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●猫の足跡-その712●「素人による食品検査奮闘記・第91回」■クロスチェック■
by:
鈴木崩残
2014/09/19(Fri)19:17:44
素人による個人測定・奮闘記☆第91回
*********
ある生産者の対応姿勢
●西日本に限らず、全国を調べて、安心できる食材を探しています。
安心できるとは、最低でも、1Bq/kgから0.5Bq/kgを
自社基準としている販売店や、商品や、生産者の方です。
これを見つけるのは意外と大変なのです。
●地域によっては、業界内での他者の目を気にする生産者や販売者もいれば、
測らずに食べて応援系のところもあれば、
その一方で、内心、気にはしているが、自社商品の測定にまで
踏み切れないところもありました。
●そんな中で、HPの内容を見ていての推測にすぎませんが、
この栽培法、この育て方、この飼料や肥料ならば、
たぶん放射性物質の検査をしても大丈夫ではないか?
と思うような生産者もおります。
ところが、せっかくそこまで真心をこめて作っている食材なのに
測定について触れられていないのを残念に思うことがよくあります。
もともと、この原発事故が起きる前から、
日本は、ある意味でオーガニックブームや、自然農法への回帰などの流れにありましたので、
畜産でも農業でもかなり、良心的で真剣な姿勢の生産者の方も多かったわけです。
ですから、我が家でも「ここからなら買いたい」と思うところがあちこちにあります。
ところが、測定をしていないのです。
測定結果さえ公開し、また検出下限の低い測定をしてくれればと思い、
メールを出しました。
その回答がとても誠実だったので、個人情報を伏せた上で公開することにしました。
*********
■こちらからの問い合わせ・要望
↓
有限会社**** 店長***様
ご丁寧に、お返事をありがとうございます。
測定に際しては、希望事項がございます。
一消費者として、差し出がましい事でしたら、大変に申し訳なく
失礼とは思うのですが、やはり気になるものですから。
ゲルマニウム半導体検出器での測定を希望しております。
検出下限は 1Bq/kg 以下にて。
下記はゲルマニウム半導体検出器での料金価格の一例ですが、
良心的な測定と価格だと思います。
http://www.********html
年に一度か二度、不定期で構わないと思います。
その際に「飼料」も合わせて測定をお願いしたいと思います。
結果が出ましたら、貴サイトのフロントページに、
目立つ場所に掲載されるとよいと思います。
そうしたサイトを探している主婦や飲食店の店主の方たちは、
潜在的にはとても多いようです。
このような大変に差し出がましいことを書かせていただきましたが、
放射能測定の話題について、
その販売店や生産者の方が、自ら語っているかどうか
測定結果を掲載しているかどうかでお店を選択する人たちは、
かなり増えている実感があります。
最初は「気にしすぎではないか?」と言った風潮もありましたが、
やはり、買う側としては、どちらを選ぶかとなった際に、
とても大きな決め手になると思います。
貴店のサイトを拝見しまして、真心がとても伝わって来ました。
家族ともども是非、貴店から購入したいと、思いました。
もしも放射能測定にお気を使われている一面がありましたら、
すぐに購入したいと思っていたのですが、
やはり汚染状況が気になり、こうして、メールさせていただきました。
何卒よろしくお願いいたします。
また、文中無礼がありましたら、申し訳ございません。
鈴木
*********
■先方からの回答
↓
鈴木様
ご返信有難うございます。
店長の***です。
差し出がましい事などと、とんでもございません。
測定結果を掲載しているかどうかでお店を選択する人たちが
実際どれだけの人がいるかも大切だとは思います。
しかし当店の鶏に対する熱意に
ご共感いただいている鈴木様がおっしゃるだけで、
一人でも不安な方がいらっしゃるだけで、
私たちは期待にお応えするべきです。
鈴木様のご謙遜を軽んじることなく、当店が恐縮すべき話でございます。
放射能測定の重要性については、意識がないわけではなかったのですが、
こうして鈴木様に重要性をご教示いただき、さらなる意識向上につながりました。
鈴木様が少しでも早く安心してご購入いただけるために、
測定結果が出次第、ご連絡させていただきます。
また、鈴木様にご連絡をさせていただいたあと、
本件のことを少しでも多くの方に知っていただくために
メルマガなどでご紹介させていただければ幸いです。
測定することが常識まではいえなくとも、
選択肢の重要性が今以上にあがれば
市場の安全性も高まると思います。
鈴木様からご提示いただいた放射能検査サイトは
とても良心的な価格でした。測定は信頼できる認可で、
こちらを優先的な測定方法として利用させていただきます。
万一違う方法での測定となった場合も、
根拠と方法をご連絡させていただきます。
長文となり申し訳ございません。
ご連絡誠にありがとうございました。
という、ご返信でした。
*********
一方では、
ぜひ購入したと思い、似たような問い合わせをしたところ、
次のような返信が来たところもありました。
下記のところは、フロントページに測定結果の掲載があるのですが、
検出下限が8〜5Bq/kgで不検出、とされていたために、要望を出しましたところ、
下記のような返事でした。
鈴木様
【当社の上記、放射能検査結果につきまして】
未だに解決の目途も立たない、長い長いご心配となるであろう放射能の問題、
心中、お察し申し上げます。
当方での検査は、地元に検査機関がございませんので、
委託の委託にて検査を依頼しております。
その結果を、もちろんそのままの数字で公表致しております。
検査機関にも、この数値以下にはならないものかと確認しましたところ、
1ケタの数値は、ほんとうに検査の機械によって変わります、ということでしたので、
別の機関のもっと高度な機械で検査すれば、
結果も、1ベクレル/kg以下という結果となる可能性は高いです、
という返答が返って参りました。
ただ当方のような小さな会社では、現在の検査が精一杯なのでございます。
その点何卒ご理解頂きます様お願い申し上げます。
********
そこで、この会社は九州にあったのですが、そこで委託している、
宮崎県の測定所から、さらにまた、その外注先として委託されている、
広島県内の測定所でのゲルマでの検査結果という事だったので、
直接に電話で、その広島県の測定所に問い合わせました。
すると、特段に測定で難しいことはなく、
2リットルの検体で重量があれば、2000秒程度で1Bq/kgほどの測定は、
出来るだろうということでした。
価格も、一般のゲルマ測定と同じような価格でした。
これは本件とは関係のない測定所のもので、
ごく一例にすぎませんが、下記のような料金体系もあります。
↓
https://www.imeasure.jp/?page_id=427
つまり、生産者の方が、
その「最初の検査の委託先」から、どういう説明をされてしまったのか、
測定というのは難しいからとか、
測定器によって安定しないからねー、とか説明されたり、
または、測定依頼は、費用が高いと思い込んでしまわれたのか、
あるいは、ただ単に面倒に感じていて、そもそも検査に関心を持ちたくないのか、
と、いろいろと邪推してしまう返信でした。
最初の誠実な返信とは雲泥の差でした。
*********
さて、・・・
自分の測定器の調整&検証用の検体を
測定所からお借りしました
さて今回の課題は、
この三つのゲルマニウム半導体検査器でチェックされた検体を元にして、
自分の測定時のスペクトル、
そして何よりも係数や比重計算をチェックすることにあります。
(測定員の方から聞いた、お話では、本来、標準物質の検体は、
その密封容器を開けたらば(エネルギー校正には使えても)
「感度校正」には使えなくなる、との事でした。
容器から他の容器に移すとジオメトリーが変わることが主な原因のようです。
●ただ、私の測定環境は、ラボなどと言えるものではなく、たかが知れていますので、
自分が勝手に認証した「なんちゃって標準物質線源」として使っています。)
少数桁ベクレルまでの贅沢さえ言わなければ、これがわりと役に立っています。
●で、お借りした3つの検体はこちらです。
↓
http://onomichi-labo.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html
【定量された玄米】 〜比重を測定時と同じに揃えました〜
↓
まだたったの9000秒と、3時間も経過していない段階ですが、
1Bq/kgのCs−137の汚染をはっきりと捉えています。
ただし、この玄米は、とてもスペクトルが分かりやすいと思います。
他の検体ですと、とても分かりにくい1Bq/kgもありますので。
【普通のBGを使っても定量可能です】
↓
【この玄米の場合には精製水のBGの方がよさそうです】
↓
●12時間測定のあとです。
↓
■まず、カリウム40の定量です。
(ゲルマの結果が約49Bq/kgですから、ほぼぴったりでした。)
↓
■このクロスチェック用の玄米の面積と比重で換算計算をした場合だけのケースも、
いちおう作っておきました。
なお、二つの違う「BG」ごとに、係数を割り出しました。
↓
■この玄米を、比重の重い蜂蜜水を標準線源として計算した場合には、
重量換算の計算のせいで、結果の数値が高めに出たので、
以前の係数の候補は、それはそれとしておき、
それとは別に、試験的に割り出した前述の係数も、
ひとつの参考として書き込んでおきました。
↓
*********
次にローズマリーの測定に行こうとしたら、うちの家族から、測定依頼が入りました。
簡易的な測定なので、ミキサーにかけずのままで、詰め方の形は乱暴ですが、
アクリルパイプが肉を押しつぶしており、
側面も、かなり、ぎっしりとシンチレーターにへばりつくように、詰めました。
煮汁も、ぎりぎりまで煮詰めて、検体に加えました。
↓
今回は、博士君が、依頼者です。
もうかなりの高齢で、歯も弱っているので、
食事をカリカリから、ササミに変えようと思っているところですが、
狙っている鶏肉を扱っているお店の、測定検出下限が高すぎるので
自主測定に踏み切りました。
これで分からないときには、測定所に出すことにします。
●いま、測定中なのですが、これが実に「イヤラしい、スペクトル」なのです。
もったいぶった、性格の悪いスペクトルです。
1Bq/kgの玄米のスペクトルと比較すると、全くないとは言い切れない。
たぶんあるとしたら、0.5から0.8前後。
しかし、いくつなのか?の推測・定量が難しい形のパターンなのです。
早速の実戦が、初心者の私にはハードルの高い濃度となりました。
カリウムは幸い、見たところ170Bq/kg程度なので、
コンプトンの影響は(比較的ですが)低いです。
今のところ、あるなしであれば、1Bq/kgでもなんとかなりそうですが、
定量では前回の投稿のように、既にミスをしましたが、解決は出来ていますので、
いよいよ、本番はこれからです。
ということで、まずトライだけは、してみました。
↓
結果は、
Cs−137=0.486 Bq/kg
K−40 =176.12 Bq/kg
>>追記(9/25)
>>この後日の投稿で述べたように、K−40は、液体検体または
>>水分の多い場合には、やさしお水を標準線源とする係数と表示で
>>定量するか、別の係数を当てはめたほうがいいようです。
■今の私の経験では、ギブアップでしたので、
ミキサーにかけて、おのみち−測定依頼所−さんに測定を依頼しました。
結果です。
↓
>「鶏肉(宮崎産)」について測定結果がでましたのでお送りいたします。
>結果としては、
>セシウム137:<0.3Bq/kg
>セシウム134:<0.3Bq/kg
>カリウム40:96.5±23.3Bq/kg
*********
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