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武田双雲氏は、「一億人の人を感動させる書を描きたい」と述べる。

美というものが、それまでの生き様の「結果として」、
自発的に流れ出るように自然に現れるという意味の美・・・
それが、私が以前に書きました
「私が見てみたい、美しい打剣」のことです。

手裏剣術を武術という視点で見てしまうと、
そこに要求されるのは、威力、命中精度、飛距離、速度などです。

しかし、前にも書きましたように、私が目指してきたのは、
投剣術に触れた、１９９０年代、その最初の第一歩から、
「禅」としての手裏剣術でした。

そして、今、思うことは、いかにして、美しい手裏剣の飛跡を
空中に描くかということ。

私が手裏剣術で表現したいと目指しているものは、
「力」でもなく、「殺人剣」でも「活人剣」ですらもありません。

「美」です。
それは生死の境界線から、つむぎだされるものではなく、
「生死が生まれる以前の世界」からだけしか、つむぎ出せません。


■「感動」というものは、たとえば、完成されつくした技や、
哲学的に思考されたものや、人が生きた形跡、
あるいは、その中から生まれる作品や人生ドラマの中に、
多くの人が感じることが出来るものです。

それによって、何かが動く、揺れる、そういうものを人は
感動と呼びます。

しかし、見ることによって、何かが根底から吹き飛んでしまうもの、
それを、私は「感動」ではなく「崇高さ」と呼びます。

この言葉は、とかく宗教的な概念に「汚染されてきた日本語」なのですが、
崇高さというのは、「次元の違い」を感じることで生まれるものです。

「感動」というのは、
「既に自分の中に眠っている何かが、作品に共感した」その結果、
生ずるものですから、多くの人も自分の中のその反応を理解できます。

しかし、崇高なものに接した瞬間というのは、
確実に、何かが壊れ、そこに以前から当たり前にあったものだけが
残るような感覚があります。
また、日常の意識状態との落差が激しいために
しばらくは、それを理解したり、
自分に起きたこととして感じることも出来ません。


●そうしたもの、つまり、「一時的な感動」や、生き方や考え方に
「影響する」という働きに留まらず、人の立っている意識そのものの
立脚点それ自体の引き上げを起こすものを、私は「崇高さ」と呼びます。

この崇高さを引き起こすようなタイプの「美」というのが、
世の中には、なかなかないのです。
それは、ごく一部の音楽や、芸術作品や、ごく一部の人たちの説法の句の
中にあることがあります。

こうしたものを生み出してきた「意識の在り方」については、
隣の竹の間掲示板でも少し触れました。
↓
http://www.mumyouan.com/k/takenoma.html
【投稿−３４７６】にて

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●ところで、そうした、感動を与える美、それ以上の美を
武田双雲という人が、将来作り出すであろう可能性を、私は感じています。

今の時点では、それは人々を感動させる美を目指しているようですし、
氏の中では、現在躍動しているのはその書道の命名のとおり、
「愉」＝愉しさのようです。
書がもっと、もっと、その自在な無限の表現力を、
「無為自然に」発揮することの楽しみですね。


しかし、いずれ、その「書愉道」を飽きるまで経験しつくして、
そこを通過した晩年には、
氏は、やがては、「崇高さ」を、その書に表現できるものと
私個人は、思っています。

その理由は、非常に単純です。
それは、氏が、「書いているのではなく」
「出てくるものを楽しんでいる」からです。

この、精神に余白をあける姿勢がないと、
いくらストイックに書道を追求しても、
その書は、苦痛と苦悩の産物になってしまいます。
かといって、単に使い古された「安直なワクワク主義」で楽しめばいい
というものではありません。

究極的には、楽しむということすらも忘れ去り、ただ、
筆と紙と墨がそれぞれに自由に即興的に舞い・・・
文字と余白が作る書。

いかにして、与えられたテーマという制限によって、
その枠の中で、書を自由に「遊ばせるか」、
それが、双雲氏の、これからも変わらぬ、最大の魅力です。

●この「即興性の無心」を極めるこそが、おそらくは
双雲氏のしていること、そして将来も続いてゆく原則です。

だから、それは、いずれは、あと１０年、２０年の歳月をかけた、
いろいろな種類の「動きの愉しさ」の果てに、その最後には、
感動以上のものを与える美、あるいは醜となり、
それは、美醜が一如となって、「崇高さ」を人に与えるものにまで
「そぎ落とされてゆくだろう」と思っています。


【武田双雲氏については、こちら】
こちらのページの一番上にある
「今月の一覧クリック」を辿りますと、
双雲氏の書を見ることが出来ます。
私が現在、最も好きな書のひとつです。
↓
http://www.fudemojiya.com/futaba-mori/souun.htm

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●こころみに、手裏剣術と書道の共通点というのは、
書の「とめ、はね、はらい」のような動きが打剣という動作にあることです。

また以前にも書きましたように、
一本の棒の手裏剣が空中を飛び、的に刺さる飛跡は、私個人にとっては、
一種の書であり、それは「一」という文字を空中に描くことであると。

だから、書道家が筆を使い分けるように、
私は、その時々で剣を使い分けます。

そのときに、空中に書のようにして描きたい手裏剣の飛跡によって
剣を変えます。

また打剣の感覚を変えるために、ときには的の材質を変えます。

書道家が文字を書くことと、手裏剣が打剣される様子を対応させると、

　　筆を選ぶ＝剣を選ぶ
　　紙＝標的の種類
　　字＝一連の打剣動作
　　余白＝打剣の開始以前と終了以後の身体の静止状態。
　　書法＝打法

となります。

また、書に、楷書体、行書体、草書体があるように、
打剣にも、古武術の型どおりの、「きっちりとした型」がある一方で、
より実戦的で、構えなどの予備動作なしに、瞬時に投げるような、
なめらかで自然な打法、
そして、変幻自在な打法などの種類があります。
ときおり、少し、お茶目な投げ方をしてみたくなることも私にはあります。



打法の基礎は基礎として、今後も研究したり、稽古をするとしても、
最後には、私は、武術としての打剣を極めたいのではなく、
そのときどきに、自分が即興的に表現したくなったものを、
「手裏剣を的に向かって打剣する」という「動き」で表現したいわけです。

通常の手裏剣術とは、「技」を人に見せることです。
しかし、私は、何か別のものをそこで表現したいのです。

「技」としての手裏剣術というのは、
相手をいかにして倒すかという、そのことの完成度を見せるものですが、
私は、竹の間掲示板に書きました、ある「意識状態」のその結果を、
打剣動作の中に、即興的に表現したいわけです。

その打剣は、微妙に違い、二度と同じものはありません。

その瞬間の、その空間において、もっとも環境と調和している
剣の飛び方です。ある意味では、呪術的でもあり、儀式的でもあり、
もっと正しく言えば、禅的な表現法のひとつであるわけです。

いわゆる「技が決まる」打剣と、
「禅が決まる」、つまりは「無心が決まった」打剣とでは、
そのふたつは、性質が違うものなのです。


　　「技が決まる」というのは、
　　　１００％、自分の思い通りの動作が出来たときのことです。

　　「無心が決まる」というのは、
　　　１００％、自分の思いもよらない動作が起きることです。


■禅的な無心を、手裏剣を打つという、たったそれだけの
単純な事の中で表現したいという気持ちもあるその一方で、

そのときの「気分や天候や状況」といったものを、
アートとして、手裏剣の飛行という作品によって自在に表現してみたい
という気持ちも私の中にはあります。
そのどちらも、これから、少しずつ磨いてゆこうと思っています。


舞踊家が身体から沸きあがる無為の動作に身を任せるように、
書道家が自然に走る無為の筆に身を任せるように、
そんなふうに、私も、
無為の打剣動作に身を任せた「剣」を放ちたいわけです。


それは、あたかも、空中に「一」の文字を描いてゆく軌跡ですから、
私は、それが出来るようになってきた時点で、
「無冥流手裏剣術」を、

「一文字流手裏剣術（いちもんじりゅう）」と改名する予定です。


それまでに、あと何年かかることやらですが。

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■ところで、実は、そうした
「無為の書」にかなり近いものを、
かつて、書籍の中で描いたことがあります。

気がついた方がいるかわかりませんが、性教育書の、
「性のレシピ」という本の中では、沢山の解説図に混じって、
挿絵として、ときおり、私の手による「イラスト」が入っています。

あのイラストは、筆ではなく、「カリグラフィーペン」という
デザイン用品の特殊なペンで描いたものです。

当時、その極端な平筆のような味の出るペンが気に行っていたからです。
梵字用の刷毛（朴筆）にも、似た「独特の線」が描けるのでした。

それを使って、何にも囚われずに、自然に男女の裸体を
極端に「抽象的に描いたイラスト」が「性のレシピ」の本の中には、
ときどき、登場します。

原画は、Ｂ５サイズいっぱいに、のびのびと描いたものですが、
書籍にしたときに、Ａ５版に縮小したために、
やや迫力が落ちていますが、
それでも、流れるままに走り書きをしたあれらのイラストは、
私のお気に入りの作品のひとつです。

書籍案内
↓
http://www.mumyouan.com/i3.html

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　　　　　　　（ちょっと遊び心で、
　　　　　　　　簡単な画像ソフトで、殴り書きしたものです）


　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　「無」



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★ . 　　

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■手裏剣の動画というのは、少しでも見れば、
「わかる人には、すぐさまに、その価値が、わかり」、

目の肥えていない、わからない人は、
とんだ的外れな指摘や中傷を、こそこそと匿名でしたりするものです。

たとえば「平服」での稽古風景についての批判をしたりするなどです。
平野なんとかのホームページを見ればそうしたメールがあった事が書いてありますね。
ジーパンで稽古風景を収録していることへの批判です。

私は、あとになって知ったのですが、その批判をしていた者が、
武術の世界では、少しばかり知られている手裏剣術の流派の師範である
ことを知りました。


私はてっきり、それは自分が特定流派の師範であることを、
明確に明かして、堂々と、私見を言った事であるとばかり、ずっと思っていたのです。

それが、つい最近になって、
それが完全な「匿名」での中傷メールであったことを知り、
そのメールを出した師範の、人間性そのものを疑わざるを得ませんでした。

そのメールの内容は、むろんプライベートな問題ですから、私も
知りませんが、まさか匿名だったとは夢にも思ってもいませんでした。

他人様に自分の意見として、ものを言うのは、
言論の自由の範囲ですから、全くいいのですが、
「一流派の看板を背負う者」ともあろう者が、
「匿名メール」では、ただのアラシと変わりありません。
ただただ、あきれるばかりです。本当に、情けないことです。


●しかしそれを受け取った平野傳の師範とかいうやつも、
後に知ったのですが、「ろくでもない人間失格のゾンビ」でした。

同じように、匿名で掲示板に中傷を書き込んだり、
また、脅迫罪にあたることをしたり、
勝手に、いろいろな他流や個人や、スポーツ選手を馬鹿にした
発言をしたりしたからです。

しかも、頭が非常に悪い。
幼少期の体験が祟って、人間性はまるっきり崩壊状態でした。

そして自分の論理が全く素人目にも大間違いであったりすれば、
謝罪も断りもなく削除するといった始末です。



　　　　　どうも、武術の世界は、アホウが多いようですね。



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・・・以下は余談ですが、
　別に何を着て、稽古しようがいいんですよ。
　そもそも、袴や着流しだって、昔はただの平服だったのですから。

　それと、私見を言えば、袴での演武は、未熟な人が下半身の
　動きを誤魔化せるものになります。一方でズボン状のものは、
　両足全体の動きが明確に出ますから、問題がすぐに露見します。

　私も自分の打剣フォームの悪い癖を修正するのに、
　自分のビデオ撮りをしましたが、かならず作務衣のような服にして、
　下半身のチェックが出来るようにしてきました。そういうわけで、
　自分の打剣フォームを録画してチェックする際には、下は袴でなく、
　普通の空手などの道着にした方がいいです。



■なお、
剣は、最低でも８５グラム以上（妥協しても８０ｇ以上です）あることが
好ましいです。流派により「考え方」「理念」は、むろん違いますが、
身体に、局部的にかかる負担を考えると、健康のためには、
８５グラム以上ある剣を、その重量感から感じられる反動によって、
自分の全身の動きをよく「モニター」しながら打剣するのが一番良く、
そうした稽古方法は、晩年になっても、長続きします。

仮にたとえ軽量剣であっても、その打ち方というのは、
晩年になると、どんどんと、やわらかく効率よくなるものです。

とにかく、重量のある剣を打つということをしておくほうが、
もう一度、軽量剣を扱う際にも、多くの学びがあることは、
松の間でも、さんざんに説明をした通りです。

剣の構造によって何が違うのか？、
剣と手の内に、何が起きているのか？、
そして、空中で、剣に何が起きているのか？、
それをよく知ることが出来るような剣を使うこと、
それが、稽古における手裏剣上達の早道です。



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■なお、当掲示板が、しばらく更新されないときは、
ここよりは、やや更新のある、隣の「竹の間掲示板」を
ご覧になり、お時間を潰していてください。


★読みたい記事を選んだり、探すときには、
各ページの「ＣＧ画像の下あたり」にある、
黄色い文字の「Ｔｉｔｌｅ」というボタンを押すと、
ログの「題名だけ」がずらりと出てくるので便利です。


【竹の間】時事ネタと、独り言。
http://www.mumyouan.com/k/takenoma.html

性の問題に興味のある人は、
【梅の間】をどうぞ。↓
http://www.mumyouan.com/k/umenoma.html

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◆懐から剣を取り出す手順です。




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●さて、以下は、書道家に喩えるならば、筆のお披露目ですね。

左は、８８ｇ　　長さ２００ミリ　太さ１０ミリ　断面六角
右は、１００ｇ　長さ２１５ミリ　太さ９ミリ　　断面四角


左は、１００ｇ　長さ２１５ミリ　太さ９ミリ　　断面四角
右は、８３ｇ　　長さ２３０ミリ　太さ８ミリ　　断面六角


左は、１５０ｇ　長さ１６５ミリ　太さ１３ミリ　断面八角
右は、８５ｇ　　長さ２４０ミリ　太さ８ミリ　　先端部断面八角


■２３０ミリを超える剣は、無冥流打法ではなく、八角流の打法の
個人稽古のときに主に使うものです。非常に特殊な打法であるために、
通常の無冥流の剣では、長さが足りないのです。
また、直打法で、５〜６間あたりの飛距離のときに使います。
なお、八角流の半田師範の場合には、
直打法での飛距離は１０間を超えています。


●さて、「筆」で、思い出しましたが、
いつも、お世話になっている東京上野の仏具店に、
ひさびさに、お香を頼みました。

愛用の、銀座の鳩居堂さんの、「夢待」という香で、
白檀系の香の中では、もっとも天然の白檀らしい香りがします。

結構値段の高い、他の白檀系も、いろいろと手を出したことはあるのですが、
結局は、これに落ち着きました。

沈香は眠気を誘うものがあるのですが、白檀系はそういうことが
少ないので、座禅など、嗜む人にもお勧めです。

分類から言うと、味わいは「辛い」香りで、
温感は「涼しい」系の香です。

香りには分類として、「暖かい香りと冷たい香り」、
「甘い香り、辛い香り、酸味のある香り」などがあります。

これは、手裏剣を定期的に、手入れしたあとに、
剣の気配を清めるときにも使っています。




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★ . 　　

　　　　　　　〜ま　え　が　き〜


無冥流手裏剣術で稽古に使われる標的用の用紙です。
　　　　　　　　↓
　　

　　　　　実寸大?の画像

　　　　　↑原寸にならないときには、一辺180ミリになるように
　　　　　　プリントアウト時に設定して下さい。


●１８０mm四方の黒い紙の中に、
　９０mm四方、
　３５mm四方、
という３種類の方形で成り立ちます。

地色を真っ黒にする理由は、背景が、さまざまな色の標的の上に
張ったときに、目立つようにするためです。

また、正方形にした理由は、一般的な円形の的よりも、
正方形の方が稽古中に、横や縦に剣を並べて打つときに、
狙いを付けやすいからです。

古い「寸」とか「尺」の単位は使いません。
輪郭の１８０mmはおおよそ、「顔面大」、
次の９０mmは、おおよそ「手足の太さ」、
中心の３５mmは、おおよそ「眼球の本体」という「おおざっぱ」なものです。


______________________________________________________________

無冥流では、「暫定的」ですが、この的の
>●「１８０mmの輪郭内」に対して、最低距離を「３間から」とします。
>●原則として「直打法」です。
>(「下手打ち」「逆打ち」のみは、反転打も可とします)
>●的を「張る位置」は、自分のやりやすい高さで構いません。


>>●基本段数の基準

構えの立ち位置(前足の位置)が距離です。したがって実質的には、
この距離より半歩、あるいは、ステップが大きい場合には半間ほど
実質距離は縮まりますが、それは、よしとします。


>３間の距離から１０本中５本で初段
>４間の距離から１０本中５本で二段
>５間の距離から１０本中５本で三段
>６間の距離から１０本中５本で四段
>７間の距離から１０本中５本で五段
>８間の距離から１０本中５本で六段
>９間の距離から１０本中５本で七段
>10間の距離から１０本中５本で八段

>●そして、どの段の場合にも、これ以外に、
>２間以上の「お好みの距離」から、
>内側の９０mm標的内にも、５０％的中を必ず行う。

５割というのは、１０本あたりではなく、
１００本中なり、５００本中などでの「アベレージ」の
パーセントでも構いません。本数が多いほど正しい平均値が出ます。
ただし、８本で４本が刺さったから５割、というのは評価対象とはしません。
＞判定対象としての「最低打剣本数は１０本」とするということです。


>>●「おまけ段数」の加算

１★なお「３間」の距離から「９０mm標的内に５０％的中」の場合には、
　　命中率が良いとして、段位を「プラス１段」繰り上げます。

２★一番中心の「３５mm四方標的」は、
　「２間以上の好みの間合いから５割的中」で、
　「プラス２段」のおまけとします。

３★また、利き手でない手で「基本段数」のどれかが出来る場合には、
　　段数にその段数を加算する。たとえば、両手とも４間からの２段
　　のレベルであれば、その人は、４段ということになります。

　　一例として、これに加えて前述の３間からの９０mm標的が、
　　５割的中できるのであれば、さらにプラス１段で、
　　その人は「５段」という事になるわけですね。

４★そして二本同時打ちなどの場合にも、「一段加算」とします。
　　三本同時打ちでしたら、「二段加算」です。(３間以上)

５★下手打ちの場合にも、「一段加算」とします。(３間以上)


◆打ち込みは、標的に既に刺さっている剣が「邪魔に思えたら」、
自分の好きなように、途中で抜いてもかまいません。
実際、刺さっている剣に次の剣が当たって弾かれることも多いですから。
>一本一本打ってもいいですし、好きな本数をまとめてでもいいです。

_____________________________________________________________


・・・というような、非常に適当な目標を立ててみました。
通常は、寸的とか、尺的に１００本中、７割以上といった評価基準で
技量を測ることが、古流では行われているようです。

無冥流では、そのあたりは、もう少し、ぐっと敷居を下げてみました。
あまりにも雲の上にあるような手が届かない高度すぎる目標を、
段数基準にすると、「やる気が失せてしまう」からです。
ですから、練習すれば、何とか手が届きそうな気がする敷居に下げました。

◆にわか作りの「標的案」なので「今のところは」という事です。
この段位の面白いところは、
>飛距離と、精密命中率、左右両方の打剣、多本打ち、下手打ちなど、
>これらから自分の「得意なもの」を組み合わせることでも、
>段位が「ひねり出せる」という「遊び心」の余地も作ってみたのです。


★ただし、これは現時点では、「暫定的」なものなので、
コントロールにおいて下手糞な、この私自身がやってみて、
「こりゃ、難しくてやる気が失せるな」と思ったら、多少変更をすると思います。

>ただし、１８０mm標的の最低ラインを３間からとする事は変わりません。
これは「中級手裏剣術」の著書の中でも述べましたように、
「３間〜３間半」という距離は、どのような打法、どのような剣を使っても、
剣が刺さる可能性のある距離だからです。
最大で３間半(６．３ｍ)までは「打法と剣を選ばない距離である」という事です。

また２間半以下(４．５ｍ)という距離は、全くの未経験者が、まぐれでも、
刺さってしまう可能性のある距離であるので、段位の対象とはしません。


●なお、無冥流では、稽古用の剣は、１００g前後のものを使いますが、
>昇段試験に際しては、「剣の寸法や重さ」に、一切の規定はありません。

実戦的な破壊力の有無ではなく、あくまでも命中率と飛距離だけを
評価基準とすることにしました。
その方が、より多くの他流の人たちも、自己評価の参考に出来るからです。

また標的が、どのような種類の「木」を、
「どのような方向に」切り出したものか、とか、
畳であるのか、床用マットであるのか、ダンボールなのか、
などによって、剣が弾かれるものと、刺すことが簡単なものがあります。

そのあたりは、「今のところは」ですが、
「日本国内」で、誰でも入手と設置が簡単で、使い捨てられる点で、
>一般的な「新品のダンボール」を標的としていいと思います。
(ダンボールの多少の堅さの違いは、細かいことは言わないことにします。)


■なお、この標的サンプルは、皆さんがプリントアウト使用するために、
前述のように、ダウンロードできるようになっています。

Ａ４サイズの用紙で印刷できます。
一辺が１８ｃｍにならない場合には、拡大をしてください。

また、ごくごく簡単な図面ですから、
方眼紙に手書きで原画を自作をされてコピーをされても構いません。



>で・・・とりあえず、私も、やってみました。

ノーコンの私だから、初段すらも駄目かなーと思っていたのですが、
なんとか初段はクリアーできていたので、ひと安心でした。
使用しているのは８８ｇの断面六角の剣。直打法です。


３間からの１８０mm四方は６割。
↓


２間からの９mm四方は５割。
↓



その他、左手打ちや、多本打ちを組み合わせると、
やっとこさ２段になれたり、なれなかったりと、まだまだ不安定でした。


しかし、これでは、あっと言う間に、用紙がボロボロになりますね。
木の的か、ダンボールか、マットに、テープでマスキングして、
スプレーでも吹き付けて使用しようかと考えています。
↓


結局は、このように、標的の用紙を「スプレーのり」で、
ダンボールにぴったりと張ったものが、少し長持ちするようです。
↓



この的は畳２枚重ねの上に、
厚さ約１５ミリマットが６枚重ねになっています。
威力のある剣ですと、軽くマット４枚は貫通するものですから。

_______________________________________________________________



さて、私は、もともとが武術畑の人間ではありませんので、
現在は、八角流の半田師範と、武備舎の岩井師範、
それに遊心流の長野師範以外とは、
とりたてて、人脈というものがありませんし、
地方に移住しているものですから、
列島の東西の遠方まで出かけての実地調査というのも、困難です。

そこで考えたのは、「自己申告で構わない」ので、インターネットで、
アンケートを取ってみようと思いました。

この次の投稿で、そのアンケートを記載しましたので、
ぜひ、ご協力ください。


_______________________________________________________________

★ . 　　

■手裏剣アンケートの方は、現在、私も含めて６名、あとは
八角流の半田師範からの、返事のお手紙を待つ状態ですので、
後日、まとめて掲載します。

●なお、手裏剣アンケートは、なるべく多くの記録が欲しいので、
ずっと継続して募集していますので、締め切りというのはありません。

●左右の手が使えることには、多くのメリットがあります。
羅列すれば、次のような点です。


１〓利き手でない手を練習することで、利き手の打剣も
　　うまくなる。
　（これはバッターが逆で振るとバランスがよくなるのと同じ原理です）

２〓利き手だけで打っていると、骨盤や背骨が歪みやすい。
　　これは、以前に、遊心流の長野氏にも指摘されていて、
　　ずっと気になっていました。従って、
　　逆の手で打つと、その左右のアンバランスが補正されて、
　　歳を取っても身体への偏った負担が少なくて済みます。

３〓技の幅が広がる。
　　実戦においては、居合い刀やその他の武器との併用をするにしても、
　　両手が使えることは、圧倒的に有利となり、また
　　利き手にダメージを受けて怪我をしたときにも、戦闘が継続可能となる。

４〓本来、古流の手裏剣術には、
　　両手打ちという「必修項目」があるはずであるのに多くの流派は
　　それを、いろいろな屁理屈をつけて避けて通ってしまう。

５〓利き手で培った打剣理論や練習法が正しかったかどうかを、
　　「打剣処女」である、自分の左手で検証することが出来る。

６〓利き手でない手は、全く癖がついていないだけに、
　　下手をすると利き手よりもコントロールは良かったりする。

７〓利き手でない手の練習が続かない最大の理由は、
　　単なる「性急な挫折」である。

　　逆手の打剣などは、不要であるとか、
　　利き手よりも「非力である」とか、「稽古時間がない」とか、
　　いろいろな「苦しまぎれ」の「口実」をつけては、
　　「あきらめてしまった」という事に過ぎないのです。

　　中には、某手裏剣術の流派の掲示板では、呆れたことに、
　　「野球のスイッチピッチャーは勝てない」などと、
　　あまりにも「的ハズレ」な話を引き合いに出している師範も、
　　いるようです。打剣とボール投げは、同じ次元で語るような問題では
　　ないのですよ。

　　片手にグローブを持ち、もう片手でボールを投げていればよい
　　野球とは違い、そもそも、
　　相手を殺すためには、もう片方の手で何の武器を扱うかという事が、
　　手裏剣術単体として独立する以前の「戦闘法の原型」だったのですから。
　　そしてまた、中量剣以上の剣であるからこそ、重量にも助けられ、
　　逆手での打剣も、実用的な威力に達するのである。

　　■私の、つたない経験によっても、どんな時間のない人でも、
　　正しい順序で練習をすれば、３ヶ月もあれば、
　　左手は、自分の意志の言うことを聞くようになります。
　　あとは、筋力を補うだけで、「打剣術という行為」においては、
　　充分な威力を持つ補助砲となり、
　　年数をかけて鍛え上げれば利き手と同じ「主砲」にもなる事だろう。

８〓身体の健康によく、
　　利き手の打剣にも利して、
　　実戦的でもある。

　　また打剣というかなり複雑な動作の学習を「逆手」にさせると、
　　日常の他の動作でも、利き手でない手を、いろいろと
　　使ってみる事が出来るようになり、楽しくなります。

　　ただし、「その逆は意味がありません」。
　　つまり、左で箸が使えるようにする訓練とか、
　　左手で日常の動作をするということと、
　　左手の打剣は、「何の関係もありません」。

　　たまに、そういう「すごく馬鹿なこと」を考える人も、
　　希にいるようですが、　　
　　私は、高校生のときから、左手でも箸が使えますが、打剣には
　　何のメリットもありませんでしたから。
　　つまり「投擲用の神経と、その他の動作神経は違う」ものなのです。

　　それは、女性がボールを投げようとしたら、
　　仮に長年連れ添った利き手であっても困難になるという、
　　現実を見れば明らかなことであるのに、
　　そういう事すらも分からない、本当に馬鹿な人がたまにいます。

　　ちなみに私は左手で剣が何とかかんとか、打てるようになったとき、
　　ふと気づいたら、いとも簡単に、左手でボールを、
　　しかも、かなりいいコントロールで投げられるようになっていました。


これだけ「良いことづくし」である、両手打ちを練習しないのは、
「愚の極み」としか言いようがないのですよ。

これから多くの手裏剣術の流派は、ラルフ氏や海外のナイフスローワー
などに刺激されて、両手打ちを真似るようになり、
道場の稽古の場でも、自流に取り入れてゆく事になるでしょう。


■私も、自分の中で、まだまだ山積みされていた課題の中でも、
とりわけ両手打ちは、その他の沢山の保留項目と同様に、
「必ずやらねばならない」と、ずっと何年も思っていたものでした。

ただ、打法と剣の形状の研究の方に、あまりにも長い時間をかけていたので、
ずっと保留にされていました。


◆両手打ちについて、いろいろと言う人たちというのは、
ほとんどの場合に、「自分が出来た上で」言うのではありません。

それは「出来ないこと、努力しない事の言い訳」にすぎないのです。

両手打ちが、最低限の戦力となるぐらいに出来る人であるなら、
その「さまざまな効能」を、実体験として肌で知っていますから、
断じて、両手打ちを、不要であるとか、意味がないなどと、
「軽視」したりなどしません。


■ジーパンにすら貫通を阻まれる、軽量剣で、しかも、先端が甘い、
それでいて「当流儀の剣は威力があり、実戦的なのだ」と流布する。

しかも、そうした両手打ちの稽古を、何十万打と積んできた他流の師範に対して、
「役にも立たない（あんたの）そんな逆手打ちなどは、
（だまし打ちの捨て剣として）捨てるべきだ」とまで、
武術家には、あるまじき「無礼で、かつ論理的思慮もない暴言の唾」を、
しかも、「匿名メール」で吐きすてる。

そういう流派に限って、逆手打ちの価値がわからないものなのです。
なぜならば、刺さりの悪い逆手の剣の結果しか見ていませんから。

３間内で、逆手で投げられた１５０ｇの剣を、もしも顔に食らったら、
仮に剣先が刺さらなくても「大怪我」しますって。


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●さて、ここで少し余談です。
トリノの「スノーボードクロス」で、スペインだったかの選手で
Ｊ・フォントという人がいましたが、
私は、その人の滑り方には、思わず目が釘付けになりました。

体は決して低すぎる体勢でもなく、ジャンプの時にも決して
無駄に高く飛ばない。動きのすべてに無駄がなく、
まるで、ひょいとスノーボードに、ただ立っているような姿勢で
滑っているのです。
それは、他の低い姿勢で、派手な動きをしている選手たちとは、
かなり違う姿でした。
残念ながら、フォント選手は、優勝は逃しましたが、
いいものを見せて戴きました。

●それを見たときに、これこそ、手裏剣の打剣でも学ばねばならない事である
と思いました。

無駄が全くないこと。無駄のない力が発揮されているときには、
人体というものは、動きが少なくなるということの見本でした。

いずれ、私の打剣風景を、動画でアップする事もあるかと思いますが、
私の打剣は、本当に、まだまだ無駄な動作が多いものですから、
こうした選手の動きは大変に学ぶことが多いです。

あのスノーボードクロスの競技における、フォント選手の、
「体重の移動のスムースさ」、「バランスの良さ」、「動きの少なさ」
そして何よりも、「自分の身体の重さを、いかにして利用するか」、
そこに、「重量のある手裏剣」の打剣方法との共通点が、
多々あるのでした。

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●もうひとつ余談を。

実際の戦国時代の戦いにおいて、手裏剣がどのような役割を果たしていたか
を考えるとき、平野流投剣術のような必殺的な重量剣、
または、他の強力な威力を持つ投げ物によって、
その場で、相手を戦闘不能にする方法というのがあります。

その一方で、別の意味で怖いのが「毒物」の使用です。
軽量剣や車剣であっても、刃をしっかりとつけ、
そこに「毒物」を塗ったものを身体に食らいますと、
その兵士は、戦闘不能になります。

人間というものは、戦闘中に、傷を負って多少の流血をしても、
斬られた直後には、痛みをまだあまり感じないということは、
皆さんも、小さな切り傷をしてしまったときに覚えていると思います。

問題は、その日の夜です。
刃物が身体に当たるときには、当たり所によっては、
化膿が進行します。化膿によって、高熱が出ることで、
その兵士は、傷を受けた段階ではまだ戦闘可能であっても、
翌日には、兵力としては使い物にならなくなります。

従って、忍びが使っていたような、車剣でも、
当たり所によってはそのような事態に陥るわけですから、
とうぜん、当時の彼らは、重量剣でないかぎりは、
ほとんどの場合に、手裏剣には毒物を塗っていたものと推測できます。

この毒物が僅かな切り傷から入っただけで、
人は、３日３晩、あるいはそれ以上、戦闘不能になります。
（消毒薬での手当てや、解毒薬なり、化膿どめで処置をしないと）


どういった毒物が使われるかについては、
「狩猟用の毒」という用語で検索すれば、ウィキぺディアなどに
記載があります。


●私も昔、刃物を研いでいるときや、
その他、不注意な刃物の扱いによって、
手などに怪我をしたこともあります。

「傷の場所」や「傷の形や深さ」によっては、たったの数日で、
なんなく、ほとんど痛みもなく治るものもあるのですが、その一方で、
ほんの小さな、「浅い傷」であるのに、
ペンや箸すらもてなくなり、３日間、微熱に悩まされることもありました。

そうした場合というのは、
その刃物の刃先に「雑菌」がついていたような場合なのです。
傷そのものではなく、化膿によって、身体に害を受けるわけですね。

伝承によれば、忍びたちは、植物性、鉱物性の毒物以外にも、
毒物が手元になく、調達できない場合には、手裏剣や弓矢に、
生ゴミなどの腐敗物や、糞尿などの、有害な「雑菌」を塗りつけて、
何日もかけて、相手の傷を、じわじわと化膿させるという戦闘法を
使ったと伝えられています。

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　　　●この投稿は、「中級手裏剣術　第三版」書籍化されました。


　　ただし、一部の流派のデータを「本人の希望により」削除してあります。



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＞３／２　更新

私がもしも剣術側にいたら、
絶対に、戦いたくない手裏剣術師は半田師範です。


ちなみに、左手は、開始からたったの３ヶ月で、３間の距離は届くように
なりました。なんとか、ぎりぎりで実用的な威力となりますと、
２間半の至近距離からでしたら、１８０ｍｍ四方の的に４割程度までは、
コントロールもついてきました。


◆ところで、半田師範の剣は、
たとえ６間の間合いからでも、かわせません。
一本目をかわせても２本目がくると、おしまいかも。しかもあの速度と威力。
６間ぐらいの長距離から、あの速度で、あの重量の剣が飛んでくるのは、
たまったものではありません。

自分が知っている範囲では、半田師範以外の人の剣は別に怖くありません。


■ちなみに、どうもネットで見るかぎりでは、
最近は、手裏剣術を体系に持つ、古武術流派の中でも、
考え方に柔軟性のある、いくつかの流派は、
「重量剣へと設計をし直して」、切り替えているようです。
また武道ショップで売られる手裏剣にも「重量剣」が出始めています。

１年ほど前までは、ほとんど市場にもなかった、
１００ｇ前後の手裏剣の新製品を、いくつか見ました。

「松の間掲示板」でも、いろいろな視点から、
重量のある剣の「利点」を紐解いたり、
また、最低限の実用的重量を１００ｇ前後であると定義してみたことも、
なんらかの形で、手裏剣術の世界全体にも、多少は、影響しているようです。

むろん、それまでにも、１００ｇを超える重量の剣は、
根岸流、知新流、その他、新旧の流派にもありましたが、
「その真価をもう一度問う」という、時代のうねりが始っています。

とかく、棒手裏剣と言えば、手裏剣という意味どおりに、
手の内に隠せて、さっと不意打ちを食らわすものであり、
そのためにスピードの出る軽量剣タイプが実戦的であると、
勝手にイメージの中で思いこんでいた、ごく普通の人たちも、
日本の手裏剣術の世界は、着実に、いろいろな流派が、
各流派の技法や理念にあわせて「カスタマイズ」しつつ、

　　　「重量剣化」と「両手撃ちの時代」に入ったようです。



■ただし、ごく一部の小型軽量剣の流派だけは、その波に乗り遅れて、
「間違いだらけ」の宗家の理論に基づいて作られた「軽量剣」と流派名に
しがみたいているようですがね。
それも、不幸なことといいますか、
「残念」なことですが、いたしかたない事です。

というのも、その流派の宗家の「主張点」、
つまり散々に、書籍などで力説していた理論の「力点」というのが
その「小型剣の創作に関する主張」を除けば、
全く古流から見てほとんど何の「独自性」もなかったわけですから。

「当流のこの小型剣軽量剣は〜〜〜の利点を持つ」ということが、
「ほとんど唯一とも言える」その流儀の「生命線＝流儀の根幹」であるわけです。

従って、「その流儀を継ぐ」ということは、その流儀のその生命線である、
「その剣」だけを継ぐべきであり、それ以外の剣を、
その流儀の「規格使用剣」とは、永久にしてはならないのですから。

もしも、仮に稽古会などであっても「別の剣」を使用したら、
それは、宗家の業績の根幹を、台無しにすることになるのである。

■ここが、手裏剣の「技」の伝承に重きを置いた他の流派と、
「剣」を「独自のものだ」として、
その「創作性ばかりを主張しすぎた」小型軽量剣流派との差です。

だから、もしも、その流派が剣を変えたり、違う剣を織り交ぜれば、
その流派は本家、元祖からは「邪道」となります。

それをしたいなら、つまり、
もしも稽古で使用する「剣を変えたい」または「追加したい」のであれば、
さらには、

　　　宗家の教えにはなかったような「打ち方」や
　　「応用法」さらには、
　　「稽古方法」を付け加えるのであれば、

　　　　　　「違う流派名」を名乗るべきです。

　それは宗家に対する礼儀や、「継承という行為」として、
　　　　　　ごくごく、当たり前のことですね。


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■ちなみに、余談ですが、
「手裏剣単体」を使う敵を倒すのはそう難しいことではありません。

●相手の命中率のいい射程の外にまず距離を取り、そこから隙を見て、
手裏剣を持った相手の周りを、
「螺旋状」に回りながら、距離を縮めればいいのですから。


ためしに、手裏剣術をやっている人は、直径約２間の距離から、
自分の周囲をぐるぐると回る２人の敵が、刀を構えて、
一周ごとに、その半径を縮めてくるという想定で、攻め込ませてみるといいです。

これは忍びが、弓や手裏剣などの飛び道具を持っている相手を
追い詰めて斬る方法です。

こうした動きに対しては、飛び道具は、狙いが定められないか、
放っても命中率が極端に悪くなります。

１８０度に位置する２人の人間に、自分の周囲を回りながら、
距離を縮められたら、手裏剣や弓で対抗することは極めて困難です。

こういう動きの相手には、
「連続的な殺傷軌道」を持つ「刀」や「薙刀」や「分銅鎖」では対処ができますが、
一点のポイントだけに剣や弓を飛ばす武器は、狙いがつかないからです。

しかも、このとき、この回る速度というのが、微妙に「不規則的」に
回るように訓練されているからです。
また２人の位置関係も、１８０度の対称関係からも変則的に移動します。
（２人ではなく、相手が1人でもキツイです。）


●ただし、これは、「逆」に言うと、
もしも、剣術師の周囲を、手裏剣術師が回りながら攻め込んで、
走りながら剣を正確に打てる技量を持っていたら、
そのときには、逆に、中心にいる剣術師が不利になります。


つまり、私が、書籍の中でいったように、
本当の戦場では、漫画チックな果し合いのように、
向き合って勝負をするなどとというルールはありませんから、
自分が持っている武器が、手裏剣であれ剣であれ、
「相手の側面か、背後」に回った方が有利です。
そのために、確実に相手を倒すためには、２人でチームを組むわけです。


■さて、話は元に戻りますが、
もしも「一対一」になったら、では、自分ならどうやって、
剣術師に対抗できるか？となると、
私の個性を生かした方法は、たった一つしか残りません。

それは、交互に両手で打つのではなく、両手に２本ずつ剣を保持して、
両手で「同時に」撃つことです。
つまり一度に４本の剣を放つことです。

この場合に、２本は上段、２本は中段を狙いますので、
剣が少し左右に散ることを計算すると、おおむね四角形の頂点か、
平行四辺形の頂点のような配置で、剣を飛ばすわけです。

この幾何学的な結界のような剣を、４本ともかわすのは、
少し難しくなるはずです。

ということで、最近、特訓し始めたのが、
中量剣での、２間半〜３間からの４本同時撃ちです。

重量剣の撃ち方に慣れてきたせいで、腰を切る回転力に頼ることなく、
両側の背筋を同時につかって、両手を同時に撃つのも、
それほど難しくはありませんでした。

あとは、現在まだ力量と剣速が足りていない、
左手の２本同時撃ちさえ徹底して安定させれば、なんとかなりそうです。
曲芸的に刺すだけなら、それほどの困難はないのですが、
実用的なレベルにするには、時間がかかりそうです。


■ところで、手裏剣の優劣って、一体、何で計るというのでしょうね？
想定する相手が、何の武器を持っているか、
どんな防具をしているかで、かなり変わってしまいますね。
一対一という想定だったとしても、
相手が手裏剣を持っているのと
槍をもってるのとだったら、
相手も手裏剣持っているというほうが少々、戦術が厄介ですね。


●などと、言いつつ、実は、実戦には全く興味ないんですけどね。
そんなことより、動く「禅」になり得る、無心の手裏剣を練ってゆかないと・・・・

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＞２／２５更新

■無明流のオリジナルの、重量剣です。
言うまでもなく、特徴として尾部の内側が削られて、
重心が少し前に調整されています。

■上から順に、１２９ｇ、１５４ｇ、１８４ｇです。
長さはすべて２００ミリ。
試作品で、テスト用なので、直径(一辺)は、
１１ｍｍ、１２ｍｍ、１３ｍｍと、段階的に調整してあります。



■１３ｍｍのは、打つときの感覚が、ほとんど超重量剣に近いです。
１２ｍｍはそれよりも楽ですが、とても中量剣とは言いがたいです。
私の力量では、１１ｍｍのが、「速度もあり威力もあり」で両立しています。

すべて、直打法で、４間半からは、楽勝で刺さります。
５間半あたりから、少し剣ごとに違いが出始めます。
やはり、微妙に打つ感覚と、飛行姿勢に違いがあり、
現在、どれに絞り込むかを検討中です。

さすがに、見た目も、迫力があって、でっかいですね。
↓



■女性でも扱えて、しかも威力も充分で実戦的で、
打剣の稽古としても、その重量感の利点が活かせるとなると、
今のところ、１１ｍｍ、１２９グラムのものになりそうです。

そのひとつ上の１２ｍｍの１５４ｇは、女性や手の小さい男性だと、
剣が太すぎるかなという感じがしました。（無理ではありませんが）

基部が、六角形や八角形とは違い、角型の場合には、
太くするときに、指との関係で太さに限界があります。

■無冥流の約１０種類のすべての打法に対応できますが、
２本打ちだけは、太すぎるのと、重いので、つらいものがあると思います。

■こうした重量のある太い剣を打つとなおさらわかるのですが、
（個人の指の長さにもよりますが）長さが、おおよそ、
２１０〜２２０ｍｍを超える剣を、ふだんから扱っている人は、
剣の「重心」というものの感覚に非常に敏感になります。

小型の軽量剣や、特に２００ｍｍ以下の剣に慣れている人よりも、
長い剣を使ってきた人の方が、よりいろいろな剣に瞬時に対応できます。

たいていの場合において、長い剣を打てる人は、
短い剣も打ち方を把握するまで時間が早いのですが、
その逆の、短い剣にだけに慣れた人は、
長い剣を打つまでには、剣の重心感覚という、
新しい学習をしなければならないので、時間がかかります。


■今回のこの剣も、すべて長さが一定なのですが、
太さと重さによって、当然の事として、微妙に打剣感覚が変わります。

そして、わかったことは、太く重い、重量剣（１３０ｇ〜１８９ｇ）や、
超重量剣（１９０ｇ〜２４９ｇ）は、
その剣が、やや「前重心に加工してある場合」には、
長さの、ぎりぎりの限界は
「２１０ｍｍ以下（理想的には２００ｍｍ以下）」であるということでした。
（ただし、１００ｇ前後の重さの剣でしたらば、前重心の剣でも
　長さが２１０ｍｍ以上あっても問題ありません）


しかし、重量剣の場合には、２００ｍｍ以上の長さになると、
手への負担が、かかります。

たとえば、「約１５０ｇで、長さ１６５ｍｍ」のタガネと、
およそ同じ「１５４ｇで、長さ２００ｍｍ」の「今回の試作品」とでは、
ほぼ同じ重さですが、長さが短いほうの１６５ｍｍのタガネの方が、
打つときの感覚が楽です。

つまり、ほぼ「同じ重さ」の剣である場合には、
剣は短いほど、軽く感じ、
長くなるほどに、振ったときに遠心力がかかる分、
打剣のときに、重く感じます。


●現在、悩んでいるのは、
無明流の、この重量剣の規格を、１１ｍｍ剣にするか１２ｍｍ剣にするかです。

というのも、１１ｍｍ剣は、いわゆる「手打ち」が出来てしまうのです。
それだと、今までに造って、皆さんにも少し配りました、９ｍｍ剣と
重さの感覚が、それほどには違わないのです
（むろん、３０ｇ増なので、威力は、違います。）

しかし１２ｍｍ剣は「手打ち」が出来なくなる境界線あたりにあります。
身体の動き全体の連動で剣を運ばないと、狙った位置にいきません。
ということは、逆に言うと、身体の使い方の学習には、
少々太いですが、１２ミリ、１５４ｇの剣の方がいいということです。

中量剣は、既に径９ｍｍ、長さ２１５ミリ、１００ｇので完成していますので、
ここは、せっかくですから、重量剣としての明確な差別化をするために、
１５４ｇの１２ｍｍ剣にしようかと、迷っています。


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■さて、日本刀のように、昔ながらに、ヤスリ一本で成形するというのは、
手裏剣一本といえども、相手が鋼材だけに、大変な作業です。

私は、電動工具（グラインダー）に頼ることがほとんどです。
そして、最近、何人かの人たちを見ていますと、
手持ちの手裏剣を自分で先端や尾部を、
より、刺さりやすく、または斬れるようにと、加工する人も多いです。
↓ご覧のように、私もその一人です。


↑
市販の、断面が八角形の平タガネを、切っ先を両刃に加工したものです。
テスト用なので、ふたつは、少し先端の角度を変えてあります。
尾部の削りこみは、家庭用のグラインダーでは、
大変な時間がかかるので、剣尾は細めてはありません。


●しかし、グラインダーの扱いには、くれぐれも注意をしてください。
一番注意が必要なのは、使用時間です。
２００２年の暮れから２００３年の春まで、私は毎日狂ったように
一日に、何本もグラインダーで手裏剣を削っていた時期がありました。

そのときには、わからなかったのですが、あるとき、
手に異変を感じて、気功治療を受けました。
そのときに、わかったことなのですが、
グラインダーの振動が、相当に身体に無理をかけていたということです。

その治療師さんに聞いた話ですが、宝石加工などで小型のグラインダーを
使用する人にも、よく出る症状は、軽度のハクロウ病です。
よく、電動ノコギリで木を伐採する人が、なりやすい病気ですね。

悪化すると、手の神経がおかしくなります。また、
その振動は、体全体で受けてめているものですから、
宝石加工などの仕事をしている人でも、知らずのうちに、
その振動が伝わっている頚椎や、背骨を痛める事も多いようです。

●私の場合には、当時一日に何時間も、ぶっ続けで削っていたせいもあり、
今、私の手というのは、左手と右手で、
あきらかに手の「色」が違います。
白いのではなく右手の方が左手よりも濃いのです。

おそらくは、何らかのダメージを受けているのだと思います。
今は、打剣とかにも何も影響はありませんし、異常はないので、
悪化しないうちに、それからというもの、グラインダーの使用は
極力短時間にするようにしています。


●ですから、皆さんは、決して、グラインダー長時間使わないでください。
私の経験では、一日に、どんな多くても、１時間半を限度として、
また１５分おきに、５分程度の休憩を入れてください。
そもそも、あんな振動が継続的に身体や腕にかかり続けることが
不自然ですから。


■余談ですが、甲野氏は、書籍で読みますと、昔、一時期、
ＹＡＧ３００という、とんでもなく硬度のある鋼材を扱っていたようです。
金属に熱を持たせないように、グラインダーの石に水を沁みさせながら
削る方法を取ったらしいです。
熱が加わらないと、当然、研磨時間も増えるわけですね。
鋼材屋さんの御店主も「甲野さん、あんな金属、削るの大変だよ」と、
甲野氏に言っていたそうです。（これは、店主談）


■そのせいかは、わかりませんが、甲野氏の日記を読みますと、
氏は、現在、右腕にやや異常があるようです。

他のいろいろな原因もあるでしょうから、グラインダー使用による
故障であるという根拠は何もありません。
しかし、経験的には、電動工具は、身体にはあまりよくないとはいえます。

■しかも、私の場合、困ったちゃんの「貧乏性」で、
グラインダーの石が、やや歪んだときに、そのまま強引に使うことを
していた時期があります。今は、やりませんが。

つまり、グラインダーの石に下手に金属を強く当てすぎて削ると、
石が、正円ではなくて、やや歪むことがあります。
そうすると、回転する石に金属を当てたときに、
小刻みに、金属が「撥ね飛ばされる」のです。
その振動が、これまた体や首や手に大変によくない感じがするのです。

そんな貧乏性の使い方をする人はいないと思いますが、
もしもしていたら、グラインダーの石が歪んだと思ったら、
必ず、新品に交換するか、成形してください。


■ということで、今回は、鋼材から剣を自作するときに、
グラインダーの振動で、身体を痛めないように、充分に注意しましょう、
という話でした。

使っていて、もしも手や、その他どこかに異変を感じたら、
使用時間を短縮してください。


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●武術・手裏剣・関係・厳選リンク集●

【相互リンクを戴いているところが多いです】


　　〜武道具・武道書籍・ビデオなら〜

■山海堂（知らない人はいない、武道具マニアの為の老舗）
http://www1.kamakuranet.ne.jp/sankaido/

■古書大予言
（「武術関連の古書」「武術雑誌のバックナンバー」が充実です。
　探している武道古書・雑誌がある人は、問い合わせてみましょう。
　お店のご主人も、現役の武術家です）
http://www.mumyouan.com/e/eod.html

■太陽プラネット（これまた常にマニアックな品揃え、そして試作品）
http://www.taiyo-planet.co.jp/

■リバートップ
（ナイフの種類ではダントツの豊富さを誇り、仕上げの「刃調整」も
　御店の人がやってしまうマニアぶり）
http://www.rivertop.ne.jp/index.html


　　　　〜武道・手裏剣関係〜

■元祖「遊心流」
（各地でのセミナー情報ほか、長野氏の「日記」もますます快調）
http://www7a.biglobe.ne.jp/~yushinryu/home.htm

■十三棋道舘道場
（古くよりリンクを戴いております。小太刀居合道・手裏剣術
　四半的弓道・吹矢術等の入門教室も充実）
http://www.juuso-kidokan.com/index.html

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＞■「手裏剣術講座」のページに、動画とリンクを新たにアップしておきました。


●ところで、私は１９９９年に始めて日本に手裏剣術というものがあるのを知り、
また本格的には、２００２年から、
「直打法」と「剣の形状」の個人研究を始めました。

それから今日まで、日本の手裏剣の世界というものに接してきましたが、
その間、ずっと「放置」していたことがあります。

それは、「体の使い方」です。
足のステップや腰や背骨や筋力や重心移動などの使い方です。

これについては、過去にも、いくつかの手裏剣術のビデオを当時も見ましたし、
最近も見ましたが、最近は、剣術をされる方の映像も参考にして、
取り入れようと思っています。
剣友の１人に尋ねましたら、黒田鉄山師のを薦められました。


●私の中には「打剣フォーム」に関して、いくつかの疑問がずっとありました。
書籍「中級手裏剣術」の最大の主要テーマというのは、
「肩から腕」の部位の使い方に関する工夫と、
「手の内での剣の保持方法の変化」と、そして「剣の工夫」が、
そのほとんどを占めています。
またそこまでを自分の興味対象の「領分」として自覚していたからです。


●では「普通の古流の打法」における身体の使い方がどうかとなると、
それは、もう皆さんが見たことのある、
「軸がぶれず、まっすぐに身体が移動する」、
いわゆる日本の武術の特徴とも言える、鋭角的で直線的な動きです。

市販の「根岸流手裏剣術」のビデオなどを見ると分かるように、
また、両足も固定したままでの打剣もしますし、全体に見た目は、
きちんとした「型」と「斬れ」があります。


●一方で、中国拳法となると、まずは「構えの体の向き」も違えば、
曲線の直線への転換の方法も違います。
たぶん、中国拳法の人が、打剣をしたならば、日本の手裏剣のように
「剣術と同じ身体の動きを打剣へと転用する」のでもなさそうです。

そして、「モノを投げるという動作全体」にまで、視界を広げると、
槍投げ、砲丸投げ、野球のピッチャー、または野手の投法、
そして果ては、ダーツや、ブーメランや、ナイフや斧投げなど、
世の中には「いろいろな物体」の「投げ技」というものがあります。

それらの中から、一体、自分が目指したい手裏剣の投法として、
「組み合わせると良いのは、どれだろうか」というのが、
ずっと保留にされてきている私の中の課題で、
それについては、今もなお、「試行錯誤」をしています。


●余談ですが、某投剣術のページに書かれている、
軽量剣流派の某師範から寄せられたメールの引用文に、

「ジーパンに赤いＴシャツで刃物をほうり投げている姿を見て､
　誰が､それを由緒ある古武術だと思いますか？」

という恐ろしく無礼な一文がありましたが、
「放り投げる」という表現は、これは言い換えれば、
「お前のは、手裏剣術なんかじゃないやい」という罵倒用語です。

なぜならば、曲がりなりにも、相手の行為を「手裏剣術」であると、
そう認めることから話を始めるのであれば、
多くの打剣者は、相手に対しても「打剣している姿」というふうに
「打剣」という言葉を、いわば「業界の暗黙の礼儀」として使うからです。

しかるに、それを「放り投げている」と言葉にすること自体が、
近江氏を、はなから「なめている」「軽蔑している」のは明らかですね。

しかしその近江氏も、
軽量剣の流派の人達のみならず、針手裏剣を練習する海外の人達や、
無冥流のことを、
不当に侮辱する「稚拙な人間」にすぎないことをあとで知りました。

それはこの講座を読み進むうちに皆さんにもはっきりと
わかるでしょう。

自流の優越性をトンチンカンに主張したがる悪癖のために、
他流や物理学に対して、まったくの間違った事例を掲げたり、
また、あげくには、野球選手を馬鹿にするなどの愚行です。

ということで、
軽量剣も、超重量剣も、「どっちもどっち」の「おつむ」と
「低人格」といったところですね。



●あえて言わせてもらえば、「刃物を放り投げる」というのは、
「私の投げ方」にこそ、言える事なのですから、
そういう「場違いな言葉の使い方」をして欲しくないものです（笑）。

私の「投法」というのが、まさしく「刃物を放り投げる」という投法です。


●私は、厳密には自分の投げ方を「投法」と呼びます。
というのも、私の中には、「打つ」という概念はありません。

私は、日本の剣術とか体術の動きを自分の「投法」の中にどう取り組むかは
決めていませんし、その必要の有無についても現在も検討中です。

「本当に、剣を投げるには、昔からの手裏剣の打法でいいのだろうか？」
という疑問が私の中には、ずっとあります。

>もともと投擲術と剣術は別物ですから。


それゆえに、無冥流の本の中では、「打法」という言葉ではなく「剣を飛ばす」
という表現をしています。

私にとっては、剣という物体と、まずは「対話」をすること。
次に、その剣が自ら、「最も飛びたがっている」軌道、速度、投げ方などを
導きだすことに、何年もの時間をかけてきました。
それは、打つのではなく「どうやって剣を空中に飛ばすか」というテーマでした。


●そこで、私の現在の投法は、いわゆる古武術の打ち方ではなく、
「モノを普通に投げるモーション」で手裏剣を放っています。
ちょうど、野球のピッチャーの足のように、投げ終わった後に、
後方の足が、体の横や前に出るのは、そのせいです。

この後ろ足、または前後の両足を、全く固定したままから投げたり、
両足の踵をくっつけた状態で直立したままで投げたり、
騎馬立ち（馬歩）のような姿勢から投げたり、
正座して投げたりも、むろん「稽古」としては行いますが、
私の中では、自分のフォームを、「今のところ」は、
古流の「型」の中には、入れたくないという思いが強くあります。

そうした考え方を持った最大の理由は、私がもともとは、
ナイフを長年投げていたせいと、もうひとつは、自分には、
どちらかというと中国武術の曲線的な運動の方が性質的に合うからです。


●それと、もうひとつ、私が大きな影響を受けたのは、八角流の半田師範です。
むろん、師は、古武術をきちんと学なばれた上で、１５年に渡る研究の結果、
「独自の打法」を編み出したとは言え、その打剣フォームは、あまりにも
それまでの古典的な手裏剣術の常識を打ち破る、独自性のあるものでした。


●また、そもそも、剣を投げるのであれば、古流に囚われることなく、
野球のピッチャーのように投げてもよかろうと思って、私は、前足を高くあげて
投げたり、まるっきり野球のアンダースローの投法で、
剣を投げたりしたこともよくあります。

極端なサイドスローの投法は、動画の中にも出てきます。
これは、自分の体勢が崩れたときや、
剣を上に振りかぶれない姿勢になった場合に、
横から打つためのものです。


●最近になって、これは取り入れて正しかったと思ったのは、
古流の剣術の方から教えて戴いた、
「一歩前進して打つ、入り身の構え」です。
そして、「腰を切らない投げ方」や、「足を後退させて打つ」など、
その剣術の師範から助言を戴いたことを自分の中に取り入れてみた結果、
それによって、それまでは超ノーコンだった私のコントロールが、
大きく改善をされてきました。つまり左で打つと右手も上達するわけです。


●ただ、剣を放ち飛ばす根本的な「起爆剤」としての身体の使い方、
足運び、これらはまだ、自分にとっては、未開なのです。

中国武術に詳しい師範の方から、
その「起爆剤の扱い」を教えていただいて取り入れるか、


「剣術」の師範の方や、「能」の足捌きなどの動きから、
何かのヒントを得るか、

それとも、「他の投擲系のスポーツ競技」などからも転用するか、

そのあたりが今後の私の最大の課題です。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


■さて、そうした事を踏まえて、動画なども見てみてください。
「直進打法」その他の「特殊な打法」も後半には、入っています。


一点だけ「よくない見本」のような映像があるので、その点だけ、
皆さんが、誤解をされないように説明をしておきます。

動画９０５８にある「両手打ち」は、あくまでもまだ未熟な練習風景ですから、
「実際の方法」としては、「完全に間違って」います。
どこが「間違いか」といいますと、

剣を打った瞬間には、
次の剣は、もう「構えの体勢に入りかけていないと駄目」なのです。
画像では、剣を打ち終わってから、次の剣をやっと抜いて構えに入っています。
あれでは、到底遅すぎて、連打になっていません。
また、打ち方も、「ただの手打ち」になっています。


●また重要なことがひとつあります。
剣を連打する場合に、スナップ打法を使うと、私の画像のように
動きが極端にギクシャクします。
これは、動画中で、私が「スナップを効かせぎみの打法」を
使ってしまっているからです。

「スナップ」の動作を混入する打法では、正しい左右の連打は出来ない。
その理由・原因については、各自で自主的に実験をして、お考えください。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


●今回、あえて、こうした恥ずかしい画像を出したのは、
とりあえず、左手（利き手でない手）というのは、
一日に、たった３０分という少ない練習時間でも、
誰でも、３ヶ月もあれば、
「いちおう、剣は投げることが出来るようになりますよ」
「ほんの少しの根気ですから、決して挫折しないで下さい」
ということの参考にしてください。


●それと、これも誤解をされないように、書いておきますが、
動画中で極端なサイドスローのようなフォームで投げているのは、
「八角流の打法」ではありません。八角流の打法は、物凄く「複雑」です。
このサイドスローは、あくまでも私の「開発中の我流」です。

肘を支点にした竜巻のような動きで、剣を飛ばせないか？、
というテストをしている場面です。


■八角流手裏剣術については、下記を参照ください。
↓
http://www.mumyouan.com/k/?M775


■なお、動画中では「風変わりな打法」も少しアップしておきました。


＞■動画とリンク集が追加された、手裏剣術講座へ
　　　　　　↓
http://www.mumyouan.com/shuriken/index.html


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★ . 　　

●「どうやって、理想的な手裏剣を割り出せばいいのか？」

この課題に私は、長年、取り組みました。

その前に、仮定としてですが、
こういう非常に「分かりやすい事例」があったとします。
　　　　　　　　　　↓

　　「剣−１」　は５０ｇで、２０ｍ、直打法で届いた。

　　「剣−２」　は１００ｇで、２０ｍ、直打法で届いた。

　　「剣−３」　は、１５０ｇで、２０ｍ、直打法で届いた。


この距離は、実際に直打法で可能であることが、
何人かの打剣師によって実証されている「飛距離」です。

では、このように飛距離は３つの剣ともに「同じ」ということになると、
「何が一体、剣の優劣を決める決め手になるか？」
という問題が出てきます。

スピードはあっても、２０ｍ先では、ほとんど失速してしまう剣がある。
畳が貫通するほど２０ｍ先の的に深く刺さるが、
スピードは失われる剣がある。また、形状の都合で風に弱い剣などなど。


●手裏剣術には、その剣が「射程距離」とする距離の範囲があります。
それによっては、飛距離を捨てるか、威力を捨てるかという問題が出てきます。

武術的に言えば、「威力を捨てるということは、あり得ない発想」ですが、
「曲芸、または競技」という観点であれば、威力を捨てて飛距離を取る
ということもあり得ます。


「中級手裏剣術」や松の間掲示板でも書きましたように、
その手裏剣術が何を目指すかによって、決めなくてはならないものが
３つあります。

「剣体」の種類、「打法」、「飛距離」この３つです。

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●そこで、では「優れた剣とは何か？」という事を定義しようとすれば、
　それは、甲野氏が、遠近両用の剣を摸索したように、
　まず、ひとつは、「遠近で、同じような結果を出せる剣」です。
　３間から１０間まで、使える剣です。

●刺中力という点では、切っ先は、材質の金属が折れたり曲がらない限界まで、
　可能な限り鋭利にする必要があります。

●威力という点では、ある程度の重量を必要とします。

●形状という点では、遠近に関係なく、飛行姿勢が安定して、　　
　狙ったところに打ちやすいことです。


さて、それでは、どうやったら、「優秀な剣」の設計が出来るか？
この問題を考えるときには、
私の取る方法は、剣の要素を「4つに分解する」ことです。


●１／もっとも投げやすい重さは何ｇか？
●２／もっとも投げやすい太さは何ｍｍか？
●３／もっとも投げやすい長さは何ｃｍか？
●４／もっとも投げやすい形状と重心位置はどのようなものか？

この４つは、「個別に」検証をしてみて、
あとで、この４つをもう一度、ひとつの形状の中に組み合わせるのである。

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●そこで、まず私は、人間がもっとも投げやすい「物体の重さ」とは
何かということを考えてみました。

ファクターとして「重量のことだけ」を、本当に正しく検証するためには、
「比重が異なり＝重さが異なり」、
しかし「直径と手触りは同一」の「球体の金属」を、
プロの選手などに遠投をしてもらい、
その中で、何グラムの球体が遠くまで届いたかを、
何度か実験しなければなりません。

さしずめ、直径が同じ、アルミ球、銅球、鉄球、鉛球などでしょうか。
東急ハンズなどでは、確か数種類の金属の球体を販売していたはずです。


こうした同一の形状の球体を投げたとき、
人間にとって、もっとも遠くまで投げられるものは、限定されてきます。

なぜかというと、それは「個人の持つ投げる力量」とは別に、
物理的な空気抵抗の問題があるからです。
また、地球上の引力や空気の密度の影響下での物体の飛行には、
固有のものがあるからです。

物凄く極端に言えば、卓球の球は遠くまで投げられないということです。


●そこで、私は、人間が「物を投げるスポーツ競技」で使っている道具の
重さを調べてみました。

すると、細かい数値は、ミスや、違う部分もあるかもしれませんが、
だいたい正式な競技で使われる検定品や、練習用品は、
（誤差はあるものの）次のようになります。


　　◆槍投げの槍・・・・男子用８００ｇ　女子用６００ｇ
　　◆円盤投げの円盤・・２〜３�s
　　◆砲丸投げ・・・・・２．７�s

　　◆硬式野球・・・・・１４２g〜１４９g
　　◆軟式野球・・・・・１３６g(±1.8g)
　　◆ソフトボール・・・１６３g

　　◆ゴルフボール・・・４６g
　　◆テニスボール・・・５４g

これらは、同じ球体でも、大きさも違い、材質の手触りも違い、
槍や円盤に至っては、投法も違いますから、
単なる「投げ技」に使われる「道具の重さの参考」というだけです。

ただし、ハンマー投げのようなものではなく、手で直接に触れて
投げるものに、主に限定しています。
その点では、ゴルフとテニスのボールだけは道具で打つので例外ですね。


●さて、ボールの場合、軽ければ遠くへ届くというものではないことは、
ボールの遠投をしたことのある人なら分かるはずです。

そこから考えて、私は、「比重の違う同一直径の金属球」でのテストを
まだしていない段階ですが、おそらくは、

>「人間が最も遠投できる物体の重さは、８０g〜１３０gのどこかにある、

と私は、経験則からは「推測」しています。

これは、球体がなかったために、
数センチというごく短い太い鉄の棒を、重量（長さ）を変えて、
投げてみた結果からです。

私が最近の剣の重さを、
おおむね、この範囲で製作する理由はそれです。

________________________________________________________________


■では、重さが決まったら、次に問題になるのが、太さです。

８０gの鉄の棒で、最も投げやすい太さは、
女性にも協力してもらったテストの結果、断面は六角でも八角でも四角でも、
「対辺距離」で10mm以上であると、最終的に結論しました。

>やや幅の遊びを持たせると、「10mmから13mmの範囲」です。

これは、「８０ｇ〜１３０gの物体」に対しては、
指や手が、効率よく力を伝達できる太さである、ということです。

ただし、これは剣全体がこの太さでなくてはならなのではなく、
「指置きの(指先が接する)部分」における太さということです。


■さて、１０mm〜１３mmの範囲の太さの鉄の棒で、
あとは、重量を８０g〜１３０g以内にするとなると、
長さというのは、必然的に決まってきます。

先端をどれぐらい研磨するか、にもよりますが、

>太さが１０mmから１３mmですと、
>おおむね長さは、１６ｃｍから２３ｃｍといった範囲になります。

_____________________________________________________________


■さて、こうして、人間が最も投げやすい重量がまず決まり、
そこから、次に太さと長さがある範囲に狭まった段階で、
最後に問題になるのが、重心の位置です。

この重心がどこにあるかということが、
剣を打ちやすくして、飛行姿勢を安定される「決定的な要因」です。

それは、流派の「打法とは関係なく」、
確実に「打ちやすい剣」というものがあります。
正しく言うなら、それは「投げやすい剣」です。

一般的な先端だけを尖らせた棒手裏剣というのは、
後ろに重心がありますから、直打法では、打ちにくいと私は断定できます。
それは、剣の大小に関わらず、物体が飛行するには
あまりにも非合理的な形状だからです。

そこで、多くの流派は、重心を少し前にずらしています。
方法は３つです。

　　　1・剣尾を、削り込む。
　　　2・剣尾に、軽量素材を接ぐ。
　　　3・剣尾を、掘る。

　　　・スローイングナイフの場合には、
　　　　柄の部分に「円形、その他の形の穴」をドリルであけることで
　　　　重心を前にずらしているものも多くありますが、
　　　　棒手裏剣の場合には、平たくはないので、これは使いません。


私はこの3とも、自分の剣には活用しています。
剣尾が、ある部位から急激に軽くなったり、
そうではなく、なだらかに軽くなってゆくことによる
両者の「違い」をテストするためです。

そして最終的な結論としては、重心はど真ん中または、
ド真ん中から、やや後方に来るのが良いということです。
先端が削れて軽くなっているのと、同量か、少し少ない程度に、
剣尾も軽くすることです。

中央以上に前へ重心をずらすと、「反転打」に応用がきかなくなります。
また、通常の「直打法」でも、前に重心をずらすことも、
ある地点を超えてやりすぎると、剣の飛行がアンバランスになります。

>これ以上前に重心をずらしてはいけないという、その地点とは、
>剣の長さのちょうどド真ん中です。これよりも前では駄目です。

>これより後ろに少しだけずれるのは構いませんし、逆に打法によっては、
>中央より、ほんの少し後ろにずれている方が打ちやすいのですが、
>そのときに誤差の許容範囲は、一例として次のようになります。

>剣の「全長の約2.5%の長さ」まで、ド真ん中から後ろにずれてよい。

一例として、「太さ11mm」で、「長さが200mm」の剣ならば、
糸で吊るして、つりあいの取れる位置が、
剣のド真ん中の「100mmの地点」よりも剣尾側に、
「5mm」ほどずれても許容範囲だということです。

下図↓にまとめました。





■こうして重心位置も決まり、
以上の「すべての打ちやすい条件」を満たす剣を作ろうとした結果が、
現在の無冥流の、「穴あきの11mm剣」です。
現在は角型ですが、六角や八角もいずれ近日内に試作してみます。

剣尾の中を掘っていますので、
巻物を巻いて剣尾の太さ(手の内への安定)を調整する必要もありません。

そして、こうした前重心の加工をする結果として、
「指置きの位置」が、少し前にずれ込みますので、
剣全体の長さを短くすることが出来るわけです。
「中級手裏剣術」で詳細に解明したとおりです。


◆また、どうして重心位置が少し前へとずれた剣が良いかの理由として、
次の図を参照してください。
これは、極端に分かりやすく、デフォルメしたものです。
↓


↑これは、知新流の極端な後ろ重心の剣ですが、
これが普通の先端を削っただけの剣だと喩えます。
すると、後ろに重心があるということは、打ったときに、
剣が手から離れる瞬間に重量が掌に残ります。簡単に言うと、
手離れの瞬間に、重く感じるわけです。

では、次に・・・・



↑これを逆向きにしたとしたら、どうでしょうか。

これは極端な事例にすぎませんが、
こうした前重心にずれている剣の場合には、
飛び出してゆくときにスムースに手から抜けてゆきますから、
結果として、手に残る重量感が少ないのです。

>つまり、「同じ重さの剣」があった場合には、
>単に、先端を削っただけの剣(実質的には後ろ重心の剣)よりも、
>何かの加工をして「重心が前にずれている剣」の方が、
>手離れの瞬間に、少し軽い感じで飛び出してゆくのです。

ただし、既に言いましたように、
剣体の長さのほぼ中央を超えてまで、
前に重心の吊り合いの取れる位置がずれては「ずれ過ぎ」となります。


______________________________________________________________

こうした結果として、
投げやすい重さと、投げやすい太さと確保して、
かつ飛行姿勢のバランスが崩れないように、


出来うる限界まで、重量を持たせて威力を維持し、
出来うる限界まで、剣を太くして、
出来うる限界まで、長さを短くして、
出来うる限界まで、先端に刺中力を持たせ、
　　　　　　　　　かつ金属の強度も保護する角度に研磨する。

この結果が、「無冥流の穴あきの、対辺距離１１mmの剣」です。

　　　　　　　


むろん、これは↑
上限の130グラムを基準として設計したものですから、
下限の80グラムで設計すると、長さや太さは少し小さくなってきます。

そして、こうした剣は、遠近両方に活用できます。
現在の時点では、２間から６間までは、どの距離でも威力は落ちません。
おそらく名人級の人が１０間投げても同じ結果になるものと思われます。
(今度、テストをして戴く予定です。)

あとは、個人の力量による「剣のスピードの差」ですが、
これは、３間といった、ごく至近距離では、
打剣モーションと剣速を速くする稽古さえ積めば、
軽量剣と実質的には「大したスピードの差」は出ません。

おそらくはスピードガンで計ったところで、
３間などという距離では差は、ほとんどないのです。

これが、動体視力で剣を追えるか追えないか、
つまり、「剣を避けられるか避けられないかの差」が出るのは、
やはり、４間強、あたりを超えて、遠投になってからです。

これは本の中でも、説明したように、3間などという至近距離では、
投げたものがパチンコ玉だろうが、硬球だろうが避けられないということです。
そこで、もしも実戦だったら死活問題になるであろう「差」というのは、
「打剣のモーションの速度」の差です。

とうぜん、それに加えて、
「剣の持つ威力」の差、そして「命中率」の差です。


●ただし、誤解をしてはならないことがあります。
それは「軽量剣は打剣モーションが速いから有利だ」という思い込みです。

コントロールという点では、実は、軽量剣には、重大な欠点があります。
それは、ピンポイント的な標的の捕らえ方しか出来ないことです。

一方で、重量剣の場合には、むろん、むちゃくちゃにモーションが遅い
わけではありませんが、軽量剣よりも打剣が遅めであることが、
逆に、次の利点を持っています。

その利点とは、「剣の軌道変更」です。

重量剣は、手離れの直前に、相手の動きによって、
左右にコントロールを微妙に変更できます。
非常に高度な技なのですが、これは重量剣ならではの技法です。

モーションが遅めであることが、結果として、
狙いどころから動いた相手を「追った打剣」が可能となるわけです。

発射の直前にきて、わずかに指置きを操作することで、
距離の前後や、左右への逃げを、追跡できるわけです。


急激な軌道変更が可能なまでに、打剣のモーションを遅くすると
１００ｇでは威力が出ません。
だから、この技法には１２５グラム以上の剣が私には必要でした。
これだと、仮にモーションがやや遅くとも、動く標的を狙えます。

軽量剣は、狙ったところから「予測外のところに相手が動いたとき」に
標的を外します。
つまり、軽量剣では、標的の「次の動き」を「予測して」打つ以外には、
手立てがないのです。

吊るして左右に揺らした的を使って、
軽量剣と中量剣と重量剣の３つで実験しましたが、
命中率は、圧倒的に、重量剣の方が勝っていました。

発射寸前までは、トマホーク状態なわけですね。


>■ただし、軽量剣でも、軌道変更が可能であり、
>重量剣よりも良い軌道変更を出来る方法があります。

それは、「ヘソ」で狙いの方向を定めたり、変更する方法で、
これであれば、「スナップ打法」でも、狙いをずらせます。

これについては、後述の投稿に詳細と動画があります。


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★ . 　　

●剣術の体裁きや、太刀筋と、手裏剣術のそれとを同一視して
稽古をする、ということは古武術の世界では多くなされているようです。

私自身は、日本の古武術は専門外ですので、これから古武術から学ぶことも
多いと思いますが、現時点では、いくつかの疑問があり、
剣術の動きを自分の手裏剣術の中に取り込むことは、保留としてあります。

むろん、その無駄のない重心移動、軸の安定の為においても、
今後は、必ず取り込む事になる要素ではあるのですが、現時点では、
手裏剣を保持している手の角度と剣術のそれとの「違い」が気になっています。

確かに体裁きは同じでも、発射装置の「端末に」違いがあるからです。


●そこで、体裁きの事はいったん保留にして、「腕の振り」を
自分でもう少し補正する方法を自己流に組み立ててみました。

まず用意したのは、だいぶ長いこと使っていなかった
稽古用の木製の「青竜刀」です。　　　　　　　　　　　●「普通の握り方」はこうです。↓
↓
　

●次に、手首にスナップがかけられないように、
手甲の間に板を差し込んで、手首の運動を矯正します。
↓



●そして、刀を持つ手は、普通に刀を持つ形ではなく、
「手裏剣を持つ手と似たような形」にします。(全く同じである必要はありません)。

ここが、剣術の素振りと全く違う点です。
なるべく手裏剣の保持と同じ形にするわけです。
人差し指と中指の２本で上側を押さえています。
↓


●そして、この手首にスナップ運動が出来ない状態で、
片手で木の青竜刀を「ゆっくり」と「まっすぐに」振ります。
↓


●これは力をつける為の訓練ではないので、
重い刀を持つ必要はありませんし、すばやく振ってはいけません。

これはあくまでも、自分の振りが「まっすぐ」であるかどうかを
刀の角度がぶれないかどうかを「目視で確認する」のです。

これを何十回か、ゆっくりと振りながら、自分の振りや手首に
ついている悪い癖を落としてゆきます。それだけの為の稽古です。

これは、私が自己流でやっているのですが、
この稽古の効果は非常に高く、この稽古の後では
明らかに、打剣のコントロールが精度が上がります。

中国武術の剣や刀は、元々が「片手で操作するもの」ですから、
今回は、打剣という動作を考えて、
中国の青竜刀のようなものにしました。

しかし、お手持ちの居合い刀でも、木刀でも、ただの長い棒でも、
全くかまいません。ご自宅で練習するときには、六尺棒などですと、
天井に当たるので、もしもあれば、
竹刀や木刀や、このような市販の「模擬刀」などで充分です。
　　　　　　　　　↓



●もう一度、要点をまとめますと、

■１/===手首のスナップを強制的に止めてしまうこと。
■２/===剣を保持するのに似た形で刀のグリップを持つ。
■３/===筋力トレーニングではないので、刀は軽くていいので、
　　　　ゆっくりと、動きがまっすぐになるように注意する。


●むろん、体の使い方がコントロールには大きく関係しますから、
これだけでコントロールが改善されるわけではありませんが、
少なくとも、「腕の振りに、もしも曲がりの悪い癖がついていたり」、
「手首でスナップをかける悪い癖」がついている場合には、
この方法でかなりその癖を矯正できます。


______________________________________________________________

★ . 　　

●私が、たびたび書籍の中や松の間掲示板でも語ることがある、
八角流の半田師範に関する紹介を、今回はさせて戴きます。

いくつかの資料の中から、新聞や専門雑誌に掲載された画像も、
少しだけ紹介いたします。

なお、主要な「本文」につきましては、八角流のお弟子さんの１人が
数年前に書かれました紹介文を、ここに復帰させて戴きました。


______________________________________________________________





■「八角流手裏剣(正式には「八角流手裡剣術」と表記)」とは??

その前に「八角流」とは何であろうか。この名前が世に出たのは平成12年であり、
私はすでに門下であったが、突然、八角流と言われびっくりしたのであった。

「門下」などという言葉を使ってみたが、
我々はもともと市の武道館の手裏剣道教室の生徒であった。
ところが教室は約10週で終了なのだが、しつこく何年も通い続けている我々は、
まさしく門下ということになるだろう。

我々が師と仰ぐのは半田先生である。
通常の流派なら師範と呼び習わすのだろうが、
今のところ先生とか館長と呼んでいる。

12年ほど前、半田先生が市立武道館の館長になったころ、
手裏剣術についての思考錯誤を始めたそうだ。
このとき、3人（半田師範、T師、K師）の人たちが、
まったく何もないところから手裏剣の技術を模索した。

文献上では残っているものの、技術そのものを現在まで
伝えている人がいなかったからだ。
（根岸流手裏剣術の方や、甲野善紀氏〔2000年8/26〕、
　その他の流派の方々と出会ったのは最近のことである。


最初は本当に五寸釘の頭を切ったものから始めた。
文献を頼りに、とにかく自力で創意工夫するしかなかったのであった。
地味でたゆみない努力の末、
古来の直打による手裏剣術を完成（復活）してしまった。

行き着いた手裏剣の形は断面が八角形であった。


●直打とは、手裏剣は「投げる」とは言わず「打つ」という。
（まあ、はた目には、まさしく投げているのであるが）

棒状の手裏剣を回転させずに目標に直進させるのだが、
それを直打という。手の内から手裏剣を放つ瞬間、
中指で加減して回転させないように抑え込むのだが、これが難しい。

中指の加減は、的までの距離、手裏剣の個性、汗の出具合、
その他の条件を考慮して調節しなければならない。
とはいえ、勘のいい人は結構早く把握するようである。

ややこしいことに直打には「抜き」という技術が必要である。
「抜き」の際に「抑え」を効かせる訳であるから、
二つの技術は不可分と言える。

「抜き」については言葉にしにくい。
理屈というより、とりあえず手裏剣を投げてみて、
とある瞬間に中指に「ある感覚」を感じ取ったら、
それが「抜き」との遭遇である。

加えて全身、腕、腰、足の動き、手裡剣の形状、その他もろもろ、
館長はこれらすべてを微細にわたり理論化してしまったのだった。
しかもそれを、出し惜しみせず、いとも簡単に教えてくれるのである。


●八角流手裏剣は百発百中を本分とする。

100本の内、1本でも外すということは何か不完全なところがあるからで、
その原因を明らかにして克服しておかなければ、本番に臨めない、ということである。

しかし、不肖の弟子としては、これはつらい。
100本のうち1本や2本ぐらい外したっていいんじゃないの、人間なんだから、
と私などは思ってしまうのだが、館長は違っていた。

100％の結果が得られないのは、
技術や手裏剣の形状に不完全なところがあるからであり、
それを完璧に克服・解決すれば100本が100本とも必ず刺さる筈だ。　

館長はこの信念で、あくなき探求を続けてきた。　


●八角流手裏剣は古伝の伝承ではない。
ゼロから試行錯誤の末に創り出された技である。
したがって常に進化し変化し続けてきた。現在でも進化し続けている。

逆に八角流が、既成流派の伝承であったなら、
手裏剣の形状や製作方法、打剣技術など全てが決まっていて、
勝手に変えることは無理であったろう。

進化するのは、打剣の方法論だけではない。
手裏剣そのものの形状も進化している。


「秘伝」という 雑誌の平成13年の1月号に半田館長が出ているが、
その取材のあと、すでに館長の手裏剣は、その形状が変わっているのである。

　　　　　　


　　　　


>>(この「33%」って、一体何のことだろう?と私は疑問でしたが、
>>どうやら「3本打って1本は刺せるように」という考え方を超えようとした結果が、
>>「妥協なき100%を目指す八角流宗家の流儀」という事らしい。
>>なお、「三本打って一本は刺す」というのは、日本の言葉ではなく、
>>中国語が語源のようです。

〜方山　記〜)


●日本人の特質として「弘法筆を選ばず」というのがある。
少々、不具合な道具でも使い方に習熟すれば使いこなせる、と言い、
特筆される日本人の器用さとされている。

しかし、目的の用途のために完璧に作られた道具なら、
より完璧な結果が出せるはずである。

技術が行き着く所まで行けば、あとは道具を向上させるしかない。
館長は、切れが悪いとか言って、
刀の蛤刃を自分で削ってしまう人なのである。

　　　　　　


門下生も一人一人、自分に合った手裏剣の開発に余念が無い。
そしてそれぞれ自分の打剣フォームがあり、
一見、バラバラなようであるが、
実は館長の修練の結果による多岐にわたる方法論の踏襲である。


八角流・稽古風景の紹介

【以下の掲載は半田師範より直接に許可を戴きました】

http://jp.youtube.com/watch?v=Akj7ck5_UAw

http://jp.youtube.com/watch?v=VckCkUylahk

http://jp.youtube.com/watch?v=bWK0vdZS5sc

______________________________________________________________

中級手裏剣術「改訂版」が
　発売されました
↓またDVDも二種類あります↓
　
★書籍
http://www.taiyo-planet.co.jp/konc/konc-shohin/syuri/kcb-032b.shtml

★デモンストレーション「DVD」
http://www.taiyo-planet.co.jp/konc/konc-shohin/syuri/kcb-034b.shtml

★初心者用「DVD」
http://www.taiyo-planet.co.jp/konc/konc-shohin/syuri/kcb-034c.shtml

　　　　神保町「書泉グランデ2F」
　　　　小岩の「ブックばざーる小岩店」
　　　　新宿の「コンクリート」
　　　　広島の「リバートップ」　　　　　にて絶賛発売中。

■「取り扱い書店の案内」↓
http://www.mumyouan.com/i3.html

●第2版との違い(平野流の削除)●

既に松の間を購読の皆様は、顛末の一部始終をご存知のように、
平野流投剣術の近江という者が、
鈴木に対して、明確な「脅迫」虚偽の記載による「名誉毀損」などの
違法行為を行い、

数種の罪状で、鈴木側から「提訴」(民事ではなく刑事告訴)されそうになりました。

なお、被害届けは既に、当時の段階で、当方から提出済み。


当方が指定した期限ぎりぎりで、
近江からは、鈴木に対する、謝罪の内容証明郵便が届いた。
(ただし、その内容は、自主的に書いたものではない
全くの誠意なきものであった。)

■また、彼の居住地区である鴻巣警察および、埼玉県警本部の両方から、
私のところに直接に、刑事さんから連絡があり、
彼は社会性のない「危険人物」にリストアップされた。

また、彼に対しては警察より「厳重注意」の電話が行きました。


■このような経緯から、
社会常識をわきまえないられない違法行為を行うような
稚拙な者(犯罪予備軍)が師範をするような、ろくでもない流派を、
私の書物の中で紹介するわけにはいきませんので、

第二版で掲載されていた「平野流」の記述に関しては、
第三版では、全て削除しました。

その分、過去の手裏剣神話(疑いもなく信じられている逸話)を、
本当かどうかを検証する項目、その他、沢山の最新情報が掲載され、
非常に読み応えのある内容となっています。



■事件の概要、事実関係、警察に届けた被害届けの正式書類の写し、
近江からの謝罪文の原文となったものは以下の投稿にあります。
　　　　　　↓
http://www.mumyouan.com/k/mtu.cgi?mtu=matu&fn=&pn=50&sst=%95%BD%96%EC%97%AC+%8B%DF%8D%5D+%8E%96%8C%8F%81%40%88%E1%96%40%8Ds%88%D7&nv=cu&r=0&tbm=1


なお、上述の資料は、現在は講読できません。

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