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●猫の足跡-その747●「素人による食品検査奮闘記・第126回」■「不検出の確認作業」と「陥没形の山の判断」■
by:
鈴木崩残
2014/12/20(Sat)03:57:19
素人による個人測定・奮闘記☆第126回
今年の最後の課題「消えてゆく山」
●今年最後の自分の課題が残っています。
これまでのところ、1Bq/kg台の汚染はなんとか捉えられ、
定量は、ひとつだけ例外はありましたが、
2Bq/kg以上であれば、少しずつですが安定してきました。
●しかし、以前から気になっていたのは、測定の最初の数時間に
山やピークらしきものがはっきりしていたものが、
5時間あたりからだんだん消えてゆくパターンです。
これは、難しいパターンのひとつでした。
ずっと前に、0.5から1Bq/kg程度の汚染水や、粉状の試料に、
わざと「やさしお」を混入してゆき、山が没するテストをしましたが、
それと同じパターンです。
●ただし、自分が、濃度が分からずに「悩む事になった検体」というのは、
今までの傾向だと測定所での結果は「不検出」がほとんどでした。
1Bq/kgあれば、よほどカリウムが多くない限りは、
9時間までは明確に山は残っていたからです。
それが5時間まであったピークが、その後から途中で没しているのは、
測定所に出しても、かなり濃度が低いか不検出となる場合だったわけです。
だから今まで自主トレとして定量してきた検体(前回の戦績の一覧表)は、
すべて「最後までピークや山が残り続けたもの」だけでした。
8時間以内に途中で消えたものは「不検出」としてきました。
●しかし今回の以下のポテトチップスは少し悩みます。
カリウム40の津波の中に埋もれた可能性がありそうだからです。
これまでの自主測定の練習では、測定所ですでに定量されているものであれば、
0.3、0.5、0.6Bq.kgあると分かっているもののスペクトルは、
「あるという先入観」も手伝って、目で捉えられてきました。
また、少数桁の低濃度の検体のほとんどは、カリウムがない水溶液でした。
●しかし、あるか、ないかが、わからない未知のものから、
少数桁の汚染または有無をはっきり判断できたことはまだないので、
これはそのテストになります。
じゃがいもが主原料ですから、カリウムもそれなりにあるはずです。
*********
●賞味期限の切れた パルシステムのポテトチップ8袋を手もみで砕いたら
1リットル強になりましたので、自分でまず測定にかけました。
●Aチームが、まずコンソメ4袋の組。
Bチームは、しお味と、マイルドチリ味を二袋ずつ。
検出されたときのために ロット番号を台紙に貼り付けておきました。
●AとB、両方のグループの3時間と5時間のスペクトルで、
どちらも、3時間がピークで、5時間からは落ち着いてゆきました。
普通に考えると、これはノイズです。
>むろん、この測定直前に、ピーク校正はしてありますし、
>測定の直後にも、校正用検体で、ピーク位置は確認しました。
以下、左が三時間、右が5時間の時点です。
Aグループ
Bグループ
●結論としては、ピーク位置が662keVになく、また662keVの地点が
BGより低いので、ノイズであろうと判断しました。
↓
そこで、K−40のみ定量しました。
↓
●こういう、測定から4時間目以後から山が下がる原因は、
今までの観察からも、ノイズや、コンプトン津波ですが、
「このパターンが出た時には、どう判断すればいいのか?」を知るために、
今年最後の測定に出すことにしました。
●今まで、自己測定で、「ない」としたものは、
すべてセシウム137の領域のスペクトルが、平坦でBGと並行しているものでした。
ほうれん草、かぼちゃ、イチゴジャム、鶏肉、サツマイモ、
塩、砂糖、玄米など、ほとんどが、BGと比較すると、
ない事が、すぐにわかりやすいものでした。
しかし、ROIに山が突き出ているこのポテトチップスのようなものは、
この山の面積を無視するかどうかを確かめたいわけです。
■測定時間の延長と共に下がる山には、次のような特徴がありました。
*********
1/Cs−137のROIに、山そのものはあるが、
2/662keVのポイントに目立つようなピークがない。
ただし、これは今までに汚染が前もって確認されている、
松葉・炒り玄米・焦がし糠、などには見られた「窪み」や「凹み」である。
しかし汚染のあるものは、
その窪みが662keVのポイントがBGよりも下がる事はなかった。
3/ROI範囲にある山の高さが、3時間あたりをピークとして最も高くなり、
それ以後は減衰して小さくなり6〜7時間で落ち着く。
*********
■普通に考えれば、こうした特徴があったらば、「ほぼ不検出」と判断されるはずですが
念の為に、こういう形でも「微量でも検出になるケースがあるのかどうか?」
を知りたいわけです。
特に「3」を特徴とするような「検出のケース」があると、やや厄介ですから。
●「3」のケースで、検出となると困るのは、
どの時間の地点のスペクトルで定量すべきか変動してしまうからです。
今のところ、私は、5時間から7時間あたりで定量しています。
(3時間あたりは全体にまだ山の振幅幅が大きかったりするので、
その時間で定量するのは無理があります)
●しかも、今回、6時間の時点でのスペクトルで、
ピーク位置を無視して、ROI範囲の山を拾って定量すると、
前述の図中にあるように、「1.26Bq/kg」にもなってしまう。
もしも、測定結果が、0.6Bq/kgとかあったら、
この年末は、それを打破するめの解決策で悩むことになりそうです。
・心情的には、不検出であって欲しいです。
・また検出された場合に、いっそのこと、1.26Bq/kgあたりなら、
定量法が今のままで、通じるということになります。
・一番、嫌だなと思うのは、0.7Bq/kg前後とかあった場合です。
スペクトルからの判断方法を、またまた改善しないとならないからです。
*********
ということで、今年最後のテストは、
「不検出」を判断できたか?が自分の課題となりました。
■その結果が出ました(12/22記)
>セシウム137:<0.5Bq/kg
>セシウム134:<0.5Bq/kg
>カリウム40:231±54.0Bq/kg
またカリウムが少し低いので係数を1.6から2に修正しますが、
セシウムは、予測どおり、NDとなり、ほっとしました。
測定をありがとうございました。
______________________________
正確な定量の為の最適な測定時間
■これを割り出すには、ひとつの試料を長時間測定にかけます。
どこの測定所でも、最初にまず、やっていることだと思います。
ある測定所では、この最適測定時間を検証するのに
10Bq/kg以上のCs−137の試料を使っているのを読みましたが、
私個人の見極めたい濃度領域の場合には、それでは使い物にならないので、
「1.29Bq/kg」と測定所で定量された試料を使います。
■私の手元にあるこの試料に、こうしたテストの基準として、
相当の信頼性を置いている理由は、この試料が測定された経緯と、
その測定値にあります。
第一に、この試料は、粒の玄米ではなく、粉砕されているために
一般的な玄米よりも、より「均一性」があります。
第二に、この玄米が辿った測定所での測定経緯をごらんください。
合計2kgの玄米から、生米、炒ったもの、炒ったものを粉砕したもの、
という3つの工程を経て、次のような数値になっています。
単位はBq/kgです。
> 生の玄米 炒り玄米 炒り玄米を粉砕処理
>Cs−137・・1.16 1.31 1.29
>K−40・・・・54.9 57.4 60.9
この3つの処理工程でのCs−137の平均値は、1.2533
最大差は、生玄米と炒り玄米の間の0.15です。
この0.15を、3つの処理での「平均値」の中で見ると、
誤差はわずか0.119=約12%です。
生玄米、炒り玄米、粉砕炒り玄米の測定値と比較しても、
誤差は、11%から13%です。ほとんどゲルマに迫る精度です。
したがって、この粉砕処理をした「炒り玄米」の最も真の値に近いであろう数値を、
その測定値の「1.29Bq/kg」として、それを中心とすると、
+側 1.457(以下に後述する理由により最大で1.81まで)
1.29
−側 1.135
この範囲に、私の定量が収まればよいことになります。
少し前の投稿にも書きましたが、統計的には、Ge以外の検出器では、
まったく検体を動かさない再測定で出る誤差は、10%〜20%です。
汚染にムラのある検体を攪拌などをすると、20%から40%です。
*********
では、次に、この炒り玄米を測定して頂いた「おのみち−測定依頼所−」様では、
どのぐらいの測定精度があるのかという点について、
以下の「沖縄で販売されていた米糠」の事例と、
「湖池屋のポテトチップス」の測定結果が参考になります。
ゲルマでのクロスチェックの結果はこちら。
「米糠」(米糠は、カリウムも多く比較的難しい検体です)
↓
「南福崎土地株式会社 放射能測定室」Ge
>>セシウム137:2.74±0.21Bq/kg(測定下限:0.63Bq/kg)
>>セシウム134:0.73±0.19Bq/kg(測定下限:0.56Bq/kg)
おのみちスペクトラ
>>セシウム137:2.00±0.905Bq/kg
>>セシウム134:0.732±0.687Bq/kg
この米糠測定における時間経過による数値安定の様子が、
ここにまとめられています。
↓
http://onomichi-labo.blogspot.jp/2014/09/2013_10.html
>>測定時間:10800秒(3時間)解析精度:3σ
>>セシウム137:2.95±1.70Bq/kg
>>セシウム134:<1.2Bq/kg
>>カリウム40:508±121Bq/kg
3時間の時点では、数値自体は、ゲルマには近いのですが、
相対的には、これ以後の数値よりも高めに出ています。
>>測定時間:37200秒(10時間20分)解析精度:2σ
>>セシウム137:2.00±0.819Bq/kg
>>セシウム134:0.760±0.601Bq/kg
>>カリウム40:503±108Bq/kg
この後、安定した数値が続きます。
そして、
>>測定時間:129600秒(36時間)解析精度:3σ
>>セシウム137:1.96±0.793Bq/kg
>>セシウム134:0.780±0.584Bq/kg
>>カリウム40:496±106Bq/kg
ここから後は、やや下がり始めています。
ゲルマの誤差範囲と比較すると最大では−0.53の誤差となっていますが、
スペクトラ側の誤差範囲内には収まっています。
*********
次に「湖池屋ポテトチップス」(これも単一原料ではないので比較的難しい検体です)
「某所」Ge
>>セシウム137:0.97±0.09Bq/kg
>>セシウム134:0.45±0.10Bq/kg
「南福崎土地株式会社 放射能測定室」Ge
>>セシウム137:0.79±0.10Bq/kg
>>セシウム134:0.30±0.09Bq/kg
おのみちスペクトラ−1回目
>>セシウム137:0.606±0.535Bq/kg
>>セシウム134:<0.5Bq/kg
BG再取得・調整後の2回目
>>セシウム137:0.909±0.563Bq/kg
>>セシウム134:<0.4Bq/kg
スペクトラの持つ誤差範囲内に収まっています。
******************
●こうした測定精度を踏まえた上で、
私は、この「粉砕炒り玄米」=1.29Bq/kg」を
今回のテストに使用することにしました。
>均一性があり、単一原料であり、カリウムも少なめで、
>なおかつ、測定所での測定値が安定していた試料だからです。
■1,29Bq/kgの粉砕炒り玄米を使った、
最適測定時間を割り出すテストの結果です。
↓
*********
●3時間はまだ早すぎるので除外するとして、
「5時間から12時間まで」の平均数値は、
1.56Bq/kgでした。
この自己定量の「平均値」と測定所のとの数値差は、「0.27」です。
5時間以後の測定での「最大誤差」を取ると、
1.73−1.30=「±0.43Bq/kg」で、
平均値の「1.56」に対する統計誤差は「±27.5%」でした。
>結論としては、「6時間の測定」でOKです。
念のためにスペクトルが安定しない場合や、判断しにくい場合に限り、
7時間、または最長で9時間まで延長することもありますが、
5時間以後からが、その後は乱高下が少ないようです。
実際、これまで、測定所の結果や前もって自己定量したものも、
ほとんどが5時間から6時間のもので、結果も概ね合っていましたから。
662keVにピークが立たないがCs-137がある「陥没形の山」
そこで、非常に厳密に面積を割り出した上で、
最終的にこのスケールでの換算係数を少し補正しました。
↓
この「粉砕した炒り玄米」のスペクトルは、
NDとなったポテトチップスと似て、662keVに明確なピークはないのですが、
違うのは、Cs−137のROIの中の「山の形と高さ」です。
セシウム137がなくて、カリウムが多いだけでも、
当然に、このROIにある山はBGの線よりも持ち上がることがよくありますが、
ようは、このROIの範囲に、ベースラインの上昇も含めて、
「特徴的な盛り上がり」があるかどうかです。
この「粉砕した炒り玄米」のスペクトルは、
>662keVにピークが立たないタイプの典型的な「陥没形」の山といえます。
ただし、同じ「陥没形」の山でも、ポテトチップスとこの粉砕玄米とでは、
盛り上がり方に違いがあるわけです。
なお私はCs−137のROIは、
若干、幅を狭くして、「604〜720keV」の範囲にとってあります。
●ただし、次の「粉砕していない炒り玄米」は、「陥没形」ではありません。
これは、測定直後に校正用線源で校正をしたところ、ピークが大きくズレており、
この山のピーク位置は、きちんと662keVに位置していました。
↓
*********
●前回の測定を元に、少しだけ低い値に修正した係数で、
別の1.37Bq/kgの、粉砕をしない「炒り玄米」を測定しました。
↓
●【前述したように、測定直後に校正したところ、
珍しくピークズレを起こしていましたので、
面積を拾うROIを右にずらして補正しました】
結果は、まずまずでした。
*********
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