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「素人による個人測定・奮闘記」第６９回

自分の測定練習用試料の一覧表



●コツコツと集めたり、自分で作り続け、
そして測定依頼を積み重ねてきた試料検体が、沢山そろいました。

測定予定検体も入れますと、自分専用のものは２０種類以上になりました。
私にとっては「宝物」です。



●アルマジロが戻ってきたら、これらの試料を使い、
自分で何度も測定の練習をします。

またＣｓ純度が良く、濃度が自分の関心のある測定範囲に適合するものは、
定量基準にする試料として使います。



●また、これだけ測定所で定量された試料があると、

自分で定量を試みるとき、特に「ベースラインの取り方」と、

コンプトン散乱分の差し引きの計数を割り出すのにも役立ちますし、

また、特定されている天然核種が多い試料もあり、大変に勉強になります。



■これゆえに、私が、最初から明確に目的として設定した、
１０Ｂｑ／ｋｇ以下の濃度の食品測定のためには、

点線源や面線源や鉱石なども、全く不必要であり、
多様な現場の試料、しかも自分の容器の体積分あるものこそが役立つわけです。


また、定量には、ＧＥでクロスチェックされたものを定量の標準として使いますし、
その他の測定結果も、かなり良い確率的な定量結果であると理解していますので、
自分流の定量結果（測定法それ自体）も、それに近づくようにしてみます。





（6/21発送　測定依頼する検体）
　↓





■なお、下記の一覧では、Cs-134については、数値を記載していません。
　「測定実施日」に下記の現在比率を参照します。


【現在日のＣｓ比率】

http://www.kani.com/ycrms/CalcCsWeb/calc_all.shtml



>>以下　↓で、オレンジ色文字部分の検体は測定予定のものです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




●液体



>★１●「テスト−１液体試料（薄茶色）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
　　　測定時よりも濃縮したもの(１リットルを→６００ｍｌへ)」
　　　濃縮率を体積比でなく、重量で計算すると、

セシウム137：　４．４６Bq/kg

カリウム40：　＜３．０Bq/kg
　　　　　　　　　　　　　「タリウム208」（583keV）

測定時には、１００１ｇで、
濃縮後は、６６８ｇなので濃縮率は、×１．４９８≒１．５となる。

測定時は、
１３７は＝２．７１なので×１．５＝４．０６Ｂｑ／ｋｇ
１３４は＝０．８７なので×１．５＝１．３０Ｂｑ／ｋｇ




>★２●「テスト２」−熔融塩による抽出液（濃茶色）」〜〜〜〜〜〜〜〜〜

前述の「テスト−１」のものは、
抽出元の土壌がCs-137が１６３Bq／kgのものを使用しましたが、
今回は、Cs-137が約５０Bq/kgで前回よりも濃度が薄いものを使いました。
そのせいで、この濃度での溶出では自分的には「失敗」です。

失敗したもうひとつの原因は、過熱温度が高すぎた事です。
バーナーでやるよりも鍋でトロトロと８００度で時間をかけてやる方が
ベターなようです。

ただし今回の検体は「濃縮不可能」でした。
濃縮すると、塩が飽和して、容器の底に結晶が出来てしまうからです。
破棄せずに、いちおう大切に保存しておきます。　
　　　　　　　　

セシウム137　：　0.621　　±0.340Bq/kg　　　　
セシウム134　：　0.378　　±0.292Bq/kg　　　　

カリウム40　：　10.7　　±4.83Bq/kg　　　　　

その他の核種
　　　　　　　「ビスマス214」（ウラン系）(609keV)
　　　　　　　「タリウム208」（トリウム系）(583keV) (微量861keV)




>★３【溶融塩水−テスト：Ｎｏ．３】

セシウム137：0.655±0.341Bq/kg
セシウム134：＜0.2Bq/kg

カリウム40：7.90±4.22Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」（ウラン系（微量）

人工核種
「セシウム137」

の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにわずかながらピークが確認できます。

セシウム134については、605keV付近にはピークが確認できますが、796keVにはピークがはっきりとは確認できません。
したがってセシウム137のみ検出と判断しております。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークが確認できません

ビスマス214：ウラン系→検出
609keVにピークが確認できます。
1120keVはあるのかどうかは怪しい感じではあります。総合的に検出と判断いたしました

鉛212：トリウム系→不検出
239keVにピークが確認できません

アクチニウム228：トリウム系→不検出
338keV、911keV、965keVにピークが確認できません

タリウム208：トリウム系→不検出
583keV、861keVにピークが確認できません





>★・●前述の「テスト２」の処理後の「残渣」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137　：　22.2　　±7.10Bq/kg
セシウム134　：　10.8　　±4.89Bq/kg
カリウム40　：　164　　±63.6Bq/kg

その他の核種
　　　　　　　鉛214：ウラン系→検出 242keV、295keV　「352keV」
　　　　　　　ビスマス214：ウラン系→検出　「609keV」
　　　　　　　鉛212：トリウム系→検出　「239keV」
　　　　　　　アクチニウム228：トリウム系→検出　338keV? 「911keV、965keV」
　　　　　　　タリウム208：トリウム系→検出 583keV、861keV？



＊■参考までに、「処理前」の「土壌ＳＴ」
セシウム137：49.7±10.6Bq/kg
セシウム134：24.6±5.37Bq/kg

カリウム40：285±62.6Bq/kg


>>つまり、セシウムは、水にはほとんど溶出しなかったのに、
>>処理後の残渣からも、セシウムとカリウムが半分ぐらいに減っていました。

>>残渣は、容器が小さかったため、８０％の検出率と仮定してみて、
>>×1.25して元に戻しますと、カリウムは２０５Ｂｑ／ｋｇとしました。
>>水溶液中と残渣中の分を足すと元の含有量からは少し足りないとしても誤差の範囲内とします。


>>しかし、そうすると、約５０％ものセシウム（約２５Ｂｑ／ｋｇ）は、
>>どこへ消えたのか？となります。

>>おそらく気化したのでしょう。
>>（容器を密閉したり、フィルターをつけなかったためです）

>>この結果から推測できることを、この投稿の文末に少し追記しました。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




>>★４●はちみつ(東北産)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
　　１リットルの蜂蜜水の形にして測定しました。





●とうとう、「天然核種なしでセシウムのみあり」という検体を見つけました！



結果としては、

セシウム137：3.96±1.07Bq/kg
セシウム134：1.39±0.533Bq/kg

カリウム40：＜2.9Bq/kg

との結果となりました。
また、スペクトルからみますと、

天然核種
なし

人工核種
「セシウム134」
「セシウム137」

の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにしっかりとピークが確認できます。

セシウム134についても、605keVと796keVにしっかりとピークが確認できます。
したがってセシウム134及びセシウム137共に検出と判断しております。

なお、今回はカリウム40も不検出でした。

カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークが確認できません

ビスマス214：ウラン系→不検出
609keV、1120keV全てにおいてピークが確認できません

鉛212：トリウム系→不検出
239keVにおいてピークが確認できません

アクチニウム228：トリウム系→検出
338keV、911keV、965keV全てにおいてピークが確認できません

タリウム208：トリウム系→不検出
583keV、861keV全てにおいてピークが確認できません



■なお、元の蜂蜜水の濃度を推測してみます。

今回の検体は

蜂蜜432g＋水694g　とのことでした。

蜂蜜：水＝432：694＝1:1.60648...

総重量は432+694＝1126gです

よって蜂蜜は、1126g中に432g存在しているのですから、
蜂蜜の濃度は432/1126＝0.383658...倍に希釈されております。

ですので実際の濃度は
1126/432＝2.60648...倍にしてあげる必要があります。

セシウム137＝3.96×1126/432＝10.32Bq/kg
セシウム134＝1.39×1126/432＝3.62Bq/kg

であると推測されます。

なおセシウム137とセシウム134の存在比ですが
平成26年7月現在では1：0.355の割合で存在していると考えられます。

今回の結果からは
セシウム137:セシウム134＝3.96：1.39＝1：0.351...となり、ほぼ存在比になります。
実際の濃度に戻した場合で計算してみましても、
セシウム137:セシウム134＝10.32：3.62＝1：0.351＝0.350...、となります。



●このハチミツは、測定後に自宅で、次のように濃縮して６００ｍｌにしました。


測定時（１１２６ｇ）÷６００ｍｌに濃縮時（７２５ｇ）＝１．５５３

セシウム137：「3.96」±1.07Bq/kg　　×１．５５３＝６．１４Ｂｑ／ｋｇ

セシウム134：「1.39」±0.53Bq/kg　　×１．５５３＝２．１５Ｂｑ／ｋｇ

【ただし、2014年7月の時点のＣｓ比】




>★●５「液体試料Ｃ（灰汁）後述する「木灰」から作ったもの」〜〜〜〜

測定所で１リットルで測定の結果は、

セシウム137　：　３．１３　　±0.931Bq/kg
セシウム134　：　＜０．３Bq/kg
カリウム40　：　１３２　　±30.8Bq/kg


☆これは測定時の１リットルの灰汁ではなくて、
総量で、１５８０ｍｌの灰汁を、６００ｍｌに濃縮しましたので、
結果、計算上は、×２．６３３３となり、次のようになりました。
↓
セシウム137　：　８．２３　　
カリウム40　：　３４７　　


>>この結果についてはこの投稿の「文末」に記載しました。




>★６●醤油（パルシステム）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　０．５１１　　±0.362Bq/kg
カリウム40：　１５１　　±34.4Bq/kg




>★７●やさしお水〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カリウム４０　：800　±169Bq/k




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



その２■植物



>■＊●茶　葉　】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


セシウム137：3.53±1.55Bq/kg
セシウム134：1.62±1.22Bq/kg

カリウム40：401±93.2Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」（ウラン系）
「タリウム208」（トリウム系）

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」（疑い）

の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにしっかりとピークが確認できます。
セシウム134については、605keVにはあるように見えるのですが796keVがぼんやりとしか確認できません。

したがってセシウム137は検出と判断し、セシウム134については検出ですが疑いと判断しております。


なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークがほとんど確認できません

ビスマス214：ウラン系→検出
609keVにピークがあるように見えます。
また、1120keVがわずかながらもピークが見えますので、総合的に検出と判断いたしました

鉛212：トリウム系→不検出
アクチニウム228のエネルギーである、911keVと965keVに
ピークがあるのかどうか確認ができるとまでは言えません。
また、239keVにピークがあると判断ができません。

アクチニウム228：トリウム系→不検出
338keV、911keV、965keVにピークが確認できるとは言えません。

タリウム208：トリウム系→検出
583keVのピークは判断が難しいですが、あるようにも見えます。
861keVのピークも有るようにも見えますが確認できるとは言えません。
総合的に検出と判断しても差し支えないと考え、検出としました


今回の測定結果から、測定した茶葉は2014年（平成26年）産であろうかと思われます。

お茶が2011年の時に非常に高い値が検出された理由としては、
新芽の時に空気中からセシウムを取り込んだためと言われております。

ただ、未だに検出されてしまうのは土壌からというものになるのですが、
茶葉を同じ園内で循環させているという話もありますので、
場所によっては基準値越えはないにしろ、まだまだ検出されてしまうと考えられます。





>★８■松葉（荒く粉砕）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　１．８５　　±1.24Bq/kg
カリウム40：　１２０　　±35.6Bq/kg
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「Ｂｅ−７」




>★９■松葉（細く粉砕）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
セシウム137：　１．３９　　±1.24Bq/kg
カリウム40：　１３３　　±35.6Bq/kg
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「Ｂｅ−７」




>★１０■木灰（非・福島由来と推測）（天然核種多し）〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　６４．１　　±13.73Bq/kg
カリウム40：　１６６０　±345Bq/kg

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「鉛214」（ウラン系）（微量）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ビスマス214」（ウラン系）（微量）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「鉛212」（トリウム系）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「アクチニウム228」（トリウム系）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「タリウム208」（トリウム系）




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



▲米＆米ぬか




>★１１▲炒りぬかＫＨＯ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　２．０５
カリウム40：　４９９




>★１２▲炒りぬかＭＢＯ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　７．７４
カリウム40: 　４３７




★１３●玄米（千葉産）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


結果としては、3σでは

セシウム137：1.37±0.639Bq/kg
セシウム134：0.670±0.517Bq/kg

カリウム40：67.3±18.4Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」

の検出と判断いたします。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークは確認できない。

ビスマス214：ウラン系→不検出
609keVに少しだけあるようにも見えましたが、セシウム134の605keVとかぶってしまっています。

また、セシウム134の796keVと同じぐらいのピークが605keVに来ると考えたとき、
ビスマス214が存在するような感じは受けません。

また、もし存在したら1120keVあたりにも何かしら確認できますが、何もピークらしきものが確認できません。

鉛212：トリウム系→不検出
239keVにピーク確認できず

アクチニウム228：トリウム系→不検出
338keV、911keV、965keVにピーク確認できず

タリウム208：トリウム系→不検出
583keV、861keVにピーク確認できず




>★１４●前述の農家の米ぬか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：6.50±2.17Bq/kg
セシウム134：2.97±1.49Bq/kg
カリウム40：584±131Bq/kg







＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




▼合成試料



>★１５▼炒りぬか＋粉末ゼオライト焼土（天然核種多し「オレンジ」）〜〜〜

セシウム137：　９．０１　　±2.46Bq/kg
カリウム40：　４８６　　±107Bq/kg
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ウラン系」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「トリウム系」




>★１６▼合成試料グリーン（天然核種多し）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　１０．１　　±2.68Bq/kg
カリウム40：　４９６　　±109Bq/kg
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ウラン系」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「トリウム系」




>★１７▼合成試料イエロー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　２９．８　　±6.75Bq/kg
カリウム40：　５０７　　±111Bq/kg




>★１８▼合成試料ライトブルー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


セシウム137：23.4±5.28Bq/kg
セシウム134：8.99±2.30Bq/kg

カリウム40：254±57.7Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」

人工核種
「セシウム134」
「セシウム137」

の検出と判断いたします。

セシウム137については、662keVにピークが確認できます。
セシウム134については、605keV、796keV共に確認できます。
したがってセシウム134及び137共に検出と判断しました。


なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下
になります。


鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークが確認できません


ビスマス214：ウラン系→不検出
609keVにピークがある可能性がありますが、1120keVにおいてピークが確認できません。

ピークのように見えるのは、カリウム40によるコンプトン散乱の影響が強そうです。


鉛212：トリウム系→不検出
アクチニウム228のエネルギーである、911keVと965keVにピークが確認できませんので、
トリウム系全般で検出は無いと言えると判断します
また、239keVにピークが確認できません


アクチニウム228：トリウム系→不検出
338keV、911keV、965keVにピークが確認できません


タリウム208：トリウム系→不検出
583keVにピークがある可能性がありますが、861keVにおいてピークが確認できません


（※セシウム134、セシウム137、カリウム40の影響が強いようで、天然核種のピークがほとんど確認できません）





>★１８▼合成試料ライトブルーの１／２濃度〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：１１．７Bq/kg
セシウム134：４．５Bq/kg

カリウム40：　＞１２７Bq/kg




>★１９▼ゼオライト＋焼土（天然核種多し）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　３４．８　　±7.64Bq/kg
カリウム40：　３６１　　±79.2Bq/kg
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ウラン系」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「トリウム系」




>★２０●クレンザー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

結果としては、

セシウム137：7.49±1.98Bq/kg（過大検出）
セシウム134：9.73±2.42Bq/kg（誤検出）

カリウム40：554±118Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「鉛214」（ウラン系）（微量）
「ビスマス214」（ウラン系（微量）
「鉛212」（トリウム系）
「アクチニウム228」（トリウム系）
「タリウム208」（トリウム系）

人工核種
「セシウム137」（微量）（疑い）

の検出と判断いたします。





セシウム137については、662keVにわずかながらピークが確認できます。
セシウム134については、605keV付近にはピークが確認できますが、796keVにはピークが確認できません。
したがってセシウム137のみ微量ですが疑いとして検出と判断しております。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークは確認できる。

ビスマス214：ウラン系→検出
609keVにタリウム208の583keVと重なるように少しだけあるように見えます。
また、1120keVあたりにもピークが確認できますので検出と判断いたしました。

鉛212：トリウム系→検出
239keVにしっかりとしたピークが確認できる

アクチニウム228：トリウム系→検出
338keV、911keV、965keVにピークが確認できる

タリウム208：トリウム系→不検出
583keVにしっかりとしたピークが確認できる
861keVにもピークが若干確認できる





＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■土壌



>★２１■土壌ＣＢ（自然乾燥）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　９８．２
カリウム40：　２０６
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「トリウム系」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ウラン系（微量）」




>★２２■土壌（加熱処理・腐葉土）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137：　１６３
カリウム40：　２０５




>★２３■土壌／土壌より砂の成分が多い（加熱処理）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


セシウム137：32.8±7.11Bq/kg
セシウム134：13.9±3.19Bq/kg

カリウム40：189±43.0Bq/kg





スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「鉛214」（ウラン系）
「ビスマス214」（ウラン系）

「鉛212」（トリウム系）（微量）
「アクチニウム228」（トリウム系）（微量）
「タリウム208」（トリウム系）（微量）

人工核種
「セシウム134」
「セシウム137」

の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにしっかりとピークが確認できます。
セシウム134についても、605keVと796keVにしっかりとピークが確認できます。
したがってセシウム134及びセシウム137共に検出と判断しております。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→検出
242keV、295keV、352keV　全てにおいてピークが確認できます。

ビスマス214：ウラン系→検出
609keVにピークがあるかどうかは確認できませんが、
1120keVがわずかながらもピークが見えますので、総合的に検出と判断いたしました。

鉛212：トリウム系→検出
アクチニウム228のエネルギーである、911keVと965keVにピークが確認できますので、
トリウム系の核種が少なからず存在すると判断します。

よって239keVはウラン系の鉛214の242keVと重なっておりますが、ピークがあると判断し検出としました。

トリウム系の核種が存在する場合、239keVのピークが一番はっきりと出やすいですが、
今回はそこまではっきりと出ていないと判断しますので、トリウム系は微量の検出としております

アクチニウム228：トリウム系→検出
338keVのピークは判断が難しいですが、911keV、965keVにピークが確認できることから検出と判断しました。

タリウム208：トリウム系→不検出
583keVのピークは判断が難しいですが、861keVにわずかながらもピークが確認できることから検出と判断しました。





>★２４■土壌ＳＴ（加熱処理・農業用土壌）〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セシウム137　：　49.7　　±10.6Bq/kg
カリウム40　：　285　　±62.6Bq/kg



これは、冒頭の「水への溶出実験」をした時の元の土壌なので、
おのみち−測定依頼所−様からの測定結果の詳細を記しておきます。
↓


「試料用土壌（加熱処理）」について測定結果がでました。
結果としては、

セシウム137：49.7±10.6Bq/kg
セシウム134：24.6±5.37Bq/kg
カリウム40：285±62.6Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「鉛214」（ウラン系）
「ビスマス214」（ウラン系）
「鉛212」（トリウム系）
「アクチニウム228」（トリウム系）
「タリウム208」（トリウム系）


人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」

の検出と判断いたします。
セシウム137（662keV）及び134（796keV）共に、
しっかりとピークが確認できておりますので、検出と判断しております。


■その他の核種

鉛214：ウラン系　242keV、295keV、352keV
ビスマス214：ウラン系　1120keV

アクチニウム228：トリウム系　338keV?　911keV、965keV


・中略・

なお、今回の結果から比率を見てみますと
セシウム137：セシウム134＝49.7：24.6＝0.494969...となり、理論値は0.365ですので、
セシウム134の値が少し高いか、セシウム137の値が少し低いかという結果です。

天然核種のコンプトン散乱等の影響でセシウム134の値が嵩上げされ、
その分セシウム137に減算が強く働いてしまった結果なのではと推測します。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




★測定所からお借りできるもの　

【全て「ＧＥ」によるクロスチェック済み】



>★茶葉（静岡産）測定日：2014年2月11日＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

セシウム137　：　13.9　　±0.49Bq/kg（測定下限：1.46Bq/kg）
セシウム134　：　5.60　　±0.41Bq/kg（測定下限：1.23Bq/kg）
カリウム40　：　606.36　　±11.77Bq/kg（測定下限：35.02Bq/kg）



>★ローズマリー（乾燥粉砕／山梨県）測定日：2014年4月2日＝＝＝＝＝

セシウム137　：　2.20　　±0.27Bq/kg（測定下限：0.80Bq/kg）
セシウム134　：　1.45　　±0.26Bq/kg（測定下限：1.46Bq/kg）
カリウム40　：　379.63　　±8.27Bq/kg（測定下限：24.02Bq/kg）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ベリリウム７」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ビスマス２１４」　



>★玄米（栃木産コシヒカリ）測定日：2014年6月2日＝＝＝＝＝＝＝＝＝

セシウム137　：　0.98　　±0.13Bq/kg（測定下限：0.35Bq/kg）
セシウム134　：　0.41　　±0.13Bq/kg（測定下限：0.35Bq/kg）)
カリウム40　：　49.70　　±3.39Bq/kg




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木灰から灰汁へのセシウムの移行


■参考■


セシウムは土壌からは、水や、お湯には全く溶出せず、
さらには、１００℃の「シュウ酸液」で３時間加熱しても、
酢酸アンモニウム水溶液で加熱しても、ほとんど全く溶出しなかったのですが、

今回は「木灰」を使って作った「灰汁」への移行を調べた結果です。



灰汁は、通常、灰に熱湯をかけて濾したり、
人によっては３０分煮込んでから半日寝かせて、その上澄みを取るようです。


私の場合には、水に対して４％の塩を加えて、１０分煮たあと、
約１２時間放置し、その後に、その上澄み液だけを、
さらに布で濾した液体を、測定依頼いたしました。



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「おのみち-測定依頼書所-」杉原様からの結果報告です。




「灰汁」について測定結果がでました。

結果としては、

セシウム137：3.13　±0.931Bq/kg
セシウム134：＜0.3Bq/kg
カリウム40：132　±30.8Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」

人工核種
「セシウム137」

の検出と判断いたします。

セシウム134はピークが確認できませんので、不検出と判断させて頂きました。
セシウム137はしっかりとピークが確認できておりますので検出と判断しております。

なお、元となった木灰ですが、

セシウム137：64.1±13.73Bq/kg
セシウム134：22.6±5.24Bq/kg（誤検出）（＜0.6Bq/kg）
カリウム40：1660±345Bq/kg

との結果となっております。

天然核種もありますので「ざっとの計算」ですが、

木灰470g使用

→セシウム137総量＝64.1×0.47＝30.127Bq
→カリウム40総量＝1660×0.47＝780.2Bq

〇水2350mlで抽出とのことで、2350mlに対して移行した総Bq数は

セシウム137
3.13×2.35＝7.3555Bq

カリウム40
132×2.35＝310.2Bq


〇水2350mlに対する移行率は

セシウム137
7.3555/30.127＝0.244149...≒24.4149％

カリウム40の移行率は
310.2/780.2＝0.397590...≒39.7590％

という結果となっております。
結果を見る限りでは、カリウム40の方が移行はしやすいようです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●下記の「表」を見ると、
一般焼却された「飛灰」はセシウムは、Cs-137、Cs-134ともに水には溶出するようです。

表の一番上の「Ｆ１」のところです。
↓




今回の検体となった「木灰」は、主灰と飛灰が混合していると思います。
それでも約２４％の溶出というのは、かなり多いと思います。


なお、海洋への溶出が気がかりだったために、海水に似せるために、
水の重量に対して塩分４％(海水は3.2〜3.8％)を加えたのですが、
精製塩を加えないケースは、今回は測定はしておりません。


また、この結果から注意点があるとすれば、
畑に「草木灰」を撒く場合には、事前に測定した方がいいようです。



■ただし、灰は水に「溶ける」というよりも、粒子が細かいために
水に混ざるという方が正しいです。
比重が軽いせいか、容器の中で沈殿は、ほとんどしません。


つまり、灰汁は「水溶性セシウムというわけではない」ので、
これを土壌に撒いた場合には、即座に土壌に固定化されると考えられます。

それが作物にどれぐらい移行するかは、テストしないとわかりません。



★【特　筆　事　項】


今回の測定によれば、
木灰を１０分煮て作った上澄み水へ、以下のようにカリウムが移行した

>カリウム40の移行率は≒39.7590％

とすれば、灰から約40%ものカリウムが溶出するのだから
土壌を何度か煮て、一晩寝かせてその「上澄み」を捨てる、
これを何度か繰り返せば、K-40によるコンプトン散乱の影響の少ない
「Cs試料」が作れる「かも」しれない。

この場合、容器の底に沈殿する泥から、細かい砂は分離して、
泥だけを抽出する必要があります。

細かい砂状の泥には、Ｋ−４０以外の天然核種が多いからです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊



土壌を高温加熱すると
セシウムは気化してしまう


■追記・「消えたセシウム」について、おのみち−測定依頼所−様から
　参考のための概略のみですが計算を戴きました。　

　　↓


溶融塩処理水として1000mlの水で抽出でありましたら、
土壌250gを使っておりますので、

元の土壌
セシウム137：　49.7Bq/kg
↓
処理後
セシウム137：　22.2Bq/kg

となっています。

250gにあるセシウム137の総量は
49.7×0.25＝12.425Bq　です。

それが全て「１L中の水」に溶け込むのであれば
12.425Bq/kg　が理論値です。

実際は
0.621Bq/kg　でしたので、

溶出率は
0.621/12.425＝0.0499...≒5％　となります。


またその場合、
250g中の処理後の土壌中に残っているセシウム137の理論値は
12.425-0.621＝11.804Bq

なので83.7gの土壌中には
11.804×83.7/250＝3.9519Bq　が存在しております。

それをBq/kgに直しますと、
3.9519×1000/83.7＝47.215Bq/kg

が理論値ですね。

測定結果は実際は　22.2Bq/kg　ですから、

バーナー処理されたのであればその際に気化した可能性があります。




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今回も、測定をありがとうございました。


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「素人による個人測定・奮闘記」第７０回

「なぜ混合試料を作るか？」



測定に関する「個人的なメモ」を私はツイッターによく書きますので
興味ある方は、ごらんください。


ツイッターアカウント
↓
https://twitter.com/mumyouankoushin





■一昨日から本日にかけて、３日間休みなく、ずっと検体作りでした。


むろん、やみくもに作っているのではありません。


１／まず、比重が「重い、中ぐらい、軽い」の３つをそろえるためです。


２／次に、「液体と個体」の二種類をそろえます。


３／汚染濃度は、１ベクレル／ｋｇから１０Ｂｑ／ｋｇの範囲を
　　細かく刻んだような状態の濃度を用意します。


４／定量の基準の線源とするためには、ゲルマニウム半導体検出器で
定量された試料、または信頼性の高い測定所で定量された検体を使います。



●こうした試料を揃えると、似たような汚染濃度の検体の、
グラフを比較する事が出来ます。

たとえば、見た目の概算で「４ベクレルぐらい」？出たように見えたとします。


その時に、過去に測定したもので、
３ベクレルから５ベクレル付近の検体の測定グラフを並べてみて、

測定条件の違い等とあわせて考察します。

またそれらの検体の測定結果のレポートの中には、
何ｋｅＶの天然核種の有無や、その影響が見られるかも、
詳細が書かれているので、それも参考にします。



●つまり、私がしようとしていることは、あくまでも素人の測定です。

自分には、生業がありますので、
測定に長時間、かかわってばかりはいられず、時間も限られます。

その限られた時間の中で、専門的な知識や、めんどうなことを排除して
なおかつ、そう大きく違わない結果を出す最も合理的な方法は、

「測定の先輩の方たち」が定量した結果のグラフと数値を元に
とにかく、何度も失敗しながら、そのつど原因を考えて改善し、
測定経験を積むことです。


●ただしこの場合に、まず自分が目的とする濃度の検体を集める事からです。

これまでに測定に出した量と費用は、
アルマジロがもう一個買えるぐらいの価格に近づきつつありますが、

個人測定をしようと思うならば、最低でも１０個ぐらい、
測定所で定量された検体をそろえておくことは、
私たちのような素人測定には、絶対に必要なものであり、必要な出費です。


その測定所の出した確率的数値が、信頼できるものである場合には、
それを「暫定的な正解」として扱い、

自分の測定で、もしも似た数値にならない場合には、
原因を考えてゆくことが出来ますし、
時には、測定員の方からアドバイスも戴けます。



■すなわち、素人測定の武器は、

「他人のふんどしで相撲を取る」に限ります。

この場合のふんどし、とは、
測定所のスペクトルグラフと結果の数値を「参考」にするという事です。


「素人測定」で、最も重要なのは、
自分が信頼できる測定所の測定員の大先輩の方たちから学ぶことである
というのが当初からの私の考え方です。


この場合の「素人」とは、私のように、
知識が全くゼロから始まる多くの人たちのことであり、
単に理系の大学を出たり、知識のある人のことではありません。


そもそも、原子力関連の仕事をしている人以外で、原発事故前から、
放射線測定を「専門」にしていた人などは、ごく少数の人なのですから、
多くの測定員の人たちも、たまたま理系の知識があったために、
市民団体から依頼されて、測定に踏み込んだ、という人たちも多いはずです。

全てのスタートは、３．１１から始まり、
そして、今も、多くの測定員の方々は、
日々努力され、試行錯誤の真っ最中なのです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■全くの個人的な話で恐縮ですが、

私が、これまでに、
全く一から「自分の手で再構築」しなければならなかったような、


「女性のオーガズムのみを重視した、セックスの技法と論理」

「手裏剣術の技法と論理」

「機能不全家族問題、トラウマを抱えた人の解決策」

これらについては、
それぞれに、十年以上の時間と、実験と、実際の経験が必要でしたので、
それらはすべて、自分でやってきました。


で、その結果がこういう本になりましたが。
↓

http://www.mumyouan.com/i3.html



しかし食品の放射能測定関しては、そんな義務は私にはありませんし、
そもそも、分野としては。全く「関心外」のことです。

これは、不本意にも、「必要性に迫られて」のことですから、

他人様がこれまでに構築したものを、どんどん取り入れさせていただき、
出来るだけ、時間をかけずに、費用をかけずに、
簡単かつ、正確度を上げる、ただ、それだけでいいのです。

そもそも、私の趣味でも、関心のある研究分野でもありませんから、
何も自分の手で、一から構築する「必要」がありません。



・・・とか言いながら、
結局のところは、誰もほとんどやっていないような変な物ばかりを
結果として、作り続けてしまっているのですから、
自分の関心のあるなしに関係なく、
納得できるまで突き詰めてみたくなるという、
この生まれつきの性格は変わらないようです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●さて、１インチのアルマジロと、５ｃｍの鉛遮蔽、スぺクトル表示ソフト、
この三つで、とりあえず、私の場合には、
３ベクレル／ｋｇ近辺は、あるなしは判断できますし、
以前には定量も試みてみて、なかなか悪くない結果でした。


しかし、今まで悩んだのは、
１ベクレルありそうだが、あるなしすら、わからないというもの。

こういうものは、測定所に出したものもありますし、

自分で判断して、食べなかったものもありますし、

自分で見ても「これは０．５以下だろう」と判断して食べたものもあります。



●きのこや山菜を除けば、
現時点で市場に出回っている食品で問題になるのは、

０．５Ｂｑ／ｋｇ〜１０Ｂｑ／ｋｇあたりの見極めです。

１５Ｂｑ／ｋｇ以上など出たら、はなから食いません。
しかし食品で、Ｃｓ−１３７を１５Ｂｑと誤検出することは、
そうそうないと思います。
鉱物を多く含む土壌や、粉塵のついた各種のフィルターや、
木灰などからは複雑な天然核種が、誤検出されることが多いようです。



●そういうわけですから、この自分が狙っている領域の汚染濃度で、
「定量されたサンプル試料」の種類が多ければ多いほど、
自分の測定の精度を確かめたり、方法を修正することが出来ます。



私の目的は、当初から食品ですから、
土壌を測定することもほとんどありませんので、
表示スケールも、Ｃｓ−１３７に関しては、
０．５以上、最大でも１５Ｂｑ／ｋｇまでを最大限に拾えるようにし、

その他の３０Ｂｑ／ｋｇとか５０Ｂｑ／ｋｇ以上といった濃度用の表示は、
「いちおう用意」だけはしておきますが、使うことはほとんどありません。


またｋｅＶのスケールも、アルマジロが戻ってきたら、
２００から３００以下は、カットしてしまおうかと思っています。
そこにある核種は、（今のところはですが）私の関心外のものだからです。



●ところでカリウムの量は、定量する事は大して重要視していません。
カリウム津波（コンプトン散乱）の大きさを考慮するためのものという程度です。


カリウムの定量の場合「食品」では１０００Ｂｑ／ｋｇを超えることは、
まずないですし、あっても海藻類とかでしょうか。


であれば、１リットルあたり８００Ｂｑ／ｋｇぐらいの定量された
「やさしお水」があれば、それが標準線源として使えますので、
何も、やさしおをそのまま、測定用の容器にぶっこむ必要はないわけです。



●で、ここが、「何でも測定できる態勢」を万全に整えている測定所と、
自分の家族の自衛だけを目的とする「素人の測定」の最も大きく違う点です。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■さて、その試料用の検体ですが、
これは生の「米糠」。
（汚染米／汚染糠が「相当に出た地域」の農家から直接に取り寄せました）

このままだと、長期保存した場合に、密閉が悪いと、
虫が湧くこともあるので加熱して炒りました。
↓

　



右写真は玄米です。買ったときには脱酸素剤が入っていますが、
開封後の保存よくするために、軽く火にかけて炒りました。　↓

　



熔融塩法での抽出は、
今度は、熱が通りやすいように、まず素材の塊を叩いて細かくしました。
↓

　



熔融塩は、今回は、気化しないように注意したので、
なかなか良い温度に安定させられたと思うのですが、
結果を見たら、また抽出に失敗なんてこともありそうです。

とにかく、自分の気が済むまで、私は徹底的に実験するタチなのです。
↓

　



こちらは、極端に「しつこく加熱」して土を焼土にまでしたもの。
ふるいにかけて、小石も取り除きます。ダークグレイ色で粉っぽいです。
↓

　



■この焼土は、完全に土の水分を飛ばしているので、
比重がやや軽い、という欠点はあるものの、
粉のようにしたこの焼土（極端に加熱した泥）は、
勉強用の混合試料の「元」として、最高に良いのです。

むろん汚染数値が測定所で定量されているものが必要です。




●そして、これを元に「濃度調整した混合試料」を作る際には
粒子が似ていないと均一に混ざらないのです。

そこでこの焼土粉に、粒子の大きさが似ているのは「白玉粉」です。
白玉粉は、無汚染が確認されたものが必要です。

白玉粉の大変に優れた点は、その粒子性とともに、
「カリウムがほとんど含有されていない点」です。

もう一方の焼土も理想を言うと、
天然核種が「Ｋ−４０以外」にほとんどなく、
Ｃｓ以外はカリウムのみというのが理想的です。

またそのカリウムも低濃度だとなおさらいいのです。


この二つがあれば、
好みのＣｓとカリウムの濃度を混合できる基礎の練習用試料になるわけです。



●ちなみに、この焼土泥を作ったときには、
私は、１０回から１５回、沸騰したお湯で煮ては湯を捨てを繰り返しました。

その後に、それを焼いたのがこの焼土ですが、
おそらくカリウムの含有量がかなり減っているはずです。

食品からカリウムを減らすのも、煮る方法が一般的なので、
土壌でも同じではないかと思ってやってみたわけです。

土を沸騰したお湯で繰り返し洗うだけで、３時間かかりました。



●そして、一例としてですが、
この焼土の定量が（仮に）５０Ｂｑ／ｋｇとなったならば、
焼土の９倍の白玉粉を加えれば、
濃度が元の１０分の１(５Ｂｑ／ｋｇ)の練習試料が完成するわけです。




●ちなみに練習用試料中のカリウムを逆に「わざと増やしたい」
という場合には、非汚染の「炒り糠」が良いです。

この場合、炒り糠も、
天然核種はカリウム−４０以外は含まないのが理想です。

糠も、粒子性が焼土や白玉粉と似ているので均一に混ざります。


なにしろ、やさしおは１グラムあたりのＫ−４０が強烈すぎて、
１００ｇ程度の少量で８００Ｂｑ／ｋｇ以上になってしまうので、
試料のカリウムコントロールの調整には向きません。




■濃縮しようとしたら、灰汁は問題ありませんでしたが
熔融塩水は、飽和してしまいました。
↓

　



■一連の作業で出来た、練習用の二つの液体試料。
　　　　　　　　　　　　　　　↓

　　　　　　　　




■今週、測定に出すものの一部。
↓

　



■蜂蜜は合計で４３２ｇしかなかったので、
　これをミネラルウォーターで希釈して、最終的には、
　蜂蜜と水とで「合計１１２６ｇ」の「蜂蜜水」の形で１リットルにしました。
　あとで計算で元の蜂蜜の濃度でのベクレル／ｋｇに戻します。


　


　


　


　


　


　


こうして瓶に少し残っていた蜂蜜も加え、さらに
１リットル容器を満たす為に、水を少し加えた結果、最終的には、

>蜂蜜水の「全体」が１１２６ｇ、
>そのうち４３２ｇが元の蜂蜜となりました。

３８．３％まで希釈されましたが、糖度が足りないと発酵するので
調べてみました。


酵母を入れない限りは、
水で薄めただけでは、そう簡単に発酵はしなさそうとか思ったら・・・
↓
http://food1.setosa.com/mead1.html


いや、違った。もともと蜂蜜そのものに酵母が入っているので、
沸騰してから８０度ぐらいで３０分加熱して発酵を止める必要があるようだ。
↓
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1290367102


かくして、熱処理して発酵を防止しました。


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測定結果が出ましたら、ひとつ前の投稿にも記載し、
また、この投稿に詳細を続けて書きます。


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「素人による個人測定・奮闘記」第７１回

「検体の濃縮と希釈」




濃縮率や希釈率は体積比ではなく重量比で計算する？



●今回は、少しだけ、面倒な話になります。

普通、食品の放射線測定では、検体を粉砕して細かくする事はあっても、
煮詰めて濃縮したり、逆に水で薄めるということは「あまり」しません。


もしもするとしたら、いったん測定されて定量されたものを、
再度別の形で測定しようとする場合です。

また、最初に測定する場合にも、
発酵防止の為に、加熱することはあるようです。



●しかし原則として、もしも一度定量された検体の場合には、
定量時、測定時と可能な限り「同じ状態」にした検体を、
固有に設定された別の測定器で測定するものです。



●ところが、私の場合は、測定の練習のために、
測定所で結果を出してもらった検体を、
濃縮したり、逆に、希釈することがあります。

ここ最近も書きましたように、希釈に使用する溶媒は、

液体ならば「真水」（厳密には精製水）で、
粒子状のものなら、「白玉粉」を使います。

どちらも、Ｋ−４０をほとんど含まないためです。



●それで、ここのところ、自分の練習用の試料をつくるために、
塩を熔融させてから取り出した「熔融塩水」、
木灰を使って作った「灰汁」、などを「濃縮」しました。


それとは逆に、蜂蜜は、真水で「希釈」しました。


普通は、測定所から戻ってきた検体は、ほとんどの場合には、
希釈や濃縮で変化させずに、そのまま自分固有の容器に入れています。



●しかし、私の場合には、
元の検体を、濃縮や希釈をしたい、またはする必要が出る場合があります。

測定所では、１リットルマリネリですが、
自作したマリネリ容器が６００ｍｌの体積で作ってあるため、
汚染濃度が薄かった場合に、わざと濃縮することがあります。




灰汁の濃縮のケース


「濃縮」の一例として、先だっての「灰汁」ですが、
測定所での測定時には、１リットルで、重量は１０５４ｇでした。

しかし、私はそこに、手元にあった、同じ灰汁のストックを加え、
全体で１５８０ｍｌのものを、６００ｍｌに濃縮しました。

単純に、１５８０ｍｌ÷６００ｍｌ＝２．６３３・・・　なので、
定量された数値に、この２．６３３を掛けました。



●しかし、あとで気付いたのですが、水分を飛ばしているときには、
失われているのは、「主に水分」であり、濃縮されてゆくに従い、
濃度が高くなる＝比重も変わる。
だから、単純にリットルの変化で計算してはならないのではないかと。

しかし、あとから「加えた灰汁の重量」を測っていなかったのです。



●そこで、まず、この灰汁の比重を求めました。

測定所では１リットルで、１０５４．１ｇと記録があったので、
比重は、×１．０５４１ですね。


１５８０ｍｌ×１．０５４１＝１６６５．４７ｇの灰汁だったと「推測」されます。


つまり測定所から戻ってきた１リットルと、手元の同じ灰汁を合わせて、
灰汁は、合計「１６６５．４７ｇ」だったと推測されます。

これを煮つめた結果、６４０ｇになりました。

計算すると、１６６５．４７÷６４０＝「２．６０２」


単純に、「体積変化」で計算した場合には、
１５８０÷６００＝「２．６３３」

でしたので濃縮率の誤差は、３％で、ほとんど問題になりません。
この灰汁のケースは、体積と重量、どちらで計算しても、
違いは、ほとんどなく、合っていました。




塩水の濃縮のケース


●次は「熔融塩水」です。これは結構な濃度のある「塩水」でした。

これは測定所で１リットルだったものを、６００ｍｌに濃縮しました。
幸い、これは塩分が容器の底には沈殿しませんでした。

単純計算では、１０００÷６００＝１．６６倍すればいいのですが、
そうは、いかないかな？と思い、計算してみました。


測定所で１リットルのときには「１１００．９ｇ」と記載がありました。
濃縮した後には、６６８ｇでした。
なので、
１１００．９÷６６８＝１．６４８倍に濃縮されたことになります。

体積比だと１．６６で、
重量比だと１．６４ですから、
わずか２％の誤差。

これも、幸い、問題にはなりませんでした。



●つまり、これですと、かなり塩分の濃い醤油でも、
「半分以下」ぐらいの体積までに、ガンガンに濃縮でもしないかぎりは、
体積比で計算しても、重量比と、それほど間違わないようです。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


蜂蜜の希釈のケース


●さて、次のケースは、逆に「希釈」をした場合です。


そもそも、検体を希釈する、などということは普通はしません。
検出効率が下るのですから、誰もしません。

しかし、分量がどうしても測定所の１リットルに足りない、
しかし「ある程度の汚染濃度はありそうだ」という場合にだけ、
私はこれをしました。

なぜならば、１５０ｇ程度の状態の検体よりも、
希釈しても、１リットルマリネリの方が正確だろうと思ったからです。


そこで一つ前の投稿の最後の写真のように「蜂蜜」を真水で希釈しました。


●「仮に」ですが、もしもこの蜂蜜が、
「１０Ｂｑ／ｋｇ」と定量されていたと「仮定」します。

すると、たとえば、蜂蜜の状態で「４００ｇ」に真水を加えて１リットルにしたら、
合計した重量が「１１００ｇ」になったとします。


重量が１１００ｇなので、そこだけ１ｋｇへと補正して、

１０００ｇ÷１１００ｇ＝０．９０９　とし、

これを１０Ｂｑにかけて９．０９Ｂｑ／１ｋｇ　となる。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■ただし、希釈や濃縮に伴い、次の点を考慮する必要があり、
あくまでも概算の参考値である点を、
おのみち−測定依頼所−の杉原様からご助言を戴きました。
↓



希釈法の場合　→　水遮蔽が増えるため数値が低くなりがちです

濃縮法の場合　→　水遮蔽が減るため数値が高くなりがちです

また、どちらにしても「実際に食べる際」のBq/kgにはなっておりません。
あくまでも元の重量、元の体積に戻して推測するわけです。

ですが、こういった測定が悪いわけではないので
一つの手法として留めるべきではないでしょうか。



とのことでした。

確かに、実際に食べるときと同じ濃度ではないですね。

場合によっては、乾燥濃縮をしすぎると、
「絶対にそんな状態では食べない」というシロモノの検体になってしまう
というケースもあり得ますので留意が必要ですね。


ただ、私の場合には、あくまでも「測定練習用の試料」を作るときに
「概算」を出したかったのですが、
「水遮蔽の影響」のことをご指摘していただき、助かりました。




やさしおを水で希釈したケース


●そこで、次のケースは、
「やさしお」を真水に溶かして、１リットルにした場合です。

「やさしお」１００ｇを水に溶かして、１リットルにしたとして、
Ｋ−４０は「８３９Ｂｑ／１００ｇ」であると「仮定」します。

これに水を加えて、「１リットル」にしたときに、
その総重量が、たとえば、「１２００ｇ」になったと仮定します。

（実際には、やさしおでは、この重量にはなりませんが、
　比重が重い何かを溶かしたという場合を想定してわざと１２００ｇ
　としています。）


この場合の計算について、杉原様からご指摘を戴きました。
↓


Bq総量は変わらないので、839Bqは変わりません。

１Lで1000g中に839Bq存在したら839Bq/kgとなります。

しかしもしも、その検体が１Lで1200gであれば

839×1000÷1200＝699.16Bq/kgとなります。




このあたりが、私は混線することが多いです。

ベクレルという単位の扱い方では、
一般的な定量表示をするには、常に「１Ｋｇ」に補正しないとならない事を
私が正しく把握していなかったためです。



■カリウムで検索して調べたところ、
【炭酸カリウム】で模擬検体を作っている人がいました。
↓
http://pigeon1914.blog.fc2.com/blog-entry-15.html


ちなみに、味の素に直接に問い合わせてみたところ、
やさしおを水に溶かしたときに、底に沈殿するのは、
炭酸マグネシウムと判明。

やりとりの質疑は、もっと長かったのですが、簡単に書きますと、


>>原材料は、海水、調味料（無機塩等）(53%)、
>>炭酸マグネシウム(1%)、ポリグルタミン酸を使用しております。

>>「炭酸マグネシウム（１％）」は、２５℃の水１Ｌに、
>>０．１ｇしか溶けない物質で、非常に水に溶けにくい物質です。

>>「やさしお」を水に溶いたときに、沈殿した際の沈殿物もこの
>>「炭酸マグネシウム」であると考えられます。

>>カリウムは、約３０％までは塩と同様に均一に水に混ざります。




土壌の乾燥が進んでしまったケース


●そして、次のケースは、さらに、普通は、あり得ません。


たとえば、「生の土壌」１．２リットルを持っていて、
そこから１リットルを定量していただいて試料として保存していた。

たとえば、それが１００Ｂｑ／ｋｇだったとします。


●ところが、自分の保存状態が悪くて、水分が少し飛んで、
嵩が減っていたとします。

この場合、１リットルから少し減っている分を、
もしも、手元にある「余っている同じ土壌」で補充してしまうと、
濃度が変わってしまいます。

こういう場合には、
白玉粉を均一に混ぜて１リットルに戻すのも手だと思います。


しかし本当ならば、
飛んだ水分を、霧吹きで加えて比重を戻せばいいということになりますが、
そうしても「体積が元に戻らない」ことが多いわけです。


しかし、こんなことにならないように、
測定時の状態のまま保存するのが、試料保管の原則ではあります。




水溶液の水分が飛んだケース


●次のケースも、普通はあり得ませんが、保管中に水分が飛んだ場合です。

１リットルあったはずが、水分が飛んで、９９０ｍｌになっていた。

そんなことは普通ないですが、もしもこうなったら、
減った分の１０ｍｌの真水を加えて、１リットルの体積に戻せばいい、となります。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


粉末の試料同士を希釈するケース




●最後のケースは、

「加熱処理した、細かい土壌」を「白玉粉」で希釈するというものです。


これもあくまでも、計算上の数値なのですが、
以前にやったときには測定所の結果と、ほぼ同じものになったものがありました。
それは重量をきちんと測って計算したからでした。

しかし、それをしないで、
アバウトに、同じ体積を混ぜたり、同じ重量を混ぜて
たぶん、これで１／２になっただろう、とか思っていると、
とんでもない間違いをやってしまった事が、今までに数回あります。


その原因は、希釈する時の「手順と計算」が違っていたからです。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


★粉末試料同士の「混合」。
↓


■用意するもの

・「定量された土壌
　（ただし加熱して、完全に乾燥しており、かつ細かい粒子のもの）」

・「非汚染の白玉粉」（カリウムをほとんど含まないため）



☆１／

一例として、この土壌が「１００Ｂｑ／１ｋｇ」だったとします。

そして、これを「２００ｇ」だけ使うとします。

すると１／５になりますので、「２０Ｂｑ」となります。



☆２／

まず、この土壌を、体積が軽量できる容器に入れ、

その次に白玉粉を入れます。

トントンと叩いて、密度を持たせ、それでも１リットルになるようにします。


☆３／

これをビニール袋にいれて、均一になるように、
よくかき混ぜるようにして、しっかり揉みます。


☆４／

それを、もう一度容器の中に戻して、トントン叩いてみます。

まだ１リットル以下であれば、そこに白玉粉を少しだけ加えます。


ただし、この時にとても注意が必要なのは、
１リットルを超えたらアウトだということです。

１リットルを超えたからといって、そこから「混合してしまった粒子」
を取り除くと、濃度が変わってしまいます。

もしも白玉粉を入れすぎたらば、
加えた白玉粉だけを狙って、スプーンで取り除きます。


☆５／

こうして、１００Ｂｑ／ｋｇと定量された土壌が「２００ｇ」、
それを、体積が１リットルになるまで白玉粉を加えたものの「重量」を測ります。


仮にその「総重量」が、７００ｇになったとします。


すると、土壌が２００ｇで、２０Ｂｑとして、
これを希釈したとしても、総量では変わらず２０Ｂｑ／ｋｇ。

ただし、重量を「１キロ」にあわせるために、

１０００ｇ÷７００ｇ＝１．４２８５　として、

これを２０Ｂｑに乗ずると、

２０Ｂｑ×１．４２８５＝２８．５７Ｂｑ／１ｋｇ

となる。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７２回

これまでの試料造りの結果のまとめ



●シンチレーターのアルマジロが戻ってくるのも、もう少しと分かりましたので、
ここで、これまでの２ヶ月間、地道なテストをした総論を、
簡単にですが、まとめておきます。




薬品で土壌からセシウムを溶出させる方法



「シュウ酸」「酢酸アンモニウム」いずれも、それらの水溶液を加熱し
その中に土壌を投じ、一定時間煮込んでから、液体を布で濾して測定しましたが、
抽出された痕跡は、ほとんどありませんでした。（あくまでも私の場合です）





熔融塩で土壌からセシウムを抽出する方法



本来８００度あたりが融点の食塩に、塩化カルシウムを混ぜることで
その融点を６００度近辺まで下げると、セシウムが分離して塩と結合する
という理屈で提唱されていた方法でした。


結果としては、何も塩の融点を下げなくても、
単に８００度以上の高温で加熱すれば、土壌中からセシウムは分離しました。
ただしそれは気化という形で分離しました。

肝心の「熔融塩」の中には、ほとんど結合しませんでした。


つまり、単に高熱で気化させる（たとえば焼却炉などの）場合には、
フィルターを万全にすれば、
そこに飛灰として、または気化したセシウムが捕縛されます。


しかし自宅で行ったために、密封しておらず、
（低濃度だったとは言え）セシウムは空気中に拡散しました。


また、「熔融塩法」の場合には、推測では、
温度管理されたプラントの密閉容器の中で、
安定的に２時間から３時間ほど６００度から７００度の温度を保てば
セシウムが食塩に移動するのかもしれませんが、

専用の小型の実験設備がないかぎりは、無理だとわかりました。





木灰から灰汁として抽出する方法



液体の試料検体を作る際に、もっとも簡単な方法は、
囲炉裏や、畑に使う、木灰を購入し、それを３０分お湯で煮て、
一日おいて、その上澄みだけをとる「灰汁（あく）」を使うことでした。

ただし、木灰は、カリウム４０を１０００Bq/kg以上含みますので、
液体の標準線源としては使えません。

しかし液体検体という、均一性があり、しかも灰汁はアルカリ性ですから、
長期保存が出来る点で、「面白い検体」となりました。

水溶性のため、濃縮や希釈もできます。


また、灰汁をきちんと、布で濾せば、マリネリ容器の底に、
沈殿物も発生しませんので、検体に「均一性」があります。



●なお、今回使用した、元となる木灰には、福島第一由来のセシウムはなく
事故前のセシウム１３７のみが検出されました。

過去の大気圏内核実験の影響とは言っても、やはり汚染状態にムラがあります。

ですから、元の木材の採取場所にもよりますが、それでも木灰であれば、
相当の確率でセシウムが検出される木灰が入手できるとは思いました。





土壌を何度も洗ってカリウムだけを減らす方法



「カリウム以外の天然核種がほとんどない」と分かっている土壌を、
必ず使うことが前提です。

その土壌にセシウムだけを残して、カリウムを少なくするために、
土壌を何度も煮て、泥を残し、湯を捨てることをしてみました。
これは一般食品からカリウムを低減する方法でした。


結果としては、私のミスで失敗となりました。


泥を煮て、その上澄みを捨てたときの粘土質の泥を含む「泥水」の中に
全体の４分の３ものセシウムが流出してしまいました。

底にあった泥は、見た目は泥に見えましたが、
いわゆる「黒ボク土」や腐葉土などの土ではなく、
「細かい砂だった」と見なしました。


そのために、以前とほとんど同じ場所を掘った土壌だったにも関わらず、
以前には、カリウム以外の天然核種はなかったのに、
今回は、天然核種が多く検出されました。
土ではなく砂だったせいです。



●ここから推測できることは、
吸引被曝で、最も危険な物質は、砂塵ではなく、より細かい粉塵や、
土やコケが乾燥した粒子、そして汚染物を焼却した際の飛灰などです。

「より小さな粒子」にセシウムは付着していると見て間違いないです。

逆にいうと、普通のマスクでは防げないものが多く、
また、衣類の繊維にしみこんだ汚染された粉塵は洗ってもなかなか落ちません。




■余談ですが、カリウム４０の含有量は、
私が扱った検体に限れば、の話ですが、


>>関東の土壌＝Ｋ−４０は、２００Ｂｑ／ｋｇ前後が多い
>>（ただしカリウムや肥料などを投じていない「非農地、非耕作地」の場合です）


>>米ぬか＝Ｋ−４０は、４００〜６００Ｂｑ／ｋｇが多い


>>茶葉＝Ｋ−４０は、６００Ｂｑ／ｋｇ前後が多い


>>木灰＝Ｋ−４０は、１０００Ｂｑ／ｋｇを超えるものが多い。





Ｋ−４０の標準線源に、
やさしおを溶かした水を使用する方法



●前述の結果を踏まえて、食品測定の場合には、
６００Ｂｑ／ｋｇあたりまでのスケールのＫ−４０の、
標準「体積線源」があればいいと私個人は判断しました。


そこで最も良いのは、
やさしお１００ｇを１リットルの水に溶かすことです。

こうすると、８５３．５Ｂｑ／ｋｇのカリウム定量用の
液体の体積線源になります。

スペクトルも、とても綺麗なものでした。
↓




●やさしおを水に溶かした際に、マリネリ容器の下に沈殿する砂のようなものは、
味の素本社に問い合わせたところ「炭酸マグネシウム」とわかりました。

つまり、やさしおのカリウムは、きちんと均等に水に溶けており、
約３０％まで飽和しないようですので、
７５０ｍｌの水に、２５０ｇぐらいまでは、溶かすことが出来ます。

最大で、「２１３３Ｂｑ／ｋｇ」までの試料が、「やさしお水」で
出来るということです。



なおカリウムの計算は、下記に基づき、以前の８３９０Ｂｑ／ｋｇから、
「８５３５Ｂｑ／ｋｇ」へと訂正しました。
　↓
【奥村様の計算によるもの】
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/stat/yasashio.php





蜂蜜を、「低濃度汚染食品定量用」の
「液体」の「標準体積線源」として使う方法



結局、これがヒットしました。


今回測定していただいたハチミツは、実は福島原発から約６０ｋｍ以内の
養蜂所のものでした。

このハチミツには、Ｋ−４０もほとんどなく、
他の天然核種も検出されませんでした。

しかし、（真水で希釈しない「元のハチミツの状態」）では、

>セシウム１３７＝１０．３２Ｂｑ／ｋｇ
>セシウム１３４＝　３．６２Ｂｑ／ｋｇ

>カリウム４０＝検出下限以下


となりました。


下記の測定値は、１リットルで測定するために真水で希釈した検体のものです。
↓





●よって、

>「Ｃｓの純度」がかなり高いので「標準線源」として代用でき、

>しかも検体としての「均一性」があり

>３年もの「保存性」のある試料

>マリネリ容器の底に「沈殿物」が発生しない

>「水溶性」であり、希釈や濃縮が簡単



それが「汚染されたハチミツ」であった、というのは、

このまる２ヶ月間の奮闘の、その最後になって私が手にした、
とても大きな成果でした。



■また、Ｋ−４０もほとんど含まず、Ｋ−４０以外の天然核種をも、
今回のハチミツが含んでいなかった事が幸いして、

測定過程でも、Ｋ−４０のコンプトン散乱（津波）もなく、
また、Ｃｓ以外の核種の干渉による嵩上げが生じず、誤検出の可能性がないために、
ほぼ正確に、「現在の理論上のセシウム１３４：１３７の比率」と一致しました。


これが意味することは、
少なくとも、福島第一原発から６０ｋｍの範囲には、
再臨界による汚染物質は、飛散していないということです。

もしも再臨界が起きて、なおかつ、それが飛散していたら、
セシウム比が変わっているはずですから。

再臨界が、１Ｆの現場の地下の地中で起きているかどうかまでは分かりませんが、
少なくとも、６０ｋｍ圏あたりにまで飛んできてはいないとも
考えられます。（むろん、あくまでも推測です）


なおこのハチミツは今年２０１４年に収穫されたものと推測されます。




■ということで、私のような資金のない個人測定をしている方で、

校正や、定量に使うための、
セシウム１３７の点線源（８０００Ｂｑとか）や、

行政機関が、個人以外に対して配布している、２５Ｂｑ／ｋｇあたりの
汚染玄米や、ビーズ状の体積線源を、
１リットル用意するのには、十万円以上もかかり、
そんなの無理だ！という私のような人は、

汚染地帯の「ハチミツ」を狙うと良いことになります。


ハチミツも、むろん原産地で、放射線測定検査がされていますが、
検出下限が、１０Ｂｑ／ｋｇとか２０Ｂｑ／ｋｇが多かったです。


今回のは約１０Ｂｑ／ｋｇでしたが、
むろん国の基準値よりも以下ですから、一般市場に流通しています。


だから、運がよければ、５Ｂｑ／ｋｇ前後という、
食品測定の際に、最も役立つ濃度の標準線源になり得るハチミツが
見つかるかもしれません。


見つかったら、ゲルマニウム半導体検出器で確認の測定をするもよし、
信頼できる測定所で、０．３Ｂｑ／ｋｇ以下までの検出下限の精度で定量をしてもらえば、
それが、何十万もする試料の代用品になります。

まさに、資金不足の素人ならではの知恵かもしれません。





最近の測定結果＆雑記



■今回のメインは、煎茶の葉と、ハチミツでした。


　



●ハチミツは次のようにしました。

前回は４４０ｇ弱と、少量だったものに真水を加えて１リットルにしましたが、
今回は、ハチミツだけで、１キログラムを超えていました。

ただし体積が測定容器を充填させる１リットルまで足りなかったので
少量の水を加え、発酵防止の加熱殺菌をしてから、冷やしました。
↓

　


　


　





■こちらは、アルマジロが戻ってきたらば、
現在の６００ｍｌ容器以外に、検体が少量になってしまう場合の容器の工夫です。
↓

　


これだと検体は１００ｍｌ前後になりますので、
これ専用の換算係数を、割り出すことになります。


少量を測定する際にシンチレーターの一面だけを活用する人も多いのですが、
測定所では、こうしてシンチレーターの周囲の検出効率のいい部分に
検体を巻き付けるように配することも多く見受けられました。


だもので、こうした容器を使用してアルマジロの性能を無駄にしないようにしました。

検体を詰めるときに検体の種類によっては若干手間取るのですが、
まー、個人測定なので、のんびりやります。




茶葉とハチミツの結果



おのみち−測定依頼所−様より結果を戴きました。




【　茶　葉　】


セシウム137：3.53±1.55Bq/kg
セシウム134：1.62±1.22Bq/kg

カリウム40：401±93.2Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」（ウラン系）
「タリウム208」（トリウム系）

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」（疑い）

の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにしっかりとピークが確認できます。
セシウム134については、605keVにはあるように見えるのですが796keVがぼんやりとしか確認できません。

したがってセシウム137は検出と判断し、セシウム134については検出ですが疑いと判断しております。


なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークがほとんど確認できません

ビスマス214：ウラン系→検出
609keVにピークがあるように見えます。
また、1120keVがわずかながらもピークが見えますので、総合的に検出と判断いたしました

鉛212：トリウム系→不検出
アクチニウム228のエネルギーである、911keVと965keVに
ピークがあるのかどうか確認ができるとまでは言えません。
また、239keVにピークがあると判断ができません。

アクチニウム228：トリウム系→不検出
338keV、911keV、965keVにピークが確認できるとは言えません。

タリウム208：トリウム系→検出
583keVのピークは判断が難しいですが、あるようにも見えます。
861keVのピークも有るようにも見えますが確認できるとは言えません。
総合的に検出と判断しても差し支えないと考え、検出としました


今回の測定結果から、測定した茶葉は2014年（平成26年）産であろうかと思われます。

お茶が2011年の時に非常に高い値が検出された理由としては、
新芽の時に空気中からセシウムを取り込んだためと言われております。

ただ、未だに検出されてしまうのは土壌からというものになるのですが、
茶葉を同じ園内で循環させているという話もありますので、
場所によっては基準値越えはないにしろ、まだまだ検出されてしまうと考えられます。
なお、当方で貸し出し用としている茶葉は2013年産です。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊


【　ハ　チ　ミ　ツ　】

結果です。
↓




セシウム137：0.304±0.247q/kg
セシウム134：＜0.2Bq/kg
カリウム40：＜2.4Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

人工核種
「セシウム137」
のみの検出と判断いたします。

セシウム137については、662keVにピークが確認できます。

セシウム134については、605keVにも796keVにも確認ができません。

したがってセシウム137は検出と判断し、セシウム134については不検出と判断しました。

なお、カリウム40も今回は不検出となっております。
他にも天然核種は不検出と判断しました。

>>（以下、詳細については省略させていただきました（崩残））



●試料が欲しいという個人的な気持ちとしては残念ですが、
汚染地帯であるにも関わらず、かなり低減できている商品という点では、
素晴らしいと思いました。

養蜂の方法に何か工夫があるのか、それとも元々、高濃度の汚染を
免れたのかは分かりません。
また継続的に安全という保障もありませんが、現時点では以上のような結果となりました。

食するかどうかは微妙なところですが、もしも私が個人で測定したら
検出できずに、食べていると思います。

このハチミツは、福島県産でした。




【　試　料　】





セシウム137：23.4±5.28Bq/kg
セシウム134：8.99±2.30Bq/kg

カリウム40：254±57.7Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」

人工核種
「セシウム134」
「セシウム137」

の検出と判断いたします。

セシウム137については、662keVにピークが確認できます。
セシウム134については、605keV、796keV共に確認できます。
したがってセシウム134及び137共に検出と判断しました。


なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下
になります。


鉛214：ウラン系→不検出
242keV、295keV、352keV全てにおいてピークが確認できません


ビスマス214：ウラン系→不検出
609keVにピークがある可能性がありますが、1120keVにおいてピークが確認できません。

ピークのように見えるのは、カリウム40によるコンプトン散乱の影響が強そうです。


鉛212：トリウム系→不検出
アクチニウム228のエネルギーである、911keVと965keVにピークが確認できませんので、
トリウム系全般で検出は無いと言えると判断します
また、239keVにピークが確認できません


アクチニウム228：トリウム系→不検出
338keV、911keV、965keVにピークが確認できません


タリウム208：トリウム系→不検出
583keVにピークがある可能性がありますが、861keVにおいてピークが確認できません


（※セシウム134、セシウム137、カリウム40の影響が強いようで、天然核種のピークがほとんど確認できません）




いつも測定をありがとうございます。


■さて、いよいよ、今後、こうした合成試料や、
これまでに測定に出した検体を使い、経験を積んでゆこうとしているわけですが、
狙ったとおり、多種の検体が手に入りました。

（むろん、抽出の失敗や、購入した検体が不検出だったものもあります）



ただし、「保存がきくもの」に限定しましたので、
検体の状態は、かなり制限されました。

生鮮食料品とかは、自分で測定経験を積むしかありません。



それでも、液体試料、粉末試料、植物の葉、土壌、砂と集めることが出来ました。

なおかつ、先だってのクレンザーのように誤検出、過大検出とされたもの、
また、Ｋ−４０も、何種類かの強さのもの、

そしてＫ−４０以外の核種を多く含む難しいスペクトルから、
測定器の調整に使えそうな純度のものまで。


そして、スケールも、上は現在最高値が、
Ｃｓ−１７７が１６３／ｋｇの検体ですが、その下は、
約、９０、６０、５０、４０、３０、２５、１０、８、７、６、５、２、
１、少数ベクレルまで、と刻んだ状態で、
自分がしたい食品の測定には、十分に細かいデータが得られました。


これらは自分が測定する際に、比較スペクトルとして表示しますが、
低濃度の測定で、定量の基準に出来るような検体も、数個、手に入れられました。



なお、これまでに定量して戴いた中から、
私が自分の勉強用にする試料検体のリストは、下記のリンク先にあります。
　↓

http://www.mumyouan.com/k/?U1940



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★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７３回

「安心食材　の購入」



●検体の話もありますが、今回はまず
「ゆるい話題」と言いますか、「美味しい話題」からです。



　　　　



　
↑

広島の「漁協」さんから直接に、タコを送っていただきました。
注文先は、後述のリンク先をごらんください。


冷凍便でしたので解凍して、早速、さばいて料理しました。（シェフは砂手）


　


茹でたり、揚げたりと。
↓
　


むろん生でも。
↓
　


生食で、ゆでてソースで、かき揚げにして、と、大満足でした。

ソースも、わさび醤油以外に、私が調合したイタリア風のソースは、

バジルと、パセリと、オールパーパスと、ガーリックと塩を、
軽く炒めてから、オリーブオイルとあわせたものと、

林檎酢と、マヨネーズと、塩と、砂糖と、からしと、
マンゴージュースと、ライムを、あわせたものなど。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●おのみち−測定依頼所−様での測定結果を見て、
「タコ、絶対に、食べたいぜ」と思い、注文したものでした。


これは、お得でした。

以下にリンクを貼りますが、
１キロあたりが１５００円で、その時の重さで変わります。
「送料」は「着払い」。

送金先は、銀行ではないので、現金書留でいいと思います。
↓

■　三原市漁業協同組合
↓
http://www.hiroshima-kgk.jp/16.html


●ＦＡＸで注文書を送る形になります。

請求書が入っていますので、
支払いは、送られてきてからの後払いも可能です。

そのときに、見繕えるタコが何キロになるかは、
この漁師さん次第です。

私は「１キロ以上」を２匹（連）注文しましたら、
合計で、２．８キロとなりまして、税込みで４２００円でした。

送料は別途１４００円でしたが、
送料込みでも、これってスーパーで買うタコの約「半額！」です。


しかも鮮度も抜群で、味は文句なかったです。

ここは、他の海産物は宅配はしておらず、タコひとすじなんです。




★この漁協さんのタコの最近の測定結果はこちらにあります。
↓

http://onomichi-labo.blogspot.jp/2014/07/2014_14.html



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■それで、ここの読者の方なら、ご存知とは思いますが、
「みんなのデータサイト」というところがあり、

左にある「追加条件」にカーソルを合わせると、
測定所や、測定器械を選択できます。


一例として、「詳細検索」のところを、いつも私がお世話になっている

「おのみち−測定依頼所−」さんに設定すると、こうなります。


表の右端にある「関連情報」をクリックすると、
今回のように、「購入先」が分かるものがありますので、
食品購入リストが作れそうです
↓

http://www.minnanods.net/mrdatafoodsearch?mds_scatid=d%3A0&rows=200&year_s=&month_s=&year_e=&month_e=&sokuteisyoid=25&food=&order_by=val_cs137&order_by_desc=&mrdate=1&clubid=mds2



特に、おのみち−測定依頼所−さんのポリシーのひとつとして、
とにかく、測定を重ねる、測定を持続する、
そして「生産者をも守ってゆきたい」という視点がありますので、

検出限界を明記した上で、
その検出限界未満の食材、食品が、かなり多く掲載されています。


右端にある「詳細情報」によって販売元が分かりますので、
関西のみならず、関東や東日本のスーパーで買える食材もあります。



●今回のタコは、シーズンが６月から９月までですから、
タコが好きな方は、ぜひ、どうぞ。

私は原発事故後、本当に久々に、タコを食べました。



ただし、記載があるように、


>※なお、当方は購入を勧めるものではなく、
>あくまでも情報提供ですので、トラブルなどがあった場合、
>一切責任は負えないことをご了承ください。

という事には留意してください。

測定所は、どこであってもそうですが、
原則として、その測定所に固有の測定情報を提供してくれる場所です。

判断や、その後の事は、すべて消費者自身の背負うものです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊




■さて、測定した検体２点です。


またも、汚染地帯で製造されているハチミツです。

今回も、あわよくば、Ｃｓ純度が高いと助かると思ったのですが、
それはさて置いて、今回は、その事よりも「好奇心」からでした。

というのも、ただのハチミツではなく「こしあぶら」の蜜だったからです。
↓

　


　


元は、９８０ｇのハチミツでしたが、１リットルにするために
真水を少し加えて加熱殺菌をしまして、合計で１３０３ｇとなりました。



測定の結果、出なければ、当然、食べたい。
このハチミツは、あまりにも香りがいい。

どこの産地だから食べるとか食べないのではなく、
測定されている数値とその根拠を見て、食うか捨てるか決めたいわけです。


まだ、今のところは、産地で判断しているものも多いのですが、
それは実際に、西日本や北海道の産物の「測定結果」が、
東日本よりも、やはり低いからです。



■測定結果です。（おのみち−測定依頼所−様より）





セシウム137については、662keVにピークが確認できます。
セシウム134については、605keV、796keV共に確認できません。
したがってセシウム137は検出、セシウム134は不検出と判断しました。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。

>>以下省略


福島第一原子力発電所の事故による影響で検出されたものと推測されますが、
セシウム134のピークが全くと言っていいほど見えませんので、断言はできません。

一番最初に測定させて頂きました蜂蜜と比べますと、
東北でも、地域によって汚染がかなり違うと推測されます。




●少し希釈したので、元のハチミツの濃度に戻しますと、
×１．３３で、
Ｃｓ−１３７が「０．４６６Ｂｑ／ｋｇ」となります。



●ということで、ひとつ前のハチミツといい、今回のといい、
食べるか食べないかが微妙なところになり、少し迷っています。

0.3Bq/kgあたりだと、もはや普通に生協経由（検出下限３Bq/kg）
などで自分が食している食品にも、ほぼ必ず含有されていると見ても
おかしくないですし、ホワイトフードのお米も0.5Bq/kg以下あたり。


「自分の警戒ゾーンの敷居をどこに置くか」という点では、やはり、
現実的には、０．３〜０．２Ｂｑ／ｋｇあたりとなるかもしれない。


しかし、それも、これらは、
おのみち−測定依頼所−さんに頼っての測定ですから、
自分自身でこれから測定をするとなると、
検出下限は１Ｂｑ／ｋｇあたりに落ちるのは間違いないですから、
なかなか難しいところです。


それでも、自分で測定してゆく以外に、
「みんなのデータサイト」や「ＯＫフード」や、
定期的に、おのみち−測定依頼所−さんに測定をしてもらいつつ、
避けられるだけ避けて行こうと思っています。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■もう一点の、こちらは、オーガニックタバコで有名な、
ナチュラルアメリカンスピリットの中の
「ぺリック（黒色ボックス）」の吸殻です。

湿気を飛ばすため、少し加熱しましたので、元の薄茶色の葉の色から
やや焦げ茶色になっています。

アメリカ産とは言え、福島第一からの汚染が気流に乗った
その影響がある可能性が否めないので、測定に出すことにしました。


　


　


●吸殻をほぐした葉の状態で１リットルになるまで、吸殻を溜めるのが、
これが、けっこう大変でした。何ヶ月かかったかは忘れました。


「ふるい」にこすり付けると、巻紙が取れて、葉だけ下に落ちるのですが、
この作業だけで、２時間以上、かかりました。



●このタバコについては、ウィキにも出ています。
↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88


今回の検体となった銘柄はこちら
↓
http://www.world-tobacco.net/154_8251.html



■以下、測定結果です。







「煙草・吸い殻（Natural American Spirit）」
について測定結果がでましたのでお送りいたします。

結果としては、

セシウム137：＜1.6Bq/kg（2.07±2.02Bq/kg：誤検出）
セシウム134：＜1.7Bq/kg（2.97±2.34Bq/kg：誤検出）

カリウム40：1070±240Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「鉛214」（ウラン系）（微量）
「ビスマス214」（ウラン系）（微量）
「鉛212」（トリウム系）（微量）
「アクチニウム228」（トリウム系）（微量）
「タリウム208」（トリウム系）（微量）

の検出と判断いたします。

セシウム137については、662keVにピークが確認できません。
セシウム134については、605keVにピークは確認できますが、796keVには確認できません。
したがってセシウム137及びセシウム134共に誤検出であり不検出と判断しました。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出（○）・不検出（×）と判断した理由は以下になります。

鉛214：ウラン系→○
242keV、295keV、352keV全てにおいて少しピークがあります

ビスマス214：ウラン系→○
609keVにピークが少しあるように見えます。また、1120keVのピークは確認できると判断しました

鉛212：トリウム系→○
アクチニウム228のエネルギーである、911keVと965keVにピークが確認できますのでトリウム系全般で検出と判断します。
また、239keVにピークが確認できます

アクチニウム228：トリウム系→○
338keV、911keV、965keVにピークが確認できます

タリウム208：トリウム系→○
583keVにピークがあります。また、861keVにピークが確認できます

結果として、カリウム40の他にも天然核種のウラン系とトリウム系が微量ではありますが存在しております。

セシウム137及び134については、共に存在していないと推測されますので、
通常のタバコと同じような使用をされても大丈夫ではないかなと考えられます。




●このたびも測定をありがとうございました。
やや、ドキドキの結果待ちでしたが、一安心です。

というよりセシウムが含まれていたら異変が自覚できていたと思います。
ウランなどは微量含まれているものの、なんとか生きていますし、病気もありません。

タバコについては武田邦彦氏寄りの見解なので、気にしていません。

以前は、ラークを吸っていましたが、
ニコチンではなくて、含有されていた「多数の添加物」に中毒していたことを
このアメスピに変えてから、痛感しました。


半日ぐらい吸わなくても、中毒症状が出ないからです。

だったら吸うのやめろよ、と言われそうですが、

アルコールと違い、
タバコで、運転事故を起こしたり、事件を起こした話は皆無ですので、
精神作用の弊害は、アルコールや、医療用ドラッグと比べたら
皆無だと私個人は考えています。

私が最も嫌うのは、
仕事が、はかどらないとか、眠気が来るとか、不注意になるとか、
「作業効率」に数時間も影響するような、全ての物質です。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




■それで、ついに、デジタルアルマジロが到着しました。

おお、アース線用の何かが付いている？



　


結果としては、作動が上手くいかず、また、お里に帰りました。


「分解能アップ」の試みですが、製作者の大久さんからは、
ある程度詳しい経過と状況、どういったところの改造を試みたかを
メールで戴きましたが、
製品のアイディアの心臓部にあたる事なので、非公開とします。



今回は、結果としては、改造は断念したようでした。


なお、数少ない「デジタルアルマジロ」のユーザーとなり、
使用感などの情報を、逐一、大久様に伝えたいという希望もありますので、

デジタルアルマジロと、旧版のアルマジロ、各１点を計二つを
私は扱っていきたいと、現時点では、思っています。


●私がデジタルアルマジロを新規に注文した理由は二つあります。
ひとつは今後、修理中などの時のスペアが欲しいため。

しかし、もっと重要な理由は、測定を簡単にすることです。
私のような、測定には無学な者で、かつごく普通の主婦の方でも、
低予算で、食品測定が出来ないか、
ということを試行錯誤するのがこの奮闘記の大きな目標ですので、

校正やレベル設定などが簡略化されたというデジタルアルマジロは
より、その当初からの私の目的に近いからです。




ただ、今のところは、まずデジタルアルマジロの作動を
再度、大久さんの方で試してみてから、その結果によって、
どちらのアルマジロを私が使うかを決めるという事になりそうです。






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７４回

「市民の自衛と許容限度」



●まずは、前回も紹介しました、広島県の「タコ」です。

広島で既に測定されていて、検出下限未満の結果で、
安心して食べられるものと思い、直接に漁協から取り寄せたものです。


先日の残りの分を、調理しました。
今回は、ピザに乗せて焼いてみた新メニューもあります。
↓

　


結論としては、ピザはイマイチでした。ピザならイカの方がいいような気がしました。

やはり、タコはシンプルにワサビ醤油で食べるのがグッドです。



●ところで、同じく、おのみちさんのところで測定されていた
この味噌も良かったです。

関東の人には少しマイルドかもしれませんが、
私はこれを鶏肉にかけるソースにしあげてみようと思いました。
↓






＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●次は、最近、測定依頼をしました検体。


三陸産の「わかめ」です。

今年の４月に、この測定奮闘記に登場したもので、
自分で測定したところ、０．３６Ｂｑ／ｋｇ？？
自分の設備と能力で、そんな精度で分かるわけないじゃないか、
と思いつつも、Ｃｓ−１３７がある「ような気」はするが「保留」としていました。


もともとが、１．５キログラムの生ワカメでしたので、
長く保存しておくために、加熱して極端に乾燥して、水分を全部飛ばしたら、
わずか２６ｇとなり、

さらにそれを、フードプロセッサーと手揉みで細かく粉砕して、
小さな容器に詰め込んで、測定依頼しました。
↓

　


　


　



【測定結果です】

　


おのみち−測定依頼所−様より



「乾燥わかめ（三陸産）」について測定結果をお送りいたします。

■Ｖ−７容器　２６ｇ

結果としては、
セシウム137：＜7.6Bq/kg
セシウム134：＜8.3Bq/kg
カリウム40：133±118Bq/kg

との結果となりました。また、スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
のみの検出と判断いたします。

セシウム137については、662keVにピークが確認できません。
セシウム134については、605keV、796keV共にピークが確認できません。
結果としては、セシウム137及びセシウム134共に不検出と判断しました。

なお、カリウム40以外の天然核種を検出・不検出と判断した理由は以下になります。


>>中略・割愛させていただきました。（崩残）


水分が飛んで濃縮されていますので測定はしやすくなりますが、
測定する元々のg数が少ないため、少しの変化で測定値がかなりブレてしまうようです。
ですので、濃縮するのであればその絶対量も増やすのが理想的です。
（良い点でもあり、悪い点でもあります。）
一応参考までに修正後も添付しておきます。


>>以下割愛させていただきました。（崩残）





２６ｇを１０００ｇに戻すと３８倍ですから、少しの誤差が大きくなりますので、
やはり、検体は１リットルで１ｋｇに近い方がいいですね。

とはいえ、乾物や茶葉など比重の軽いものはどうしてもリットルあたり
１ｋｇにはならないわけです。


●少し前に入手した福島産のハチミツの「現地の機関」での測定結果を見て疑問に感じたのは、

せっかくゲルマニウム半導体での測定をしているのに、
検出下限が１０Ｂｑ／ｋｇであったり、
また製品に付属していた測定レポートを見ると、
検体が「１００ｇ」だったりしていました。

養蜂場なのですから、
１リットルぐらいのハチミツは簡単に用意できるのですから、
１リットルで測定をしていただきたいと思いました。


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福島原発の事故前には、
自分は何ベクレル食べていたか？



●私の食の自衛策への奮闘の全ては、まず「ここから」始まりました。


自分が福島の事故前に、この約５０数年間に、
どれぐらいの放射性物質を食べていたかを推測することからです。

この場合、放射性物質以外の、他の発がん性の物質による可能性は、
とりあえず除外します。



●それによって自分は一日、または年間に、何ベクレルまでは許容できるか、
それを決めることです。


それ故に、

>食品が「定量されていること」または「定量する事」が非常に重要になります。


ですから、
「畢竟、市民測定所の数値など、いいかげんだ」とか、

さらには、あろうことか、
定量という行為それ自体を「所詮、無意味」だとか、わめくような、
頭の悪い人は、その愚かな主張においては、うっとおしいので、
一切無視しました。



また測定器も、測定員の人たちの測定技術も、必ず少しずつでも進歩します。

実際、２０１４年現在は、相当に精度を上げてきた市民測定所もあると
私は感じています。



●そうした「広くて長い時間での視界」を持てないような人たちは、
見ていると、他人様の掲示板や、ブログのコメント欄に、のこのこ出かけていっては、
他人様の測定に、文句やあげ足取りしか出来ず、

では「彼ら自身」は日本の食品測定を、
日々、どんどん重ねて、精度向上の努力をしているのかというと、

そういう
「劣等感から、偉ぶりたい人格＋見下した相手を小ばかにしたい人格」
の人たちは、食品測定は、苦手なのか、他人から突っ込まれるのが嫌なのか、
多彩な濃度、多様の形状の日本の食品の測定はしていないことが多いのです。

ようするに「暇をもて余している」だけなのでしょう。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●さて、まず、日本の「現状」はこういうことになります。
↓


「どこかに、測定依頼をするか」

「個人で、測定するか」

「測定されたデータを、調べるか」、

このいずれかの方法で、

仮に０．５Ｂｑ／ｋｇ以下の食品だけに抑えようとします。

それでも、一回でも外食したら、もうロシアンルーレット状態なのです。



●また一部の厳しい自主基準をしている、非常に良心的な生産者ではないかぎりは、
食材の宅配業者も、自主規制は「３Bq/kg以下」が現在の主流です。



どう頑張っても、測定所の関係者でもない限りは、下手をすると、
「約２Bq/日」ぐらい食べている「可能性」はあるわけです。




●私個人についていえば、
数年後に、自分や家族に起きるかもしれない障害については不明ですが

今のところ、食の放射能は、なんとか自衛しているつもりです。

山梨県富士五湖の空間線量は、事故前の約２倍、
土壌汚染は、事故前の約３倍から４倍程度（場所によりバラつきがあります）。

今のところは、「自覚症状」に至るような病状はありません。

山梨の富士五湖は、首都圏よりはマシですが、
これであと何年、自分の体が耐えられるかという自己モルモット観察
である事には変わりありません。



●北海道や東北の西側県を除く、東京以北、
また、神奈川、静岡、山梨の「一部」は問答無用でアウトかもしれないので、
ゴタゴタ言わずに金溜めて逃げろ、という事になるかもしれないものの、

「薄汚く」汚染されたような、
東北、関東、甲信越の一部地域の「人間検体」である私達は
「微妙」です。

この私達に症状が出るか出ないかは、
いろいろな意味で、「国内での移住」を考える人にとっては、
ボーダーラインにいることを意味します。

もっともこれは、
飲食に不注意ならば全国どこにいても同じですが。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●また、西日本に避難しても、焼却場が稼動すれば、焼却灰が追ってくる。


海外に移住をするのは、私も含み、生活を必死にぎりぎりで、
自力でやりくしている多くの人たちには費用を捻出するのは困難であり、
また生活習慣の変化がきついので現実的ではない。




●また、単純な「延命」だけを重視するか、
それとも「太く短く生きるか」を選択できればいいのだが、

残念ながら、放射線障害は「細く長く病む」ことになるので、
最後は、サバイバルか、それとも治療不可能で最期は自殺となるか、
これしかなくなる。これが現実なのである。
むろん私も他人事ではない。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●話を戻しますと、原発事故前には、自分が何ベクレル食べていたか、
これを推察する事でしか、自分個人の許容範囲を決められないのである。


その許容範囲さえ決まれば、あとは、


>「何ベクレル以上の食品」を

>「どのように、購入の段階で、避けるか」

>「測定所が公開しているデータを頼りに探すか」

>「自分で測定依頼をするか」

または、

>「自分で出来る限度内で測定するか」


これらの方法を、いくつか組み合わせて駆使しながら、
自分で決めた食による被曝ラインを守れるか？、

など、こうした事が自分個人で「具体的に」決められるわけです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●そこで、汎用性が全くない「一例」にすぎませんが、

私という検体は、日本で食事をした年数は約５２年間。

今のところ持病やガンは全くありません。


仮に私が、過去５０年間に、
毎日牛乳を500ml飲み、椎茸を毎日一個食べ、
白菜とキャベツを、半月で１kg食べていたとしてみました。

実は、これらは、どれも事故前からCs-137が多めの食品で、
実際に、自分も多く食べていた食品だからです。


ここから「乱暴に計算」をすると、食からの被曝だけに限ると、
私は、年間に、210Bq/年、一日だと、0.57Bq/日摂取していた事となる。


私が前述のような「セシウムが多めの食品」を、
常識的な摂取量の範囲で
「原発事故前に」ずっと摂取していたと仮定して、
一日0.57Bq、年間210Bq以下と決めたとします。

（ただし一説では、事故前の平均的摂取量は0.19Bq/日とも言われる）

こうすることで、とにかく「マイ許容限度」が絞り込まれるのです。




■極微量でも放射性物質の摂取は避けるべきという考え方があるが、
それは、ただの理屈の上だけの文言であり、

それを現実に「実行」する事は全く「非現実的」であり、
それこそが、むしろ放射「脳」と呼ばれるべきものである。


初の原爆であるトリニティーの実験を除外すれば、
現実には１９４５年以後、セシウム１３７を避ける事は不可能である。

それ以後は、濃度の差こそあれ世界中にセシウム１３７はあるわけである。
（セシウム１３４は、原爆からではなくて原発の燃料由来）



●となれば「何とか、ガン等を発病していない」という前提で、
この自分を「自分用」の検体として計算してみる以外にないわけです。


その結果出てきた「数値以下」の範囲内であれば、
自分は「食べる」という選択をします。



●ただしそれは、あくまでも「食による追加被曝」だけの数値となり、
空気中からの吸引による被曝も加算されるだろうという前提での話です。

食以外からの被曝率を何パーセント、想定して加算するかは、
個々人の「居住地域」の汚染度合いにより違います。


また測定せずに数値が未知だった食品を食べてしまった、
という時のリスクも加算するとします。


こうすると、やはり、

>0.5Bq/日あたりか？、というのが現在の私の許容範囲です。

>ただし、これでも福島原発前の日本人のセシウム１３７の平均摂取量の
>２．６倍の濃度となります。


>また福島原発由来となるセシウム１３４は、年々減ってくれるものの、
>セシウム１３７よりもエネルギー（身体への実害）が約２倍と言われてますので、
>それも考慮しないとなりません。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



そこで、我が家の方針は、

「市民測定所からの情報」その他を元に、
とにかく「購入時」に産地偽装などに注意する事としました。

これは２０１１年の原発事故後からは、ずっと続けてきました。


また、生産者が、どれぐらいの精度で測定していて、
何ベクレルだったかという、情報があるものをなるべく選ぶこと。

これは自分が測定について少しですが勉強するようになったせいで、
今年２０１４年あたりから、注意するようになりました。


また汚染が「未知」の食品は、
「家計を圧迫しない範囲」で、自分で測定に出すことをしました。




●余談ながら、私が使用している１インチのアルマジロは、
おそらくは、２Ｂｑ／ｋｇは確実に捉えられるが、

ただし、その際に、「誤検出や、過大検出」、
または逆に、最もよくない結果となる、「過小評価」をしてしまう、
ということも十分にあるだろうと思います

（ただし、このあたりの検出数値は、
　生協パルシステム他の、自主規制と３ベクレル／ｋｇとほぼ同レベルです）




●といった具合に、
各自が自分に許容できる「数値けを決めない事には、
具体的に 「どういう手段で」「どの数値まで」を避けるか、
これが決まらないのです。


ですから皆さんの各自が、
「子供の頃からの食生活」を、よく思い出してみて、

原発事故前の「Cs-137の摂取量」を、大雑把でもあっても推察する事から、
自己責任による自衛の「基準」がスタートするわけです。


この場合、食品の汚染濃度は、
大気圏内核実験やチェルノブイリ事故などが関係して、
「年」により違いますので、後述したデータを参考にするといいです。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●なお、原発事故前に自分が食べていたベクレル数を計算するのに、
私は、次の食品のデータを参考にしました。

これは２００９年までのものですが、
最大値ではなく「平均値」を基にしました。

↓

事故前の概算

http://chemibo.jp/hyouka/hm_past_syokuji.php



北海道の食品

http://chemibo.jp/hyouka/hm_past_cs137.php



北海道の食品以外

http://chemibo.jp/hyouka/hm_past_cs137-2.php



ストロンチウム

http://chemibo.jp/hyouka/hm_past_sr90.php



●そして、キノコ類の中でも最も多く食べたものは、
やはり、椎茸でしたので、そのデータも見てみると、
福島の事故前からの汚染であると推測できるものは、
北海道産でも、５Ｂｑ／ｋｇ前後のシイタケがあると分かります。
↓

2014年椎茸

http://www.minnanods.net/mrdatafoodsearch?mds_scatid=1070102&bq_min=&bq_max=&kakusyu=CsTotal&mrdate=1&year_s=2014&month_s=&year_e=&month_e=&x=102&y=94&rows=200&clubid=mds



●こうした大雑把な計算から、前述のように、

私個人は、「今のところ」は、
最大で、年間に２１０Ｂｑ／年を食っていたと仮定して、
ガンその他、放射性物質由来の発病はないと「仮定」してみました。


私は、給食がなくなった中学校以後は、牛乳を、そのまま飲むことは少ないものの、
菓子類に使われている乳製品を含むことになります。

だとしても、２１０Ｂｑ／年というのは、やや過剰計算であろうと思うので、
これよりも許容範囲を下げる必要もあるとも思っています。





　　　　【　現実問題として警戒できる限界は？　】


●ほとんどの市民測定所は、
０．５Ｂｑ／ｋｇから０．２Ｂｑ／ｋｇが検出下限ですので、
これなら、なんとか年間で、２００Ｂｑ／年、以下に抑えられます。


もしも生協の測定（むろん全量検査ではなく、サンプルだけ検査）を
信じて買い続けるならば、「最悪のケース」を想定すれば、
毎日、２．９Ｂｑ／日を食べていることになるので、
年間で１０００ベクレル超えとなり、これはさすがにアウトである。




■また、２０１１年から２０１４年までの各社の「自主規制の数値」
がここに掲載されていますが、市民測定所よりも高めなのです。

左のメニューにあるものから、たとえば「乳製品」とかを
選んで一覧表を参考にしてください。
↓

http://chemibo.jp/hyouka/hokkaido_monitoring.php



乳製品をクリックした場合
↓
http://chemibo.jp/hyouka/hm_milk.php



米・小麦をクリックした場合
↓
http://chemibo.jp/hyouka/hm_rice.php



●ですから、こうして、いろいろなことを、複合的に組み合わせてゆくと、
現実的には、やはり、
年間「１８０Ｂｑ〜２００Ｂｑ／年」以下、
「一日に０．５Ｂｑ／日以下」を、
当面の自分の摂取限度の目標とすることにしました。


そのための、測定依頼であり、また自分の個人測定です。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



あなたの家に来ている
水道水だけは絶対に測定依頼をする事



■関連する話であるが、水道水、これがまた問題が多い。


「水道水の測定結果」という検索用語で、
東京、栃木、千葉などの自治体の検査結果を見ると、
その検出下限の数値から、思いっきり、うがった「邪推」をすると、

0.6Bq/kgから0.8Bq/kgあたりの数値で水道水は汚染されている可能性がある、
と判断する事も出来なくないのである。


だが、もしも0.7Bq/kgの水道水を１日にリットル飲んでいたとしたら、
年間で、水だけで、250Bq/年を超える量となってしまうのである。



●そこで、私が皆さんに薦めたいのは、
「ご近所の皆様」という単位での、水道水の測定依頼です。


日本全国、特に東京都と東日本の人たちは、
最低限、まず水道水だけは、「市民測定所」を経由して、

>ゲルマニウム半導体検出器で測定した方がいいのです。

>その際に必ず検出下限は0.1Bq/kgの精度の測定コースを指定します。


１万円を超えますが、これだけは、まず絶対に必要です。

町内会で十人以上で共同依頼すれば、一人あたりの費用も安くなります。


●むろん市民測定所経由ではなくてもいいのですが、
行政や政府と繋がりのありそうな所は、データの捏造の可能性を、
どうしても否定できないのは、今の日本政府の態度を見れば当然なのです。

たとえば、街中にある、でっかい図体のモニタリングポストの数値が
低くなるように設置されているケースがあり、
信用できないことからも分かると思います。



ですから、市民測定所の「横の繋がり」で、
ゲルマニウム半導体検出器で測定をしているところに依頼するに限ります。


私は、山梨にいますが、それでも、もう一度、自分の家の水道水を、
今度はゲルマでのクロスチェックの測定に出す予定です。





＿＿＿

★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７５回

測定の練習・学習用の試料たち



●いや、実に、かわいい。


シンチを改造に出している間、測定は長期休暇に入ったので、
その間に、計画的に積み重ねてきた濃度・状態の検体がこんなに
集まりました。


角型マリネリ（しかもシンチの向きが逆）という他にはない、
自分独自の「容器」もむろん可愛いのですが、
これだけ保存のきく検体が集まると、見ているだけでウキウキします。



●液体も濃度は微妙に違いますし、
また、カリウム４０をふんだんに含むものからほとんど含まないものと、
いろいろ揃いました。


●また、天然核種はカリウム４０のみという土壌から、
トリウム、ウラン系、その他を微量含むもの、
形状も、砂状、腐葉土、汚染させたゼオライトといろいろ。
そして、密度（比重）もさまざま。


●植物は、松葉３種と茶葉で、Ｂｅ−７を含む（たいてい含む）。


●濃度も上はＣｓ−１３７が１６３Bq/kgから、下は１．３Bq/kg。
その間に、約２０種類以上の「段階的な濃度」のものが勢ぞろい。

ただし、そもそもの事の始めから、
１から１０ベクレルあたりの食品汚染の見極めに目的を絞り込んでいるので、
１から１０Ｂｑ／ｋｇまでの範囲の検体が非常に多くなりました。


その他に、自分で定量できる限界を超えてしまうであろう、
０．９から０．５あたりの試料も、チャレンジ用にいちおう保存してあります。



●また、測定所で１３７が過大検出、１３４が誤検出と判断された、
クレンザーや、天然核種が多い木灰など、私にとっては、
とても勉強になる検体もあります。


むろん、検出下限以下でＮＤとされた検体も保存してあり、
これは、自分で測定したときに、逆に誤って検出してしまうような
スペクトルが見えるかどうかを試せるものになります。


改めて数えたら、２７種類ありました。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


中には結果として捨てた試料もありますので、
これらは単なるコレクションではなく、次の利点を持ちます。



●測定の練習に使える

●測定の学習に使える

●定量の参考に使える（参照グラフとして表示する）

●濃度の範囲は、Cs-137が１〜１１Bq/kg当たりに集中しているので
　自分が目標として定量を狙っている領域の食品測定に向いている。

●どの試料も３年間は保存できる。

●測定器のチェックや調整に使える。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊

とにかく、見ているだけでも楽しいですが、測定を再開すると、
もっと楽しめそうです。


これらの試料を使った基礎的なテストや準備だけで、
おそらくは今年いっぱいはかかりますので、
本格的な自分流の食品測定は、年末から来年になりそうです。


アルマジロは今月には戻る予定です。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


【液体試料】　　　　　　　　　　　　　　　　　【米・米糠類】

　


【植物試料】　　　　　　　　　　　　　　　　　【標準検体】

　


丸い容器はマリネリではなく、角型マリネリに詰め替える試料を
保存しておくための容器です。不要になったＤＶＤのドラムケースの利用です。
ただし、ここには１リットルは入りません。
↓

【土壌類・合成試料・木灰・砂など】　　　　　　【液体試料−２】

　



●測定所で定量された一部の試料が、量的にかなり、あまりました。

左写真は知人に差し上げる試料。

右は測定をしている人で、縁のある方に声をかけてみて、
欲しい方がいたら差し上げる試料。すべて１リットル以上あります。

（後日「ふじみーる」さんで、測定器のチェック用にひきとって戴けました。）


（４点セットで、Ｃｓ−１３７が
　1.3Bq/kg　　1.8Bq/kg　　3.5Bq/kg　　6.5Bq/kgの４種）。

↓

　






●↓下記の写真ですが、

醤油、約１．７５リットルを、１リットルにすべく濃縮していましたら、

そのうち、「血の池地獄か？」はたまた「油田か？」みたいに、
妙に、ボコンボコンと波打ってきたので、スプーンですくったら、
底の方で「塩分」が飽和していました。

だもので、濃縮率を下げて最終的に１．４５倍ぐらいにしました。

これも自分の測定練習用のものです。

元の状態での定量ではＣｓ−１３７が、０．５１Ｂｑ／ｋｇとされていますが、
そこまでは、たぶん今の私では定量は出来ないと思い、
０．８Ｂｑ／ｋｇあたりまで濃度を上げておきました。
↓

　


上の「右」の写真は、測定結果が０．３５Ｂｑ／ｋｇと定量された
福島県の会津地方で生産されているハチミツです。
しかも「コシアブラ」という植物の花の蜜。

このコシアブラは、一時期、採取を控えるように政府が言うほど、
汚染地帯では、セシウムが高濃度で検出された経緯がありましたので、
興味から取り寄せたのですが、結果は、微量検出のみでした。


ハチミツの摂取量は、お米や牛乳とは違い、わずかですから、
自分が決めた内部被曝の許容範囲内に収まるものと自主判断して、
食べることにしました。

一年かけてこのハチミツを全部たいらげても、
０．４〜０．５Ｂｑ／ｋｇ程度ですから。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


私がお世話になったり、勉強させて戴いたり
記事内容に注目している測定所


●測定ブログも、最初は、たくさんありましたが、
持続力を持って活動しているところは、少なくなってきました。
そんな中で、継続している測定所です。

↓


■おのみち−測定依頼所−
http://onomichi-labo.blogspot.jp/


お申し込みはこちらのページから
↓
http://onomichi-labo.net/


●その際に、送るのは、どれぐらいの量（重さ）が必要になるのかは
食品ごとに違いますので、下記を参照してください。
↓

http://www.ycrms.net/kentairyou



■座間放射能測定室

http://blogs.yahoo.co.jp/zamasokutei


食品測定
http://blogs.yahoo.co.jp/keinagaki/folder/1213579.html


土壌測定
http://blogs.yahoo.co.jp/keinagaki/folder/1212219.html


ペットフード
http://blogs.yahoo.co.jp/keinagaki/folder/1214740.html



■福島３０年プロジェクト　公開データ

http://fukushima-30pj.blogspot.jp/p/blog-page_270.html



■こどもみらい測定所　公開データ

http://kodomira.com/measured/



■みんなのデータサイト

使い慣れてくると、
「食品の種類」「ベクレル数」「測定所」「生産時期」などで
目的の検索を絞りこめるようになります。
↓
http://www.minnanods.net/





〜〜〜〜〜〜●個人的に注目した記事●〜〜〜〜〜〜



■表土からの距離による汚染濃度の違い（宮城県仙台市より）

http://ameblo.jp/foreston39/entry-11906175177.html



■宮城の測定ブログ
↓
http://mtmtmg.blog.fc2.com/



■阪神・市民放射能測定所

空調機を洗浄した液体にやけにＫ-４０が少ない。
↓
http://hanshinshs.web.fc2.com/siryou/201407kekka.pdf


↓この、はにわさんの掃除機のホコリもやけに少ない。

http://chemibo.jp/hyouka/hm_hokori.php



■その他、個人的に大変に興味深い「資料」■


イネへのセシウムの移行
↓
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/rpjt/event/20120218-3-slide.pdf

土壌からのセシウムの分離
↓
http://www.jrsm.jp/shinsai/3-4miyoshi.pdf




＊＊＊＊＊＊＊＊＊

★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７６回

シンチレーターの気温への耐性



■デジタルアルマジロと、アナログアルマジロ、
それぞれが、気温（室温）で何度まで正常に作動するか比較してみました。

これがデジタルアルマジの外見です。

ＵＳＢ一本で使えるデジタル出力の他に、アナログのオーディオ出力もついています。


　


なお、製作者の大久さんによりますと、このジャックのどちらかを使用の際には、
もうひとつの穴を、遮光する必要があるとのこと。
シンチレーター内部に外部の光が差し込むと支障があるからです。




●さて、結論からいいますと、このデジタルアルマジロは、
旧版のアナログアルマジロと交換をさせて戴きました。


デジタル版は、シンチレーター自体のアンプに不具合が出たりして、
製作者の方のところと私のところを、行ったり来たりたのですが、
最終的に調整されたデジタルアルマジロは正常に作動しました。

そこで作動温度の確認だけを今回しました。



●ただし、ひとつ注意点があります。
デジタルアルマジロは「極性」が「マイナス」なので、
ソフトもそのように設定します。



■せっかくの機会ですから、
デジタルアルマジロが室温何度まで作動するかを試しました。
↓




結果は、

デジタルアルマジロ・・・・・・２７．５度から作動不良、スペクトルやレベルメーターに異変。
　　　　　　　　　　　　　　　そして、２９度で信号が停止しました。


アナログアルマジロ・・・・・・３２．５度でも、ものともせず、
　　　　　　　　　　　　　　　ピークドリフトもほとんどなしでした。




■夏の暑い時期だけは、アナログにして、秋から春までの半年は
デジタルにすることも考えたのですが、
将来的に、どちらかが故障で修理となった場合のスペアとしては、
同じタイプがいいと思い、ふたつともアナログにしました。



■あとは、デジタルアルマジロが開発されたときのアナウンスに、
出力レベルを製作者の方が調整して組み込むことが出来る、
といった話もありましたが、現時点では、まだその段階ではないようです。

ですので、より設定が簡単になった、ということはなく、
今までどおりに、ピーク校正や、レベル調整は必要です。


■うちのように、気温が３２度を超えるなどという過酷環境で、
長時間測定をしている人は、まずいないと思います。
（屋外で使う場合は別ですが）


なので、普通に空調のきいた環境や、
小型の冷蔵庫で、測定環境を安定させらる環境を持つ人は、
デジタルアルマジロの使用をお勧めします。

正常に作動していた温度の範囲内での、スペクトルを見たかぎりは、
旧版のアルマジロ同様「出来るヤツ」という印象を受けました。




●　一方で、懸念材料は３点でした　●


■電源と出力を兼用するために、ジャック穴が一つになり、
頑丈に作られているのですが、アナログよりも接点が繊細なので、
どうしてもちょっとしたことでの接触不良の可能性が、少し不安になりました。
経年により接触が劣化しないかという主観的な心配です。

ただし、それで支障が出たケースは今回のテストではありませんでしたが。



■もうひとつは、動画でも説明しましたが、アナログアルマジロは、
ボディーに対して弱い外圧をかけても何も影響はなかったのですが、
デジタルの方は、インターフェイスの回路の組み込みで、デリケートになったせいか、

ボディーに僅かな圧力をかけると、スペクトルに影響が出ました。


遮蔽容器内で、触らずに静かに使う分にはいいですが、
フィールドワークなどで、測定中に振動を与えたり、
手で持つと、若干の影響がありそうです。



■最後に、アース線ですが、
アースしたままで使用するのはいいのですが、
測定中に、アース線を外すと、出力異常が出ました。


ですから、アース線はつけたままにするか、
または、使用する直前だけアースに触れさせて、
その後は、はずした状態にするほうがベターでした。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


以上は、あくまでも私個人が２日間という短い期間で、
この高い温度の環境でテストした結果ですので、
環境や取り扱いが変わると、違ってくる点もあろうかと思います。


またオフレコで大久さんにお聞きしたのですが、
１インチアルマジロの販売台数と、デジタルのそれを比べると、
デジタルはまだ出荷数が圧倒的に少ないようです。


ですから、いろいろな人の使用環境での作動データが
まだ多くは集まっていないように見受けられました。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊　本日の予備測定　＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●現在、バックグラウンドを２４時間取得中ですので、
その前にテストで測定したスペクトルです。


以前の同じシンチレーターと今回のを比較したもの。
↓





今回のシンチで、少しだけ違う濃度の検体を測定したスペクトル。
約６Bq/kgの差は、歴然と出ていますね。
↓






再び「液体標準試料の持つ意味」


天然核種、それもＫ−４０をもほとんど含まず、
セシウムに汚染された水が測定実験に必要な理由は、

この汚染水があると、それを様々な「無汚染の食品や土壌」に混ぜることで
天然核種からの影響を、計算上の論理値ではなく、
ビジュアル的に確認検証できるからである。



現時点で理想的なのは１Ｆの汚染水だが危険であるので

１／他の地域の河口域で採取する。

２／汚染されたハチミツだが、狙った汚染度を探すの簡単ではない。

３／エアコンフィルターやガラスに付着した物質を水に溶かす。

４／一般ゴミの焼却場で飛灰を吸収したフィルターを入手し水に溶かす



現在の測定は、既に天然核種と人工各種が「混在」した検体を 測定し、
そこから推測計算で天然核種の影響を類推している。

しかし「影響率」を出来るだけ正確に見るためには、
検体の構成している要素をまず分離してから再調合して影響を観察する必要がある。



かといって放医研、等から自治体などに配布されている標準線源に
何かを故意に混ぜるほど羽振りのいい測定員はいない。
また標準玄米(25Bq)は既にＫ−４０を含有してしまっている。

液体ならば、液体同士は無論のこと、
さまざまな食品や、乾燥した茶葉や粉でも、どんな検体にでも、
後からＣｓを付加できるのでデータが取れる。

（個体への液体の調合では、
　いったん個体に染み込ませて、その後で乾燥すれば良い）



つまり、現時点では、自分で試料の合成をして、
その時にＣｓの汚染を一定にしたままで、
定量済みの、土壌・米糠・やさしお等の天然核種を段階的にわざと、
増やしてゆきそ、の影響率を見るという方法しかない。

が、逆に純度の高いセシウム水溶液があれば、
もっと高い精度で検証できるはず。



簡易測定をしてみて、その水溶液の純度と汚染濃度がイケそうだと分かったらば、
ゲルマでの定量依頼を最低でも２箇所でやってみることになる。
ゲルマとても測定所により誤差があるはず。
これだけで１５０００万から２万円が吹っ飛ぶが、
もしも１０Ｂｑ／ｋｇの汚染水が３リットルもあれば、
濃縮と希釈も自由なので、沢山のテストが可能になる。



ここで役立つのが「みんなのデータサイト」である。

Cs-137のみで500Bq/kgの汚染検体を表示させると、
ものの見事に、高濃度汚染地帯の分布が大雑把に推測できる。
↓
http://www.minnanods.net/mrdatafoodsearch?mds_scatid=d%3A0&bq_min=500&bq_max=&kakusyu=Cs137&mrdate=1&year_s=&month_s=&year_e=&month_e=&rows=100&x=88&y=91&clubid=mds


そして、この中には私が欲しい「汚染水」なども含まれている。
2012年には、プールの水から７０Bq/kgを超えるCs-137の数値が出ていた。

↓
http://www.minnanods.net/mrdatafoodsearch?mds_scatid=c%3A2010500&bq_min=50&bq_max=&kakusyu=Cs137&mrdate=1&year_s=&month_s=&year_e=&month_e=&rows=100&x=76&y=86&clubid=mds





＊＊＊＊＊＊＊＊＊

★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７７回

「いくつかのテスト」




バックグラウンド


●今回は、容器に何もいれないＢＧと、容器に真水を入れたＢＧの
二種類をそれぞれ２４時間とっておきました。


下図の比較用のスペクトルは、ピーク位置を合わせるためだけのものです。
Ｃｓ−１３７を２３Ｂｑ／ｋｇ含む、自作の合成試料です。

【約２４時間測定】
　↓





当然、水によって遮蔽されるために、部分的に何もないＢＧより低いところがあります。
　↓






■次に、こちらは、１リットルの真水に、
やさしおの量を調整して入れることで、Ｋ−４０が、
５０Bq/kg、１００Bq/kg、２００Bq/kg、４００Bq/kg、６００Bq/kgの
５種類の濃度の「やさしお水」を作るもの。


【約１０時間測定】まずひとつめ。
　↓




●私に「固有」の注意点としては、自作の角型マリネリは、
容量が６００ｍｌなので、測定を終わったらば、
マリネリから、いったん中身の「やさしお水」を１リットル容器の
ある残りのやさしお水に戻してから、

そこに、やさしおをさらに追加し、
よく振ってから、またマリネリに戻す作業が必要なことです。
↓






●予定として、この「やさしお水」は、５０Ｂｑ／ｋｇからは、
１００、２００、４００、６００Bg/kgのものを作っておきます。

食品に含有されているＫ−４０は、おおむねこの範囲に収まるからです。





洗剤の種類（性質）の違いによって
「セシウム汚れ」の落ち方は異なるか？


　



　




■木灰を使うのは、粒子が細かくて、大きさが一定しているので、
土壌などよりも、平均的にタオル生地に染み込むと考えたからです。


　



　




洗浄作業です


■５枚のうち、

・１つは、乾燥後に全く洗わずに、灰をよく叩いて落としただけのもの。

・２枚目は、水洗いのみします。

あとの３枚は、酸素系、塩素系、洗濯洗剤などで、別々に洗います。



●洗剤で洗うときには、水の分量と水温は、すべて同じにして、
洗剤は、それぞれの製品に表示がある２倍の量にしました。


●条件を一定にするために、揉んだり、かき回さずに、
１５時間「浸け置き洗い」にしました。



●その後に、水ですすぎますが、
これも、条件をなるべく同じにするために、揉まずに「流水」でやろうと思います。



●今回のタオル５点の測定は、「ふじみーる」の石田さんのご好意により、
「みんなの測定所・ふじみーる」さんに、お願いすることにしました。
　　↓


http://fujimi-ru.greenwebs.net/info




■セシウム１３７を約６１Ｂｑ／ｋｇ含む木灰で汚染させたタオルを
まず流水で水洗い。
↓

　 　



■次に、塩素系漂白剤、選択用せっけん、酸素系漂白剤の３種に浸けます。
最後の１枚は、お湯につけるだけにします。

【データを取るために、水にもつけない無洗浄のタオルもとってあります】
↓

　 　




　 　





浸けおき１５時間後


●出来るだけ同じ条件ですすぎを行いました。
↓

　


　　




＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■なお、今回のテストは、溶出が目的ではなく、家庭の主婦の参考に、と思っていますので、
業務用の強力な洗浄剤などは使わずに、家庭にある洗剤類を使いました。



★今回のテストで「手落ち」があるとすると、
汚染させた５つのタオルを、水洗いで洗浄する前に測定して、
同じような数値になっていたかを、測定しなかった事です。


が、しかし、木灰を染み込ませるときにも、かなり注意して、
均一な汚れになるようにしたつもりですので、大丈夫だと思っています。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊




●ついでに、この木灰は定量もされていて、捨てるのはもったいないので、
ここからまた灰汁を取り出してみることにしました。↓


　







風呂場の浴槽の水を遮蔽に使う
というトンデモな発想による
「潜水型測定器」のテスト


　


●これは、５ｃｍ厚の鉛の遮蔽容器には劣るものの、
２５０リットル近い水で囲まれることになるので、それなりに
効果があると思います。

その為に、風呂場から部屋まで４メートルのアルマジロのコードを
大久さんに、以前に作っておいてもらいました。

材料費は、特注の長さのコードを入れても、

コード・・・・・・・３０００
検体用の容器・・・・２０００
アクリルパイプ・・・２０００
１ｍｍ鉛シート・・・２０００


で、１万円程度で出来ます。



　


●唯一の難関が、潜望鏡のように突き出すアクリルパイプの部分、
つまりシンチレーターの上部の遮蔽ですが、
ここは、水ではなく鉛シートをまるめて、錘も兼用することにしました。


検体を入れる容器は、８００ミリリットルぐらい入る自作のマリネリで、
防水性です。

ただし、現時点のテストでは、防水パッキンのない容器だと、
内部に水が浸入しました。



●翌日、鉛シートがきたりので、まず表面汚染の測定です。
その昔、汚染された鉛をつかまされたことがあったものですから。
↓

　 　




　 　




　 　




●今週末には完成すると思いますので、楽しみにしていてください。

完成後に、まずバックグラウンドを測定してみて、５ｃｍ厚の鉛遮蔽に比べて、
どれぐらい遮蔽能力が劣るか調べてみます。


●また、水温によってどれぐらい変化があるのかも、じっくり見てみます。



同じアルマジロ２機と、専用のＰＣが２台あるので、
普通の測定と同時並行してやります。




■アルマジロが里帰りする前の今年の前半は、少し飛ばしすぎたので、
後半はまったり、じっくりとやります。


食品測定の定量には絶妙に便利な試料も沢山揃ったので、
とにかく、テストすることが、これから沢山ありますので、
のんびりと行きます。




＿＿＿＿＿＿＿＿

★ . 　　

「素人による個人測定・奮闘記」第７８回

●完成した「潜水型　測定器」



発案どおり作れました！



●一番太いところは、鉛シートを巻きつけて上部を遮蔽するとともに
水中に沈めるための錘も兼用しています。マリネリ容器が浮力を持つからです↓


　



　



　




「防水テストも無事完了」



●マリネリ容器の「内部」のアクリルパイプと、
容器の外側の、浴槽の水に浸かる部分の接合部、
すべて、水漏れゼロでした。

それでも、実際に使用する時には、
いちおう中のシンチレーターは、ビニールで保護します。



　





　　　　　■基本構造はこのようなものです。

　　　　　



★【材料の購入先】
　　　↓

☆容器（ゴムパッキン付きでないと水が浸入しますので注意！）
↓
http://www.monotaro.com/g/00250015/?t.q=%83p%83b%83L%83%93%81%40%97e%8A%ED


☆アクリルパイプ
↓
http://www.hazaiya.co.jp/category/akuriru_pipe1.html


☆鉛シート(厚さ１mm×５０mm×３００mmm)が４枚必要
↓
https://joyfulhonda.jp/item/71083?gclid=CNGpo6vOtMACFcmXvQodpI4A3g


☆浴槽から、お部屋のＰＣまで届く「長いコード」は、
アルマジロの製作者の方に特注してください。
↓
http://www.superoceanlight.com/index.html



☆なお、鉛の錘がシンチに乗っからない工夫は、
一連の私の写真を参考にして、自分で考えてください。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



★あとは、もう一個のアルマジロが送られてくるのを待つのみです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊



K-40のコンプトン散乱の影響の補正




●ずっと前に書きましたように、難しい数式の計算によってではなく、
ヴィジュアル的に、どれぐらい「カリウム津波」が襲ってきて、
定量したいセシウム領域に影響しているか（嵩上げしているか）を
簡単にですが、調べてみました。


固体では「だんごの粉」と「自作した低濃度（Cs-137が3Bq/kg程度）の試料」です。

後日、「低濃度汚染(Cs-137が4Bq/kg)」の液体でもテストします。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■「粉状検体」の場合



　



　



　



　



●カリウムの影響によって、
セシウム１３７と１３４山の部分面積が、どう変わるかを比較するわけですが、

この検体のように２．８Ｂｑ／ｋｇという濃度が低いセシウム−１３７の場合には、
Ｋ−４０のコンプトン散乱によって、「山が埋もれて小さく」なります。




>注【以下の図では、加算する「やさしお」の重量計算を間違えているので、
>　　図中および文中に書かれているベクレル数に７０％を掛けた数が正しいです】



■Ｋ−４０の値は、このスペクトルの表示上では、
元の試料に30Bq/kg　＋ＢＧのK-40が10Bq/kg　＝40Bq/kgになっていて、
　
ここから、185Bq/kg 240Bq/kg 340Bq/kg 440Bq/kgと、
段階的に増やしてゆきました。


●まず、その様子をざっとごらんください。
↓　（表示数の限界の都合で、全部は並列表示してありません）





■K-40を30Bq/kg含む試料だと下図のように何の問題もなく定量も出来ます。
　　↓





■K-40が240Bq/kgまでは、2.8Bq/kgのCs-137を識別・定量できました。
　　↓




■しかし、K-40の濃度が340Bq/kgのあたりで、検出も限界に近くなり、
「カリウム津波」の影響が増して、山が崩れ始めたので面積が不明確になり、
定量は困難になってきました。
　　↓





■前述のスペクトルを、縦に変形をかけて強調したもの。
　　↓






●以上の結果から、食品中にカリウムを約２５０から３００Bq/kg含む
検体の場合には、なんとか２．８Ｂｑ／ｋｇでも定量できましたが、

カリウム４０が、３５０Bq/kgあたりになると、
私の使っているシンチレーターとソフトによる「私の表示法」では、
コンプトン散乱により、セシウム１３７の領域の山の形が不明瞭になり
定量は困難になりました。



●カリウムが３５０Ｂｑ／ｋｇを超えても、
５から６時間測定すれば、なんとか「検出下限」として２．８Ｂｑ／ｋｇは維持できそうです。



■引き続き、Ｋ−４０を４４０Ｂｑ／ｋｇにして測定した場合。
　　↓







非汚染の同じ試料をＢＧにした場合


スペクトルの違いはこうです。
この試料は、【Cs-137＝2.8Bq/kg K-40=440Bq/kg】です。
↓









■結論から言いますと、他の山に「埋もれて」判りにくくなりました。

普通のＢＧを使った場合には、
Ｋ−４０が２４０Ｂｑ／ｋｇある検体でも、２．８Ｂｑ／ｋｇの山が
はっきりと見えるのですが、この「非汚染の同じ検体」の「ＢＧ」を使うと、
山が、スペクトルの中に埋もれました。

よって「ごく普通のＢＧ」を差し引きに使うのがベストのようです。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■ちなみに、【前述の数値の間違いを正しくすると】


☆カリウム４０が「１３０Ｂｑ／ｋｇ」あたりであれば、
１インチ・アルマジロで「３時間」測定で、２．８Ｂｑ／ｋｇを判別できます。


☆Ｋ−４０が「１７０Ｂｑ／ｋｇ」あたりでは、
「５時間」の測定で　２．８Ｂｑ／ｋｇを判別できました。


☆Ｋ−４０が「２４０Ｂｑ／ｋｇ」になると、
「６時間」の測定で、C-137の、ある無しの判別（検出）は出来ますが、
定量になると難しかったです。


☆Ｋ−４０が「３００Ｂｑ／ｋｇ」になると、
「５時間」を測定した段階で、スペクトルが滑らかになり、
C-137の山の有り無しの判断すら困難になりました。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


★【　このテストに使った試料のデータ　】


容器・・・・・・・・６００ｍｌ

だんごの粉・・・・・３６４ｇ

合成試料・・・・・・５０ｇ



５０ｇだけ使用した、この「合成試料」の元の測定データは、

Ｃｓ−１３７・・・・２３．４Ｂｑ／ｋｇ
Ｃｓ−１３４・・・・８．９９Ｂｑ／ｋｇ
Ｋ−４０・・・・・・２５４Ｂｑ／ｋｇ


☆１０００で割って１ｇあたりのＢｑを求め、５０倍（ｇ）すると、

Ｃｓ−１３７・・・・１．１７Ｂｑ／５０ｇ
Ｃｓ−１３４・・・・０．４５Ｂｑ／５０ｇ
Ｋ−４０・・・・・・１２．７Ｂｑ／５０ｇ



☆この試料全体のＣｓ濃度を、１ｋｇあたりのベクレル数に直すには、

１０００ｇ÷４１４ｇ（合成試料＋だんご粉の総重量）＝×２．４１



☆これを前述の５０ｇあたりのベクレル値にかける、１ｋｇあたりは、

Ｃｓ−１３７・・・・２．８１Ｂｑ／１ｋｇ
Ｃｓ−１３４・・・・１．０８Ｂｑ／１ｋｇ
Ｋ−４０・・・・・・３０．６Ｂｑ／１ｋｇ




■これに、「やさしお」を段階的に加えてゆくが、

１リットルではなくて、私の自作の「６００ｍｌ」の容器の場合には、

Ｋ−４０を、

１００Ｂｑ／ｋｇ増やすには、＋　７ｇを加え、
２００Ｂｑ／ｋｇ増やすには、＋１４ｇを加える

となった。


■これは、次項の表に出てくる「やさしお水・１リットル」で、
１００Ｂｑ／ｋｇずつ増やすために入れる「やさしお」の重量に、

６００ｍｌ÷１０００ｍｌ（合成試料＋だんご粉の「総体積」）＝０．６
を掛けて割り出したものである。

実験の規模が、１０００ｇから６００ｇの体積になるためである。



●注意点としては、ここでは、重量比率で割り出した数を、
入れる「やさしお」のｇ数に掛けてはならない。


たとえば、合成試料が「軽い綿」だったり、逆に「鉛」だったとした場合、
もしも、それらの検体に加える「やさしお」を、
１リットル時と６００ｍｌ時の「検体全体の重量」による比率となる、
「ｎｇ÷１０００」で割り出したらば、
やさしおのＫ−４０が、正しい分量で追加されないからである。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■「液体試料」の場合



　


■やさしおを水に加えただけだと、以下のように単に持ち上がるだけです。








そこで、セシウムを４Ｂｑ／ｋｇほど含む、水溶液で、
Ｋ−４０の増加による影響をテストします。


これは、測定が済みましたので、新規に次の投稿に掲載しました。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■測定に関するメモ書き




大手メーカーの工場で安定した状態で常に作られた食品、
たとえば、トマトピューレ、ジュース、粉、菓子類、缶詰、
その他、こうしたもの便利なのは、
食材を刻んだり粉砕する事で出るムラなく測定できる点である。

汚染なしの商品のその商品スペクトルをＢＧに設定して、
汚染された同じ商品を同条件で測定すれば より正確になるのかもしれない。



そのためには全国の測定所にある 「検出限界未満の結果が出たデータ」こそが
汚染食品をより正確に測定したい時の貴重なＢＧデータになるかもしれない。



ふと、思ったのは、
ゲルマ測定器は何を標準試料にしているのだろうか？
たとえば自治体に配布されている２５Ｂｑ／ｋｇの汚染玄米や粒状の標準検体だとする。

しかしその密度を測定機器やソフトの基準とした場合、
それより高密度に濃縮した検体を測定した時の誤差はどう計算しているのだろう？



濃縮して１リットルあたり１ｋｇにすれば、または量を増やせば、
検出できる放射線量も増え、また、より標準検体に近づく、
という考え方がある一方で、
検体が荒い場合と、細かい場合を比較すると、
傾向として細かく粉砕して密度を高くした検体の方が荒いものよりも
数値が低く出る場合があるようだ。



測定所の方の一つの所見としては、密度が高くなると天然核種の影響や、
ジオメトリー変化もあるという事でしたが、
個人的な所感では密度が高くなると それだけでも遮蔽効果が少し増して、
放射線が検体内でより多くの物質にぶつかり それが数値に影響するのか？とか考えている。



ド素人の「感覚」にすぎないのであるが、
測定検体の重量が標準検体に近値になった段階で良しとして、
それ以上には粉砕したり濃縮しないのはどうだろうか？

どうしても比重の軽いものはしかたないか又は計算上で補正するとして。

結果、それで出る数値が濃縮時よりも高くなっても、その方が、
「危機管理を優先することを前提とした場合」には、
実害値として正確なような気がしている。



つまり、検体の構造上、汚染にムラがありそうだ、というものは、
粉砕してよく混ぜることは必要だが、
不要な濃縮は、逆に数値を下げてしまう可能性を私個人は、漠然とだが感じる。

検体の汚染がなんとか均一でありさえすれば 出来るだけ荒く、
空間的に隙間がある検体の方が放射線が遮られないのではないか？





●もう一つの必須テストは 測定直前にかき混ぜたときには全体に均一に見えるが、
３時間〜４時間と経過すると容器の底に粒子が沈殿するタイプの 試料がちょうどある。

これを使い完全に静かに沈殿した状態で測定した場合と、
攪拌した直後から測定した場合 検出効率の変化で差が出るかを調べたい。



もしもその二つの差異が出た場合には、
その液体試料をコーヒーフィルターに通して沈殿物を完全に取り除いた液体を測定。

これで濾した液体を測定すれば、この液体試料の沈殿物のみの汚染値が判明する。
測定中に沈殿物が生じない水溶液の検体は それはそれで今後も役立つものになる




■セシウムを９５％ぐらい除去できる浄水器があるようだ。
↓

http://item.rakuten.co.jp/shoptom/10000080/

このZeroWaterは、もう少しリーズナブルだと
↓

http://ameblo.jp/tanukinonatsu/entry-11620240764.html

アマゾンにもある。




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