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無冥流投剣術のいろいろな「ＤＶＤ」


■実は、けっこう、いろいろな種類のＤＶＤやＣＤが、
現在までに、当流にはストックされておりまして、
一部は、書店でも市販されていますが、非売品も多くあります。

今回は、それを紹介してみたいと思います。

部外者の一般の人が購入できないものもあることは、ご了承ください。



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■初期の実験の資料映像■(市販可能)

　


■この二つのＤＶＤは、「資料映像」としては価値を持ちますが、
技術の統合としては、まだまだ不十分だった、非常に初期の記録です。

技量としては、本当に未熟な時期でしたが、
思いついたことは、全て何でもやってみるという、
さまざまな「試行錯誤のプロセス」と「解説部分」が面白いと思います。

ただし、これは、内容が、かなりマニア向けであり、
無冥流を初めて知ったビギナーの方には、お勧めできません。

むしろ、次の「中期の映像記録」や「超絶映像集」が最もお勧めです。


この二つの最初期のＤＶＤは発売されてから、もうかなりの年数が経ちましたので、
価格は、どちらとも、今後は【２０００円】程度に下げる予定です。

この二枚のＤＶＤの内容の多くが「文章化」されたのが、
下記の書籍「中級手裏剣術」でした。【３８００円（市販品）】
　　　　　　　　　↓





■中期の貴重な資料映像■(市販可能)





■これは、ＹｏｕＴｕｂｅに既にアップされている動画集ですが、
２００３年から始まった約７年の初期実験を経て、
無冥流としての独自の研究と検証を続け、
２０１０年〜２０１１年頃に、
ようやく他人様に伝える価値のある体系であると自負できるレベルに出来上がって行った、
そのプロセスが記録されていますので、自分でも極めて貴重な資料だと思います。

実質的には、書籍「中級手裏剣術」執筆の「後から体系化まで」の期間の記録で、
「上級手裏剣術」に属する内容です。

また無心剣の超絶技法も、ＹｏｕＴｕｂｅにアップしたものと同じで、
簡略化した編集をしていないフルタイムのものです。

これらの動画は、全て、この松の間の過去ログで見ることが出来ます。
そうした公開済みの動画とは言え、その希少価値と充実した内容から、
価格は【３０００円】としてあります。



■超絶映像集■(市販可能)

　


■無心剣の「デモンストレーション集」です。

もっとも初期の、「初めての無心剣の成功」から、
２０１３年８月の「７間からのディスクの穴を通す無心剣」までの記録です。

一部には無心剣とは関係ない実験的映像もあります。

このＤＶＤは、一時は、無冥流の手裏剣の書籍やＤＶＤを買った方に、
書店では無料で配布をしていましたが、

今回は、２０１３年８月の最新映像までが、
「技の種類別」に、見やすくまとまって整理されていますので、
【１８００円】という価格をつけました。



★対外秘だった技術解説が、
★2015年6月に一般公開販売となりました


こちらをぜひ参照ください
↓
http://www.mumyouan.com/k/?M1207





　


■現在の無冥流の「基本的な打剣法」を、
出し惜しみする事なく、全部解説したもの。

２間から９間までを、「同じ構え」から投げるための、
極めて「合理的」な投法の体系が、詳しく実技解説されています。

右のディスクは、その「補足説明のＣＤ」です。

この二つのディスクには、「図解と解説」の「小冊子」が付きますが、
２０１５年に一般公開しＤＶＤとして販売しております。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊





■完全に「門外不出」扱い、のもので、
「無心剣」の実際の精神状態の生み出し方を、きちんと解説してあります。
見た人が出来るか出来ないかは別として、丁寧に解説をしておきました。

一方、これは、２０１５年発売の２枚組みＤＶＤの中で公開されています。
↓






●以上、この投稿内で、【価格のついているディスク】のみは、
お分けする事が出来ます。

写真にあるように、ジャケット印刷のあるものと、ないものがあります。



書作品　『集成』　『気合』




●直接に、御購入をされたい方は、
後述する「禅書・自我判定用のご依頼のアドレス」までご相談ください。



☆メールに記入する必須次項は、

１／お名前（戸籍上の本名）とその読み。

２／年齢

３／住所

４／電話番号（宅急便で必要になりますが必ずしも必要ではありません）

５／武術暦と、手裏剣術の経験履歴についてお書き下さい。

６／無冥流を知ったきっかけと、興味を持たれた理由をお書き下さい。



お問い合わせのメールアドレス
↓

youtubesuzuki(あっとまーく)mail.goo.ne.jp


■件名には、必ず、「無冥流の動画資料の問い合わせ」とお書きください。



以上の必須次項の記入がないメールの問い合わせには、
応じられないことをご了承ください。



書作品　『生命』






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剣を避ける人体の速度と、
打剣の起こりに必要な時間


■かなり画期的、かつ、基本として必要だったテストだと思います。


「なんとなく」、「何間からの剣ならば避けられるはず」とか、避けられないとか、

「なんとなく」、「起こりがない方がいい」とか、いやそれは関係ないとか、
そういった机上の空論を、きちんと「数値化」してみました。

↓




■体や顔は、約０．１秒で、約２０ｃｍ移動できます。
つまり、約０．２秒では、約４０ｃｍ避けられます。

この約０．２秒とは、
打剣の際の「テイクバック」などの起こりの時間とほぼ同じです。


＿＿＿＿＿


■使用する剣の重量や、打ち手の技量によって個人差はありますが、

おおむね、「０．１秒」で、剣は、「約１．５メートル」進み、
「０．２秒」では、剣は、「約３メートル」進むようです。

つまり３メートル未満の距離では、
「起こり」に必要な「約０．２秒で、剣は標的に到達する」ということ。



●ちなみに、この日の剣速は、時速４５ｋｍから５７ｋｍと、
ずいぶんとムラがありました。

この場合の剣速は、「剣が手離れしてから標的までの平均時速」のことである。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


>「任意の距離」の中での物体の「平均移動速度」の求めかたは、次の通り。


>　撮影時の「１秒間のフレーム数」　
>　÷　剣が移動した画像のフレーム数　
>　×　移動した距離（ただし単位は「メートル」）
>　×　３．６　＝剣の時速（ｋｍ）



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今の日本で、伝統的な道着でいいのか？


●いろいろと調べてみたが、この１００年で平均気温が３度上昇しているのは確からしい。

気温の上昇率や、原因については諸説あるが、
とにかく、「夏」の体感温度が上がっているのは間違いない。


●にも関わらず、武術をする人たちは、夏の稽古着は、今のままでいいのか？
ということに私は疑問があります。

今の稽古着で良いと、想定されていた年代は、おそらくは、
１００年から２００年前だろう。

時代によって、布地の素材も合成繊維に変っただろうが、
おおむね、綿か麻か絹が主流だろう。


●平均気温の上昇は３度とはいっても、
当然、高温の「最大のピーク」はもっと酷いものになる（最高気温４０度とかだ）

しかも、戦国時代や、武士がいた時代を想定するならば、
その時代には、次のものがない。


・野山の森林の過剰な伐採

・小川の埋め立て

・アスファルト

・コンクリートの建物

・クーラーからの廃熱や廃湿

・過剰人口

・国内だけではなく海外からの大気汚染物質

・海流の変化その他


●１００年という単位で見なくとも、そもそも、私が小学生の時代でさえ、
夏は、３０度程度だったものである。
しかも、湿度も今のようにはなかった。

夏の終わりというと、日差しが傾いてくるとともに、
夕暮れは、少し爽やかですらあった。


●いくら当時はまだ小学生だから、今の老体よりも暑さに強かったとは言っても、
体感的に思い出しても、絶対に、今日の「体感的暑さ」は異常である。

実測では、どうあれ「不快指数」は、１００年、２００年前とは違う。

実際、日本に来た東南アジアやインドの人たちが、
「自分の国よりも、日本の方が暑い」ともらすのを聞いたことがあるはずだ。


人間が「裸のまま」で無事に生存できる気温の範囲は、きわめて狭く、
だいたい１５度から４５度ぐらいだろう。ただし湿気が少ないと想定して。
しかも、４５度の場合、長時間生存できるのは炎天下ではない。


●また、「稽古をして汗を流せば、暑さなど忘れる」というのは、
真っ赤な嘘である。

気合とか気力で耐えられるにも、人間には限度がある。
我々の体の遺伝性質は、たかが２００年ぐらいで、
そう簡単に、熱帯地方の気候に適応できるものではない。

せいぜい、感覚として「慣れた気」になるのみである。

そして実際にはまだ身体が、現在の日本の高温多湿の気温に適応できていないのに、
「慣れた気になっているだけ」だと、それは確実に体を蝕みます。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●そこで思うのは、果たして、袴とか、上着とか、
古流とか伝統のを着るとか言っているが、
素材も含めて、本当にいいのだろうか？という事である。

古流とか、伝統というものは、必ずそれを支えた背景の、
文化、文明、気候風土というものがある。
この「気候風土」も決して無視することは出来ない。

だから、１８００年代とは違い、今は、
稽古環境も、衣服も、それを考慮しないのはどうかと私は考えている。


「しかし、実戦になったらば、
　２０１３年の今の外気の中で刀で戦うのだ」と言う人がいそうですが、

実戦とは、玉砕が目的ではありませんので「勝たねば」意味がありません。

そうなれば、
相手よりも、より動きやすく、高温多湿のところでも快適に動ける、
そういう、ハイテクな装備をした方の勝ちです。



●そもそも、昔の日本の兵士の装備も、
「当時の最高峰」の「攻防」のいろいろ側面を、めいっぱい配慮して
造られたのでしょうから、

それを、現代のこの環境の中で、
馬鹿みたいに昔と同じ「道着」「甲冑」を着て、

「昔は、これでやっていたのだから、
　平均で３度気温が上がっていても、
　現代でもこれで出来ないはずはない」

とか、やってしまうのは、私は違うのではないか、と思っています。



●たとえば、これが現代の、警察や軍の「特殊部隊」ならば、
ミッションの失敗は絶対に許されないのですから、

日ごろから、寒熱にも耐える、厳しい訓練をしているだけではなく、

装備しているものも、近代的な銃器だけではなく、暗視スコープ、
各種の探知機、そして、快適に動ける「軽量素材の防弾・戦闘服」、
さらには、砂漠での戦闘では、保冷剤や、保温素材など、
さまざまな「工夫」がされているはずです。


●そもそも、「武術」「武芸」とは、精神論ではなく、
より「優位な位置」から、無益な戦闘を避けるか、または勝つのが目的です。

そして、何よりも、古人から学ぶべきことは、
今では伝統になっているものは、
「かつて、その時代での、精一杯の工夫の成果であった」ということです。

これは、伝統武術に限らず、伝統芸能、伝統工芸でも同じです。



●ただ古い時代の形式だけを模していれば伝統なのではありません。

むろんそうした「時代背景を踏まえての伝統」という意味もありますが、
そもそも、
今、賞賛されているところの過去の最高の芸能、芸当、武芸とは、

その時代の最先端の「知恵と工夫」を「結集」したものだったはずです。



●もしも２００年前の侍が、今の東京にタイムスリップしたらば、

「こんな便利な、衣服があるのか！」

「こんな良い、下着があるのか！」

「曲げても折れない、こんなすごい、異国の刀があるのか！」

「こんなすごい、連射式の火縄銃があるのか？」

「こんなすごい、車輪の馬があるのか？」

「こんなすごい、携帯食物があるのか？」


と思い、次にこう言うでしょう。


「これを、わしの時代に持って帰りたい」と。


さながら、昔の角川映画の「戦国自衛隊」のようである。



●つまり、「彼ら」にとっては、
戦国の世の合戦とは、勝たねば意味がないのですから、
勝つために使えそうなものなら、
どんなものにも彼らは興味を持ったはずです。


ですから、武術であれ、武芸であれ、それをなんと呼ぶのであれ、
それが、「敵兵を滅ぼす訓練の延長にある事が前提」の技術である場合には、


１／その過去の精神（これも曖昧で定義が定かでない）だけを、
　　受け継ごうと試行錯誤するのか？

２／それとも、精神と形式（道具や衣服や作法）の、
　　両方を受け継ごうと試行錯誤するのか？

３／それとも、形式だけ（道具や衣服や作法）を、
　　受け継ごうと試行錯誤するのか？

４／それとも、兵法の「理」を継ごうと試行錯誤するのか？


このどれもが、正しいとか、間違っている、という事ではなくて、

ここにこそ、
現代や、これから未来の「古武術」が抱える「自己矛盾の種」がある、

ということは、これまで数回、この松の間で所感と所見を書いてきたとおりです。






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★ . 　　

７間距離からディスクの穴に刺す技を
「自己最短打剣数」で成功しました





■２０１３年７月２８日

１７：００：２０から開始し、
１７：１９：１７に成功しました。

所要時間は、わずか「１９分」です。

使用したディスクも「一枚だけ」でした。

この日は、開始から「３５投」で成功しました。


この投稿の下にある「前回」の挑戦で、２７０投でしたので、
＋３５＝
トータルで、３０５投で、７間（12.6m）から１５ｍｍの穴に通しました。
偶然の確率の約５倍です。(３０５／１４８０)



■見る時間のない方は、
成功した場面から始まる、次のリンク先をクリックしてください。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=T_FXMSo0Kkc&feature=youtu.be&t=11m46s



■ディスクが動いていない固定されたものとは言え、
これは奇跡的だと、自分でも思います。


動画の中で、だんだん、無心になってくる実況中継をしていて、
「今回は、イケるような感じがする」といってから、２投目でしたね。


基本的な解説や、無心に入ってゆく私の後ろ姿も含めて、
全部のイニングを収録しましたので、全体で約１７分ありますが、
投げる前や、投げた瞬間の、私の「気配」を、
じっくりと、お楽しみください。


■時間が、とても短かかったものでは、
所要時間が、たったの「１２分」、「４１目投」で、
「６間」の距離(１０．８メートル)から成功したことが以前にありました。

これは、２０１１年の１月。まだ震災と原発事故の２ヶ月前だったのですね。
　↓

http://www.youtube.com/watch?v=LmivaJlnd9Q




>↑
>ここまでは、７／２８　１９：１５に更新

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



普通とは変わっていた私の母の話


隣の「桜の間」の次の投稿で「替え歌」のあとに、
少し、私の母の生前の様子について書きました。

↓

http://www.mumyouan.com/k/?S248


●しかし、実は、これとは別に凄い話があって、
それは、私が高校のときでした。

私が、学ランの裏に、ナイフを３本装着したいと思い、

「ここに、こういう布のホルスターをつけられないかな」と相談したところ、

あっさりと、「ちゃんと」作ってくれました。



●そして、私に、言ったことは、

「あんた、そんなもの、人に見つからないようにしなさい」

「とにかく、ケガだけはしないように」


・・・これだけです。



●普通でしたら、そんなものを作ることに加担する親はいません。
ナイフなんか学校に持っていくのは「ダメ」に決まっています。

しかし、母は、私が決して、誰かを恨んで刃物を持っているわけではなく、
また、決してそれで他人を傷つけるようなことをする子供ではなく、
ナイフスローが好きで、練習していたことは、観察してたわけです。

子供に対する絶対的な信頼があるからこその「学ランの改造」でした。


●特に、過干渉するわけでもなく、
視線の隅で、ごく当たり前に、子供のことを把握して、

その上で、私が、学校へ行くだけなのに、ナイフを携帯し、
しかも３本も携帯することを許してくれるばかりか、
学ランの裏側に「装着できるようにする」という、

この立派な「銃刀法違反」に加担する「共犯者としての母親」。


今思うと、信じられないほど、「立派な親」でした。



●しかも、その上、それから何十年もの歳月が過ぎて、
私が、棒手裏剣を初めて投げ始めた、１９９６年ごろだったか、

母がいる隣の部屋で、練習をしていると、
隣の部屋から、母がこう言った。


「今のは、上手く刺さった、いい音だったわね。音で分かるわ」


あの母親って、前世は一体何者だったんだと、今は思います。


その「翌年」に、母は、生前に宣言したとおり、
誰にも迷惑をかけず、
ポックリとこの惑星を去った。


■その私の母が見た、戦前、戦中、戦後について、
　下記の投稿の後半部に、記載してみました。
　　　↓

http://www.mumyouan.com/k/?U1846



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


７間距離からディスクの穴を狙う

●あらかじめ言いますと、この動画ではまだ成功していません。


今年の前半に「糸で吊るして、回転している不安定なディスク」を
７間から狙い、成功させましたが、

ここらへんで、「基本」に戻って、「固定したディスクの穴狙い」を
無心剣でやろうと思いました。


●吊るされていて、不安定に揺れるディスクは、今までに、
４間、５間、６間、７間からの距離で、いずれも一度ずつ、
偶然の確率よりも、ずっと高い確率で成功していますが、

「固定したディスク」の穴は、
３間、４間、５間、６間の距離から（６間は二度成功）までは、やりましたが、
７間からは、まだやっていませんでした。


では「回転しているディスクよりも簡単か？」というと、
そんなことは全くありません。
今回、２７０投しましたが、壊したディスクは８枚です。
そもそもディスクに当てることすら、難しいのですから。


とりあえず、チャレンジを開始しましたが、初日は「沈没」です。


●７間距離からの自分の「集剣率の計算」をしたところ、
１４８０投以内に成功させないと、
「偶然に穴に刺さる確率」と同じになってしまうので、次回は気を抜けません。

また糸で吊るしたディスクへは、
以前に６間から５００投以内に成功させているので、
距離が７間（12.6メートル）に伸びたとは言え、ディスクは固定してあるので、
せめて、５００投以内には成功させたいと密かに思っています。





●動画でも言っていますが、
前回、糸で吊るしたディスクを、７間距離から通したときには、
「８ｍｍの角型」でしたが、今回は「９ｍｍ」の角型の剣なので、
前回よりも「剣の重量」が増えました。

そのために、２００投あたりを過ぎると、体力的にキツくなってきました。

むろん、無心剣の場合には、通常の武術的な打剣と違って、
ほとんど脱力してから投げるので、７５％から８０％の力加減なのですが、

それでも、２００投を超えると、標的まで剣を届かせるだけでも、
筋力が疲労し始めているのが分かりました。


前回の無心剣の失敗（長くかかり過ぎ）の原因と、今回も同じです。

「成功させたいな」という僅かな邪心と、
「やっていれば成功するはず」と「信じていること」が雑念となっていました。

そもそも、狙ってなど、「絶対に出来るわけがない」のですから、
「出来る／出来ない」の思考を滅して、
ただ無心に投げるのが、一番いいのです。






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飛刀術専用の剣のメンテナンス


●翠月庵さんで使っている飛刀術用の剣の表面の錆落としをしました。
深くまで侵蝕して取りにくいような錆びは全くありませんでしたので、
表面の軽いメンテナンスで済みました。


別に美術刀でもないので、市販されている研磨用品で行います。

　


耐水ペーパーの４００番から２０００番までを順番に使います。

　


困った問題のひとつは、市村さん用の剣は、鋼で造ってあるのですが、
あとの二つは、試作品のために、ホームセンターで売っている軟鉄や、
ステンレスです。
これは焼きが入らないので、曲がりを少なくするのに苦労します。

確かに、模擬刀の合金よりはマシなのですが、
いかんせん、この手の鉄は、やわらかくて、焼き入れが入らないので、
しかたなく、下の写真のように氷を入れて水温の方を５度前後まで下げています。

（写真の氷は、だいぶ融けた後のものですが、
この季節だと、最初には、たんまりと氷を入れないとなりません。）


もし、普通の鋼鉄でこれをやったら、簡単に折れる鉄になってしまいますが、
軟鉄やステンレスの場合には、これをすると常温の水で冷ますよりも、
若干ですが硬くなります。
長い経験則から、この方法を編み出しました。

　


しかし、そもそも、ちゃんとした鋼鉄を使えばいいだけなのですが、
あくまでも試作品なので、切ったり、グラインダーをかける時の
「加工が非常に楽」なのと、飛刀術に使うぶんには、使えるので、
これで間に合わせることがあります。

ただし、やはり、
畳に投げる、地面にドカスカ落ちる、という異常な扱い方をするので、
衝撃の加わり方では、少し曲がることがあります。

そこで、微妙に少しだけ曲がっていた部分を、
ゴム槌で、慎重に、かつ思いっきり強く叩いて戻してから、
前述の冷水の使用で、少し焼きいれをしました。
たいした硬化は、期待できませんが、やらないよりはマシです。

　


仕上がるとこんな感じです。
市村さんのだけは、茎（なかご）の部分ちゃんと削ってありますが、
あとの２本は、削らずに糸を巻いたので、明らかに手抜きです。

　


別に日本刀ではないので、機械油を薄く引いておきます。
日本刀を手入れする人たちも、試斬で、頻繁に使用する人の場合には、
伝統的な、植物性の丁子油よりも、錆びにくいという点から、
ミシン油を愛用する人がわりと多いようです。

　


手作りですが、いちおう鞘もありますし、
右写真の一番手前のひとつ以外は、刀袋も手製です。(うちの相棒の作)

　


当然、刀身には、刃は全くついておらず、斜めに研磨すらしていないただの板です。

切っ先は、ペーパーナイフよりもさらに切れない程度に研磨した部分が、
直線距離で約４センチ。

柄を含む、全ての形状を、
「森林伐採の作業や、猟で使う山刀(マチェット)」に類する形状にして、
武器としての「外見の形状」を、完全に廃してあります。

また、刃付けをしないなどして、武器として、全く用を成さないようにしてあります。

ここまで徹底しないと、合法的な稽古用の道具にならないからです。

そもそも、畳に、なんとか刺さる事だけが必要とされる性能ですから、
ただの鉄の板でいいのです。

しかも、超安物の鉄なんかに、わざわざ刃をつけても、
そんな刃は、地面に落としただけで簡単に潰れてしまい、無意味ですから。

過酷な使用をする稽古剣であることと、軟鉄である理由から、
仕上げ砥ぎもしてありません。せっかく仕上げ砥ぎまでしても、
軟鉄は、すぐに細かい傷が付きますから無意味なのです。



●まー、人様の前での「演武」や、撮影用の「武具」という意味では、
本当は、亜鉛合金等のオモチャの模擬刀を使う方がいいのですが、
私はそれで（安くもない安物の）模擬刀を３本も、お釈迦にしましたから。


かといって、いくら脇差だからといって、
何十万円もする真剣を投げるほど、裕福な人は、あまりいないと思います。

しかも、一度や二度、投げてみる、という気楽な話ではなくて、
何百回と稽古するのですから、そんなことに、真剣や模擬刀を使ったら、
頻繁に鍔が地面に叩きつけられますし、拵えのいろいろな部分が、
どんどん壊れたり、ガタついたりしてしまいます。



新しいカメラの画質テスト



●単なるカメラテストなので、
内容は無く、ただダラダラしております。






刺さった剣を見て打剣は評価できない。


■確か、明府真影流の染谷宗家が書いていたことだが、
標的に刺さった剣の様子で、何がいけないか分かる（または判断する）
といった記述が、書籍の中にあったが、

ああいった点も、私は染谷氏の持論を評価しない理由のひとつである。
（短い剣がいいとか、その手の検証不足の話も含めて）


また、その染谷氏の本を、真に受けて「剣の刺さり方の写真」を見て、
何が悪いか分かるといった馬鹿を言う者もいたように記憶している。


●しかし、最終的に刺さっている剣というものは、
途中でどのように姿勢を崩したり、変な回転を起こしても、
ほぼ上下左右まっすぐに刺さっているケースがかなりあることは、
手裏剣術者であれば、自明の事実である。


従って、打剣が良いか悪いかは、標的上の剣では判断「不可能」であり、
その飛行状態を目視またはカメラで確認する以外にないのである。

そのことをこの動画の最後のほうで簡単に説明しています。


■「標的上の結果」のみで判断できることは、
せいぜい、首落ちが早かったか、遅かったかだけであるが、
これも、「押さえ加減」だけが原因ではなく、

「手の内」の不備
「構えの位置」の不備
「腕の振りの軌道」の不備
「体重移動」の不備
「手離れのタイミング」の不備
「手首や指の動き」の不備、

など、さまざまなファクターが原因となって、
飛行する剣の前後左右のブレと、標的での刺さり方を決定するのである。

だから、「標的上の剣の状態で、打剣を判断すること」は、
「絶対に出来ない」のである。

とんでもない姿勢で飛んでいった剣が、たまたま結果として、
上下左右とも、ドまっすぐに刺さっていることなどザラにあるからだ。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●最後に余談ですが、

草刈機で作業をしていたときには、まー、この暑さでも平気かと
思っていたのですが、しゃがんで、草むしりをしたら、
「これは長く続けたらマズいようだ」、と思いました。

暑い日に、しゃがんで作業するのは、
血流のせいか知りませんが、相当に老体にはこたえます。




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★ . 　　

妻子持ちの武術家に多いモラハラ亭主


●無明庵の読者のブログに、こんな記事があった。
↓
http://haripoteko.exblog.jp/20411735/


で、リンクされている「本の紹介」がこれ。
↓
http://www.geocities.jp/moraharadoumei/kateimorahara.html


タイトルの一部を見て、「すげぇー、的確な、小見出しだ！」と思った。

たとえば、


■第一章「優しい人」が仮面を剥ぐ時

「育ててやった恩を返せ」

何かおかしいという直感を封印

結婚直後に豹変した夫

ある日突然、無視が始まった

新婚三ヵ月の里帰りが離婚騒動に

誰も知らない「もうひとつの顔」

俺の機嫌が悪いのはお前のせいだ

メシも作れないなら堕ろせ

私は便利なお抱え運転手

過度のストレスから氷食症に



■第二章「モラ夫」は自分も人も愛せない

なぜ妊娠中に家を建てることに

平気で嘘をつく人

誰も愛せない「裸の王様」

お前の親から金を借りて来い

夫が不動産の権利を独占

生活費を渡さない男たち

俺様流「男の育児」とは

親戚奉仕でポイントゲット

夫怖さで妊娠中に薬を飲みまくる

母は子供の幸せより世間体を選んだ



●エリート型かヒモラ型か

■第三章　亭主関白という名の精神的暴力

後出しじゃんけん攻撃

冷蔵庫チェックの恐怖

楽しいはずの外食が暗転

悪いことはすべて他人の責任

妻の病気は絶対に許さない

言い返せば百の罵倒が待っている

ドメスティック・バイオレンス

モラ夫は家族旅行がお好き

トラベルはトラブルの連続だった

モラハラ気質は代々受け継がれた



●モラハラ被害者の特徴

■第四章　私たちの苦しみには名前があった！

私が離婚を決意した夫の一言

アナタこそ出て行けと言ってみた

義父の死は「自由への解放」

夫と二人の老後など考えられない

これはモラル・ハラスメントだ！

暴力行為を証明する診断書

現状維持を選んだ義姉

すべては子どもたちを守るために



●ＤＶの「二次被害」とは何か

■第五章　離婚調停に向けて臨戦準備

心療内科医と運命の出逢い

浮気３００万、モラハラ２０万？

子ども・家・貯金三点セット！

家庭裁判所からの呼び出し状

モラ夫に正攻法では絶対勝てない

あの男を一歩も家に入れるな

パパ、ママ、どっちにつくの



■第六章　モラル・ハラスメント脱出への道

第一回離婚調停スタート

夫の隠し財産に調停委員が同調？

「妻さえ我慢すれば」に終止符を

ゴーマン調停委員の横暴に喝！

たかが紙切れ一枚、されど・・・

証拠は最初に出してはいけない

罪悪感と解放感のはざまで

母子三人、憧れの楽園へ

付録――モラハラ加害者の特徴



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●うーむ、これって、
妻子持ちの武術家の「奥さん」に読ませてあげたいですね。


というのも、私は、手裏剣術などやっている縁で、
私自身は、（呪術歴は３０年の専門でも）「武術」には関心がないのですが、
必然的に武術をやっている人と、たまにですが縁があることがあります。

現在は、武術の世界では、お１人としか、ご縁はありませんが、
たまに、手裏剣づての縁で、昔は、ほんの一時期、やりとりする人もいました。


ところが、この武術家という野郎どもが、
精神世界や、宗教かぶれの馬鹿どもと、全く同じ病理を持っていることが多い、
ということは、ずっと以前にも「松の間」に書いた覚えがあります。

必ずしもそうではないのですが、
そもそも、武術も宗教も、劣等感から入り込む人間がほとんどで、
力や神秘力というエサに釣られて入るわけですから、

他の事や、当たり前の普通のことが出来ないで、うだつが上がらないと、
別のもので挽回を図るという、よくあるパターンです。


「力」というのは、当然のこととして、
それが、武術的な力であれ、論理武装や、坊主の説教であれ、
他者への「支配」を渇望してのことです。


武術家の言う、「和」だのは、そのほとんどが、
何の自問自答もされていない、他者のいいかげんな価値観の受け売りにすぎません。


となれば、他者に対する支配力の渇望とは、その者が、
いかに、ふがいない人生をやってきたか、を自白しているようなものです。


何度も言いますが、武術家の全員がそうとは言っていません。
しかし、宗教や、武術の世界では、
その病理の「確率」が格段に高くなります。



●だいたい、武術家の家というのは、出身の家族が、そもそも
機能不全家族であることが圧倒的に多いものです。

儀礼とか、社交辞令とかはすべて形式のみで、心など何もこもっていない。
仮に謝罪する事があっても、誠実に謝罪するのではなく、

「自分は、こんなに、きちんと礼儀正しく、謝罪だってできまっせ」
の自己顕示欲が、ぷんぷんと悪臭を放つ。


●で、武術家というのも、たいていは、途中から、精神世界や宗教に、
中途半端に片足を突っ込む馬鹿が多くて、
そういうのは、前にも言いましたが、
しょせんは、勝つためなら、神頼みでもするという腐った性根の産物です。

そもそも純粋な宗教は、殺生ごととは関係ありませんので、
武術家が、宗教に手を出すのは、
「ご利益」や「優位性」や「加護」を、獲得しようとしてのことです。

つまりは死なないためや、勝つためです。

そんなもの、宗教とは何の関係もありません。

それならば宗教の偶像になど、祈りや経文を唱えずに、

とっとと、延命術を目的とする、
「風水」や「呪詛」でもやっていればいいのです。



●それで、この前述の本のタイトルを見て、

「あーあー、あのおっさんは、これを家庭で、自分の妻にやっているよねー」

と思うものが、いくつもあったり、

「あの武術家は、こういう父親のいる家で、育ったんだろうなー」

「母親にちっとも、大切にされなかった子供だったんだろうな」とか、

しみじみと、哀れんでしまうことがあります。


つい最近も、ひょんなことから、
そんな、パワハラ夫を無自覚にやっている「偽善者の武術家」を見かけた。


この武術家って、学校時代にも、けっこう陰湿なイジメを、
弱い者を狙ってやっているんですよね。

たぶん、相当にイジメられて、劣等感を積んだのでしょう。
それも、集団でイジメられた形跡があります。
なぜならば、自らも集団で他人をイジメるからです。


しかも、「自己愛性人格障害」の疑いもあり、感情的にも極めて軟弱。
ちょっとしたことで、すぐ切れる耐久性の弱さがあるが、
表向きの体裁を、めいっぱい繕う事で「現実の事実から逃避」の毎日。


しかし、その他者への「仕返しの仕方」というのが、なんともセコくて、

たとえば、学生時代にも、
陰で、教師に言いつけるとか、あることないことデマを言うとか、
仲間とつるんだり、手下を作って仕返しをするという、
まー、なんとも、しょぼくて、性格が悪いわけです。

たぶん、その者の親の影響でしょう。

兄弟間差別も、バリバリにあったと思います。

「お前は、どうして、同じ兄弟の＊＊と違って、トロイんだ」とか。


それで、そんな育ち方をしたものだから、
学校の詰め込みのお勉強だけは、そこそこ出来るのみで、
精神年齢は、むちゃくちゃ低くて、頭の中は、まだ小学生といったところ。


社会的には、なんとかかんとか、外面は体裁を作り、
屁理屈をこねて、軽薄な知識をひけらかして、
そのたびに、空回りしては、周囲からは、鈍感で、ＫＹな奴と見られ、

そんな中身が、すっかすっかの男なので、
そういうのは、女性の感性を持つ、奥さんには、簡単に見限られている。

そこで、なんとか、夫の威厳を保とうと、四苦八苦するものの、
夫の偽善と、性格の悪さに、妻はうんざり。

「あんたは、肝っ玉も、ちっちゃいし、
　中折れしちゃう、股の下のポニョも、ちっこいわよね」

とか言われていそうです。


で、ついには、自分の子供を悪用して、
「奥さんを見返そう」と、奮闘の毎日。


あげくに、その無神経さが、他者にも漏れてしまい、
武術界からも総スカン。


誰とは言いませんが、この手の人格は、
かなり著名な武術家にも、
かなり著名でない武芸者にも、あちこちにいます。



やれやれ、なるほど「地球は大きなホスピタル」だが、

ただし、それは「精神病のスーパーマーケット」という意味でだな。


こういうのって、「病理の種類（病名）」は、微妙に違うのだが、
武術の世界とやらで、何人か、見てきたよなー。



武術なんぞやる前に、

まず、奥さんや子供に、勝てよな。

というより、


「自分の両親との問題」も解決できないで、親に依存しているのに、

結婚してガキなんか持って、機能不全家族の悪の連鎖を、

繰り返してんじゃねぇーよ、となりますね。



●傷みへの徹底的な直視、
傷みの自覚に、強くこだわり続け、執着を極める事を通じて、
傷みの原因を探り、物事の根本解決を図るために、
文武に励むものがいる一方で、

傷みから逃避、逃亡し続けて、傷みに麻痺するためだけに、
文武を悪用し、汚す者がいる。


私は、武人であろうが、武芸者であろうが、
そうでない人であろうが、「前者」としかお付き合いしません。

ということで、武術家の妻をやっている奥様たちは、
「アマゾン」でぜひ、どうぞ。
　　　↓

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062725037/ref=nosim/moraharahigai-22


ちなみに、アマゾンのレビューにある、


>>何をやっても気に入らない。

>>どうすればいいのか夫に聞けば「そんなこともわからないのか？」と怒鳴られ、
>>聞かずに自分の判断でやれば、「なんで勝手にやるんだ！」とまた怒鳴られ。
>>完全な後出しジャンケンで。

>>しかも直接的でなく、直接命令せずに、「察しろよ」という無言の圧力である。

>>自分の意向を直接言葉で言わずに匂わせて察知させて、
>>妻が夫の機嫌を損ねないように先廻りして行動するように仕向け、
>>妻が自分の意志でやったことにしてしまう。

>>そしてそれに対してまたもや文句をつけるのだ。


どこかで読んだ「ヒラーの口調」の、あの光景、そのまんまじゃないか！

って、・・・・「松の間」の読者に言ってもわからないですね。




海外の動画を集めてみました

●一部の人を除き、これらのほとんどの人と、私は親密な交流がありますが、
とにかく、特に海外の人の場合には、独自性のある「実験的」な人としか、
私は体験や知識をシェアしない主義です。


以下に、一番多く登場するのは、知人のライアン氏で、
非公開掲示板で、ラルフソーン氏や、著名なナイフ投げ研究家のマット氏とともに、
海外のナイフ投げ事情の情報をやりとりしています。



逆打ち
(これらを見るとやはり、逆打ちには反転打がいいと私は考えています。)

http://www.youtube.com/watch?v=dcouG63-zgs

http://youtu.be/HHrqgn2yHB0?t=1m1s


片手２連続打ち

http://www.youtube.com/watch?v=pBoM4r0SMow


長剣を投げる海外の人

http://www.youtube.com/watch?v=dDFDK2UvTTo


左手打ちの練習

http://www.youtube.com/watch?v=v9XZPsdi1VI


変った前後打ち

http://www.youtube.com/watch?v=rhc0HL02nnk


？何を投げているのだろう（グリーンスパイクって何？）

http://www.youtube.com/watch?v=pzAVg67sCp4


特殊な直打法の為の手の内

http://www.youtube.com/watch?v=PovOLvHSpMA





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草木の枝葉が阻害する直打法の運動


この日（土曜日）は、あまりの、蒸し暑さに耐え切れず、
必要最低限の撮影だけをして、切り上げました。





解説部分を飛ばして、打剣から見たい場合は、ここから
↓
http://youtu.be/2UwTHpmbOV8?t=8m27s


●今回のこの実験も、いまだかつて、手裏剣術者の誰も、やった事のないものです。


結論としては、相手と自分の距離の間のどれぐらいの位置に、
草木の枝があると、軌道が邪魔されるかは、

・障害物を支点とする「両側の距離の比率」、

・剣の重量や形状、

・草木の密度と強度

などで少し違ってきますし、
そのときの「偶然」によっても変ります。


しかし基本的には、草木の障害物は、手裏剣術側には不利になります。

２９５グラムの刃つきの超重量剣に分類されるナイフでも行いましたが、
結果は、ほとんど同じです。
重量があったり、刃がついていれば突破できる、とは思わない事です。

その最大の理由は、飛行姿勢を阻害する小枝は、
刃部ではない、柄（剣尾）の部分にも、からんでくるからです。

この動画のように、突破できる時と出来ないときにムラが出ます。


●何にも阻害されない場合の直打法の剣の傾き方については、
下記の古い動画のスロー映像が、とても、わかりやすいはずです。

この距離（４から５間）の場合には、
標的の手前１間半では、既に剣先は前方を向いています。
　↓
http://www.youtube.com/watch?v=uh1P9w_2vEE



追試「草木で剣を叩き落とした場合」

翌日の本日も、じっとしていると涼しいのですが、
少しでも動くと、汗だくになるほど蒸し暑かったです。





●棒手裏剣の方が、ナイフよりは通過しやすいですが、
それでも、落とされるときには、完全に落とされます。

助手に剣の飛行が見えやすいように、距離は５間から５間半の距離からで、
万一にも、枝によって剣が撥ねて、助手に当たるような事故が起きないように、
剣速は、それなりに、落としてあります。

しかし、常に標的には、ちゃんと刺そうとしています。



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いつもの稽古に戻りました


●合宿も終わり、本日は、いつもの稽古に戻りました。

いつもの稽古というのは、
無冥流の基本打ちのフォームの確認です。


それにしても、翠月庵さんの合宿や講習というのは、
私にとって本当に良い機会になります。

そういうことがないと、私は自分の技術を体系化しようと
全く思っていなかったからです。
（暗中模索中の貴重な過去の記録としては、
　さまざまな論説と検証を、動画記録の形には、しましたが）


思えば、最初の翠月庵さんでの講習のために、組み立てた「基本打ち」が、
その後、無冥流の現在の「基本投法」として定着しました。


また、先だっての合宿の為に、基礎を組み立てた「前後打ち」も、
合宿がなければ、型として整理しようとは全く思いませんでした。

そういう意味で、２０１０年ぐらいまでの、かつての無冥流は、

「別に、道楽でやっていることなので、
　無冥流の１０種類以上の投法は、私１人がわかっていればいいし、
　説明するのは複雑すぎて、面倒だなー」と、

全く他者のことは全く考えていなかったのです。

しかし翠月庵さんと講習や合宿という形で関わることで、
必要最低限の「型」が、出来上がりつつあります。



１０本を続けて打つ「基本型」は、ずいぶん昔からありましたが、
それ以外は、他人様に伝えるように整理された型と言えるものは、
無冥流には皆無でしたから。


現在、書店などで市販されている無冥流の手裏剣術のＤＶＤは、
「過去の記録」という意味はありますが、
現在の無冥流の「整理された体系」という要素は、全くありません。

また、今後も必要に迫られない限りは、公開や伝授するつもりはありません。


今現在、無冥流に独特の、同一の構えから「全距離対応が可能」である「投法」は、
翠月庵の生徒さん以外には、門外不出となっています。

また「無心剣の奥義」（その為の具体的な意識の操作法）も、
ごく一部の知人以外には、門外不出となっています。




●さて、それでは、本日の稽古内容ですが、
最初の動画は、的を設置する位置を、今まで置かなかった角度にして、
気軽に８間、９間打ちの稽古を出来るように改善したことと、

翠月庵の生徒さんだけには分かるように、
７間から８間の打剣フォームのおさらいをしておきました。


いつもの稽古

【その１】

打剣は↓ここからスタートしますので、説明を省略したい方はクリック。
　　　↓
http://youtu.be/1JB104VGraQ?t=6m56s





最後に、ハイスピードでも記録しておきましたので、
ｋ２さんは、以前にも講習で説明しました、この身体各部の動きを、
参考にして７間、８間にチャレンジしてみてください。



【その２】





ここからのシーンで、手裏剣が木の枝葉に当たるスロー画像があります。
↓
http://youtu.be/wG__Dv2TYeo?t=9m55s


●手裏剣というものが「空中では、いかに不安定で、弱いものか」を、
来週にでも、草木を使って「直打法の刺中を狂わせる実験」をして、
検証してみる予定です。


他のどの流派も、決してやらない事であり、誰もやって来なかったことですが、
無冥流では、その書籍の初版のときから、手裏剣の威力の弱点に、
疑問や興味を持っていました。

刃付けをしたナイフは、投げた場合に、標的に固定した布ならば引き裂けますが、
空中を飛行する大型ナイフに、「少し厚手の布をふわりと投げるだけ」で、
ナイフのその軌道も、刺中のための角度も、簡単に失われてしまうのです。

むろん金属の棒として身体に当たる可能性は残りますが、
場合によっては完全に避けることが出来てしまうでしょう。


特に、前述の動画のシーンのように、
剣先が立った状態、つまり、まだ標的（敵）の方向を向く前の、
「空中を飛行中」の棒手裏剣は、「脆弱」です。


このことを検証する為に、次回は、４間距離からの打剣において、

草木を標的の数十センチ前に、障害物として置いた場合と、
１間、２間の距離においた場合、
これらで剣の軌道や威力がどう変るか実験してみるつもりです。

標的に近い位置に草木の障害物がある方が、
剣先がすでに敵を向いているので、阻害効果は落ちますが、

打剣距離全体の半分ぐらいの位置で、障害物があったらば、
直打法の利点は、ほぼ完全に無効にされると思います。



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翠月庵様の合宿の記録


翠月庵・手裏剣術・稽古合宿
ダイジェスト版








【稽古内容は、以下の通りです】
　　　↓
http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/blog-entry-438.html



●稽古時間は、休息や食事の時間を計算に入れないで、
のべ約８時間以上ありました。

ノーカットの記録動画は、オリジナルは１時間２０分以上です。

その中から、一般公開しても、支障のないものだけを厳選しました。
オリジナルには、剣術部分に公開出来ない部分が多くあります。


●今回は、私は、裏方に回って、撮影のみに徹して本当に良かったです。

結果として、前回よりも、ずっと濃い内容で、
翠月庵の生徒さんの、剣術・居合い術、その他の、
復習の為の【非公開ＤＶＤ】が出来ました。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


●横で見ていた、私の勝手な感想で恐縮ですが、
精神的な健全さという点では、
明らかに、おかしな手裏剣術流派や教室が、いくつかある中で、

翠月庵は市村氏の「知識と経験」の多さと、物事に対する氏の繊細なセンスよって、
本当に、「慎重な手順」で研究を積み上げて行っており、

今後の出稽古や、地方での演武会においても、
専門家の目から見ても、武術的な基礎を持つ流派として着目されてゆくと思います。

翠月庵は、現在の日本で、
「剣術・抜刀術」と「手裏剣術」を、最も合理的に併用する、
世界に唯一の武術道場だと思います。


巷にある流派のように、傳系を捏造したり、偽ることなく、
しかも正当派の剣術・抜刀術のみならず、現代武道も経験してきた市村氏による、
この新しい手裏剣術研究の成果は他に類を見ない「独特」の歩みです。


それは、この数年で、動画サイトの映像に刺激されては、
あとから、「とってつけたような武器術」や、「偽りの傳系の薀蓄」や、
「にわか作りの剣術」を、さも手裏剣術と関係あるかのように混ぜ込む
といった形ではありません。


また、逆に、居合いや剣術流派や、他の分野の武術流派が、
この数年のブームに乗り遅れまいと、
無理に、手裏剣術を形だけ取り入れた、といったものとは全く異なります。


古傳の剣術に、ここ数年の現代研究から導き出された手裏剣術を、
極めて慎重に和合させているように私には見えます。



●私は、数ある手裏剣術流派や愛好家たちの中でも、
唯一、翠月庵さんとだけは、定期的に交流を持ってまいりましたので、
この数年の歩みの概要を、耳にしてきました。

こうした素晴らしい庵に、非力ながら協力をさせて戴けた事を、
大変に光栄に感じております。




★『　本　編　』







　　　　　　
　　　　　　




☆『　番　外　編　』





ありゃりゃ、最後の字幕が「崩斬」になっていますね。
物騒な名前の誤字になってしまいました。

けっこう、疲労が溜まっているので、今回は訂正はパス。

他の部分も「お分かりになっただろうか？」のタイトルの位置が、
違ってしまっていたりしますが、
自分の記念用に撮った番外編なので、まー、いいとします。

あ、むろん、
「不思議なモノ」の正体は、「ホコリ」ですから、本気にしないでくださいよ。


●さて、いつもの稽古では３００投を打ってもそんなに疲れないので、
どうも、稽古よりも畳を運ぶ作業で、筋肉が疲労してしまったようです。

つくづく、歳だなーと、思いますが、
自分が年寄りに片足を突っ込んでいるのをいいことに、
私は、最近、いろいろなものを、
自ら進んで「怠ける」ようになってきました。

自分的には、これは、大変に良い流れなのです。


↑
>ここは６／３追加


●そう言えば、富士山の近くというのは、１９９０年ごろに何度も来ていました。


んまー、写真見ると、当時は、結構アウトドアが似合う若造（？）でした。
富士山の５号目付近でのキャンプ。後ろに見えるのが富士山山頂付近。
　　↓
　



右の「飛び蹴り」の写真は、高校２年ごろの時のもの・・・・↓
いやー、若かったので当時は、高く飛べたなー。

　



それから、また歳月が流れ、これは２０００年ですね。
今から１３年前の頃の、とある雑木林の中での打剣です。
　　　　↓
　

　　　　右は、たぶん、１９８５年ごろ。別に馬に乗る趣味があったのではありません。↑


過去は、すぐに忘れる私だが、
ごく、たまには、ノスタルジーに浸るのも悪くはないな。


　
　　　　　　　　　　　　　　●

＿＿＿＿＿＿＿＿＿



●今回は、しっかりと写真や動画の記録を残すつもりです。

私個人は、毎週土日に稽古は出来ますので、
今回の合宿では、ひたすら「取材班」に徹することにしました。


【前日編】




●ちなみに、キジのツガイは、
狩猟をする人たちや、山間部の田舎ではそんなに珍しくはないようですが、
ここの土地では、地元の人でも、あまり見かけないのです。



さて、もしも、時間の余裕があれば、
無冥流の、
１／打剣の基本型、
２／連続打剣の型
３／前後打ちの型

などは、せっかくの体育館で、収録してみたいですが、
そこまで時間をとるのは、難しそうです。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊

★ . 　　

合宿の準備


●まだまだ、先のことですが、夏季の合宿の準備を始めました。

まずは、恒例の体育館に貼る書です。
毎回、テーマがあります。


『翠月庵』　　　　　　　　　　　　　　　　　　『飛』（当然、手裏剣の「飛」です）

　


『新』(新しい試み)　　　　　　　　　　　　　　『遂』（課題をやり遂げる）

　


『遷』（居つかない為の「遷」）　　　　　　　　『発』(威力を発する)

　


『敦』(もてなしの心・・・これは宿のこと)





●今回は、なるべく稽古時間を増やすスケジュールとなりそうです。



小松菜のグリーンカレー

松の間に全く関係ない話題ですが、
「翠月庵」ということで、グリーンカレーを作ってみました。
ただし、ほうれん草ではなくて、「小松菜」を使っています。
主なスパイスは、インド系ではなく、アラビア系です。





●ついでに、もういっちょ、調理動画を。

↓




＊＊＊＊＊＊＊＊＊


自虐史観を論破する人たち


●これまた、合宿とは何ら関係ない話題ですが、
終戦記念日の夏が近づてくると、
私は、恒例のこのテーマを取り上げたくなります。

どうも、傾向として、自称愛国者の側が原発推進で、
反日左翼の側が、原発反対という構図が目立ちますが、
大変に残念なことだと私はこの２年間感じてきました。

私個人のスタンスは、反米、反中、反朝の、愛国であり、
原発には、その愛国精神の立場から反対です。


この日本と中韓の「歴史問題」は、原発問題と並んで、
「国民に知らされてこなかった事実」として、対峙する必要があるはずです。

そこで、お勧めの、いくつかの動画のリンクを貼っておきます。


中国編

■南京事件の妄想（宮脇淳子）

http://www.youtube.com/watch?v=dv8_HHdoAVQ


朝鮮編

■従軍慰安婦の嘘(櫻井よしこ)

http://www.youtube.com/watch?v=anf-kK9Jtk4


■慰安婦について（小野田寛郎氏が語る）

http://www.youtube.com/watch?v=dnJEBlCS1NQ


■小野田さんから時代は変り、現在では、
　無人機が、追跡と殺戮を代行する。

http://www.youtube.com/watch?v=gnjAvxRpS5g


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★ . 　　

旧・翠月剣のリメイク


●５ｍｍ厚の翠月剣をお払い箱にするのはもったいないので、
手を加えました。

思えば、最初は、幅は１０ｍｍでしたし、軽量でしたね。
向こう側２本が、最初に試作したもので、これでも６間届いていました。
一番手前が、２５年式の６ｍｍ剣。（メリケン君はこれより長い。）
　↓



そこで「棟側」を少し削り、左右の重さのバランスを直しました。

両刃をつけますと、国内では現在は、違法ナイフとなりますので、
これには、刃はついていません。
棟幅は１ｍｍ弱ぐらいなので、押し付けても全く切れません。　

こうして、少し削ってやることで、刺中力を補って、
５ｍｍ剣でも、近距離では、十分に使えるようにしました。
↓




>ここ↑は５／２３に更新



「折れる剣・曲がる剣」


■翠月庵の市村氏から、
下記の記事中で、絶賛を戴きました「メリケン君」ですが、
↓

http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/blog-entry-434.html

http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/blog-entry-433.html


６ｍｍ剣を最初に試作したのは、日付を見ましたら、昨年２０１２年の１２月でした。

年が明けて、今年の１月に、厚さ６ｍｍの翠月剣の、
長さが１センチずつ異なるものを４種類造り、
テストしていた時の動画が次のものです。
↓




●しばらくは試験的に２３センチ前後のを、
翠月庵の生徒の皆さんに使って戴いていたのですが、
やはり、最初にテストした結果どおり「２５．５センチ前後」に落ち着きました。



■さて、今回は、その話ではなくて、市村氏が述べていた、
剣先の強度についての「補足説明」です。

私も、剣造りは、全くの素人から出発しましたので、
焼入れ加減について、ようやく経験則とデータが固まったのは、
２０１０年以後からです。

それまでは、試作するのに炭素含有量０．０５％という、
ほとんど軟鉄のような鉄も、かなり使いました。

翠月庵さんに寄贈した中には、ほとんどありませんが、
それ以前に、いろいろな人たちに贈呈した剣の中には、かなりあります。


当時、０．０５％以下の炭素含有という、
柔らかい鉄を使いまくっていた最大の理由は、
当時の標的が、ジョイントマットやダンボールが主だったため、
大した硬度は必要なかったことですが、

それよりも最も大きな理由は、
何百本もの、形状や重心の全く違う剣を、
グラインダーと手作業で試作する際に、
「加工が、とても楽だったこと」です。

試作の結果、寸法が完全に決まってからは、
きちんとした鋼鉄で、１０本単位で発注するようになりました。

そのために、２００９年以前には、
金槌で中央部を叩いただけでも簡単に曲がるような軟鉄で造った手裏剣も、
かなりあります。
（そもそも、軟鉄には焼きが入らないのですから、しかたありません。）



■そして、ようやく無冥流の、極めてユニークな「穴空き剣」を、
最終的な規格サイズを決定して、造り始めたころから、
鋼の炭素含有量を０．６５％〜０．４５％あたりに限定しました。

無冥流の「ナイフ」の場合には、炭素含有は、０．６５％とし、
棒手裏剣の場合は、先端の破損が頻繁なので、
日常的に修理するのに楽な、０．４５％にしました。



■うちには、現在は次の４種類の炭素含有量のナイフや手裏剣があります。


０．９５％
０．７５％
０．６５％
０．４５％


このうち、０．９５％（ツールスチール）と、
０．７５％（スプリングスチール）はアメリカから仕入れていますが、
特に、０．９５％の鋼鉄は、扱いが難しかったです。

冷ましのタイミングと、湯の温度を、少しでも間違うと折れました。
ところが、その分、べらぼうに堅いのです。
折れるのですが、絶対に曲がりはしませんでした。

焼きなましてから削っても、
ヤスリやグラインダーの減りが、他の鉄よりも格段に早かったです。

（ただし「炉」がないので、プロパンガスのコンロを使っているため、
　本格的に高温で加熱してから焼きなます事は出来ませんでした。）


■個人的には、０．６５％（Ｓ６５Ｃ）というのが、私が最も好きな「鋼素材」です。

価格的には０．４５％（Ｓ４５Ｃ）と、そう異なるわけではありませんが、
やはり、適度に、ほどよく「堅い」のです。
日本刀の炭素含有量も、このあたりが近かった記憶があります。


■今は、この０．４５％と、０．６５％ともに、焼入れの際の、
冷まし方のノウハウのデータが取れましたので、
最大限に折れず、最大限に曲がらない、ちょうどよい加減が見つかっています。

しかし、見つけるには、最低でも５回以上（普通は１０回ぐらい必要）
先端をまったく同じ角度に削っては、焼いて冷まし、
テストの為に「折ったり、曲げたり」を繰り返して、また元どおりに削る、
これの繰り返しです。


●そして、その際の、「水温」と「空中での待機時間」、
これが、私にとっては、コツを掴む最大の「鍵」になりました。


日本刀の場合には、少し「暗い赤色」になった時に水に入れる、
と言われていますが、市販の鋼鉄の場合には、そうはいきません。

また、全体を焼き入れしたあとに、
最後にもう一度焼きを入れたり、その後に「焼き戻す」のも先端部だけですから、
刀とは別の色合いのタイミングで水に入れる必要があります。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■蛇足の余談ながら、

以前に、他の手裏剣術のホビーグループ（小規模な愛好会）から、
そこで使ったり、売っているという剣を戴いたときに、
その剣をテストしたのですが、これが凄かったです。「悪い意味で」です。


うちにある、強度テスト専用の木材に刺して、プライヤーで力を加えると、
簡単に、ポキンポキンと、派手な音をたてて折れるし、

折れるだけならば、それは、一定の温度で焼きいれをしたという証拠ですが、
簡単に「曲がりまくる」のもありました。
つまり、焼入れ自体にも一定性がなく、ランダムだったのです。


■これを作った鍛冶屋さんにも、むろん問題はあるのですが、
ただし、私の見立てでは、その鍛冶屋さんとしては、
あくまでも、「工芸品」としての「火箸」を発注されていたはずです。

しかし、木の標的に刺さったり、剣尾にぶつかる事を想定している、
棒手裏剣に使う、という前提であれば、
それは、とても使い物になるものではありませんでした。

せっかく、日立製のヤスキハガネを使っているというのに、軟鉄並みの脆さでした。

火箸のようにしたために、先端部の剣身が細すぎるのも設計ミスです。
たぶん、多角的な熟考をせずに、見かけのデザインにばかり執着してしまい、
火箸タイプは「先端の焼入れ処理が難しいこと」には全く無知だったのでしょう。


■手裏剣として売るものであるのに、初歩的なテストをしなかったのは、
「設計者」と「発注者」のミスであり、鍛冶屋さんのせいではありませんでした。



■そこで、その時に、私の方では、最低でも４回は、
冷ましの水温や、水に入れるまでに何秒間、空気中に保持するかなどを、ざっと調べて、
最高の条件の「冷まし方」を割り出したところ、
その火箸のような手裏剣も、かなり曲がりにくく、折れにくくなりました。

それはそうです。もともとの鉄が、良質なのですから、
焼き入れ法の指示を出す時に、そんなポカミス、凡ミスをしなければ、
本来は、良い仕上がり出来るはずなのです。


そのホビークラブには、プロの鍛冶屋さんが見ても、文句を言えない、
証拠の動画のＤＶＤを差し上げました。

きちんとした水温で焼き入れをすれば、「元の状態と比較して、
これぐらい、折れにくく、曲がりくくなった」という改善結果の、
一部始終を録画した動画です。

しかし、それを見せられた鍛冶屋さんも、たまったものではないですね。
なぜならば、その方は、おそらくは、
「工芸品としての火箸」を依頼されていたはずですから、

「投げて堅い木に刺したり、金属同士が当たるなんていう使用条件に
　耐えるように造れ、なんて、俺は聞いてねぇーよ」となったかもしれません。


まー、先端部の、理想的な焼入れのサンプル動画のディスクを、
そのサークルに渡したので、いくらなんでも、今は、改善されているはずですが。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊


■さて、話は戻り、今回の「メリケン君」ですが、

実は、完全には、まだテストが終わっていないので、
折れにくいかもしれませんが、「曲がりを戻したときの強度」が、
まだ分かりません。

アメリカ製ので、いつも扱いなれている店の鉄ではないので、
もしかすると、折れないのはいいとして、曲がりについては、
これから、きちんと、テストしてみます。


問題は、プライヤーで、曲がった部分を「戻してみた時」に、
わりと簡単に、元に戻るようでは、柔らかすぎなのです。

曲がった剣先を戻すときに、
「おっ、けっこう堅いな」という感触があり、
かつ、戻しても折れないことが必要です。
（むろん、あんまり何度も曲げて戻してを繰り返したら、折れますが）



■プライヤーで、クイッと曲げたら、元に戻ったというのではなくて、
「ふんっ」と力を入れて、わりと力んだら、まっすぐに戻った、
というぐらいが、ベストなのです。


今回のメリケン君が、素材としての強度が、そこまであるのかどうか、
サイトに記載されている炭素含有量を確認してみました。

メリケン君は、ナイフの分類に入るので、
どうやら、メリケン君の鋼鉄中の炭素含有量は、０．７５％のようです。
この硬度ですと、ちゃんと刃付けしたら、ナイフとしても使えますね。



★「フライングスチームコム」で『扱っている鋼鉄の種類』
　　↓

★1045 Steel

This steel is a medium-carbon steel with mechanical properties that combine strength and hardness.
The carbon level is approx 0.45%. Our shuriken are made from 1045 steel.


★1075 Spring Steel

This steel is a high-carbon steel, exemplifying strength, toughness, hardness and abrasion resistance.
The carbon level is approx 0.75%. Our knives are made from 1075 spring steel.


★W-1 Tool Steel

This steel is a high-carbon steel characterized by significant hardness and abrasion resistance.
The carbon level is approx 0.95%. Our shuriken are made from W-1 tool steel.



■扱っている鋼材の種類と、仕上げ処理についての詳細はこちら。


ここのお店の素晴らしいところは「表面の仕上げ方法」が、
「８種類もある」ことです。

日本で手裏剣を造っているところでは、
これだけの種類の表面の仕上げ加工をしているところは皆無です。
　　　↓

https://flyingsteel.com/materials_finishes/




■「余談」をもう一つ。

甲野氏が、昔、銃身並みの強度の特殊鋼材を発注した話は、よく知られていますが、

だいぶ昔、（歩いていけるほどの距離にある、私の地元だったので）、
私がその店を訪れた時に、

甲野氏から発注された側の店主さんが、
「甲野さん、あんな金属を使ったら、グラインダーが歯が立たないですよ」
と、甲野氏に言ったのですが・・・、と、言っておりました。


●いや、確かにマニアックになってくると、そういう鋼材を使いたくなる気持ちは、
物凄く、よく分かりますが、
対戦車手裏剣を造るわけじゃないんだから。

そんなに硬くしたけりゃ、被曝覚悟で、
劣化ウランで手裏剣造ったほうがいいです。


ただし、しょせん投げるのは、人間の手の力であり、
弓や、火薬で発射するわけではないのですから、硬くする意味ないと思います。

それに、手裏剣は、必ず、剣底に別の剣が当たることがあるのは宿命ですから、
鋼鉄を硬くしすぎると、かえって日常の修理がめんどうなことになります。


●私の推測では、おそらく、炭素含有量は、０．６５％もあれば、
先端を極端に細らせて、良い焼入れをした手裏剣ならば、

刺中の際の角度と、力加減さえ良ければ、
「やわい鉄板にならば、垂直に刺さる」と思います。


対鉄板となると、０．４５％の炭素だと、先端がつぶれる可能性があり、
ちょっと、つらいかもしれないです。



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■「２５年式翠月剣」寄贈品用を作りました。
動画はこの次にあります。
↓

　


「二十五年式・翠月剣」



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