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【後退打剣】

単なる引き足ではなく、もっと後ろへ撥ねてしまえないかと思って、
初めて、やってみたものです。










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■ここのところ、スライドショーの制作に凝りまくっていたので、
ずっと室内にこもっていて、かなりひさびさの打剣でした。

今回の後退打剣は、まだ今日が、初日でしたので、
今後、慣れるに従って、もう少しスムースにマシな動きになると
思います。

思いついたことを、とにかくやらないと気が済まない性格なので、
とりあえず、やってみたという程度のことです。

しかし20分ぐらいすると、
後退するときの反動を、剣にうまく伝達する方法が
少しだけ飲み込めてきました。

たぶん、剣術をきちんとやってきた人ならば、
すり足で、もっと長い後退距離を、
4間距離ぐらいからの打剣と同時に、
スムースに後退できるはずです。



【一本で決められるか?】


■現時点での推測では、一本で決める方法としては、
私の知る限りでは、八角流の打剣法が最良であると推測しています。

その理由は、左足の使い方です。
構えから、打ちの動作に入った後からでも、
相手が横に「約60度の範囲」で左右に動いても、追従できるからです。

そのような広範囲の追跡打剣の出来る方法は、私は他には知りません。
むろん、半田師範に確認をしたわけではなくて、
私の独自の考えに基づいているのですが、

あの八角流にのみ独特のフォームは、
振りかぶった構えを相手にはっきりと見せているにも関わらず、
打剣動作に入った直後からの軌道変更の角度範囲が、
現存する他のどんな流派よりも、ダントツに広いと感じます。
秘密は、「前足の使い方」にあります。


これは、いつかまた対戦シミュレーションをしたときに、
実際に確認してみたいと思っています。


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【「文化」とは何か?という定義】


●「読み物」として、少し、余談を書いておきますが、
私は日本人が、海外の何かを猿真似する時、なぜあそこまで、
みっともなく、かっこ悪いのかについて、ここのところ、
熟考していた。また、同居している相棒とも、その問題について
話しあった。

その結果、異国の文化というものは、見て楽しむのは良いが、
模倣すると、非常に滑稽なことになると結論した。

特に、それが伝統性のある文化である場合は、なおさらである。
では、そもそも、それぞれの国の文化の中にある、
伝統的文化とそうでない文化とは区分は何であるのか、

今回のテーマは「文化論」である。

これは海外の知人にあてた手紙の一部です。

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私は最近「文化とは何か?」を考えていました。

その結論はこうです。

「必然性」から生まれたものが文化である。

つまり、私はその土地や国に生まれることが、
「どうしても必要だったもの」を
文化と定義した。


従って、他国の文化を観賞することはとてもよい。
それを見て楽しむこと良い。
しかし他国の文化を模倣、真似るのはあまりよくない。


たとえば、日本人が、
ロック音楽や、ジャズやブルースや、
西洋のクラシック音楽を真似すると、
それは安っぽくて、そしてカッコ悪い。

同じように、欧米の人が日本の武術を真似すると
それは安っぽくて、そしてカッコ悪い。

同じように韓国の人が日本の文化を真似すると
それは安っぽくて、そしてカッコ悪い。

同じように日本の人が中国の武術を真似すると
それは安っぽくて、そしてカッコ悪い。

日本人や東洋人がクリスマスを真似する、
そして日本人がオペラとかを真似する。
社交ダンスを真似する。
すると、それはどこか安っぽくて、そして実に、カッコ悪い。


なぜだろう?

それはそこに「必然性」というものが全くないからである。
それがどうしても生まれなければならなかった背景というものが、
模倣には、欠落しているからです。


伝統文化というものは、
その国や土地に「自生する草木」に非常に似ている。

だから生まれる必然性のないものを真似しても、
それらは全て猿の物真似に過ぎない。


●これとは対照的に、
文化の壁を持たない「分野」が世界にはある。

たとえば、最近のフィギュアスケート競技。
それは東洋人のレベルは西洋人のレベルに近づきつつある。
この原因は、スケート競技が歴史が古くないことだ。


またマジックの世界でも差があまりない。
なぜか?

それはそれらの分野が常に人間の創造性を必要とするからである。
むろんマジックショーの雰囲気の作り方や語り方においては、
イギリス人の方が優れている。
しかしマジックの仕掛けの技術開発においては世界中が平等である。


つまり、
「平等なスタートラインに人々が立つ分野」、
それは次の二つの特徴を持つ。


1/その文化の分野がまだ歴史が若いもの。

2/たとえどこかの国の伝統文化であっても、
常に創造性で競争しなければならない。

これら以外の「伝統文化」は、
他の国の人々がそれを真似ると、非常にかっこ悪くなる。


つまりある国の中に必然的に育った「文化の苗」を、
「他国の土壌」に植えてもそれらは育たない。


だから、私はナイフ投げや手裏剣術は、
世界中の人々が楽しむことが可能だと考えている。

なぜならばそれは創造性を必要とする。
そして投擲術というものは、何も日本に固有の文化ではない。
直打法すらも、日本にだけあるものではない。
(直打法は世界的に珍しい方法だという日本の手裏剣界の「ちっぽけな自慢」は、
今後5年で必ず消え去るだろう)


一方で、たとえば、日本の剣術は、
日本の風土、その時代の服装、過去の時代の法律規制、
日本人の骨格、日本人の住環境などによって生まれた。
だからそれを他国の異なる文化の人が真似するとき、
それは私達には滑稽に見える。(相当に訓練された人でさえも)

たとえば、それは日本人がユダヤ教の服装を真似るぐらいに滑稽である。


私の個人的な結論では、
「文化とは、植物の自生によく似ている」

一方で、その「文化の壁」を持たない分野とは、
「常に創造性を必要とする、まだ若い文化である」

私達は自由に他国の文化を「観て楽しむこと」は出来ます。
それは情報の流通の恩恵です。

しかし誰も他の文化を真似することは出来ない。

なぜならば、「文化」とは、
その土地の苦しさと楽しさの中に長く住むことでしか学ぶことが出来ない。

そういう意味では、
たぶん日本人もニューヨークに長く住めば彼らのジャズも、
今よりも少しは、カッコ良くなると思う。

他のその国の「苦しみと悲しみと喜び」の歴史を経験することなく
「ただ模倣される物事」は良くない。

だから文化とは「必然的に生まれた草木」に似ている。


むろん、私達は他の国の文化や技を自由に学ぶ事が出来る。
しかし「文化の本質」は決して模倣することが出来ない。

だから、結局のところ、
それぞれが個性的な自分の花を育てなければならない。


さて、日本の「精神の土壌」は、かつての時代とは違っている。
今、「日本の精神」の土壌はひどく悪い状態にある。

しかしそれから逃げることなく、否定することなく、
その汚れた土壌の中で、花を咲かせる植物というものがある。

過去の時代に執着するよりも、
この汚れきった土の中で、たった今強く生きる雑草、
それを私は「真の文化」と呼ぶ。

なぜならば、そこには生まれなければならない「必然性」があるからだ。


欧米でロックが生まれた背景には、
虐げられていた黒人の主張のための音楽が、
やがて、カントリーやクラシックやその他の音楽と交差し、
ロックンロールという分野を生み出した。
そこには歴史の経緯がある。

それを「ただのスタイル」だけ真似た日本や東洋の
ロックきどりなど、全く文化的価値がない。

そればかりか、その演奏スタイルやアーティストの仕草からして、
すべてが、全くの「借り物」「猿真似」にすぎない。
だから、私は日本のロックミュージシャンなど、誰一人として
カッコいいとは思わない。

立ち姿、一弦を弾いただけで、本家の音や雰囲気は、まったく違う。

また、たとえば、武術で言うと、
日本人と中国人は、同じような骨格や遺伝素子であるにも関わらず、
日本人の演武する中国拳法の型は、どうしてもサマにならない。

それは、結局のところ、
あの大陸文化の風土、気配の気といったものが、
我々には根本的に欠落しているからである。


逆に言うと、日本の住環境や、着物の環境や、
刀の形状の変化によって、いわゆる欧米人が「侍」としてイメージしている武士というのは、
あくまでも日本の風土の中で必然的に出来上がった、
「たった数百年という、ある非常に狭い範囲の時代」のものなので、

そこから生まれた動きを、おおらかで、広い大地の中で育ってきた
欧米の人達が、形だけをどんなにうまく模倣しても、
何か、そこに、一本、脈が通っていない。

つまり、模倣というのは、お互い様で「どこか、みっともないもの」なのである。

日本人が逆立ちしても、バリ島のダンスをすることは出来ない。

もしも出来るとしたら、それは現地に少し長く住むことも
必要だろう。

だから、多かれ少なかれ、多くの芸術家は、
その本拠地に旅をしたり、しばらく定住する。

そのことによって、その土地のまず「土壌」から体験的に知るのである。


それぞれの国の伝統文化それ自体は、特に、よくも悪くもない。
特別に、過剰に評価されるものでもない。
それらは、同時的に、
「よくも悪くもある」という二面性を常に持つ。


しかし、最も問題なのは、
それが育った土壌や風土が全く異なる土地に、
その「苗木だけ」を植えてみても、
それは、本来の姿とは、違ったものになってしまうということである。

多くの場合、それは、陳腐なものになり下がる。

たとえば、仏教なども、インドからチベットや中国に移動したときには
元の形から大きく歪曲しただろうし、さらに、
それが中国や朝鮮半島を経由して、日本に輸入されたときには、
全く、その原型を留めないものになってしまったことだろう。

その形跡は、仏像美術のあまりにも歪曲された変化を見ればよくわかる。
そして、中東の仏像は、これまたインドとも違う。

そのように、常に、何であれ、
原型から遠くなるほど、何かが違ってしまう。

むろん世の中には、「必然的な」文化の混合というプロセスもある。

しかしいずれにしても、
「それが生まれる必然性」の背景もなしに、
スタイルだけ真似をしたものは、決して原型に近づくことは出来ない。



しかし、その一方で、
伝統的な文化性の希薄な分野は、世界中の人々によって
日々、改良がされることになる。

そして、それは、多くの場合、
商業的な「戦い」の中にさらされることで進化する。

競争原理の働かない世界で、のうのうとしているような分野は、
それはそこで、亡霊となればいいだけの話。
亡霊が決して悪いということではないのだから。

ただし、亡霊は、今生きているこの世界に、
決して口出しをしてはならない。

つまり、伝統を保持すると豪語するならば、
「一切、何ひとつも」変えてはならない。

________________________


ちなみに、異国の文化の中で育ったものにはどうしてかなわない
という一例を、私の相棒が、布地の話で喩えてくれました。

私の相棒は、私の作務衣なども、いつも縫ってくれているので、
裁縫作業の中で、実感したことということになります。




その土地から生えてきたものが、
その土地、に合うものなんだと思う。

その土地から生えてくるのは、必然性なのに、
その苗を、別の土地に移植して、
「ほら、土さえあれば、同じように育つ。」と言っても、
必然性までは移植できない。


この話題からんで、私が最近感じたのは、

洋服を作るための『服地』は、
やはり、西洋産のものに軍配があがるなーということです。


日本産は、律儀で丈夫な布だと思いますが、、
西洋産のものは、洋服地として、
見ていて心が浮き立つような工夫がつまっていて、
自然とインスピレーションを刺激します。


日本が洋装になったのは、
土地から生えてきた必然でも無い上、
歴史も浅いので、その見地から服地を作れば、
やはり本場には到底かなわない、と改めて思いました。


ただ、日本産の布地を、西洋の人が咀嚼して、
洋服に仕立てる分には、「なるほど、そういう活かし方もあったか」と、
そういうケースはあると思います。


ただ、ここまで、地元服文化を、明渡してしまった日本の現状から、
日本人が和装に戻ればいいというわけでもないですしね。


しかし、今の日本よりも、
大正時代の、はいからさん、のような、コスプレじみた洋装の方が、
今より面白みがあったと、私には思えるのです。


それから年月が経ち、
日本人の律儀な器用さゆえ、
猿真似がとても見事になってきてしまい、

文化的必然性を伴わない物に対して、
西洋物と並べても、遜色無く製造できればできるほど、
「そこまでして、、」
というような、悲哀感は更に増します。


__________








★ . 　　

2007 Best of
"Martial arts and Sports" Awords


ということで、早速、列挙します。むろん私の審査基準です。


●まず、スローイング賞の続きになってしまいますが、
老師の最新映像です。

http://jp.youtube.com/watch?v=FaCZwZAkoUg
from qqaa66


●こちらは両手を使った試斬です。
http://jp.youtube.com/watch?v=mCdI9WQ6e0I
from Seven47


●これはスポーツ部門ですが、ほとんど漫画の忍者そのものです。
こういうこと、肝心の日本人はやりませんからね。
(もしも25歳ぐらい若くて、こういう事をやっても規制ない国だったら、
　私は必ずこれやったと思います。
　むろん、練習は相当に必要になりますが、当時、基本的には、
　それぐらいは身軽でしたので)
http://jp.youtube.com/watch?v=XVQNt64PxfE
from masterg


●「見よ、この速さ!」です。
http://jp.youtube.com/watch?v=LbklCvsoFRo
from GlobalAxess


●ご存知、黒田氏の技です。
http://jp.youtube.com/watch?v=tVuGDcggm44
from romsan


●ちょっとした補助道具を使って矢を手で投げる競技です。
日本では珍しいので、入れてみました。
http://jp.youtube.com/watch?v=XfmYSJIOqnw
from ATLDART


●これは日本で見られるのはとても珍しいものです。
ヨーロッパにも、昔の剣術を継承している団体があるのですが、
この黒いの着ている方の人が、剣の使い方が、もの凄く上手いんですよ。
http://jp.youtube.com/watch?v=52fQxGG-z3E
from DarkFury


●やはり、面白い武器なら中国にはかないません。
日本の秘武器と呼ばれているものの原型が一部に見受けられます。
これを見ると私見では、寸鉄というのはどう考えても、
中国から伝わったものと考えます。
中国から日本に伝わった文化の中には、
とうぜん武器文化も含まれていますから。
http://jp.youtube.com/watch?v=lJnMT7iXE-w
from guojibu


●これは、スポーツでも武術でもないのですが、
あまりの見事さに感動して、「部外賞」に入れました。
http://jp.youtube.com/watch?v=kJAK2Nv5qEE
from mjkuo81


●そして、やはり最後は、スローイング技で、締めくくります(笑)
http://jp.youtube.com/watch?v=H5YO56LD_dY&feature=related
jundog76



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_______「序曲」_________



■年末のひとつのまとめとして、もう一度武術についての
総論を書いておきます。

以前にも

「人間が動物よりも馬鹿だったので、
　武術が生まれ、それが近代戦争にまで発展した」という結論を

出しておきましたが、
それは哲学的な概念としての帰着点でしたが、

今回は、もう少し身近なところ、つまりこれを読んでいる貴方自身の
問題を掘ることになります。


■ところで、当サイトの掲示板で、一般閲覧が不可能な「茶の間」を
別にすれば、この松の間以外に、竹の間と梅の間があります。


たまに、私の専門が何であるかを分からなかったり、
知らなかったりする人がいます。

特に、「松の間」からここに最初に入られた人には、
それが多いことでしょう。


■私の本当の専門は、
人間の思考パターンと、意識、
または人間の精神状態に関する分野です。
それが本業であるとさえいえます。

つまり地上に存在する聖者から犯罪者まで、
あらゆる種類の人間の性質について、隅から隅まで知り抜くこと、
及び、それが発生する問題の原因がどこにあるかと、
その解決法を作り出すこと、

すなわち、総称すれば、「人間学」が私の本当の専門です。


■その観点から見ますと、なぜ、当掲示板が3つの柱で成立しているか
見えてくる人もいることでしょう。

私がこの生涯で、ある程度の長い歳月を費やして研究したり
体系化した分野というものは、
そのほとんどが、次の性質によって構成されている。



1/　人間が、最も、妄想や混乱に陥りやすい分野
2/　人間が、最も、頭の整理がつかなくなりやすい分野
3/　人間が、最も、おざなりにしてきた分野
4/　人間が、最も、まだ手をつけていない分野



■これらの基準によって、
私の生来の関心の方向は決定されることが多いために、
まず、私が20代に着手したものは、

東西の神秘学、宗教などをすべて一通り「網羅すること」でした。

次に着手したものが、同じく人間が、


1/入手した情報から、勝手な妄想を膨らませやすく、
2/常に、事実関係を曖昧にしてしまい、
3/いいかげんな噂ばかりが横行し、
4/全くろくな研究も手法化もされていない分野だったもの、
5/人間がそれに接すると、多くの場合に
　明確な解決策を見出せないもの、


つまり、「セックス」の分野でした。

セックスに対して、徹底した研究と現場での実践を重ねた結果、
それは現存するどのような本や知識や、技法よりも
「完璧な形」として3冊の本で完成しました。
そのために、現在梅の間は、セックスの問題を中断しています。


■さて、ここで前述した「項目」を見るといいです。

人間が多くの罠や無知や、自分の基本姿勢を作れないままに、
ずるずると続けたり、頭の整理がつかなくなるセックスや宗教という
「ほとんど、論理的な思考が未開の分野」、

これと、かなり似た「病的な構造」を持つのが、武術の世界です。

思い込み、誇大妄想、劣等感、過剰評価、誤魔化し、
そして、それこそ、そうした魑魅魍魎がせ徘徊する世界であり、

そこの住人の多くが、
論理思考が欠如していて、
悪い意味での子供っぽさを持つ者が多く存在し、

それはまるで、誇大妄想と、嘘つきが多いという意味では、
宗教の世界によく似ている。


性妄想にとりつかれた人間が、
勝手なセックスの妄想で、自慰的な行為にふける、
そういう歪んだセックス意識を持つ者に、
非常に酷似しているところがある。


■私は、その性格上、曖昧とか、保身的な姿勢とか、
馴れ合いとかが嫌いであるので、
こうした分野については、知識ではなく、
全て何十年も時間をかけて、体験しながら「整理整頓」しないと、
気が済まないというところがある。

よって、
宗教妄想が渦巻く世界、そしてその次は性的妄想が渦巻く世界、
それらのいいかげんな世界に、決着がもうついているので、
最後に選ばれたのが、その二つに共通するような、
「妄想癖を持つ人間が多いという傾向がある」ところの、
武術の世界に、踏み込んだのである。


■もっとも、私個人が実際に現在行っているものは、
手裏剣または、ナイフスローイングであるが、
それは完全に独立したひとつの分野として確立しているものではなく、
別の武術などが交差している。

その結果として、当然のこととして、
その世界には、妙な頭の構造に歪んだ「武術家」というものも、
うろうろとしているわけである。



■さて、そこで、このシリーズでは、
最近、私が海外の、手裏剣だけとか、空手だけではなく、
特定の分野の武術の人ではなくて、
かなり広く、いろいろな武術の人と、対話をしてきた結果、
今の時点で、見えている「武術のここが変」という話を、
骨子に組んでゆきます。


情報や事実関係が、混乱をしているという意味においては、
私が見たところ、大元の日本国内の武術情報そのものが、
いいかげんなところや、曖昧にしてきた事が多いために、

それを輸入してしまった海外では、
日本よりも、その妄想や混乱はひどいという見方も出来るのですが、

私に言わせると、何かの少ない情報を手にしたときの人間の
精神反応というのは、だいたいすべての民族において同じですから、
海外も、日本も、結局のところは「どっちも同じ」という感じです。


■ただし、海外の人がなかなか知ることが出来ないのは、
それは私達日本人が、専門的な欧米の文化に精通はできないのと同じように、
また、その国の「現在の現実の空気感」には、
どうしても理解が及ばない同じで、
日本国内の武術という世界に、
そこにどんな空気や邪悪さがあるかを知りません。


また、実際には、ここ100年を見ても、諸外国の人達が、
「東洋のものだから」と、
「自分たちが知らないものだから」という理由で日本の武術やその指導者に対して、
「全く不当な敬意」を抱いてしまってきた、という経過があります。


■もともとは、合理的な思考法を持っているはずの彼らが、
いとも簡単に(ほとんど馬鹿が作った御伽噺のような)「捏造キリスト教」を
信じてしまったのと同じように、

人間というものは、
情報が少なかったり、自分が、うかがい知れない分野のことには
「論理思考が働かなくなる」という癖があります。

つまり、この人間の「悪癖」だけは、
東洋も西洋も関係ないものであり、古今も関係ないということです。


■そうしてみると、ナルトが忍者だと思い込んでいる
アメリカのティーンエイジャーのことを笑える資格のある
日本の武術家など、実は、ほとんどいなくて、

日本の武術家とか、その指導者すらも、
実際には、信じるに値しない「過去の文献」を、
アニメでも信じるように、検証や思索も重ねずに信じてしまい、
いろいろな「言い訳」をしているといった、みっともない状態にあるわけです。


■アニメという世界は完全なファンタジーの世界なので、
ある意味では無害ですが、

人間にとって、もっとタチが悪いのは、捏造された文献や資料や
言い伝えや、途中で改変された経典や武術書や、
そうした「贋作」が、
さも、「本物の骨董品であるか」のようなツラをさげて、
由緒だの、伝統だのを名乗っていることです。


■そのすべてが嘘ではないと差し引いても、
これほどまでに、「嘘がまかり通る世界」というのは、
やはり、宗教の世界に、かなり酷似しています。

実際に、ほとんどのケースで、
武術家というのは、その何割かが、仙道とか気功とか、
果ては、(もともと、武術とは全く関係のないはずの)密教やら、
自分の専門でもない宗教じみた分野に足を踏み入れて、
自爆するのがオチです。
宗教やら、東洋神秘主義の仮面でもつければ、
ハクや権威や、格好でも付くとか、思ってんでしょうかね?



●一方で、セックスという領域の場合には、完全な実力主義ですから、
女性を満足にイカせることが出来なかったら「失格!」という
明確な結果と、そのしっぺ返しがあります。
(他の男性に自分の彼女を寝取られるとか)


しかし、現代の武術は、
今はまだ完全な形での実力主義ではありませんから、
白黒つかないままに放置されているゴミや「課題」が山積みであるわけです。


■さて、そうした観点から、
私がここ数ヶ月、海外で武術に関係しているいろいろな人、
つまり、実際に武術を指導している人から、単なる武器マニアから、
ナイフ投げや手裏剣を実際にやってい人、単なる知識だけにしか
興味のない人、
武術に紛れて、変な密教とかに凝ってしまいそうな危ない人、

そういう人達を観てきて、いろいろと思ったことを
次回から、書き連ねてゆきます。

ただし、日本人である皆さん自身が、
彼らと全く同じで、他人のことなど笑えない状態にあるという
ことになりますので、そのつもりで、つまりご自分のことと考えて
読み進めていってください。


_____________________________________________________________

★ . 　　

シリーズの「その1」からお読み下さい。


【スタンスが曖昧という共通点】


■自分が何を発端として武術を始めたのか、
自分が現在は何を目的として武術をやっているのか、
その最終目的は何であるのか、
それを、耳が腐りそうな馬鹿っぽい、ありきたりの理由ではなく、

きちんと、整理して自分の心に決着がついていて、武術をやっている人
というのを、私は、ほとんど見たことがありません。
そうした人というのは、本当に「ほんの僅か」です(でも、居ます)。


■つまり、多くの場合には、それを問いただすと、
ほとんどの場合には、
自分で何のために何をしてるのかも、わかっていないままに、

他者に偉そうに教えている指導者であったり、
または、社会的に黙認されたり、
時には、評価されて認められているといった状況にあります。


■そもそも、武術という分野は、
いわば、半分が「過去の遺物」で成立しています。
ことに古武術はそうです。

つまり、完全に現代の状況下で生まれたものではないという宿命から、
時代間のギャップを起すという「ジレンマ」が、
事の最初から存在しているという奇妙な世界なのである。


一方で、試合形式に発展した武術にはこうした矛盾は少ない。
またスポーツ化した武術にはこうした矛盾な少ない。

たとえば、K-1にはルールの規制はあるものの、それでも
あそこでは、「自己矛盾を抱えた選手」などはほとんどいない。
目的は明確であるし、勝てば賞金がたんまり入るというだけの話し。
肘打ちが禁止されている点ではキックボクシングとは違うが、
それでも、かなり実力と近似値であろう戦いがなされているはずである。


■しかし、もともとが、実際に人に対して、
捕縛術としてだけではなく、
殺人術として作られた「技や道具、武器類」、
こうした「過去の遺品」を両手にかかえたまま、

金魚のように口をパクパクとさせて、

「いや、これは実際に使ったら、すごいんだ」とか、
「いや、これは昔は、ホントは、こうだったんだ」とか、
「これはなー、今の時代でも、通用するんだ」とか、

そういうことを、のたまっている馬鹿者が多くいるのが武術の世界です。


■つまり、たとえば、それはセックスを出来ない、もてない人間が、
現実のちゃんとした異性とのセックスを出来ないで、
頭の中で、想像上の性妄想にひたっている姿に非常によく似ている。

その「病的な状態」を引き起こした最大の理由は、
「時代錯誤」である。

特に、古武術においては、使われる武器のほとんどが、
その属性からして、実際に現代で使うことが出来ないものが多い。

代表的なものは、日本刀であり、
サブキャラには、さまざまな忍具や、鎖鎌などの武器や、手裏剣も含む。


■つまり、実際に使いたいとか「心の片隅で、脳内妄想で、思っている」のに、
「使えない」といった、フラストレーションを「無自覚の病巣」として
持っている者も多くいる。

実戦とは別問題だとか口では言っていても、
ちょっと彼らの心の中を覗き見ると、
思いっきり「殺人妄想」に浸っている者も多くいた。


これは、たとえば、武器武術ではなくて、
空手や他の武術をやっている人間にすらも時々見受けられる
武術界に特有の妄想癖であり、
その中でも、もっとも典型的な馬鹿げた妄想は、

「自分の技が、いつ現実社会で出番があるか」、
「それを夢みて、楽しみにしている、漠然とした妄想にふけっている」
といった、始末である。


これが、高校生の頭の中で起きていることならば、
それは、まだ幼いのだから、しかたないかもしれないが、
30を過ぎたいい大人が、自分がいつ社会的なヒーローになるか
などと、妄想している始末では、「どうしようもない馬鹿者」である。

一生の間、現実の世界で、
武術など使うことなく過ごすことの大切さもわかっていない
お子ちゃま、といったところである。

■また仮に、非武器の素手の武術ですらも、
もしも使う場合は、それは法的に非常に厳しい処分を受ける
ということの「現実認識が甘っちょろい」。

たとえば、甲野氏が、教室で高校生の前で、刀を抜いたという
話は有名な「アホ話」であるが、
もしも教室という密室でなかったら(目撃者の多い教室であったら、なおさらだが)

実は、もしも当事者の生徒や、学校が告訴したら、
彼は「正当理由の全くない威嚇行為をした」として、しょっぴかれていたという、
こういう「当たり前の現実認識が全くない」のである。


だって、考えてもみなさいよ。
いかなる理由があったにしても、日本国内で、他人に真剣を抜いて
感情的、または威圧的な行為をすれば、それは「犯罪」なんですよ。

私がもしもその教室の生徒だったら、
その場で携帯で警察に通報しますよ。

もしも同じことをあなたが誰かにやったら、確実に有罪になります。
よくても「書類送検」となるだろう。


●つまり、殺しこそが、その時の正義、
または、日常の生き残りのための「生活手段」として
その文明の中で容認されていた、古い時代を、
いつまでも脳内妄想しているようなやつは、

この社会では、ただの迷惑者なので、一日も早く「自殺」をして、
そういう状況の土地に、新しく生まれればいいのである。


■こうした、ある意味では、殺人者、犯罪者が持ちやすい「妄想の暴走」が、
武術家の「おつむ」の中では起きやすく、
そのせいで、彼らの多くが、
うっかり、その稚拙な本音が出てしまって、
誇大妄想や、暴言を吐いてしまう癖がある。

松の間で取上げた人物の今日までの経緯を見ていても、
その幼稚さと、虚言癖が、実によく分かったはずです。


■むろん、中には、自分の立場、自分のしていることを
ほぼ完全に、整理したうえで行えている人も希にはいるが、

私が見たところ、
ごくごく現代的な、武術をやっているでさえも、
冷静で、クールな冴えた目を持っている人は、ほんの一握りしか知らない。

_________________________________


■また、武術という少々狂った世界では、
「初心に戻る」という言葉が無知によって「乱用」されているが、

本当の意味での「初心に戻る」とは、
武術に最初に、関わったり、教えられたり、出会ったり、
または向き合った「そのときの心のことではなくて」、

そもそも武術に関心を持った、あるいは「それ以前の」
あなたの、幼少期または青年期の、
自分自身の当時の在りかたを徹底して自己分析しなければ、
初心を思い出したことには全くならないのである。


もしもその武術が、
子供同士のケンカに勝つための手段だったなのならば、
それは、それほど、おかしいものではないし、
そこには「原因と解決手段」との矛盾はない。


■しかし、たとえば「他の事で負けたから」、だから武術に走ったとしたら、
それは、そもそも「根本問題の、解決手段を間違えている」という、
「大ドジをやってしまった」のである。
そういう、とても無自覚な人間も、私は目にしたことがある。

こういう人間は、武術など捨てて、当時の本当の問題が何であったのか
考え直すことである。
なぜならば、それは武術に逃げて解決できるようなものではないからだ。



■さて、こうした問題が武術の世界や、古武術の世界で生じやすい
「素地」というものがあり、
それをよく見ると、それは、実は武術の目的が、
時代とともに、「多面的になってしまった」(よくも悪くも)ことが
その最大の理由のようである。




●さて、以下は原文が海外の人へのメールで、元が英語であったので、
日本語としては、接続詞や語尾が不自然なところもあるが、

それがかえって、平坦で余計な言葉による酔いのない文になるので、
本質だけを伝えるには、いいかもしないと思い、
原文のまま、ここに記しておきます。




____武術家についての私の個人的意見____


武術の世界は他の分野と異なる要素を持つ。

結論から言うと、それはジレンマと矛盾を常に持っている。

武術を始める動機にはいろいろな種類がある。

それぞれの個人的な動機は、正しくもなく間違ってもいない。

しかし、ほとんどの武術家や武術愛好家は、
「自己分析」が全く足りない、と私は認識している。


たとえば、コンピューター技師やビジネスマンは
彼らは迷うことな仕事が出来る。
なぜならば、目的が明確だからだ。

しかし武術家は常に、自問と「哲学をしなければならない」。

自己分析力と哲学を持たない武術家の結末は、
武術をやめるかまたは、精神が歪む(キチガイになる)か、
そのどちらかという結果となる。

従って、次の点に注意することである。


_____武術には少なくとも9つの方向性がある。_____


まるでそれは昆虫やタコのように
「複数の足」を持つのである。



●1-「文化保存」・文化継承における目的

●2-現代社会での「実用性」における目的

●3-「スポーツ競技」における目的

●4-「学門や技術開発としての研究」における目的

●5-個人的に身体や精神を「鍛える」という目的

●6-ただただ「楽しむ目的」。

これ以外の理由では、
●7-「個人的なコンプレックス」や
　　「敗北感」を出発点にした人たちもいる。

●8-またこれら以外では、別に自主的には興味もなかったが、
　　親から教え込まれたからやった、というケースもある。
　　(日本では、子供が家業を継ぐという風習があるため)

●9-また、さらには「スタントのスターになりたくて」
　「カッコいいから」という「憧れ」からの動機もあるだろう。



これらのどれも、おのおの、ひとつひとつは、
正しくもなく、間違ってもいない。
ただ「それはそうである」という事にすぎない。


ただし、私が冒頭で
「武術は最初からジレンマを持っている」、
と書いた理由がここにこそある。


つまり、武術をしている多くの人には、
これらの動機や目的が、「同時的に、混在」してしまっている。
しかも、それは実に曖昧である。

その人自身の中で目的が明確になっていない。


だから、師範とか、呼ばれている人達は、これら複数の目的を、
相手の質問や、
その場の状況の「都合によって」交互に他者に語ったり、教える。

たとえば、あるときには、都合よく精神論に走ったり、
都合よく実戦論に走ったりである。


しかし、これら9つの方向性はその全てが違う。

だから、それらを曖昧に混同しないことだ。


なぜならば、これらの9つ方向性は、
おのおのが他の方向性と異なるからである。


日本でも世界でも、
私は「あなたが武術を行う目的はどれですか?」と質問したくなる


なぜならば多くの場合、
彼らが口で言っている目的と、
実際にやっている行為が矛盾しているからだ。

_______________________________


もし伝統文化を守るならば、それだけをやれ。

もし実用性を重んじるならば、警察か軍隊に入れ。

もしスポーツ競技を重んじるならば競技に出場しろ

学問として探究するならばそれを徹底しろ。

もしも個人的に身体を鍛錬したり、
個人的に楽しむ場合、
この場合は、その範囲を逸脱して、
実用性などを、決して妄想してはならない。


■また、もしあなたが「精神力」を鍛えたいならば、
武術などやっていないで、僧院に行った方がいい。
そこで、そのための専門的な訓練だけをしろ。
たとえば、修験道なり、密教なり、西洋呪術なり。


もし愛を知りたいならば、
あなたは、現実の生活の中で、
家族を相手に、恋人を相手に、
社会の中で、とことん悩み抜いた方がいい。


もしもあなたが、
自分と家族を護りたいならば、
法律を学べ。そしてハウスセキュリティーを勉強しろ。

これらは武術の目的ではない。つまり、
武術からこれらを学ぶことは「不可能」である。


■つまり武術というものの中に、
実は、「あなたは、いろいろな願望」を
投影している事に気づきなさい。

しかも、それは曖昧な投影なので注意が必要である。

もしあなたが自分のスタンスを明確にすれば、
あなたの行うべき道も明確になる。

しかし、もしあなたが、
自分のスタンスを不明確なまま放置すれば、
あなたは「武術によって、ますます性格が歪む」だろう。



だから、常に自己分析しなければならない。

武術の「存在意味」について一人一人が自分に問う必要がある。

このようにである。




　　あなたは何のために武術をやっているのか?

　　何があなたの武術の目的なのか?


　　そして定めたはずの目的ではないことを、
　　自分がやってしまっていないかを、
　　よく自己分析せよ


___________________________


その人の目的が、
何年かして、「時期によって」変わるのは良いと私は思う。


たとえば、最初は自分の体の為に行った。
次にあなたが試合に出るようになった。
何年後かに、あなたは警察官になった。
こうした変化が起きるのは悪くない。

しかし、「同時に多くの目的が混在していてはならない」。


たとえば、
私が述べた9つの目的の中で、
5つ以上も混在しているのは、非常によくない。

それらの「異なる目的」は、
必ず互いに「志向性の矛盾」を発生する事になるからだ。


それでは、
あなた自身のスタンスが「混乱している」ことを意味する。

つまり「自分の無意識」を自覚していない者は他人に教えるな。

なぜならば、その人は、
他人に「混乱」を教えてしまう結果となるからだ。



■一例として私の場合には、
私の手裏剣やナイフ投げの目的は
30%は楽しむことで、残りの70%が物理的な研究にある。

自分の体や精神を鍛えるためすらやっていない。
もしも鍛えるためであれば、
こんなに少ない練習量ではなくなるだろう。

また私は実用性にもほとんど興味がない。

また、古典の手裏剣術には、ほんの断片しかなく、
私は、学ぶ価値のある資料をほとんど何も見出せなかった。

ただし、私は、スローイングというものを、
人々が楽しめる「スポーツ競技」にしたいという、
未来の夢とプランはあります。
その競技の中においては、対戦ゲームのようなプランはある。


ちなみに、私は映画のアクションというものは
「No-6」と「No-9」の理由(目的)に属すると思う。
言い換えると、
それは「他の誰かを喜ばせるために」
彼らは、アクロバットの妙技をするのである。

_______________________________________


■また、私達人間というものは、
簡単に、社会的な「トリック」に騙される。

たとえば、ひとつのトリックはこうである。

「何かをすれば、その分野の何かが得られるだろう」


たとえば、自分の子供が、武術をすれば、
自分の子供の人格やマナーがよくなるかもしれない。
そう親が思う。

また、たとえば、学問をすれば知性が得られる。
親がそう思う。

しかしどちらも嘘である。

現実には、人は何かに属することによって、
単に、「洗脳されるのみ」である。

単に、それは、無害な洗脳か、有害な洗脳であるかの
違いに過ぎない。


■結局は、人間というものは、
「日々の毎日の生活」こそを最も大切にすべきだ。


私達は沢山のトラブルに出会って、
私達は多く苦悩する。
そしてそれらを私達の責任によって解決させること。

恋愛においても、ビジネスにおいても、家族関係においても、
それらの繰り返しこそが大切である。

それらこそが、その人間を「本当に作る」のである。

人というものは、武術や技や学問や作法、
そんなものによって作られてゆくのではない。



■私の観察によれば、

大きな庭園ばかりを夢見ている人は、
自分の足元にある、
美しい小さな花を、平気で踏み潰すのだ。


実は、
「最も自然なことの中にこそ、

　最も自然でない奇跡がある」のである。



■そういえば、ある人が昔こんな言葉を言った。
「資本主義的社会主義が理想的だ」

もし私が、彼の造語を借りるならば、

私はもしかすると、
「神秘主義的現実主義者」なのかもしれない。


______________________


■さて、もし私に子供がいたら、
私は子供が小さいころに武術を習わせるだろう。

それは成長期の子供の身体にとって、
武術のようなバランスの取れた運動は、
非常に効果的だからである。


しかし、もしも自分の子供が、
武術を他者への暴力、又は不当な自衛手段に使ったり、
武術を自分が自慢するために使ったり、
武術を強くなるために使ったら、
私は、それを必ず止めさせるだろう。


このように、武術というものは、
常にその「目的意志」が曲がりやすい。

そのことに注意しないと、自分でも無自覚のうちに、
頭が混乱してしまっている者が多いという事を私は語っている。


何の為の武術であるかが、
自分の中で明確である場合には、
あなたは、武術の要素の中から、

「自分が、やらなくていい事」がわかる。

そして「あなたが、やるべきこと」が分かる。


もしそれが明確にならないと、
あなたの頭は混乱している結果となる。

そして、目的から、それてしまい、
本当の自分の目的が定まっていないために、
やらなくて良いことをやっていたり、
やるべきことを、きちんとやらないという
結果に陥る。

こうしたことをしてしまっている武術家を
私は何人も知っている。


実際に、武術というものは、
前述したような「9つの違う目的」によって、
その内部が構成されているからである。


続く____





■次回は、嘘の部分の、忍術や忍者までもを本気にしてしまう、
「外人と日本人」について書きます。


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★ . 　　

久々のダラダラ系の動画

●ひさびさに、特にテーマもないダラダラとした練習風景です。

今のところは、8間まででしたらば、「押さえ打法」や、
あるいは、古いタイプの頭の上あたりに構える投げ方でも届きました。

8間まででしたら、無冥流の中にあるいくつかの打法が通用するのですが、
遠間の10間になると、どうしても打法は、ある程度限られてきます。
今のところ、私においては、
10間が確実に50%の確率でコンスタントに届くのは、
サイドスローぎみの打法と、ワンモーション投法だけです。

■あとは、無冥流の「重心論重視」の打法の場合には、
やはり8間を確実に通すには、23cmほどの長さがある方が楽です。

打剣というものを、とにかく誰にとっても簡単に、とにかく簡単に
しようとした結果、今のいくつかの効率の良い打法が出来たわけですが、
無冥流の打法では、飛距離は剣の長さに正比例します。


■これを、甲野氏は、19cm前後の中央重心の剣で、10間を通すのですから、
さすが、というしかありません。

私の使う打法の場合には、
10間を通すには、どうしても最低でも27cmが必要でした。

ということで今回は10間ではなく、8間からいろいろと、
まだ手持ちの剣で、試していなかったことを確認のためにやってみました。








■次のは、ここのところ、忙しくて、ろくに投げていなかったので、
長剣での多本打ちも、この際、試してみました。
長剣では、5間までの中間しか、まだやったことがなかったものですから。

7間からの3本打ちにトライしましたが、
今回は失敗しましたが、これは、少し慣れればなんとかなりそうです。





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★ . 　　

【糞味噌ごちゃまぜのアメリカン忍術】


日本人のせいなのか、誰のせいなのか?

■結局のところは、人種や国境に関係なく、それは、
「人間の悪い癖」のせいである、と言えます。

物事を曖昧にして、自分に都合のいい情報だけを盾にして、
論議をするといった、子供っぽい姿勢のせいで、

多くの文化が捏造されたり、歪曲されたりしてきたわけです。

昨今の欧米の忍術ブームなどを見ても、
それは確かに、日本人から見ると「おいおい、それ違うだろう?」
といいたくなものが沢山あります。

しかし、こうなってしまった原因は、国内ですらも、
情報が錯綜しており、また武術家に頭のまともなロクな人格者もいない
という現状が招いた結果でもあるので、
日本人自身がまず反省するべき点が沢山あります。

情報というものは、原作者の手を離れて流れてしまうと、
その先で勝手な発展をするものです。


さて、まず武術全体そのものも、怪しい伝承だらけや、
後世の捏造物が多そうですが、
その中でも、とりわけ「一番怪しい」ものが「忍術」です。

そこで、この「忍術」というものに情報として、
あるいは、武術の一分野として向き合うときに、
私達が絶対に混同をしてはならない要素があります。

それは次のものです。

一例として、忍術の普及に貢献した初見氏を例にします。
諸外国では、(悪い意味では)ほとんど教祖扱いですから。




1-初見氏が忍術というものの資料と技の保存に貢献したことと
　他の問題は「別問題である」ことに注意せよ。


2-初見氏が世界各国に忍術を広めた功績と、その他の問題は、
　「別問題であること」に注意せよ。


3-初見氏の実力がどうであるかという問題と、
　他の問題は「別問題であること」に注意せよ。


4-残された文献や資料に書かれている武器や使用法の「記述そのもの」と、
　それが実際に使用されたのか?、という事実の痕跡や証拠は、
　全くの「別問題であること」に注意せよ。




■つまり、これらの問題や効果、功績、要素は、
すべて、「個別に評価される問題」である。

たとえば、代々何かの資料がある家系に残っていたとしても、
それがいつ誰によって改変されたかも不明なものが多い。

その上、そこに書かれた資料が、単に考案の段階にすぎず、
実際には使われなかった道具も多くあり得る。

つまり、私が皆さんに最も警笛を鳴らすことは、
初見氏に限らずとも、相手が誰であったり、何の分野であったにしても、

前述した4つの要素は、すべて「別問題」であるにも関わらず、
人間というものは、そのうちの一つか二つを見て、
他も真実であると信じたがる悪癖があるということである。


■特に注意が必要なのは、
その人間が実力があった場合、実力は歴史的資料の正しさを
何も証明するものではないということ。

同様に知名度もまた、何も事実関係の保証をしない。

広めるという功績と、実力はまた別問題であるのも当然である。

また資料価値があるということと、
資料が事実であることは、微妙に異なる問題である。
資料が本物でも、内容に価値がないものもあるからである。

このように、相手の中に何かひとつの優れたものを見たときに、
それとは別問題であるものまでをも、盲信してしまう、
この傾向は、人種に関係なく、全ての人類に共通する盲点なのである。

__________________________________________________


■忍術ということについては、
そもそも、何を忍術として定義するのか、
いつの時代のものをそう呼ぶのかで、全くいろいろな側面が
現れてくるのであるが、
欧米のみならず、日本でも、いろいろなものが混同されているように思える。


■甲賀流、伊賀流などにも忍術は残されているようであるが、
ここで、最も有名な初見氏について述べる場合には、
結局のところ、
その師匠である、高松氏について知らねばならないし、
よく調べる必要がある。

初見氏が、忍術の継承者、そして普及者として非常に優れている、
という問題と、
「実際の忍術がどうであったか」という歴史的な事実は、全くの
別問題であるからだ。


たとえば、初見氏の師である、高松寿嗣氏についての資料の幾つかを見ると、
私には、氏が、本当に忍術の後継者であったのかどうかには、
懐疑的な部分が、いくつか出てくる。


■高松氏は、確かに、幼少のころより、複数の古武芸を稽古していたようだが、
しかしその後に、
韓国や中国での経験や知識も混在しているように見受けられる。

高松氏は、1887年3月10日に生まれて、1972年4月2日に他界したが、
橿原市（奈良県）の橿原神社の前に家があったようである。

高松氏は21才で中国に韓国とモンゴルを旅行して決死の覚悟で多くの武術を
学んだとされている。

高松氏は韓国で中国の格闘技をキム氏から学んだ。

そして彼は、中国の英国学校で格闘技を教えていたときには、
1000人以上の学生がいたらしい。
そして、彼は、最後の中国の溥儀天皇のボディガードであったとされる。

そして彼は、1919年に天台宗の僧侶になった。


問題となる武術資料になどについては、
1921年に、彼は九鬼家の伝書の書き写しを許された。
しかし第二次世界大戦の間に消失した。

1949年に、彼は記憶をたどって、書き直した伝書を九神家の人に提示したとされる。

______________


■しかし問題になるのは、忍術というものは、
むろん複合的な、複数の古武術の合成体系であることは事実でも、
いわゆる欧米人や、日本のアニメ好き、小説好きの人達が
イメージしているようなものは、本当に存在したのかということである。


たとえば、こうした資料がある。


■戸隠流忍術とは、高松寿嗣が、
「大正後の忍術読物」の「流行を利用して新しく編成した系譜」である。

戸田真竜軒の口伝による伝承とされる。

その戸田真竜軒( 一心斎 )は、明治十三年に七十三歳にて死去。
高松はそれより四年後の生誕である。

戸田真竜軒( 一心斎。明治十三年死、七十三歳 )の口伝では、

この系譜によれば、その発生以後、
養和年間の白雲道士の白雲流より分かれ、
甲賀・伊賀両流の忍術になり、
百地三太夫の系統を経て紀州落名取流に入り、
戸田信綱以降は戸田氏に伝承したことになっている。


しかしその系譜は諸伝の資料や口伝を参照して潤色を加えた点が多く、
系譜にのっている人物も実際より年代を古くしているなど、
なかなか「苦心の労作」であり、
真竜軒が「幕末のころに新しく編成したもの」と思われる。



傳系図は次のようになっている。(事実かは不明)
1.戸隠大助 (1161)
2 志摩小三太源兼定(1180)
3.戸隠五郎(1200)
4.戸隠小三太
5.甲賀鬼三太
6.金子友春
7.戸隠龍法
8.戸隠岳雲
9.木戸小石
10.伊賀天龍
11.上野利平
12.上野千里
13.上野万二郎
14.飯塚三郎
15.沢田五郎
16.大猿一平
17.十又八郎
18.片岡平座衛門
19.森宇源太
20.戸田五兵衛
21.神戸青雲
22.百地幸兵衛
23.戸張典善

24.戸田盛柳信綱(1624-1644)
25.戸田不動信近(1658-1681)
26.戸田観五郎信安(1681-1704)
27.戸田英三郎信正(1704-1711)
28.戸田新兵衛正近(1711-1736)
29.戸田新五郎正良(1736-1764)
30.戸田大五郎近秀(1764-1804)
31.戸田大三郎近繁(1804)
32.戸田真竜軒正光(1824 - 1909)
33.高松寿嗣翊翁(1887 - 1972)
34.初見良昭 Masa aki Hatsu mi (1931より 現在に至る)


つまり、本当に明確な傳系は、
今から僅か360年前という時代になって、
やっとその人物の存在が明確になっているに過ぎない。



次回に続く_________

★ . 　　

忍術の定義の曖昧さ


以下では、私が海外にいる、少々「忍術かぶれ」の人の何人かに
メールで語った内容の「パーツ」です。

人によって語る内容を変えていますので、全体像がつかめないかも
しれませんが、
私から、いわんとしている骨子の主旨は、誰でも理解できるはずです。


■すなわち、結局のところは、
歴史がどうであったか、資料や残された武具がどうであるかに関係なく、
それに「関わる人の側」に、
明確な目的と、明確な方向性がはっきりとしてなければ、
それは、ただの「武器オタク」「ごちゃまぜ忍法オタク」に成り下がる
ということです。

そして、日本の頭の悪い武術家たちがやってきたように、
忍術の中に含まれる、
武芸の要素、精神論の要素、諜報機関としての要素などから、
その時の状況と自分に「都合のいい語り草」だけを選んでは、
場当たり的に、他者に語るという、悪循環が起きるのである。


以下がメールの断片です。

________________________________________________________________


●武神館のデモンストレーションは、外国の人には人気があると私は思う。
それらは他の地味な剣術などよりも、異国の人の目には、
より神秘的に見えると思う。

また「武器の種類」においての面白さも他の武術よりも多くあるだろう。

だから多くの人が魅力を感じる。

それはとても良いことです。
大人も子供の時の心(童心)に戻るだろう。


しかし、とても注意が必要です。
それは忍術の歴史は日本でさえ明確でないことです。
そこには、曖昧で懐疑的な部分が多くある。

資料によれば_____

■忍術は、その発生が「山岳信仰の修験道」に開祖を「設定する場合」
もあります。
役小角（えんのおづの、えんのおづぬ、えんのおつの、634年伝 - 706年伝）
などと呼ばれた人物は、飛鳥時代から奈良時代の呪術者である。
実在の人物だが、伝えられる人物像は後の伝説によるところが大きい。

通称を役行者（えんのぎょうじゃ）と呼ばれ修験道の開祖であるが、
役小角にまつわる話は、後に成立した『日本現報善悪霊異記』にも採録された。
これが後世に広まった役小角像の原型です。

「荒唐無稽な話」が多い仏教説話集であるから、
史実として受け止められるものではないが、
著者の完全な創作ではなく、
「当時流布していた話」を元にしていると考えられています。


■一方では、1700年ごろに「組織化された諜報機関」が出来たという見解もあります。
しかし、実際には、それもまた忍術集団とは関係がないようである。

>>御庭番は忍者と同様に思われがちだが、誤りであり
>>八代将軍・徳川吉宗が紀州から連れて来た薬込役を
>>伊賀者と同格に格付けしただけでしかなく
>>彼ら御庭番は忍者とはかかわりがない
↑
【ウィキペディアより】↓ここを参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%8D%E8%80%85


■そしてまた、初見氏が伝承している技も、
その全てが現実性があるわけではないと推測されます。

たとえば昔の人によって考案されたが、
しかし実際には、使われなかった武器や、その武器の図面もあると思う。
また技においても、時には、とても非現実的なものがある。


■例えば、日本の鎧を着ていた時代の戦争(戦国時代)では、
体術は、たまには使われても、「頻繁に使われるケース」は、
ほとんどなかったと推測される。

またその後の日本刀が主流だった時代にも、体術や「隠し武器」は、
現実的には「頻繁には」活躍はしなかったと推測される。


多く流派や、後世にみる「多彩な技」は、
刀の実際の使用が大きく制限された徳川の時代に、
武家や剣術師が、自分の道場を開く上で、
創作されたり、作られたものも中にはある事だろう。


ただし幕末の倒幕の画策が暗躍していた時代には、
いわゆる欧米人がイメージするところの
「侍　Samurai」は、現実に少しの間、活躍をしたかもしれない。



■また、技の現実性についての一例として、
「車剣」を腰の位置から逆手で横向きに投げることには、
実は、賛否がある。

日本の「棒手裏剣主義者」は、それに対しては、
非現実的だという理由で、否定的な見解が多い。

しかし、忍術的な発想から、
「相手をかく乱する」という目的ならば、
それは効力があるとする説も一理ある。

どっちも部分的には正しいし、
どっちも部分的には正しくないと言える。


それらをまとめれば、次の動画のようになる。
　↓



●ちなみに、飛んでくる車剣や棒手裏剣を、
正面から刀の面で避けるという方法は、全く現実性がない。

なーなーの、ひょろひょろの投げ方なら可能でも、
実際に、3間から時速約60キロで飛んでくる剣を、
正面から刀で受けることなどは不可能である。
また中段や足を狙われたら、剣で避けることは出来ない。
また、手裏剣が縦向きに飛んでくることも多いのであるし。


安全なラバー手裏剣を使って、これを行い、
「神経を研ぎすます訓練」としてはむろん良いが、

実戦では、何の防御にもならないことは、
私が「無冥流投剣術」の「DVD」の中で詳しく説明したとおりです。



>■さて、技の「資料」、または「武器」が、
>骨董品や書物の断片などとして残されているという事実と、

>その技や道具が「実際に多く使われた戦績がある事」。
>この二つは「全く違う論点」ですので注意してください。



●日本の歴史学者は忍術については懐疑的な見解が多いです。
一部は正しいのですが、
一部はかなり新しい時代に作られた話や道具である場合もあるかもしれない。

だから、私は武神館の「歴史的な技」については、
「文化の継承というジャンル」と考えている。

むろん一部の技は現代の警察の武術への指導もされているだろう。

そして、もしもあなたが「忍術」や「日本の古い時代の武器」について
何か知りたいことがある場合には、
武神館や、それに人脈のある人「以外の」、
日本の武術史の研究家にも質問すると、客観的な知識になるだろう。

むろん武神館の人に尋ねるのことは有益だ。
しかし、「いろいろな角度の意見」を知るほうがよい。


*******************************************************


●そもそも忍術というものを、
広義な意味で、「謀略活動」「諜報活動」「工作活動」と定義するならば、
現代のSWATなどは、「陽忍」ということになるし、
北朝鮮の工作員やアルカイダなどは「陰忍」ということになってしまう。

そこまで話を広くしないと、本質的な意味での忍術を語ることは
出来ないはずなのであるが、
なぜか、物語というフィクションの中で作られた忍術は、
ある特定の「スタイル」や、「特定の目的だけ」が、
人々の目には、クローズアップされて、ディスプレイされているようである。


●もっともチープな言い方をすれば、
「忍者とは、300年以上前の、ジャパニーズ・ジェームスボンドかいな?」
ということになってしまう。
面妖な武器を使ったり、スパイ活動をするという意味においてです。


■ただし、こうした「特殊部隊」というものは、
私の推測では、合戦をやっていた時代に、各将軍の下には、
かならず「多くても数十名の小集団」として育成されていたはずである。

むろん使用する武器や、諜報活動の方法は各地域の方針で異なるので、
必ずしも、私達がイメージしているような忍者ではないし、
姿も、ほとんどが農民や商人のような平服であったろう。

今のようなGPSもろくな地図もない時代であるから、
戦場となる場所の地形や、周辺住民や、敵の陣地の様子についても、
それを事前に調べる能力に長けた人達がいたはずである。


■では、一体どこが、忍者として区分されるものであったり、
その原型となったであるかということになると、

>私達は、残された、
>「奇怪な武器の形や、装束」そして、伝書と「称するもの」によってだけ、
>それが忍術かどうかを判断したり、評価しようとする「癖」がある。


■結局のところ、忍術にだけ「固有の道具や技」というものが
忍術と、他の日本の武術を区分する線になるのだろうが、
十八種の武芸は、別に忍術に固有のものではない。

>つまり、一部の暗器や、隠し武器や、車手裏剣や、
>忍び刀の形の特徴など、
>我々は、それをもってして他の流派と区別している、といった、
>かなり曖昧な判断によっているのである。


●また冒頭に述べたようにも、広義な意味での
「諜報活動」「破壊活動」「潜入活動」というものは、
何もそれは忍術に固有のものでは全くなくて、それは、
「軍事的な戦略法」に包含されるべき分野である。


********************************************************

密教までもが、ごた混ぜ状態


■これ以外には、ちょっと参ったのは、欧米の人達が、
忍術で使う「九字」とかを、「武術には何の実用性もない」のに、
取り込んで、「アメリカンメディテーション」みたいな「面妖なもの」を
作っている人もいるという点です。

だいたい、日本の武術家で、九字なんか斬ったり印を結ぶ人なんか
いませんし、
だいたい、ご本家の日本の忍術継承者すらも、
日常的にそんなことをしていませんよ。

それをするのは、本来は、真言宗の僧侶です。
彼らは九字どころか、100近くもある印を結び、真言を唱えます。

しかも、その上さらに困った問題は、
密教は英語で、エソテリックブッディズムにされているが、
これは、完全な「誤訳」です。

現実には、それは「ヒンズー教」または日本のシャーマニズムである。
つまり仏教という言葉の使用がここでは全く間違っているのである。


西洋で知られている「秘教的仏教」というものは、
正しくは「真言密教」や修験道という分野のものだ。

それは多くの呪文を持つ。
多くの護符を持つ。
多くの指の形を持つ。
またサンスクリット文字(凡字)も使う。

それはまるで東洋の「カバラ」とすら言える。
それは非常に魔術的で、現世利益の要素か強い。

従って、それは全く「ブッダの説いた仏教」とは根本的に異なる。



●また次の点も、どうか誤解をしないように。

忍術と九字は「元来は」関係ありません。
歴史的には、日本の山岳信仰と武術が混合した結果、
忍術の中に九字があるようだが、
しかし現実にはほとんど使うことはない。

また「仏教と九字」も関係ない。

「瞑想と九字」も関係ない。

九字というものは、強いて言うならば、
清めの儀式で使う魔除けのようなものだ。

また印の形は、全てインドのヨーガから発生している。
それは「指のヨーガ」だと言うことが出来る。


■そもそも、
自分に利益が帰ってくる事を期待し、
そして(神仏)に頼るのは、全て「利己主義」である。
つまり、ご利益主義というやつです。

これらは、結局は、あなた自身が臆病だから行うことである。

また他者の為と言いながら自分の為に行う行為も同じである。

だから九字を斬るよりも、
純粋に自分の好きな武術の稽古をした方がいい。


■しかしもっと良いのは、「座って自分を分析することである」
なぜならば我々は自分に利益のあるように見える分野に興味が分散する。

その結果、実際には使い道のない知識だけが、
貴方の頭の中にゴミのようにたまる。

そして正しく分類しないままに学び、
自分の本当の目的を見失う人が多くいる。



●世の中には「良い混合」と「悪い混合」がある。

それは「料理」によく似ている。


>良い混合は「両方の味の良さを生かす結果」を生む。
>しかし悪い混合は、「両方の味を殺してしまう」。

私の意見では、
同じことが欧米の武術と日本の武術や文化の合成によって起きている。

「それを面白そうに思うから何かを混合する」という姿勢は良くない。

なぜならば、それぞれの技や文化には生まれた歴史と背景がある。

正しく混合された「武術の味」は美味しい料理だ。
しかし間違った混合は、まずい料理だ。


私によれば、「良い混合」の定義はこうなる。

「混合された全ての部品が有機的な作用をする」

「そして、はっきりとした現実的な効果のある要素以外のものを
　不注意に混合しないこと」


【愚かな論議】


●たとえば、一例として、
剣道、居合い、剣術、3つのジャンルが仲が悪かった場合の話。

この人達が互いに陰口を使って批判しているとする(仮に、の話である)。

これら3つは同じように剣を使う分野だ。
しかし、この3つは生まれた時期が違うし、生まれた背景が異なる。

もしも、これら3つがお互いに自分のスタンスを明確にしていれば、
いがみ合いは生じない。

しかし、試合におけるルールや目的がお互いに違うという事を
彼らは忘れている。
そのせいで、「論理的でない中傷」がお互いに起きている。

ルールや伝統が互いに異なるジャンルであるにもかかわらず、
互いに、卑怯な陰口を言うのである。

>これと似た「論争」が、
>実戦武術、競技武術、演技武術、伝統武術、
>これら四つの間に起きるのである。


■しかしそれらは全て異なる目的であるべきものだ。
競技に勝つための武術は実戦とは違う。

また実戦で使う技を競技で使ったら罰則を受ける。

しかしこれらは、どれが正しいのでもなく、
どれが間違っているのでもない。

「それぞれの分野」には「それぞれの目的」があるからだ。


●つまり、武術というジャンルは、
>いろいろな歪んだヒーロー願望を、
>「ミックスジュース」のようにしてしまう弊害がある。
そこに武術家たちの頭の混乱の原因がある。


>●何かの物事の価値を語るときには、
>私達は「前提条件と基準」を明確にする必要がある。

しかしそうした論議が可能な武術の人は僅かしかいない。

日本のほとんどの武術の先生は不当に社会で高く評価されている。
実際には武術以外の場になると、
彼らは「とても馬鹿な人間」である場合が多いように私には思えた。


●むろん「伝統を守る人々」は必要である。
私は彼らを尊重している。

伝統の継承というものは、
「それが生まれた国に生きている人」によって行われるだろう。
私達が西洋の文化と心を守れないのと同じように、
欧米の人が東洋の文化と心を守ることは出来ない。


●ただし日本には大きな問題がある。
たぶん世界でも同じことが発生している。

それは「伝統」という「看板」を人々に示しているが、
伝統に「自分の創作」を加えた人達だ。
彼らは、伝統に対する卑劣な「冒涜者」だ。

私はそういう日本の「自称武術家」を、数人知っている。

もし伝統の技に自分の何かを混ぜたら、
その時点で彼は「それが自分の作った技である事」を人々に言うべきでる。

しかし彼らは、それが「昔から存在した伝統なんだ」と嘘をつく。

彼らには、「伝統名」や「伝統流派名」を名乗る資格は全くない。



***********************************************************



■基本である
「九字の解き方」すらも、やっていない人達■

・注意-1

絶対に人間に対して行わない
絶対にこれは人体の治療には使えｦない。
これを切って良い対象とは、肉体のない霊的な敵のみである。
またはその場の悪い「気配」などに対して。

・注意-2

切った後に呪文によって必ず「解く」

・注意-3

呪文はコンピューターのコマンドと同じである。
少しでも手順を間違えると効力がありません。

もしも日本語が分かる人は、必ず資料を読んでください。

http://www.mumyouan.com/k/?T3818

分からない時には正式な僧侶に聞いてください。


大切なことは、九字を切ったまま放置してはいけない。
必要がなくなったら必ず呪文を解くこと。


音節は次の音を3回言う。

オンキリキャラハラフタランバソツソワカ

そして最後に言う

オンバザラドシャコク

決して、斬りっぱなしにしないこと。
九字を斬ったままにするということは、
それはまるで鞘から抜いたままに刀を、
その場に置きっぱなしにするのと同じように危険なことである。

それは不必要に、「場」の霊気を乱す結果となる。


●また一般的に使われる九字は

「臨兵闘者皆陣裂在前」であるが、

真言宗では「臨兵闘者皆陣【烈】在前」。

又、天台宗では「臨兵闘者皆陣【列】前行」と唱える。

また、九字の法を唱え最後に一字加えたのが10字の法。
加える字は目的に応じて違う。


余談だが、中国の九字は次のようになる。
「青龍・百虎・朱雀・玄武・空珍・南儒・北斗・三態・玉如」

********************************************************


___________ごたまぜにすると、「病気」になる_________________


■重要な要点は、次です。

世界中にはいろいろな神秘学の体系がある。

ただしそれらはその土地の文化の内部に制限される。
つまり、日本で生まれた呪文は中国や欧米の土地で効果がない。
欧米の土地では、西洋の神秘主義の呪文が効力がある。


そして絶対にやってはいけないことは次のこと。

二つの異なる文化の神秘学を同時に行なわないほうがいい。

それは「2種類の抗生物質」を飲むのに似ている。

それは、危険である。あなたは体を壊すだろう。


たとえば、
もしも私が北アメリカにいたら、
私はアメリカの原住民の呪文を使うだろう。

もしも私は南米にいたら、南米の呪文を使うだろう。

つまり、呪文に力をバックアップしているのは土地の霊たちである。
_____________


アメリカで日本や中国の呪文を使うことには全く意味が無い。
アメリカではむしろヨーロッパの文化で生まれた呪文や図形や発音を
使うほうが効果的だ。

しかしもしもあなたが日本にいたら、日本の呪文は役に立つ。

これらは私の実体験による結論である。

つまり特定の文化の中で生まれた神秘体系は普遍性を持たない。


むろんあなたがインドのヨーガをやったり、
東洋の瞑想をするのは問題はない。


ただし、その中で使っても意味が無いものは次のものである。
その国の文化に固有のもの。

「文字、発音、真言、マントラ、幾何学図形、数の神秘学、
　色の神秘学、生命の樹」

これらは正しい儀式によってしか作動しないコンピューターシステムに
酷似している。



●今回の話の要点とは、
人間が作った国境ではない「境界線」が地球上にあるという事実です。

例えば、日本で幽霊や悪霊が出た場合に、
聖水や十字架は無力である。

逆に、アメリカで出現した幽霊に対しては東洋の呪文は効果がない。

これらの「精神世界の境界線」を日本では「結界」と呼ぶ。

あなたたち西洋の文化の中には、レイラインの概念があると思う。
全く同じではないが、少し似ている。


■ちなみに、これは九字の一般的な概要について
↓



______________________________________________________________

★ . 　　

●忘年会シーズンなので、「馬鹿馬鹿しい宴会芸」でもやってみました。
ちなみに、以前から、ミリタリーショップには、
四隅に金属の刃のついたカードなども売っているのですが、
これは、ただの紙のカードです。

カードでも武器になるんだとか言い出す、
アホウ満開連中も(特に軽量剣主義者には)未だにいるようですが、

初見氏のように、「名刺」を束にして相手の視界を遮るように、
ばら撒いて相手のスキを誘う、という本来の方法でもないかぎりは、
たとえキュウリが切断できたとしても、
全くこんなものは何の役にも立ちません。

私個人はポーカーサイズのカードでしたら、最大で15mの距離から
フリスビーのように投げて発砲スチロールならば刺すことは出来ますが、
ただし、顔面に、確実に90%の確率で、命中できる距離は3間までです。

このカード投げは、コントロールが難しいからです。
また、本来、これはキュウリを切断しない失格なのですが、
どうも妙に固いキューリであったことと、
プレイングカードが、かなり使い古したものだったので、
エッジがの鋭さがなくなっていて、切れが悪かったようです。
(こんなことに、使うにはあまりにももったいなくて、
　新品のカードなどを、とても使う気になれませんのでね)


そんなわけで、何の役にも立たない芸ですが、
カード投げ、座蒲団回しなど、しょーもない宴会芸をご覧ください。





____________________________________________________________

http://geocities.yahoo.co.jp/gl/phantom1868/

↑
さて、市村氏より、「二刀流と手裏剣術」をテーマとした考察が
アップされていますので、ぜひ、ご参照ください。


■つくづく思うのは、こうした冷静な考察を出来る人というのは
希であるということと、
こうした作業は、やはり、私達日本人でないと出来ないだろう、
と思うということです。

確かに、検証主義とか合理主義では、欧米の人の方が一枚上手なのですが、
ナショジオとかディスカバーリーがたとえ企画を組んでも、
ここまで突っ込んだ歴史的検証は決して出来ないでしょうし。


●市村氏は、「戦術の原型を探って、それを再現または、展開する」という
方向性で研究をしていますので、
「直打法研究」というテーマだけに絞り込んだ私とは異なる部分もあるのですが、

交流をしてからは、より戦略的な手裏剣術というものにも私は大きな
興味を持つようになりました。

ただし戦術というものは、何でもそうですが、
実戦想定になるほどに、その結果として、
必ず技の種類が削り落とされてゆきます。

●その点では、基本的な方向性は違うのですが、
その制限こそが、またひとつの研究課題として、
私には非常に関心が持てるのです。


そして、総合的な投剣術だけに関心のある私個人の場合には、
自分に突きつけられている課題というものは、
剣術その他の武器と、どう併用するかではないものになっています。

★歴史的な検証の部分は、市村氏が独自に、
「失われた技の復活」への研究を推進してゆくこととなると思います。


一方で、私の場合には、歴史的検証とは別に、
果たして「投剣だけ」でどこまで出来るか?、それとも不可能か?、
という「戦闘の現実」とは「少し遊離した課題」になってゆくと思います。


市村氏の記述によりますと、薙刀の武友の方との稽古の予定もあるようですから、
ぜひまた、レポートを楽しみにしております。


____________________________________________________________


●余談ですが,,,,,,,,,

考えてみれば、日本国内ですらも、
ただ手裏剣を投げただけで、即座に忍術と間違われるわけですから、

海外の人が見たら、
投げているものが棒手裏剣、事実上は彼ら欧米のナイフであっても、
投げて刺したとたんに、忍術と間違われてしまうのは、
いたしかたないことでしょうね。


●「私の研究分野は、
　　今後、世界でスポーツ化、あるいは娯楽化するための、
　　総合的なノースピン・スローイングの体系です」

ということを外人さんに説得するまでに、3ヶ月もかかりました。(笑)



■面白いもので、人間というのは、時や学習を重ねるうちに、
最後には、「自分の原点に還ってゆく」のは確かなようです。

私も想えば、「事の最初」は、
ナイフスローイングから始ったものでした。


●そして、全くの手探りでの、棒手裏剣の経験を、約6年間経て、
その原点であった、ナイフスローイングの世界に、
これから私は戻ろうとしているのだと思います。


子供のときに、アメリカに数年間住んでいて、
日本人学校ではなくて、当時のアメリカの学校にいたものですから、
ここへ来て、海外の人と交流するというのもなんだか、
少しばかり、「縁」というものを感じます。


そして、棒手裏剣というものは、
あくまでも、ナイフよりも直打で投げるのが簡単である、
重心理論を学ぶのに良い素材であるということなものですから、
私は、彼らの文化の中にある、ナイフこそを投げるように、
いつも強調しています。

ですから、そのうち、スローイングナイフだけではなく、
ラルフ氏のように、
「西洋の刀剣類」を投げる人が必ず出てくると思います。

既に、台湾の老師などは、
1キロ以上もある「中国剣」を投げていますから。


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★ . 　　

>12/15-16:40 文末に最古の武術とも言われることのあるインド武術の映像を
>リンクしました。


【雪の上での打剣】

新雪だったので、それほど滑ることもなかったのですが、
これが翌日の朝になると、すべて氷になります。
そうなるとスパイクシューズが必要になるか、
さもなければ、
もう修業だと諦めて、足の重心移動の訓練にするしかありません。

っていうか、。。。

雪の上で、雪駄を履いて無理やり打剣しようとする私が、
単に馬鹿なだけなんですけどね _(e^)_。









【後ろ重心の剣は前傾発射が可能です】


■ちなみに、剣が手離れする時に、垂直から35度以上の前傾姿勢で
発射しても、軌道の途中でも直進し続ける時間が長いのは、
「後ろ重心の剣」のみです。

なぜそのように飛行するのかは、ごく簡単な物理の原理によります。

具体的には、全長の10%以上、剣の中央部から後ろの位置に
重心のある剣ですから、
香取神道流の剣でも、まだまだ後ろの重心が足りません。


■ただし、以前にも、松の間で何度も釘を刺したように、
現存するほとんどの流派の剣は、

いかなる「長短の距離」であっても、
飛距離の、早ければ約半分の位置、「遅くとも標的の手前約三分の一」から
刺中可能な姿勢にあるということが、
以前に撮影した結果分かりましたので、

特に、無理をして前傾姿勢で剣を発射することには、
あまり意味がありません。


●それよりも、今回の動画で重要なことは、
指を添えて重心を押さえる、あるいは、
その他の指先の微細な操作が、やりずらい手袋などを装着した場合には、

ラルフ氏の投法のような、指の神経が少し麻痺していても投擲が可能な
打法を使えるということです。


●今回は軍手という、比較的簡単な手袋でしたが、
キッチン用の手袋(電子レンジから皿を出すときに使うあれ)だと、
少し難しくなります。
また皮や合皮の手袋の中には、極端に摩擦が大きいものもあります。
軍手よりも、もっとモコモコの、毛糸の手袋で次回はやってみようと思います。


●なお、「極端な後ろ重心の剣」を使用すると、
剣は前傾した状態で手離れてそのまま比較的長く飛行します。

ただし、投げ方に少しコツがあり、
日本の一般的な手裏剣のように投げても
「せっかくの後ろ重心」の剣も、普通のように前方への回転を起こしてしまいます。


●ラルフ氏のDVDを持っている方は、
彼が、草原でオーバーハンドから中間距離(推定6間から7間)を投げている
スローモーションの映像をコマ送りにして見ると良いです。

中間の距離を投げているにも関わらず、
彼の手から剣が離れるときに、それは垂直ではなく、
垂直よりも前に傾いて発射されています。


■なお、画像は撮らなかったのですが、ちょっとやってみたところ、
表面が氷状に凍結していかぎりは、雪の上からでも直打で9間は届くと思います。

_______________________________________________________________


■最古のインドの武術が、達磨を通じて少林寺に伝わった、
という、ディスカバリーチャンネルのレポートです。

これを見ると、仏教でも、ヒンズー教でも、武術でも、数学のゼロでも、
なんでもかんでも、インドに発生しているというふうにも
見えてきますね。

http://jp.youtube.com/watch?v=Yy9ih-g0aTE

http://jp.youtube.com/watch?v=rIR138ceCck


■それと、You-tubeの武術の動画を広く掲載している
ちょっと便利なブログを見つけました。
ちらほらと、関心のある分野をメニューから探してみるといいです。
↓
http://budo.blog81.fc2.com/


_____________________________________________________________

★ . 　　

>文末に、無冥流の理論と剣で、上達していったアメリカの青年の
>動画を追加しました。



■年内最後の手裏剣講座は、35センチを超えるような長い剣の場合に、
どうやって重心位置を調整するかという方法です。





■次の動画は、既成事実の「おさらい」ですが、
剣は全体の距離の三分の二の位置で、既に刺中可能な姿勢に
なっているということの「復習」のためのものです。

原動画は秒間30フレームだったのですが、
ファイルがでかすぎたので、ここでは20フレームに落としています。
それでも、一時停止をしながらご覧になりますと、
空中での剣の姿勢変化が、はっきりと見えると思います。






__________________________________________________________


●さて、今年は実に面白い年でした。

「分銅鎖は時速200キロを超えている!」の「デマ」が出たり、
「手裏剣の速度は、体感100キロオーバーだぁ!」とかの「大嘘つき」が出たり、

その挙句には、刑事訴訟の一歩手前まで、手続きが進んだりと、
面白いといえば、大変に面白い年でした。

結果として、当初は全く予想もしなかったようなポストにいる
警察関係者や、監査機関の人たちに知り合えたりもして、面白かったです。

そしてまた、あいがわらず狂った人間による事件が起きた結果、
野放しになっている「猟銃」の取り締まりの強化もされるようで、
何よりです。



●来年がどのような年になるかという予測は、
竹の間で毎年恒例で、やっておりまして、
8割がた、いつもだいたいの概略は的中していますので、
関心のある方だけ、参照ください。

まだ今回の予測は詳しくは、竹の間には、書いていませんが、
一言に言えば、「セパレートの年になります」。

余計なものを自分から完全に分離する年が平成20年です。

タロットカードの「最後の審判」と呼応する面がありますので、
それこそ、江原氏が言っていたように、
全員が、痛みの中に放り込まれた上での「膿み出し」の年になります。

ただし、今年の秋までに既に、自分の膿を自覚的に出す事の出来た人は、
一般の人よりは、ゆるやかな変化になります。

全く自分自身の問題に何も清算をしてこなかった人達が、
予測外の膿の破裂を起こします。

もっとも膿というもものは、出ないより出た方がよっぽどマシですが。


ということで、


来年も、
松の間の話題に関心のある人は、
どうぞ、よろしくお願いいたします。


　　　　　　　　　★★★★　★★★★


********* ********* ********* ********* ********* *********


■なお、年末に、忍術に関する書籍を4冊ほど買い込みまして、
ただ今、勉強中(というより、それらの情報を考察中)です。
歴史的考察がしっかりしている本だけをなるべく選びました。


今のところ読み込んだ限りでは、
伊賀、甲賀が原点となるのは確かなようである。


______________________________________________________________


次の動画は、まだ「本格的には」手裏剣を始めてから、2ヶ月程度の人です。
練習量も、多くても週に2日程度の人です。


●たまげたのは、1ヶ月前までは、2間半程度の飛距離だったのに、
たったの一ヶ月(実質的には1週間だったのですが)で、
10メートル(約5間半)に距離が伸びていたことです。
しかも、無冥流の穴空きの剣でです。

■たびたび、「武術考察」をリンクさせていただいている
市村氏の場合も、おそらくは一般的な手裏剣術の飛距離の成長速度から
すれば、相当に早い速度で6間まで到達したと思います。

何しろ、当の私自身が、暗中模索の中で、
独自に試行錯誤をしていた時期には、
5間の壁から抜け出すのに、約1年もかかってしまいましたから。





　　　　　　　　　　　　　　■●■


むろん、飛距離を伸ばすこと「それ自体」には戦略的な意味はありません。
しかし、私が飛距離を最低でも7間までは伸ばすように言う最大の理由は、
「剣と身体の一体性」を感じることが重要だからです。

それ以上の8間から10間は、私のように、単に個人的に興味のある人が
ひとつの遊びとしてやればいい分野です。


■しかし最低でも7間を目指す理由は、剣速の個人差にもよりますが、
剣が飛行している間に、人間が「その剣と意識の一体感」を感じ取れる
距離というのが、おおむね5間から7間ぐらいの間だからです。

それよりも近いと、武術的には大きな意義が出てくるのですが、
無冥流の「学習感覚」としては意味がないのです。


■また再三言いますように、
自分の最大飛距離の約半分の距離というのが、
その人の実質上の「有効射程距離」と考えていいです。

たとえば、6間での刺中率と規定の命中率が7割の人がいたら、
3間が実戦でその人が発揮できる能力の距離です。
(市村氏と対戦シュミレーションをした結果、この数値は、
欲目で見ないで、少し少なく見積もっていたほうがいいと結論しました。)


■今年、市村氏を初めとして、また海外の方と接してみて、
「重心を指で押さえる」「無滑走二点打法」という基本法が、
距離を伸ばす意味でも、
また、初めて手にしたような、いろいろな剣に即時的に対応出来る方法
として有効であることが、
私以外の他者によって、確認が出来たことは大きな収穫でした。

最初に剣の「重心位置を捉える感覚」を身につけると、
あとは、かなり短い剣や、長い剣を持ってもその部分が共通法則ですから、
適応能力が非常に速いです。


一例として、市村氏が私のところを訪問されたときに、
大きめのナイフや、今回の動画で使用した短刀を投げていただいたのですが、
市村氏がはじめて手にした「初打」で、剣が4間ほどから
なんなく刺さって行くのを見たときには、ちょっと嬉しかったです。


というのも、以前に別の某流派の人とも接したことがあるのですが、
その人は、剣が変わると、
素人なみに、全く打剣がダメになる人でしたから。

なにしろ、滑走打法やスナップ打法の最大の欠点は、
練習なしに、初めて手にする日用品を初打で、刺中できないことです。

むろん、無冥流でも初打刺中率は、100%ではないですが、かなり高いです。

実際、私自身が、今まで、何名かの他流派から戴いた剣のほとんどを、
手にして、すぐに初打で4間〜5間から刺すことが出来ていましたので。


■他流の批判ということではなくて、
あくまでも、「体系の目指す目的が違う」という前提で言いますと、
無冥流では、

>1-まず飛距離を伸ばすこと。

>2-そのために、重心の感覚を捉えて、
>　なるべく無滑走二点打法で、少スナップで投げること。

>3-剣と自分の身体感覚とを、徹底して「仲良く」させること。

>4-剣に、最初から不要な暴力的な力や、支配力を与えてはならない。
>　力は、必要と感じたら「あとから」自分の判断する必要に応じてつければいい。


■私自身のこれまでの経緯を自分で振り返りますと、
私の打剣モーションというのは、数年前までは、
かなり無駄が多かったといえます。

しかしその無駄が少なくなった原因は、
手裏剣にあると称する型や、
大切なのはフォームだなどという理屈や訓練によってではありません。


私がとにかく目指したのは、10間投げでした。
それを達成するためには、打剣フォームなどどうでも良かったのです。


しかしその大きなモーションで10間を投げているうちに、
自然に、それよりも近距離での打剣のときに、
大きなモーションが、少しずつ無駄が取れていったという、
単なる「自然学習」だったのです。


その点で、私の学習法というものは、
無理に、これが手裏剣のあるべき打剣フォームだというような
古いやり方を押し付けるのではなくて、

まずは距離を出そうとすることで、本人なりの身体能力の各部が
大きなモーションの中で、いろいろな複合的な機能をして、

それに慣れるに従って、その複合的な動きを、
近距離の時には、単にそのまま少し縮小するだけで良いということです。


■逆に、最初から型にはめたフォームで投げさせられてしまう人は、
距離が伸びてゆくに従って、いちいち、遠投用に部分的に打剣フォームの
一部を変更する必要が出てきてしまいます。


しかし、私が稽古をする各自の人に言うのは、
「重心理論を正しく把握することだけ」です。


打剣フォームというものは、「人の数だけ存在」します。

その人に独自の個性的な動きというものを、「癖」をも含めて、
それを規定の形に押さえ込むのではなくて、
まず全開に開放させるために、あえて、最初から長距離を投げさせます。

そしてあとは、その人が自分独自の体の動きを損なうことなく、
単に、距離を縮めたときに、それをそのまま小さな動きにするだけで
良いのです。


日本の古武術では決して認めようとしない、
この「その人の個性的な身体の動きを、最大に伸ばすフリースタイル」を
私は奨励していますので、

今後、海外の人達は、私達日本人が思いもつかなかったような、
角度からの投げ、投げ方そのもの、
そして彼らが投げやすい「新しい剣それ自体」を創作してゆくと思います。


■なお、今年一年の「手裏剣術講座」について、
ご感想がありましたら、お気軽にお寄せください。
今後の研究材料の一部とさせて戴きます。


hakaboo@mail.goo.ne.jp


■ただし、ご本名、氏名、年齢を必ず明記のこと。



　　　　　　　　　■■■■　★　■■■■

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