと粘りのバランス、そして扱いやすさ、
糸を全部交換するときの簡単さなどです。

それでいて、剣先が何度か刺さっても充分にそれに耐えます。


●なお、説明が抜けていますが、
最終的には、表面を軽く火であぶりながら、わざと塗料を少し溶かしながら、
軍手をした手、または、火傷をしない温度ならば、素手でならして、
塗料の起伏を、最終的な「自分の好み」になるように調整します。


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●本日のおまけです。

この手の技は、眉唾モノが多いのですが、
この人のは、完全には否定できない部分が多くありました。

まず第一に、本当に経絡をつかれた場合に、
人間の表情は歪まないという点。というのも一斉に麻痺するので、
痛がっている暇がないのです。

BBCのレポーターはごく軽めに打たれたので、中途半端に
痛みを感じたようですが。

100%本物とは断定できませんが、ツボを狙っているのは確実なようです。
これが本当に本物になると、
「お前はもう死んでいる」の世界ですね(笑)。





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>18:00 文末に追加しました。
>1/15 19:10 ヨーロッパの数国で、飛行機からばら撒かれたとされる
>手裏剣を模したと称する「ダーツ」についての私見を文中に追加しました。



■ちょっとした余談です。

昨年の年末に、テレビ局の下請けの制作会社と「称する」ところから
取材の申し入れがありました。

内容は、戦時中に実際に手裏剣が使われた?ということを、
クイズの出題にしたいという主旨であったが、
取り組む姿勢そのものが、全く馬鹿げているので、次のように返答しておいた。

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■さて、本題ですが、その企画において何十秒あるいは
何分の枠の中で、太平洋戦争における手裏剣の使用について、
どういった形のバラエティー、または娯楽性を追及した形で、
扱われるかは、存じませんが、
推測では、単なるクイズの問題の材料といった感じてあると思われます。


■さて、そこで問題となるのは、貴方の言われる「事実関係」は
>確認が不可能であることを指摘させて戴きます。


結論から言いますと、どのように調査をされたとしても、
「戦時中に棒手裏剣を使ったと自己申告した人間がいた」という、
つまりは「証人がいない発言」と、
使われたらしい、という資料しか見つけることは出来ません。

おそらくは、それらのことは、
一般的な手裏剣術の本に書かれていることを
そちらでは目にしたことでしょうが、

それ以上の正しい調査をするためには、そちらには時間はありません。
ちなみに来年に海外などに現地取材に、行かれる時間はおありでしょうか?



■すなわち、検証できないこと、曖昧な資料や証言や見聞録によって
真偽のつかないものを「正解」として、そこに用意するということは、
公的な番組において許されません。


例えば、中国の戦場で使用したという「根岸流の前田氏」の話は、
>あくまでも自己申告であり、証人がいない上に、ご本人も
>既に他界されているので信憑性はありません。

第一に、次の点が不明です。

1-正確な距離が不明。
　(これは、差し引いて5間としても事実ならば見事であるが)ただし、

2-相手が、前後左右のどちらに、どれぐらいの速度で動いていたかが不明。
　単にゆっくり歩いていたのか、ぼけーっと突っ立っていたのか不明である。

3-次に、相手は、単に、うずくまったのか、怪我をしたのか、
　死んだのか、気絶したのか、威力ということを誇示したり証明する上で
　最も重要な点が、「全く何も確認が出来ていない」ということ。
(そんなもの、弾の飛び交う戦場でいちいち確認できるわけもありません)

4-最後に、使われた手裏剣の種類形状が、推測可能であるのみで、
　詳細が不明である点。


■以上のような「基本情報が全くほとんど不明」である状態であるにも関わらず、

「戦場で兵士を倒した」という「言葉だけ」が独り歩きをするのですから、
論理的思考が出来ない人が多いということでしょう。

何しろ、倒したのか不明なのですから。
また倒すとは、どういう生理状態までのことを指しているのか
全く明確ではありません。

このような、事実の一部を含んでいた可能性がある
というだけで、詳細が全く不明の状態の情報を
出題すること自体が、アウトです。


■さて次に、
戦時中に上空から手裏剣のような形の物体を大量に空から落とすという
計画があったとされていますが、
爆弾が既に存在するその時代に、
そのような「不効率な兵器」を使おうとする馬鹿はおりません。
つまり、いずれもいいかげんな情報です。

__________________________

このヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツ)などで、
第一次大戦と、第二次大戦に、手裏剣{のような}物体が、
しかも、15g前後のものが、上空1000メートル以上から巻かれた、
とする説、または記事であるが、

これは、白上一空軒著の手裏剣の本に出てくるものである。

ここで注意すべきことは、まず第一に、
この情報が、戦時下の日本におけるものであったことから、
戦時下の情報というのは、とにかく日本軍や日本を褒めるようなものであれば、
曲解してでも、あるいは捏造してでも書かれるということを忘れてはならない。

実際に、同書の記事の内容を見ても、どう見ても、単なる
こじつけの日本賞賛に過ぎない点が多々ある。

そして、どうしても裏を取る場合には、
イギリス、フランス、ドイツの戦争史の専門家に、
そのような事実があったのか、取材をする必要があるだろう。

また、白上氏は、その航空機から何千本と落下して使われたと称する、
短く軽い手裏剣型の「投げ矢」の図面の出所を明らかにしていない。

こうしたものは、何の文献にあった図面であり、
その文献が、本当に歴史的な信憑性があるのかどうかを
検証する必要がある。

また水戸藩の人間がパリにそれを持ち込んだ事実も、
実際に、再取材する必要があるだろう。

また、もしもこうしたことが、成瀬氏の本にあるならば、
どなたか教えて戴きたいものである。

私は成瀬氏の古書を所有していないために、
これらの図面の「正しい出所」は分からない。


●しかし、いずれにしても、
高度1500メートルの戦闘機から、真下に落下するように後部を工夫した
一本が15gの剣を、4000本落とした場合に、

それが、移動している飛行機から落下させた場合に、
空気抵抗も含めて、それがどの程度の狭い範囲にしか広がらないかを考えれば、
あるいはその命中範囲と、命中精度の低さを考えれば、

いかに、落下による加速力がつくとはいえ、
「なかなかの効果が少しあったかな」以上の効果はなかったと
推測されるものである。

持続的に武器としてその後使われた形跡がないのであれば、
「ちょっと、そういうのを試してみましたが、」

というだげのことであって、
大げさに「手裏剣を模したものが戦争で使われた」と
大声で言うほどの価値はありません。



まだヨーロッパも、いろいろな武器が試行錯誤の段階にあった、
第一次大戦であれば、思いつきでやった可能性もあるが、
第二次大戦で、使われたとは、かなり無理のある考えであろうと
私は考える。

__________________________


■従って、古武器の専門家ですらも、
正解を持たないものをクイズには出来ません。

また私は忍術や手裏剣術の「歴史」の専門家ではありません。
歴史考察に関しましては、もしも必要でしたらば、
歴史的な面での武術研究の専門家(第一人者)をご紹介できますが、

しかし、この問題(出題)に対する専門家の結論は、
私と同じものになると思われます。


また、仮に手裏剣が使われたかどうかという話題それ自体が、
面白い出題になるとは、到底思えませんし、
人々の興味を引くものとなるはずもありません。


■もしも以上のことを踏まえまして、
何か、ご説明をされたいことがありましたら、
お問い合わせをお願いいたします。


私としましては、貴殿または貴社が、
「いかなる企画を作るように番組側から言われているのか」という点と、
単刀直入に、そちらが何を「企画商品」として望んでいるか
という点のみ確認させて戴きたく存じます。


____________________________________________________


●と、このような情報に、興味を持ったり、振り回される人がいるのですから、
これでは、手裏剣の情報もとことん、怪しいですし、
忍術の情報も、もっと怪しいものです。


また、たとえば、実際に現代で、実験条件を全て記録した上で、
実験をした結果、

素早く動き回る相手を、6間距離で当てることが出来たとしても、
それが≒「前田師範がそれをやった」とは全くならないわけです。

その過去の事実の真偽と、実験結果は「全くの別問題」ですから。


その実験で出力される推論とは、
「おそらく、それは可能ではあっただろう」
というだけのことに過ぎません。


●こうした「情報」の中に含まれる「不確定な要素」の中から、
「自分の持論に都合の良い情報だけ」や、
「いかにも、心弾むような嘘や、詳細不明の情報」に妙な関心を持つのが、
武術の世界に多くいる「馬鹿」の病的な特徴のひとつです。


明らかに、足りない重要な情報がある場合には、
「データはそこまでしかない」、ということで、
そのあとを、いいかげんな色眼鏡のかかった推測で推し進めてはならず、

単に、検証材料のひとつとして、保管するに留めるべきである。


忍術の歴史についてでも、投稿したように、

おそらくは、こうした捏造、誇大妄想と、
不当な「誇張」が繰り返されてきたために、
武術神話、伝承、逸話という世界は、
鵜呑みでは全く信じるに値しないものが
含まれていることが多いのである。


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武術と宗教の接点


●武術の世界には、60歳以上の年寄りの方の場合は、
最近、またはここ約20年の日本の武術事情というものに、うとい場合が多い。

また若い人でも、勉強不足であったり、情報の目の通し方が
偏っていると、武術の世界と新興宗教や宗教の世界がクロスオーバー
しやすいという部分を見逃している。


●武術家の全員が変な宗教に傾倒するわけではないし、
また仮にそれに傾倒する場合の動機にも何種類がある。

そもそも、人殺しの武術の世界と、不殺生の宗教の世界が、
どうしてリンクを持っているかということについては、
いくつかの原因がある。

たとえば、武術の世界では、
肥田式の訓練法の事は多くの人が知っているだろう。

また、中国武術を学ぶ場合には、仙道とリンクする部分があり、
また道教もリンクし、かつ少林寺もリンクする。

日本の古武術も非宗教的であることはなく、
その武道場の神棚にいるのは、日本神話を鵜呑みにして、大抵は香取か
またはやや特殊なところでは、摩利支天などである。
実は、香取の神が決して武道や剣の神ではないということを知らないらしいが。
この話はややこしいのでやめておこう。

つまり、充分に、それ自体が、単なる形式宗教の枠を超えて、
宗教的な信仰を持っているのである。


●ただし、武道家の信仰は「せこい」。

それは自分が強くなるため、あるいは加護してもらうためという
他力への願いが込められてしまっているのみならず、

もともと、仏教や仙道と武術は全く「何の関係もない」。


「道」は力や、力への欲望を捨てきることによってのみ
開けるのであるから。


●しかし、全く異なる背景を持つものが、リンクしてしまったのは、
結局のところは、卑しい考えを持った一部の武術家の側が、
宗教体系の中にある「一種の超人的と思えてしまう部分」を、
自分たちの武力に「誤転用」しようとしたためである。


●場合によっては、ヨガの呼吸法や、中国の気功なども
取り込もうとしてしまうのが、武術家の「性」「またはむ悪癖」なのである。

強いということを盲信したり、求めるあまり、
本来それとは全く関係ない分野に転がっている、
様々な素材を、より強くなるために悪用する。

これが武術と宗教の間に、妙なリンクを作ったのである。


●逆に、宗教の側が武術を取り入れること、というのは、
ほとんどない。
少林寺の伝説にしても、怪しいころは充分にある。
禅の世界で描かれる達磨は、全く異なる主題だからである。

禅で思い出したが、これは前にも書いたが、
世界大戦中に、日本軍のお馬鹿な司令官や、軍隊の指導官たちが、

知りもしない禅語を乱用して、部下に無駄死にをさせたことは
以前に書いたとおりである。

では、その禅語はどこから沸いたのかと言えば、
武術書がパクった禅師の言葉がそのほとんどの出所である。


幕末の一部の侍もまた、禅にすがったり、禅を盲信したり、
利用した形跡もある。

近代では、禅と弓道という本によって、これまた全く何の関係もない
弓道と禅の間に、あたかも関係があるような誤解を招くことが
行われた。


そういう意味では、私は「個人」においては、その接点を探るが、
世の中に、決して「禅と手裏剣」なんぞという本は出さないつもりである。

既に、悟りについては「悟りなき悟り」「虚無の微笑」という本で
ほとんどの重要な部分を書いているので
そのような分野とリンクさせる必要がない。

また無明庵からは「地球が消える時の座禅」という良書が出ている。



●さて、このように、明治以後の、近代の新興宗教も含めて、
神道、仙道、道教、ヨガ、修験道、真言密教、禅、
はては、奇問遁甲といった占術的戦略までもが、うろついている。


そして、このような体系が、武術の周りをうろついているのではなくて、
逆に、武術の方が、使えそうな「武器」を探して、
宗教の周りをうろついていた、

それが、武道と本来は全く接点のないはずの宗教が、
無理やり混合しているケースがあることの原因である。


しかし、私に言わせれば、

もしも、本物の武術家であるならば、

さっさと、神棚や御札を焼いて捨てることである。

ついでに言うと、

禅寺に、ブッダ像やら、文殊菩薩という「ガラクタ」がいること自体、
本当の禅が伝えようとするものからすれば、
既に、「完全なる偶像崇拝の邪教」なのである。


ところが、こういう縁起物や、迷信や、単なる形式宗教に弱く、
めっぽう、引け腰なのが、これまた武術家の心の弱さなのである。


どうせ「信仰」をするならば、あるいはそうした世界に傾倒するならば、
武術という無益な暴力や技など一切捨てて、
「その道」の宗教に入った方がよかろう。


なにしろ、武術と宗教、
このもともと、全く混合してはならないものの「中間」をさ迷っている人間ほど、
「自分自身の姿勢の中途半端さ」に気づかない者はいないのだから。



禅に変な期待や精神性をこじつけようとしている武術家などが
いるとしたら、
一度よく、中国の古いものから、
日本に伝来後の「和製禅」のものまで、禅書を読んでおくことである。


その本質のどこにも、
武術との接点など見出されようはずがないのであるから。


むろん、どんな経典であっても、「馬鹿者」が曲解をすれば、
聖書すら、戦闘の言い訳になるのだがね。



どのみち、武術は殺人技であって、今もそれを尊重しているなどというを、
いちいち、現代で、必要以上に誇示するような者は、

どうせ、事の最初から、
神仏の道から大きく外れた「外道」を歩いているのであるから、

いまさら、神仏の前で手など合わせる、頭を下げる、拍手を打つ
といった、この上もなく「みっともない」事などせずに、

　　　正々堂々と、
　　　潔く孤独を背負って、地獄や修羅の界にでも落ちるがいい。


地獄では、鬼畜たちが、
いくらでも貴方の武芸の相手をしてくれるだろうから。

死もなく、決着もつかない「永久の流血と苦痛」という
非常に「面白い世界」で。


　　　　　　　　　　　　　　■



●私は幸運にも、17歳のときに「強いとは何か」という概念を
完全に捨てる事が出来た。

きっかけとなったのは、この宇宙の実相の一部を実際に
体験したことだった。

その果ての知れない世界の中では、
人の力など、たとえ世界を支配できたとしても、あまりにも
あまりにも、あまりにも無価値であり、ちっぽけすぎた。


そのような中での力など、全く無に等しいということの
体験と、それに対して何週間が思慮と哲学を重ねた結果、
私は、17歳のときに、きっぱりと武術と縁を切った。

そもそも、武術に接した最初のきっかけは、
成長期にある自分の身体機能の発達に良いから、
というのが、そもそもの明確な目的であったし、

また、強さへの子供じみた憧れのようなものは、
その途中でほんの2年ほど、あとから付加されたものに過ぎなかった。


武術をやめる直前は、今から約30年前に、私はヨガをやっていた。
武術の次のターゲットが既にヨガだった。
(ハタヨガではなく、ラージャヨガであったが)

しかしいくばくかの訓練もしたせいで、
当時の私の体は、中国拳法の女子用の型が可能なほどの
柔軟性になっていた。
また呼吸法を何種類も覚えたせいで、苦手だった長距離走も
なんなくこなせるようになった。


■そういえば、当時は、(トリックではなく、実際に)、
金属に手を触れずに、念力でスプーンを数十度までは、曲げられるようになったり、
他人のオーラも、ばっちり見えたので、
高校生のくせに、他人の(しかも年上の大人たちの)人生相談にまで、
乗っていたのを思い出しました。

そういう分野に、興味を持ち、
そうした訓練などに勤しんでみる、そういう年頃だったのである。

また、念じて、金属が曲がるのであれば、
敵の「脳血管を、たったの一本切ること」などたやすい、
ということになり、

単に相手に勝ちたいのであれば、
何もいちいち身体など鍛える必要もなかろうとすら思ったものである。



●そのために、そうした超自然的な道の訓練が、
多少は、武術に役立った面もあるのだが、

しかしそれから武術には全く魅力を感じなくなり、
私の次の「敵」は、「宇宙とそれを作った、神と呼ばれた者」になった。

むろん、かなうかどうかなど知ったことではない。


宇宙全体を力量的に相手にすることなど絶対に不可能なのであるから、
正しく言うならば、私の探索ベクトルは、

宇宙が作られたり運営されている、その理由の「核」を探り、
それが本当に正当な意味を持つのか?

それとも、この宇宙など、全く無用の出来損ないであるのか?

その謎解きに、その後の私の数十年は費やされた。


ほとんど全ての宗教を学び、
ほとんど自分に出来る全ての瞑想を行い、
ほとんど自分に出来る全ての能力を全開にして、

私は、宇宙や生命の存在理由そのものを探った。


そして、その結論は、実にあっけないものだった。


そして、この宇宙が、神や誰かの偉大な創造物どころか、
とんだ、不良品であったという「不完全さ」を最近、私は、見出した。


この宇宙が、ポンコツだったり、
その初期に手違いがあったという、
その証明となる、「ごく簡単な理論的証明」を。



●あまり考えたくはないことなのだが、
あと約、120億年ほどすると、
この宇宙は、廃棄処分になるだろう。

つまりこの宇宙の前には今よりもは、
もう少しマシな宇宙だったのだが、

そうした「過去の宇宙」が数珠のようにして、連鎖している、
宇宙とは、そういう世界なのである。

ただし、今回のこの宇宙は、残念ながら、
「かなりの失敗作」であったようだ。


●ということで、
皆さんは、あと120億年の間、

心を癒してくれる、何かの神仏でも信じたり、
あるいは魂が進化するのだという信仰を信じて、
または人生の目的はこれこれのはずだ、

という人造の幻想を心の支えにして、
頑張って、120億年を生きていってください。


なにしろ、その最後は、けっこう、あっけない消滅なのですから、

その時間が経過するまで、
この世界の、うんざりするような輪廻やら
魂の学習や人間学習という「とんだ大嘘」と、

その120億年という、
気絶するほどの長い日々の生活に「退屈」をしないように、

充分に、気をつけてくださいね。


そのためには、

あなたが、自殺する理由を回避して、
なんとか明日も生きることに奮起できるような、
何かの理由を、常に自分の中に「でっち上げる」ことです。



その方法こそが、

この宇宙の無限に近い時間の中で、

その宇宙の実相の真実を知らないように、なんとか逃げに、逃げ続けて、

あなたが、本当の真実を目にして狂わないでいられる、
「唯一の方法」なのであるから。


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★ . 　　

>1/17。文中に、女性の初心者の状態を理解できるということと、
>文末に、雑談を加えておきました。


【無冥流の両手投げ上達法】


●これは無冥流にのみ特有の稽古方法で、
利き手でない手で直打法を短期で可能にする為の基礎訓練法です。

他の基礎訓練としては、この他に「中級手裏剣術」の本で解説したような
ペンを天井に向けて投げる練習も、
スナップ癖を取り去るのに有効です。


●今回の方法については、解説は山ほどあるのですが、
ビデオの中では、全ては語りきれませんでした。


■両手打ちの初心ですら、
「のっけから両手で同時に投げさせる」という斬新で非常識な方法が、
無冥流の両手稽古法の、最大の特徴です。

言うまでもなく、最初は、刺さらなくても全くいいのです。

無冥流では、利き手打ちの場合でも、
「刺さらなくてもいいから、最初から3間、4間で」投げさせるように、

この稽古法でも、「重要なこと」は、
最初から簡単に刺さるような方法では練習をせずに、

刺さらないというその現実の様子をよく見て、
では、どこを直せばいいのかを、
「自分の頭で考えて修正してゆく」という「プロセスそのもの」なのです。






●以前にも言いましたが、無理なウェイトトレーニング中の事故で、
約1年ほど左手を痛めまして、ほとんど使い物にならなかったのですが、
昨年の暮れあたりに全治したものですから、
また利き手でない手での稽古、
そしてそれに伴う「研究」を再開できるようになりました。


●ラルフ氏と私には、利き手でない手の使用については、共通の見解があります。

それは、左手というものは、使える分には、無論いろいろと便利ですが、
それ以上に、利き手でない手を使うことの「最も面白い点」は、

利き手で培った技術が、本当に初心者にとって簡単な技法なのかどうか
そして打剣法や打剣論理が正しいのかどうかを
検証できるということです。

すなわち、自分の利き手でない手ほど、
「いろいろな実験をするのに良い生徒」はいない、ということなのです。


●利き手というのは、ある程度、直打法や物を投げる動作に
慣れてしまっていますから、
「ゼロから始める人の気持ち」を理解できない部分があります。

たとえば、手裏剣、あるいは、投げる動作というものに初めて接した、
「女性の方の気持ち」といったものを理解できない師範などもいるわけです。


しかし自らの中にあるその「ド素人なみの初心者」である自分の手を使えば、
いかに、投げるという動作が一から始めようとすると複雑であるか、
そしてまた、
何の打法が、利き手でなくても簡単に覚えやすいのか、
それが自分で分かるわけです。


●無冥流の中にある約20種類の打法のうち、
上手からの打法では、左手でも習得が楽だったのは、

「単純に、テイクバックを後ろまで取り、
　振りの軌道は、真っ直ぐを心がけて投げる、
　そのときの打法は無滑走二点打法」です。

あとはそれが出来るようになってからその動作を、
「ワンモーション投法」に連結した場合でした。

実は、近距離に限れば「逆重力投法」というのも、かなり楽でした。

しかし、特に最初の二つのこの打法は無冥流の、
やや手の内の操作が複雑な他の打法に比べると、
非常に習得が楽になるようです。



●ビデオでもいっていますように、
鍵盤楽器などは、左右の指が、全く違うことをするわけですが、

しかしナイフを投げるといった動作では、指が全部違う動きをする
わけでもありませんから、
最初に、まず、同時に投げる練習を積んでゆき、
それによって、左手に「右手の感覚学習の成果」を覚えさせるわけです。


●たとえば、いろいろな拳法で、左右のパンチがほぼ同じ威力で
打てる人がいたとします。

しかしパンチは同じパワーで打てても、
投擲動作にやや似ている「手刀」を打ち込んでレンガなどを割るとなると、
どうしても自分の利き手の方が上手だったりします。

それがさらに、直打法となると、もっと繊細な動きを必要とします。

●本にも書いたように、問題なのは、
利き手でない手が極端に腕力がないという要素にだけあるのではなくて、
「投擲動作に必要な神経」が、
利き手でない手は「極端に未発達」であるということなのです。

もしかしたら、小さいころから、両手でボールを投げる練習をしたり、
両手で字を描く練習をしていれば、こうした苦労はしなくても良かった
のかもしれませんね。

殴る、蹴るの動作ならば、左右がほぼ対称に使える人は、
世の中に無数にいますが、
こと、直打法、あるいは何かを投げるという「投擲動作」となると、
それを一から「神経学習」をさせるのは、大変に難しくなるわけです。


■ビデオでも言っているように、

最初は肩幅に開いて的に対した姿勢で、二本を同時に投げます。

次に、片方の足を交互に前に出して同時に投げます。

次に、利き手でない手だけで投げてみます。

そして、最後に、同時に二本を投げるタイミングを少しずらす
練習をしてみます。


●私もまだ、1年ぶりに再開したばかりですので、
左手は、刺すだけでも、3間がやっとこです。
実用的にはまだ2間半でも、まだ使い物にならないと思います。


■まだ14歳の少年なのですが、
本格的に初めてから、まだたったの2ヶ月も経っていませんが、
既に5間届きますし、「無冥流の両手打ち稽古法」を始めています。

見ると分かるように、左手は現在は、前田師範の行っていた、
「真鋭流」の足の動きを使っています。





【新春の幸運映像??】


●最後は、新春早々に、ナイフで遊んでいたら、撮影できた、
ちょっと縁起の良いナイフの映像です。




■巻物、あるいは非金属製の素材が剣尾にある剣ならでは、現象ですね。
普通の剣ですと、剣底にぶち当たって剣先が潰れて終わるだけですが、
巻物があると、ごく、たまーにですが、刺さることがあります。

剣底に「当たる」ということは、
(打剣距離にもよりますが)、かなり頻繁にあるのですが、
刺さるという条件を満たしてくれることがなかなかないのです。
むろん無冥流の「穴空きの剣」は、刺さりやすいので論外ですよ。

「中級手裏剣術」の「三版」では、
任意の距離で、この剣尾への刺さりが起きる可能性について、

単純に面積と命中率の関係から割り出した、
「ごく簡単な確率計算」をしてありますが、
おそらくは、今回やった5間距離からだと、
どんなによくても千回に一度ぐらいだと思います。

ただし「あの計算法」は、まるで吹き矢の場合を想定したような
単純計算なものですから、
直打法で、このように刺さる確率は、もっと低いです。



●ということで、見ると縁起の良い映像のひとつです。
刺さる瞬間の動画は、撮り損なったのですが、
まー、結末の状態だけでも、
見ておくと、ちょっとした「縁起モノ」「幸運を呼ぶ映像」
かも_____? しれません(笑)。



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では、マトモな人の多い分野って?


●今まで、武術の世界と宗教の世界は、とにかく、
頭と性格の両方おかしい人間が、よく発掘される、という話を
何度かしましたが、

では、逆に私が「マトモ」だと思える人達の比率がもっとも多かったのは、
一体、何の分野なのか?

となると、これは結構、自分で自問するのに、非常に面白く、
また非常に難しい問いです。


●武術と宗教に傾倒しすぎる人間に独特の癖が全くない分野、
あるいは真逆の分野にそれがあるかというと、
多少、その傾向はあるようです。


たぶん、平均的な人よりも、やや、私は、
異質で多彩な分野の人達に出会った人生だったと思います。

その中で、たとえば、報道記者だからといって、
必ずしも、全員に客観性があるわけではないですし、
大学院の科学者というのも、けっこう、変な人が多かったですし、
皇族関係者よりもホームーレス同然の人の中によっぽど品格のある人が
いたり、
また、いわゆるテレビで論議しているアナリストと呼ばれる人も、
チャンネル変えてしまうほど、馬鹿げた人たちも多くいます。


●そんな中で、どうもこの分野は、かなりの人数が、
マトモな感覚を持っていると感じたのは、
結局は、何をしている人かということではなくて、
どう生きてきたかということが基盤になるわけですが、

それでも、傾向として、次の分野の人は、比較的マトモな人が多かった。

第一に「ゲイ」の人達。すなわち、オカマ。
この人達の最大の特徴は、総じて、もともとがプラトニックな傾向が
あることと、何しろ、性格が、ぶっちゃけている。

直接のお付き合いは、ありませんが、端から見ていると、
微笑ましくなるほど、のびのびとしています。
もっとも、時代が彼らの市民権を認めたという背景が大きいのですが。

ただし、ホストの分野。これは特別な優位性はありませんでした。
特に、非常に馬鹿な人が多いということもなく、逆にマトモな人が多い
ということもなく、ごくごく普通でした。


第二に、これは職業や分野の問題ではなくて、
恋愛経験が多い人。これも、付き合った人数ではなくて、その質です。
1人の相手を通じてでも、多くの事を学べることがあります。
どのような姿勢で、恋愛を経験して何を得たか、これは、
かなりの部分で、マトモかそうでないかをキッパリとわける要素になります。


第三に、その恋愛が充実したものになるか否かは、
基礎は常に、その人の幼少期の家庭での生活にあります。
この問題は、竹の間でも、長年指摘してきたように、
無自覚ACというものが存在するために、
決して簡単には、括れないのですが、

一般的に言えば、やはり両親の屈折のない愛情というものが
あった人とない人では違いがあります。

しかしここがとても難しいのは、

単なる甘やかし

単なるスパルタ

単なる放任、

といったこれらの要素を、
愛情だったと「とんだ勘違いしている人」がかなりいることです。


■ただし、原則として言えることは、
厳しく育てられたにせよ、甘やかされたにせよ、
どちらでもアウトなのが「過干渉」です。

しかも「過干渉されたという自覚」は子供にはほとんどありません。

自分の家庭がどうだったのかが、ものの見事に露見するのは、
確実に、恋愛経験や、結婚生活の中でです。

なぜならば、そこで初めて、その人は、
全く違う環境で育ってきた他者と、深いかかわりをするのですから。

異性と自分を比較し、
それまでの人生を自問せざるをえない状況となるわけです。


このように、親が、厳しくても、甘くても、
どっちも場合も「過干渉」こそが最大の精神的な癌になります。


■一方で、理想的なのは
「子供の自主性をいかにして育てるか」
「子供が命令に従うのではなく、自分の頭で考えぬかねばならない状況」

これを特定の何かの分野の問題(勉強とかスポーツ)ではなくて、
「日常の全ての分野で」見守って、「注意深く育てる」というのが、
親の本来の役目です。

これが欠落していることを、私は「親の愛情が欠落していた」と呼びます。


●とにかく、家庭の問題は、
潜在的に潜伏していても、その後に必ず、
その家庭の「第二の縮図」となる、恋愛や結婚で表面化します。


それでもって、それが表面化すると、
それは、社会生活においても、対人関係においても、
とことん、その人の性質が露見します。


●次に、分野の話に戻りますが、
ゲイやニューハーフの人達以外では、まともに見えたのは、
全員ではないのですが、「絵描き」ですかね。


音楽家は、あまり好きではありません。
クラシックのプロも、ロックのプロも、
録音スタジオその他で、よく何人も見たのですが、

どうも、あの業界には独特の人生のスタイル?になる傾向のようなものがあって、
言ってしまうと、それは「哲学性のなさ」。

また心理学者や精神医学者は、ほとんど、彼ら自身が、病気だと思って
間違いない。


■絵を描くひとというのは、
へんてこな権威とか、画壇にこびていないかぎりは、
あるいは金に貪欲でないかぎり、
または誰かの「雇われ画家」でないかぎりは、

絵を描く作業というのは、とことん、自問の日々です。

価値観、美観、何もかもが、「自問の重圧」の中で行われ
作品を作っては、ときには、それを壊しを繰り返します。


たとえば、いわゆる職人さんのように、
技術に熟練するために、20年、30年と、時間をかければ済むものではなく、

常に、自己責任において、新しさや、創造性、あるいは逆に、
ラディカルなものを要求されますから、
その人達は、先駆者という指標も、交通標識もいない、
「孤独の荒野」をずっと歩き続けます。

その中で、きちんとした自我が完成されてゆくプロセスが
画家たちにはありそうです。
油彩か水彩か、という点の違いは、あまり違いはないようです。

これが文学者となると、これは、ちょっとまた違ってきます。


●8年間、油彩と木炭デッサンを中心とした美術の世界にいましたが、
確かに、絵の分野というのは、
めっぽう、「おもしろいやつ」は多かったです。
マトモだったかどうかも含めて。


■■■

そうそう。
美大に入学したときに、
選択肢といいますか、学科は、いくつもありました。
写真科、デザイン科、映画科、演劇科、などなど、いわゆる
美大に付き物の分野です。
(最近では、アニメ科が正式に一部の美大に導入されたようですね)


●しかし、それらの分野の人達には、どういうわけか、
一種の雰囲気というか、カラーがありました。

非常にくだらない、見栄とかプライドが際立つ学生が多い学科
というのがあったのです。

自由なはずの創作的な分野なのに、
どういうわけか、その分野に特有の雰囲気に、
大なり小なり、皆さん染まっていたわけです。

ちなみに、いちばん、性格が陰湿ぎみで、暗かったのが演劇科の人種で、

一番、頑固で、はた迷惑だったのが、映画科の人種で、
(ただし、それぐらい頑固でないと将来、映画監督にはなれないのかも
しれませんが)

見栄っ張りだったのが写真科の人種で、

男も女も、わりとファッションとかがスマートでカッコよかったのは、
デザイン科の人種で、


絵画科は、一番の「カオス」そのもの、でした。

絵画学科に限っては、本当に多彩で、
全く統一的な雰囲気(その分野の臭いに染まった感じ)が
全くありませんでした。それは、まるで国内の「人種のるつぼ」でした。

だから、私は絵画科に入ってよかったと今でも思っています。







●あ、もう一分野だけあった。

それは料理人。

たとえば、農作物を作る人の中には、けっこう変な人がいて、
特に、妙なエコロジーにハマっている人は、
ほとんど、自然食宗教か?みたいな生産者もいて、
私のうちでも、そういうところの農家の米や野菜を断ったことがあります。


一方で、それを活かす「料理人」。
思えば、別に一流でなくても、料理に対して最低限、
普通のポリシーをもっている料理人ならば、
あの人達の中に、マトモでない性質というのは、あまり見たことはないです。

なにしろ、性格の何もかもが「味」に出ますから。

ようするに、自分自身の身の振り方に対しては、

誰かに依存したり、誰かのせいにも出来ず、
誰かに反発したり、誰かをライバル視といった、
「幼稚」な力を原動力として利用が出来ず、

その自己決定の結果が自分自身に厳しく突きつけられ、

常に、作品や自分の生活環境を創るときに、

自問自答に満ちている分野だと、

マトモな人が育つのかもしれませんね。





　　　　　　　　　　　　　　　●

★ . 　　

●本来は竹の間の話題に属することなのですが、
松の間にも関係することなので、ここに書いておきます。

わりとスケールが、大きな話になってしまいますが、お付き合いください。


●私の分析によれば、個人、あるいは人々、あるいは国民の精神が
歪む最大の理由は
>「中途半端にされた欲望」または、
>「その時に」やりつくさなかった、ということに由来することが
ほとんどです。

たとえば、絶対にそこでは、自分の両親や、あるいは恋人に怒るべきだった
そういうときに、そのタイミングで怒らなかったとき、

こうした場合には、それは別の「代償行為」や「回避行動」に飛び火します。

つまり怒りというものを直接にではなく、陰湿に発散する別の
対象物を探そうとする癖が人間にはあります。


●これと同じ原理を、過去の日本の歴史に当てはめると、
日本人という国民は、いろいろな「ストレス」と「欲求不満」を
国民的なレベルで蓄積してきた形跡があります。

たとえば、一例ですが、
江戸時代になって一般庶民が武器を持つことを制限された時点で、
まずそれは起きたようです。

そして、明治になってさらに刀が没収され、
さらに戦後も同じように人々の手から武器が押収された。

これは、一見、表面だけを見ると、
国内の治安が良くなったから良いと言うことも出来ます。


●しかし、一方で、それらを取上げられた人々、
武士であったり、または庶民であっても、自分たちの武器というのは
いざ国政に対して不平があれば、革命を起す手段でもあるわけですから、
それを取上げられた人達は、一種の「無力感」と「抑圧」を感じます。

と、同時に、「闘いたい」とか「殺したい」という欲望の燃えカスが、
彼らの無意識下に別の形で蓄積されることになります。


●むろん、私は、アメリカの銃社会が良いとは、ちっとも思いませんが、
ただ、彼らがもしも銃を合衆国全土で廃止するとしたら、
それは、本当に彼らがその無益さや有害さを「深く理解した結果」
起きることでしょう。

つまり、なんであれ、
「とことん、やってしまった人」または「とことんやった国」
というのは、そこから明確に学ぶことがあり、
また、何が悪かったのか、ということを理解します。

その上に立った場合、人あるいは国というのは、
その過去を一切払拭します。

つまり何かのストレスや欲求不満で、
自分の足を引っ張られることはなくなります。


●これは私の人生哲学の一つでもあるが、

「我慢」には、いかなる美徳もないということ。

たとえ、そのことによって、大きな失敗になったとしても、
あとからではなく、その時に、行動を起こし、自己責任で
その結果を引き受けるということのくり返し、
これが結果としては、歪みのない人格を作ります。

我慢をするよりは失敗をしたほうが、のちのちの精神衛生管理にとって
マシであるということです。
また、逆に、本当に我慢すべき時はどういう時かを理解します。

それをしない人達は、間違ったところで我慢をして、
ストレスを溜め込み、結局は、全く別の他人にそのストレスをぶつける
といった「迷惑行為」を無自覚にやらかす者となります。



●さて、歴史考察の話に戻りますが、
日本の歴史を見ると、
日本人が、時代の急激な変化によって、
過去の遺物を消化できていない、という病理的な性質が
ちらほらと見えてきます。


●たとえば、ここで、いったんまた「武術」の話になるのですが、
欧米で、中世の格好をした剣術というのを、今も研究したり、
やっている人というのは、非常に少ないようです。

彼らは、ひとつの時代の経験を、消化しつくしたら、
それを精神的な面でも捨て去る、というサイクルがきちんと
働いているようです。


●一方で、日本人の多くが、例えば、この時代錯誤とも言える時期に、
未だに、日本刀や、古い武器に、妙な憧憬を持っています。

悪く言えば、これらの現象というのは、
「その当の時代に、自分の感覚や願望の全てを発散しなかった、
その欲求不満」の一種であると私は考察しています。


●確かに、日本刀の製造技術には素晴らしいものがありますが、
しかしそれは工業用に違う形で転用されれば良いことであり、
何もそれが現代で、人殺しの武器の形をしている理由はありません。

残っていて良いとしたら、博物館とか研究家の調査対象としてや、
文化遺産として、残っていればいいだけの話です。

極端な喩えですが、
個人的な飾りやお守りとして、西洋剣を自宅に飾っている人は
たまにいますが、
日本人ほど、熱狂的に刀に異常な関心や憧憬など彼らは向けません。


●にもかかわらず、一般庶民の中には、
日本刀を手入れしたり、試斬したりと、
どうも、未だに、子供っぽい、チャンバラごっこへの憧れが
累積しているようである。

つまり、個人の中にある、こうした殺人武器への憧れ、

しかも、それが、石器時代や平安時代の武器に憧れるとかにならずに、
古い時代の「ある特定の、ごく狭い範囲の時代」に限られる、
ということには二つの理由が考えられます。


●ひとつは、その特定の伝説を題材にして、
江戸時代や明治に書かれた小説と、
それ以後に製作された、映画や時代劇、最近では漫画やアニメによる
影響です。
つまりは「フィクション」に憧れてやっているという人達です。

国民全体の、総人口から言えば、
たとえ江戸時代以後から剣術道場を始めた人達でさえも、

当時のその人の身分や立場にもよりますが、
そうした過去の遺物や逸話や、または創作話への「憧れ」から始めた
という人もいることでしょう。


●さて、ここで私が分析していることは、

どうやら、日本人というのは、いつの時代でも、
その時代の節目に起きる変化というものが「極端」である傾向がある
ということです。

その時代や社会があまりにも急激に変化すると、
人々は、新しい異国の文化に対して、消化不良となり、

同時にそれまで培ってきた古い文化や生活様式や精神状態の一部が、
「取り残されてしまい」、それがのちのちまで、
継続的に、「国民的な欲求不満」にまでなっているだろうということです。


●日本における「急激な社会の変化」は、近い時代では、2度起きています。

まず明治維新。それまでの生活洋式から、よくもまー、
あれだけ、手のひらを返したように、ヨーロッパの服装や建築を
真似・模倣することに走るもんだと、いささか、私はあきれ果てます。

どうみても、「お前ら、日本人としてのポリシーあるのか?」と
疑問に思うほど、その「手のひらを返すような軽い姿勢」というのも珍しいです。

この国民的な珍しさが、もっと凄かったのは、
アメリカに負けた敗戦時です。

いくら、原爆を落とされ、天皇が口を開いたとは言え、
あっと言う間にGHQの言いなりになるばかりか、
あっという間に、何の自主性もなく、一気に、アメリカの文化を
模倣し始めたわけです。

一部を拒絶したり、よく考えてから取り込んでも良かったのに、
その精神的な余裕すら、全くなかったわけです。
(こうなった最大の理由は、食料がなかったことと、欧米人に対する
幕末以後からずっと続いていた、日本人のコンプレックスかもしれません。)


文化交流というのは、良いことですが、
ただし、あまりにもそれは、急激過ぎます。


●もっとゆっくりとした時間をかけて、
日本のそれまでの文化と、欧米の文化を日本人の国民自身が、
ミックスをしてゆき、

日本人が、自主的に独自の日本文化や、
もっと言えば、「日本独自の法律や民主主義」を作れたかもしれないのに、
アメリカにそれを、まる投げしてしまった。

あるいはアメリカのそれに、いとも簡単に屈服したというのは
日本人の恐るべき「手の平の返し方」であり、
よく言えば、適応能力に優れているが、
悪く言えば、そこには「主体性が全くない。」

国民の主体性が作用していないような国家は、
民主主義ではなくて、単に規制が少なくなっただけの
「独裁国家」に過ぎません。すなわち、今の日本がそれです。



●東京裁判についても賛否あるが、
私は、それがアメリカによって裁かれたということにも反対であるが、
仮にアメリカが行った裁判だったとしても、

その後に、日本人が独自に自分たちの手で、自分たちの視点と考えで、
戦犯を裁いたり、あるいは裁かなかったりしても、全く良かったのである。


●つまり、
>自分たち国民の手と感覚で作ったものではない、
>異国の憲法とか、文化とか、そういったものが、
>常に、いきなりなだれ込んできてしまい、
しかも、国民はそれを消化できないうちに、

>中途半端に、過去に憧憬を残したままで、新しいものに適応してしまう
ものですから、

これは、「精神分析的」に言うと、
幼少期に、欲求不満を沢山ためた子供の、その後の人生
(つまり子供のまま精神年齢が停止している大人)と全く同じ状態に、
「日本の国民それ自体」がなってしまったわけです。


●例えば、あらゆる人の中にある「原風景」というものは、
それは、全て、本人に消化されていないものに過ぎません。
>それは全て「単なる病理的なストレス」に過ぎません。

そうなってしまう最大の理由は、
その当の時代、当の幼少期、あるいは当の時期に、
きちんと、経験をするべきことを経験しなかったり、
我慢をしたり、

いきなり、武器やオモチャを取上げられたり、
社会や生活が急激に変化したりと、
いろいろな理由によって、

消化不良になって、
>自分の過去をきちんと清算できていない人が多いということです。


人間というものは、何であれ、どういう感情や思考や行為であれ、
きちんと経験し尽くしたものに対しては、
過去を振り返ることをしません。

また厳密に言うと、憧憬とか原風景も、その人には全く存在しません。

そこにあるのは、感傷の一切ない「単なる記憶」のみです。


●そのような個人の中で起きる、精神の歪みを、
日本のここ数百年の日本人の精神の中で起きた現象と対応すると、

まさしく、日本人というのは、
>過去にしっかりとやり尽くさなかった多くのものを持っている、
といえます。


もしもしっかりと、暴力性、攻撃性、自主性、革命精神、
こうしたものを、時間をかけて経験しつくしていれば、

今頃になって、のこのこと、日本刀やら、古武術に興味を持つことも
なかった事でしょう。

正しく言うと、それは、昭和や平成の時代に始った事ではなくて、
既に明治時代あたりから、
病的なストレスを溜めた軍人や、武術家が蔓延したと言えるのですが。


■日本人は、自分たちでは全く自覚できていないことですが、
そもそも、過去の時代の刀を眺めて、「武士の魂だ」とか
言っているその姿が、
実は、相当に病的な姿であることに、全く内省が働かないのです。

皆さん、どこかで、そんな姿を「日本人として当たり前」だとか
思い込んでいませんか?

分からなければ、よーく自分の姿を鏡に映してみることです。
そんな事をしている自分には、何か、不満でもないだろうか?と。

明らかに、その姿は、現代で不要となった武器に、
妙な「自分の不満や願望の投影」をしていて、
その姿は、「どこか滑稽である」というもしも自覚がなければ、
既にあなたは、病気です。

日本人は、島国の中で、そうした行為を当たり前のように思っていても、
本当に客観的に見れば、
それは「一種の異常な精神状態」です。


むろん美術品として鑑賞するのは全く悪くありませんが、
「人斬り妄想」や、その威力に心をどこか奪われているとしたら、
それは立派な「心の病気」です。


●さて、
おそらくは、戦国時代までは精神衛生上という観点だけから見れば、
国民も、やりたい放題で、良かったのかもしれません。
むろん、それなりに、野蛮で低脳で、
どうしようもない人達も多かったとは思いますが。


しかし、もう少しだけ長い時間をかけて、
その後の、それぞれの時代を、抑圧なく思うままに経験してきたらば、
現在のこの、エセ平和主義も、
偽物ではなくて、本物の平和主義になっていたと思います。


●欧米や他の国を見ますと、
抑圧的でなく、時間をかけて国民が、その「悲劇と喜劇」を
充分に経験した国では、
国民の中の潜在的なストレスが少ないために、

そこで作られる行政や政治や、エコロジーも、
平和主義も、また都市の建築デザインも、
とってつけたようなものではなくて、全てが本物になると言えます。


●こうしたことを見てみると、
日本人には、あまりにも多くの、とりわけ大きな変化が、
徳川の時代、明治維新、敗戦、といった局部で起きていて、
そのプロセスで、何か、無理に捨て去られたり、
何か、無理に抑圧した、国民感情のようなものがあるように、
私には思えます。

それが、理由なのか、私は過去にきちんと「自分で清算し尽くさなかった」
暴力性や怒りや、攻撃性を無意識の中で消化できずに、
現代にまで持ち越しているしまっている「病理」を、
武術愛好者の中に見ることがよくあります。


■ただし、何度も言うように、
「対戦試合」などに出場した経験が多い武術愛好家には、
この歪みは、非常に少ないです。
つまり、きちんと、発散しているからです。

ただ、対戦試合といっても、たいした戦績を残せずに、
負けてばかりいたり、うだつが上がらずに、鳴かず飛ばすで、

「不満を残す、中途半端な結果や挫折に終わった者」というのは、
一生、その劣等感を引きずったまま、精神的に病気になりますので、

ですから、一概に、格闘技の試合に出ていたから良いだろう、
というものではないことに注意してください。



●こうした病理は、はたから見ると、「哀れな結末」であり、
彼らは、「1人の人間としてのその責任」はむろん彼らにあります。

ただし、彼らは、
「日本という国」の辿ってきた、その消化不良の歴史の
「被害者である」とも、言えなくはない側面があるのです。


・・・さて、こうしたことの総論について、
私の簡単な、日本観を、ひとつの作品にしてみました。





●ひどすぎるほどの英文の大きな間違いは、多分ないと思いますので、
原文を載せておきます。


Once upon a time,
we Japanese firstly learned a certain Einglish sentence.

"Give me Chocolate!"


However some japanese teacher was fool,
and taught "nice English".


Then children say
"Give in chocolate!"


The GHQ asked "What are you want to say?"

Children say
"Please give in chocolate"
"Please give in chocolate"


Douglas MacArthur said,
"I see. Oh you kid give in to chocolate"


( Of course this is a joke that I made.)



We SAMURAI country threw away Emperor easily
and give in to chocolate easily.

　　　　That is our country.

Therefor if you want to win a war,
cut off the supply of hostile's provisions.

Now our Japanese rate of self-sufficiency is very low senselessly.

Any country can conquer Japan any time, because we continue to
surrender without bloodshed after World War-�U.

*********

Moreover we made another "big mistake".

At that time we did not judge our ruling classes "by ourselves".

In other words Japanese people did not make a democracy with wisdom of oneself.

We say this personality"lack of independence".
In Japanese we say「Wa」=和.

In other words, it is "Foolish harmony".


The past Japanese people called the person who died
for one's employer a Samurai, like a suicide unit(=Banzai unit).


However,
I recognize the true Samurai is the all individuals in
every world who are fighting against abuse of power.

But Japan is not a democracy commonwealth yet because Japan is inferior in auditability for administration.


There is not the true samurai whom I define in Japan.
Also, a true samurai whom I define is not in the past.


____That is now and you could be Samurai.____


__________________________________________________________


●そして、これとは別に、


「私は日本が嫌いではない。
しかし私は日本の良い部分と悪い部分の両方を観察してきた。
だから日本の悪い部分も感じる。

日本人は「奇妙な民族」だと私は思う。

アメリカに敗戦したあとの変化はあまりにも大きすぎた。
そのように急に変化する必要はなかった。

それまで、天皇崇拝をしていた人達が、
「おい、いきなりか? クリスマス祭りをやるのかい?」
といった、あまりにも奇妙すぎる変化をする民族なのである。


しかし日本人はこれと同じことを、
1868年の"Meiji Revolution"でも行っていた。
その時期にヨーロッパの文化を多くの人達が急に模倣し始めた。


良く言えば適応能力が優れているといえる。
しかし悪く言うと、変化するのが早すぎる。


さて、多くの欧米の人達が好んだ日本は「1868」年に消えた。
それは日本の時代劇に出てくる風景である。
武士がいて、芸者がいて、人々はエキゾチックな姿をしていた。
生活用品のリサイクルは完璧だった。
戦後も、むろん文化遺産は残ったが、当時の生活様式は失われた。

すなわち、早すぎる変化は国民に害があると私は思う。

人々は異国の思想や文化に対して消化不良になるのである。

そればかりか、自国の文化に対してさえも、消化不良になるのである。


しかし、過去の戦争だけについて言えば、結局は、
小さな国土に過ぎない日本が、
過去に中国やロシアやアメリカと戦争をしたのは
「大きな間違いであった」と私は認識している。


しかし、それにも増して、理想的な国家法として試作され、
その後、多くの国の規範となった、
「Weimarer憲法」を使った政治を行ったドイツと日本が、
結果として軍国主義になってしまった、というその結末は、
ひとつの「皮肉」だとすら言える。


●外国から見ると、今の日本は平和に見えるかもしれない。
しかし現実では深刻な状態にある。

社会的な部分よりも「人々の心理状態」が混乱しているのである。

人間はあまりにも急な社会の変化を経験をした場合に、
人間の精神は消化不良になるのである。

つまり個人でも国家でも、過去の経験の「心理的な清算」が
追いつかなくなるのである。

私の分析によれば、日本においては、
これは200年以上も前から起きており、それは今もまだ続いている。


■倒幕の時、それは旧体制に反発した人達によって行われたのは
いいとしても、
どうも、単に西洋かぶれした人達も多くいたように見受けられる。

むろん全員ではないし、
文豪のようにその後も下駄に着物を着続けた男性も多い。


●しかし、多くの部分では、それまでの幕府の支配から、
単に欧米型の文化に「寝返っただけ」という側面が多すぎて、
これでは「自主的国家」とは、とても言えないのである。

これをうちの相棒は、
「忍法・手のひら返しだな」と冗談を飛ばしていた。


●ところで、皆さんは、そんな時代にも、
欧米の文化を取り入れながらも、
本当に「日本独自」のものを作った人がいたのをご存知だろうか?


それは、現在に至るまでの「セーラー服」を仕立てた人だった。

この物語はドキュメントでテレビでも放映されたことがあるが、
「とにかく、女子生徒が動きやすいこと」それだけを追及した結果が、
水兵の服からヒントを得た、日本の女子のセーラー服であり、
あのようなものは、海外のどこにも存在しない。

まさに、あれこそが、
主体的な目的と、異文化が協力して出来た作品だと言える。


今では、学生の服に留まらず、
コスプレのアイテムにまでなっているが・・・。


あれぞ、まさに、「オリジナル　オブ　ジャパン」なのであった。


　　　　　　　　　　　　　　　■




____________________________________________________________

★ . 　　

【最速の上達が目的です】

■無冥流の目的のひとつは、考えられるかぎり最速の上達法を作り出す
ということと、練習時間を最小限に抑えるということです。


■通常の努力を要求するスポーツの世界では否定されるような、
こうした練習法を採用する最大の理由は、
サラリーマンの人たちや、練習時間の非常にない人達が、

多本打ちや、異物投擲など、いろいろな楽しみがその先に待っている、
手裏剣術やナイフ投げに、
初期のころに早々に、挫折してしまわないためです。


■また、世の中には剣術や居合いまたはその他の武術に
時間を使う必要のある人たちが多くいますので、
「何も手裏剣術にばかり時間をかけていること」などは出来ません。


そうした人達にも、
>「手裏剣って、そんなに努力をしなくても、こんなに簡単なんだ!」
と感じて戴き、実際にそれを実現していただくのが私の目的の一つです。


■そして5間からの刺中などの、ある程度のことが出来るようになれば、
あとはもう、どんな投げ方をしようが、
どう自分なりに応用しようが、どんな物体の剣を投げようが、
「全くの自由」です。


■とにかく、まず「最初に面白みを感じるられるような刺さり方」を
するまでに、「週に一度の1時間の練習」でも、

練習をする人に、つらい思いなど一切させてはならず、
やればやるほど面白くなるものでなくてはならず、

しかも、たとえ「週に一時間以下」の練習でも、
ある程度のめどが立つまでに、
半年以上の歳月がかかってはならないと思っています。


■私は、参考になるものを見ながらも、
手がかりのほとんどない中で、時間を多く必要としましたが、
それらは、「研究した内容」を検証したり、まとめるには、
必要不可欠な歳月でした。

しかし皆さんの目的は、私のような「研究」ではありません。

研究には、どうしても、膨大な試行錯誤という遠回りが必要ですが、
既に敷かれた、こうしたレールの上で練習するのであれば、
時間など、かけなければ、かけないほど良いのです。

皆さんの「大切な人生の時間」ですから、
手裏剣だけに、そんな多くの時間は使って欲しくはありません。


■他流など、それこそ
「そんなの関係ない」の世界が、無冥流の独特のカラーです。

そして、それを私自身が実際に行うことで、皆さんにも

「大丈夫です。練習時間や稽古の本数は、そんなに必要ありません。」

と言うためには、
私自身が決してやってはならないことがあります。

それは「特訓」です。
それを、もしもやってしまえば、私は皆さんに、「簡単です」と
言う資格はありませんから。


■つまり、「あれは、膨大に練習しているから出来るんだ」
「そんなの、私には無理だ」
「そんな練習時間は私にはありません」
「そんな基礎体力は私にはありません」

といった、こうした言葉が、
皆さんから、決して出てこない方法を私は行っています。

それは、皆さんよりも、さらに「少ない時間」しか私が練習をしない
ということによってです。


■仕事をしながら、
平均的に、「週に一度、一回2時間」の手裏剣の稽古をしている人
というのを私は、練習量の最大上限として想定して、
それより決して多い練習量に自分自身がならないということを、
心がけています。

つまり、普通とは逆に、私は「絶対に陰で練習をしない」のです。
もしもそれをやったら、
「たっぷり練習しているから、崩残さんにはあれが出来るんだ」
と言われてしまうからです。

「そんなことはないです」「誰でも、できます」
ということを明確に立証するために、
私は、決して投剣の稽古に、時間を多くは使いません。

私がこの5年間に費やした時間のほとんどは、
決められたことをする稽古時間ではなくて、
膨大な種類の「剣の設計の改良」や「新しい打法の開発」でしたから。


■以前にも、明記しましたが、
実際、私は「全くといっていいほど、練習をしない」のが
ひとつの自慢でさえあります。

といっても、私に、特別な「飲み込みの良さ」や、
何かの生まれつきの「才能」があるわけでは決してありません。

ボール投げの能力などは、
高校生のときに、ごく普通の子供の遊びで三角ベースをやっていた
というその程度のものです。


********* *********


■たとえば、今回紹介する「利き手でない手の練習」でも、
同様に、私の練習量は、非常に微小です。

それが、どれぐらい微小であるかを、簡単に説明しておきます。


私が利き手でない左手を練習したのは、2006年でしたが、
それは週に一度で、左手に関しては一回に平均して約150本しか
打ち込んでいません。

そして、延べにして、3ヶ月になったあたりで、
私は、打剣中でないときに、左手にケガをしまして、
以来、昨年2007年中まで、稽古は、休止していました。


■今年に入ってから、ほんの最近になって再開しました。

さて、私は自分がいかに練習をしていないかを記録しておくために、
その時に何本練習したかを記録しています。

特に、自分でも、どうなるのか非常に好奇心がある左手に関しては、
すべて記録をとってあります。

その結果、私の左手の延べ練習本数というものは、
全く初めて行ったときから最初の三ヶ月と、
今年になって再開してから今日までを合計すると、
「2072本」となりました。
数え間違いの誤差は、仮にあっても、全体で10本もないと思います。


■さて、私は利き手でない左手を全くの初心者から初めて、
現在までに、延べにして、約2100本練習したことになります。

そしてこれがもしも一日に、500本を投げる稽古法をしている人に
単純に換算した場合に、その練習日数は、「約4日と少し」になります。


■さて、利き手でない手の練習を始めて、
たったの4日で、今回の動画のような私の手の状態に、
果たして、なるでしょうか?

見てお分かりのように、
左手の3間などは、まだ、右手に比べたら、全くのひょろひょろですし、
そのスローイングは、初心者同然の投げ方になっています。

しかし、利き手でない手を、一日に500本投げて、
果たして、4日と少しで、私のような手になるでしょうか?


■つまり、私が言わんとしていることは、
上達、あるいは初歩の「慣れ」までに必要なのは、
>稽古の打剣本数では決してないということです。


私は左手に関しては、データをきちんと取りたかったので、
その稽古時間を厳密に制限して、
週に一度として、一回に10分程度の練習しかしていません。


■その結果が、このなんとか曲がりなりにも、コントロールは悪いですが
2間という至近距離ですが、5本とも刺さることもあるのですから、
かなりの速度で、手の神経が学習をしたことになります。

もしも単純に、稽古本数だけに換算したら、
まさに「4日と少しで、こうなった」という事になってしまうわけです。

むろん、実際には、4日でこうなることは現実には、ほとんど不可能です。


■つまり、週に一度だけの稽古で、一回に「10分から15分」、
たったそれだけの稽古量によって、「利き手でない手」は、
約4ヶ月あれば、この動画程度には、なんとかなるということです。

■一回の練習量を特訓のように増やすのではなくて、
>むしろ、少しずつ時間をかけて「神経が通ってゆく感じ」を
掴んでゆけばいいのです。

>これならば、利き手の打剣練習や、
>他の剣術の練習にも、
>利き手でない手が、稽古時間を奪いすぎるといった支障は出ません。


ただし、利き手での打剣が、1年ぐらい経過している人の方が、
当然、利き手でない手も上達は早いです。

むろん、これは無冥流独自のやり方です。
無冥流では絶対に、多くの本数を投げることを義務化したり、
または、特訓をすることを推奨しません。


■労働時間に追われて、どんなに時間のない人でも、
挫折せずに、なんとか速く、その人にとって一定の満足と
楽しみを感じられるようにと、全てのプログラムを考えました。


■重心理論を重視するのもそのためですし、
また、(投げやすい、投げにくいの差はありますが、)
投げる対象となる剣を選ばずに、

ナイフでも手裏剣でも、槍でも、ハサミでも、
なんでも投げられるように、無滑走、または極少滑走による
打法を推奨しています。

■一般にどの既存流派でも、
「うちの流派では、この剣を使いなさい」というものがありますが、

無冥流では、唯一、
>「重心位置と手の内での収まり(剣底の位置)」の、
>この条件さえ満たしていれば、
>皆さんが使われる手裏剣やナイフの形状は、全く各自の自由です。

また仮に、たとえその条件から、はみ出るような条件の剣でも、
対応できる打法はいくつもあります。

____________________________________________________________


■さて、そういうことを踏まえて、今回の動画をご覧ください。

いかにも、利き手は初心者状態といった様子を、
まだ弱い「飛剣」をありのままに記録しましたが、

>この動画は、私のやり方で私の利き手でない手に行った
>総練習時間が「約2100本」の状態であることに留意ください。

いかに少ない練習だったかがわかると思います。
もしも皆さんが、利き手でない手の特訓をしたら、
たぶん、一日に、300本は投げるでしょうから、
そうなると、単純に考えると7日で、この状態になったことになります。

むろん、実際にはいくら毎日の稽古本数を300本にしても、
実際の現実問題となると、一週間では、こうはなりません。

ですから、利き手でない手の練習は、
>少しずつでいいので、やるときに、効率の良い練習をすることです。


■さて、今回の動画で説明するべき点は、一点のみです。

前回は、両手での同時打ちから始めましたが、
今回の重要な上達法は、【準備動作】となる【反復動作】を
2回ぐらいやってから、投げるという方法です。

この「準備動作」なしに、利き手のように、いきなり構えから投げると
沢山の本数を稽古する必要が出てきます。

一方で、この【準備動作】をして、モーションの反復をしてから
実際に投げることをすると、
それをしないときよりも、感覚を掴めて、よく刺さるようになります。

その違いを、今回動画でお見せしています。
私の左手というのは、まだほとんどビギナー同然ですから、
それが、【　予備動作の反復　】の「後に」投げると、
どう変化するかが分かると思います。

むろん、これはわざと下手にやっているのではなくて、
現在の私の左手に出来るだけのことをやっている、
ありのままの状態です。

今後も、この稽古本数を記録してゆきながら、
自分の左手が、どうなってゆくかを、
興味深く観察してゆきたいと思います。

■ビデオでは「予備動作」と言っていますが、
正しくは「準備動作」と言うべきでした。
　　　　　　　↓　
利き手でない手を早く教育するには
「準備動作」の反復の後に投げると良い


>When we practice an arm which is not handedness,
>progress is early by doing an action of preparation.







* * * * * * * * *


■さて、今回のオマケは、わたし流の「綿色のかけかた」です。
今回は、「絹」を使わずに、
使い物にならないほど、充分に古くなった「綿(わた)」に
油を染み込ませたものを使います。

この動画で私が使っている綿は、
私の母のが何度も打ち直して、その後も私が布団屋さんに頼んで打ちなおし、
少なくとも40年以上使った、敷布団のものです。


こうした本当に充分に使い古した座蒲団などの「綿」と、
「空き缶」と、植物性の油の3つがあれば良いだけです。





■綿や絹でなくて、「ウール」を使ってもいいですが、
言うまでもなく、換気をしないと、お部屋が「臭く」なりますよ(笑)

■もうひとつの注意点は、
綿というのは、目立たない状態で「火がくすぶる」ので、
>使用後は、きちんと火種を消して、
>火が消えたことを必ず確認してください。


*********************************************************


【お勧めの時代劇】


毎度の雑談ですが、
昨日、始ったばかりですが、この時代劇、
けっこう、キャスティングも豪華です。

最初は「また新しい時代劇か」ぐらいに横目で見ていたのですが、
気がついたら、その魅力に、すっかり引き込まれました。

最近の新作の時代劇の中では、お気に入りです。
　　　　　　　↓
http://www.tv-tokyo.co.jp/genjyuro/


■時代劇だと、いわゆる、
ただ君主に飼いならされていただけの「雇われ武士」ではなくて、

「権力の横暴」「藩主の陰謀」などに対して、
本当の意味での反逆精神を持った主人公、
つまり、私に言わせれば、それこそ「かっこいい」と言える「侍」を
描いたものとしては、

「子連れ狼」と「眠狂四郎」あたりが定番ですが、

今回のこの「幻十郎必殺剣」も、そのようなシチューションで作られた
「かっこいい主人公を描いた作品」としては、
大変に、よく出来ているドラマだと思いました。


■別の余談ですが、
そういえば、以前に竹の間に、私は、

>なんで世界史や日本史の歴史の勉強が
>「始祖鳥」とか「縄文時代」からはじめやがるんだよ?、
>昭和の時代から、逆行するように授業をやってくれ。
>そうしないと、いきなり「縄文時代」じゃ、関心なんか持てない。

と文部科学省に提案じみたことを書いたことがあります。

現実感のある近代から逆行して、教えるという、
この斬新なやり方でないと、普通の子供たちは、
歴史とか興味持てないんですよね。

現代に至った理由、「原因を遡ってゆく」という形での
歴史の授業の教え方です。


■そして、先日も明治維新のことを少し調べていましたが、
その時代の変化の中では、日本人の文化や精神と、
西洋文明は、よく検討されて取り入れられたというような、
とおり一辺のことが、歴史のあらましには書かれていますが、

それらは、あくまでも、政治の上層部の人間や文化人と称する者たちが
かなり勝手に、推し進めた異文化消化だったという部分が多いのです。


■一方の庶民は、決してその激動の数十年という速度には
感覚的にも生活習慣も、価値観も、
何もかもが、ついてゆけなかったと思います。

もともと、欧米とのミックスなどは、3世代ぐらいかけてもいいものであり、
200年ぐらいかけて、ゆっくりやっても、良かったのですから。

それが、時間にしたら、
「たったの約一世代」で、経験してしまった、
あの明治維新の内戦や文化の変化とその結果は、
「一般庶民の心理状態」にとっては、あまりにも急激すぎたと思います。


そして、長年、幕藩体制の中に住んでいた、
いわゆる「武士」にとっても、

「お侍どもが、えばり散らしていた時代は、もう終わったんだ!」と
いう変化を突きつけられて、
その時の集団的なトラウマのようなものも、
日本の中に、その後、蓄積したのかもしれませんね。


未だに、この時代になっても、
「侍の魂の日本刀だ」のという、妙な憧れが焼け残っているということは、

幕藩体制に対する未練や、遣り残しがあった者も、
相当に多かったのだろうと思います。

しかし、話は前の投稿の話題に、戻りますが、
そもそも、徳川の泰平の世になって、
日本刀が、「斬首刑とか、仇討ち」とか「お裁き」にしか、
頻繁には使われなくなって、
「腰の飾り物」みたいになった時点で、

その時点で、もう「武士の魂」なんか、
とっくに、死んでいるも同然なんですがね。

その時点で、やはり、既に「使われなくなった日本刀」
に対するストレスが、国民の無意識に溜まったのかもしれません。

使うことがほとんどない無用の長物をぶら下げているのですから。
どこかで、その人の心が、歪んでも仕方ないかもしれません。

つまり「本心では、使いたいのに、使えない」という心の屈折です。

まー、それを言ったら、今の警官の銃もそうなんですがね。

さすがに、銃に対しては、
「銃は警官の魂だ」という人は、ひとりもいないのですから、
日本刀ほどには、思い入れは出来ないようですね(笑)。


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