迷惑かけて　ありがとう　の怪


●天音さんのブログに、少し出てきましたが、こういうやりとりでした。



>>前半省略


「めいわく　かけて　ありがとう」

って、

風 吹いて　葉っぱ舞う

とか、

雨　降って　水たまり

とかと同じですか？


>かなり　違います。

>それでは、別の２例のマネです。
>自然をそのまま言うならば、誰でもできます。

>タコさんが、もっとすごいのは、
>人を題材にしている点です。


崩残様へ

ぬ〜。
結構自信あったのに。

返信ありがとうございました。

わかんなくて気持ち悪いけど、
全然わかんないので、

また考えて出直します。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「解説」

考えたら、ダメなんですよ。

Ａｂｙさんは、「迷惑かけてありがとう」を実際に連呼してみた感想を
送ってくれましたが、なんだかなー、という感じでした。


天音さんは、考えて、「何を」分かろうとしているのか、わかりませんが、

クイズを解くような感覚で取り組むと、
大昔、竹の間掲示板でやった、禅問答に対する、
沢山の、トンチンカンな回答者たちのようになってしまいます。


そもそも、これは「実存的」な言葉であって、クイズではありません。


私がたまたま、芭蕉の句と、良寛の句と「同じ香りがある」と書いたものだから、
ほとんどの読者の人たちは、天音さんと同じことを、すぐさま、
うっかり考えてしまったはずです。

「あー、人がいない自然現象とか、無我の意味とかなんだろう」と。


これが、思考や観念に囚われた人が、いつもいつも、やってしまうことです。

しかし、やってしまっても構いません。
今、皆さんは自我復元をしているのですから、それでいいのです。




しかし、一方で、私は言っています。

>タコさんが、もっとすごいのは、人を題材にしている点です。


タコ八郎が使った単語は、すべて、人間に固有のものであって、
自然描写でもなく、自然を表す単語でもありません。


そこで、「迷惑かけて　ありがとう」の構造をよく理解した上で、
「同じ構造」になるような言葉を作り出そうとすると、
これが非常に難しいのです。



●天音さんが、
もしも本気で頭を使って「考えて」答えを出したいならば、
意味を解釈したり、こじつけようとする前に、
言葉の「構造」を理解しないとなりません。


前回の投稿に書き記したように、
これは日本語としてはあり得ないものなのです



そこで、では、それが、どれぐらい「あり得ないか」を説明します。



●「迷惑かけてありがとう」これを、
「逆に」ひっくり返した反対の言葉を創作しようとすると、
こうなります。


『大金渡して、ごめんなさい』

『命を助けて、ごめんなさい』

しかし、このいずれも、意味が通ってしまいます。

一番目は、大金を渡したせいで、相手が人生を踏み外した場合です。

二番目は、誰かの命を助けた場合に、他の人が死んでしまったり、
または、助けた相手の人が、実は、死にたいと思っていたのだったり、
死んだほうがずっと良かったのだと思っていたら、
「ごめんなさい」は、成立します。


では、なんとかして、
タコさんの「迷惑かけて　ありがとう」と、
「言語的な骨組み」が類似する「構造」の言葉を作り出そうとすると、
こうなります。


『心配かけて　ほっとした』


「心配」と「安心」、という全く対立した二つの言葉ですから、
一見すると、これは、ありそうもないこと、あり得ないことに見えます


しかし、これも、

「付き合っている異性に、わざとカマかけて、心配させたらば、
　私のことを心配してくれた、ちゃんと、私の事を思っていてくれていたので
　だから、・・・・ほっとした」

という流れの解釈が成立してしまうのです。



●そこで、めいっぱい、タコさんが言ったのと同じぐらいに、
不条理な日本語を作ろうとすると、




『足手まといで　ありがとう』

『心配かけて　ありがとう』


などになります。


つまり・・・・


そもそも、これほどに、「ありえない」日本語を作った、
という、そこが凄いところなのです。


しかも、これには、芭蕉の句も、良寛の句も、そこらの半端な禅語も、
ほとんど太刀打ちが、できません。


無為自然に起きることを、主語なく描写することなど子供にでもできます。


ところが、タコさんは、自然物の名前ではなく、
「人間にのみ固有の」
「迷惑かける」と「ありがとう」を不条理に組みあわせたのです。


既に言いましたように、
自然のことを自然の言葉で言うなら、誰だってできます。


しかしタコさんは、
極めて人間臭く、
いうなれば、「人間の曲がった心」が生み出す、
「迷惑がる心」と「ありがたがる心」によって、

実は、それでもなお「自然現象」を詠っている、という点なのです。


だから、言語的な構造だけを、なんとか模倣しようとすると、
私ですら、
「足手まといで、ありがとう」や「心配かけて　ありがとう」ぐらいしか、
ひねり出せないのです。



●これは、クイズではないし、言語学上の難問でもなく、

生き生きとした、不条理な言葉であり、

それが描き出しているものは、
「道（タオ）であり法(ダルマ)」なのです。


いうなれば、

肥溜めで悪臭を放っている大小便の塊から、
世にも美しく、不思議な香りのする花を、
一輪作り出した、かのようなものです。



だから、無理をして、わからなくていいです。


この言葉は、

あり得ない言葉であり、

不条理な言葉であり、

奇跡のような言葉であり、


決して、汚してはならない言葉なのです。




　　　





・ちなみに、この「めいわくかけて　ありがとう」は、
タコさんが普段から舞台でも言っていたものであり、
「臨終の際の言葉」ではありません。


もしも、意識が朦朧としている中で言ったのだとしたら、

「迷惑かけて・・
　・・ごめん・・・今まで・・いろいろしてくれて
　・・ありがとう」

の真ん中が、上手く言えず、「モニャ　モニャ　モニャ」になってしまい、
それを聞いた人が、真ん中を省いて「めいわくかけて　　ありがとう」
と、聞き間違えた、という推測も成立します。


しかし、この言葉は、タコさんの、普段からの座右の銘だったのです。





　　　　　　　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊




禅問答の世界


俳句が出てきたついでと言ってはなんですが、
そんなに、クイズがお好きでしたら、
ひとつ、書いておくので、解いてください。


回答を見ないで解きたい人は、【回答はこの↓下】以後から、画面を
スクロールしないで、がんばってください。



>和尚が、弟子に言った。


　"古池や　蛙飛び込む　水の音"

　という俳句は、お前でも、知っとるやろ？

　どういう意味だとかは、まー、置いておいてだ。


　はて、その水の音は、






　どんな音や？





弟子は、答えた。




　　　　　　　　　　【回答はこの↓下】


















































　　　　　【ガッツがあるなら、この下、見るな】



　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


















弟子は言った。



アンタが、ごたごた　言うから、聴こえへん！



　　　　　　↑
これは関西弁（京都弁や大阪弁）の「アクセント」で読まないと、味わいがありません。
　　　　






・野暮すぎる注釈・


「せっかく、私が、その水の音を聴いていた境地にいたのに、

　あんたが、御託をならべるから、

　やかましくて、聞き取れないじゃないか」


という意味。


あっさりと、和尚を撃沈である。





＊＊＊＊＊＊＊＊＊


ただし、これに対して、



「それは、（水の音が聴こえないのは、お前の心の乱れのせいで）、
　ワシのせいではないが」


と和尚が反撃することも可能である。





この場合には、

それを聞いた弟子は、

こう鳴き始めるのである。




　　『チ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜　チチチ　　チ〜〜〜〜』　　　(注・１)




これでオチがついて、

和尚に呼び出されてしまった芭蕉も、成仏できたというもの。




禅僧の心境にあっては、
万事は、「無音の静」ということである。



俳句には　俳句で　やり返せばよい。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



●さて、川柳や俳句といえば、



献血を　　し過ぎて貧血　　輸血する



といった、血だらけの、自爆川柳などもある。




あ、そうそう・・・もうひとつ、思いついた。







ニャオー　　ニャウー　　ニャオー〜



家猫に　　なりたい外猫　　どこの猫











なんとなく、風情があり、情景が浮かぶような句である。




しかし、これが、







ニャオー　　ニャウー　　ニャオー〜



家猫に　　なりたい外猫　　外の猫









となると、哀れさが漂ってくるのである。

外猫は、家猫になりたくてもなれない、というその現実が、
悲しさを漂わせるのである。





そして、




ニャオー　　ニャウー　　ニャオー！！〜　　=("ω")=





家猫に　　なりたい外猫　　うちの猫










こらー！！　捨てたの　お前かぁ！　



と、一転して、漫才になってしまうのである。




だから、日本語というのは、面白い。








（注・１）

昭和初期、ある論争が起こった。

芭蕉の句の蝉の種類が何か？ということである。
アブラゼミか、ニイニイゼミかという論争だ。

歌人・斎藤茂吉は、「やかましく鳴くアブラゼミだ」と言い、
漱石門下の評論家・小宮豊隆は、
「いや絶対にチーチーと、か弱く鳴くニイニイゼミだ」と主張し、
それが２年越しの論争になった。

しょうがないので、調査が行われた。

すると、芭蕉が山寺を訪れた７月にはニイニイゼミしかおらず、
茂吉の完敗だった。強情で知られる茂吉が珍しく素直に負けを認めたという。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊

★ . 　　

>１０／１８　６：００　本文中と文末に少し加筆しました。



毒人間はなぜ製造されるか


●何も毒親にかぎらず、毒人間ということについて説明します。


どうしてその毒親、毒人間が生まれて育ってしまうのかについて、
もっとも分かりやすいのが、少し前に紹介した「Ｓ０２０さん」の
内面の状態の描写報告です。


そして、私は、同じ毒の基礎を、
マディアさんの父親、お姫ちゃんの父親、天音さんの母親、
その他、沢山の人たちの両親の中に共通項を見ていますし、
おめめさんの母親もそうですし、Ａｂｙさんの父親もそうです。


どの毒親の本心からも、聴こえてくるものは、すべて「同じ」です。

それは、

『お前らは、私の存在意義を認めろ！』
『お前らは、私の必要性を認めろ』
『お前らは、一生私を必要としろ』
『お前らに、私の必要性を認めさせてやる』


これのみです。


●自分で、自分の存在証明や自分の存在肯定に失敗した者は、
他人や、妻や、夫や、子供を使って、
自分が生きている価値を、相手に押し付けて、
あるいは相手に同意を強要して、自らの中の不安から逃げようとします。

これが毒親や、毒人間たちの「基礎」にあるために、


Ａｂｙさんの毒父親のように、犯罪的な洗脳で、まんまと子供を
ハメた場合には、キャバクラで、

>>「だーれが、そんなに出来の良い息子を育てたのでちょーーー？、
>>はーい、このボクちゃんでーす」

とアホ面さげて、女の子たちに自慢しているのでしょうし、


おめめさんの母親などは、

>>「この子は、私の人生が不幸ではなかったということの証明に使ってやる」

と思っているでしょう。



子供の調教にある程度成功したと思っている親の場合には、

>>「どうだ、子供は、オレの存在する意味を理解し、俺に感謝すべきだ。
>>そして、そんな親である私を、私の周囲の人間も認めろ」

と心の中でわめいている。



一方で、子供の調教に失敗したと思っている親、
あるいは、子供の調教に難儀しそうだと焦った親は、
子供に暴力をふるい、

>>「誰の金だ、誰のおかげでここで暮らしていられると思っていやがる」

と主張し、

その恫喝から必死に子供を守ろうと母親がすると、その妻にも暴力をふり、

>>「お前はオレではなく、子供に味方するのか？」とつっかかります。



ある読者の女性の旦那の場合には、

>>「オレがこんなふうになったのは、オレを認めない社会のせいだ」

と、妻にわめき散らして、その結果、妻が家を出てゆくと、

「見捨てるのか」と泣きつき、「いうとおりにするから」とすがり、
ほどなくすると、また妻に暴力をふるいます。



■パターンとしては、

子供や妻の洗脳に成功したと思っている毒父親は、
「説教、格言、自慢」が多く目立ち、

「耳当たりのいい、道徳じみた、薄っぺらな言葉」を口癖のように言います。


一方で、子供や伴侶を洗脳できないかもしれないと危機感を持つと、
レベルを落として、

「暴力、脅迫、恫喝、暴言」などで、妻や子供に恐怖を植えつけようとします。


しかし、それを受けて、毒母親も、自分の身を守るために、
自分の子供を守る事よりも、夫におもねる行動を取ることがほとんどです。


そうして、子供は、両親のどちらからも裏切られたことに失意し、
時には、「祖父母や親類の人」に愛されることもあるのですが、
そもそも、その子供が本当に欲しかったのは、
祖父母や親類ではなく、「自分の親（特に母親）」からの安心感と加護です。



■しかし、毒人間というものは、

相手が、子供であろうが、妻であろが、夫であろうが、社会であろうが、

自分が存在していることに価値があるのかないのかを、
他人を自分の奴隷やペットにすることでしか証明ができない人のことを
言います。



■親の金で大学に進学する、ぼんくら学生を相手に、いきまいていないと、
貧困や差別（と思い込んだ）環境の中で努力した自分の存在意義や、努力の価値を、
証明できないといった、戦車さんの少し前の状態も、それに被ります。


だいたい、そもそも、
「親の金で大学に行ったら、ぼんくら学生になる」とか、
「金銭的に恵まれた家庭で育ち、大学へ進学した奴は、皆ぼんくら」

などという屁理屈は、私は聞いたことがありません。

それでしたら、おそらくは、この掲示板の読者や、自我復元ブログの
ほとんどの人たちは、私も含めて、戦車さんから、
「ぼんくら扱い」されるている、ということになります。

しかし事実は、逆です。むしろ、
「貧困の中で努力した自分こそ偉い」という、１人脳内妄想の宗教を
自分で作りあげ、自分一人だけが、その信者と化してしまった、
というのが、戦車さんの現状でした。

しかし、そこまで言う戦車さんは、現在、親からお金を借りずに、
自力で大学に行っているのでしょうか？

「借りたもの」は、「もらったものではない」というならば、
タダで大学にいった、ぼんくら学生だって、将来、その恩義（借り入り金）を、
何かの形で親に支払うことで、落とし前をつけるべきということになります。

つまり、借りたにしても、もらったにしても、
受け取ったからには、債務ですから、支払期限を決めて、
返さないとならないという理屈になります。

しかし、戦車さんは、親の老後の面倒など見る気はないと言います。
では、その債務は、お金でいつ返済し、あるいは恩義としては、
どうやって、親に返すのでしょうか？

それとも、やはり、「ボンクラ学生」のように、
「親のお金で進学することは悪くない」と認めるのでしょうか？



また、もしもそこまで、ただ親のお金で大学へ行った人たちを、
ただそれだけのことで、ボンクラ呼ばわりするのでしたら、

では、大学の学費も自分の力で稼いだ人は、ボンクラにならない、
などという、そんな「あり得ない法則」でも証明できたのでしょうか？


戦後、苦学して大学へ行ったり、大学へいかなくとも、
邪魔する他人をなぎ倒して、
血を吐くような努力をして財を築いた人たちの「ほとんど」が、
私に言わせれば、人間としては、ボンクラです。どこも偉くありません。



■すなわち、実際には、人の人生の価値を決定するのは、
経済的環境ではありません。


また、ボンクラ学生といっても、彼女の狭い私生活の中で、
認識できる（出会える）ボンクラ学生など、たかが知れており、

では、戦車さんは、親の金で専門大学に行っている生徒、
たとえば、理系や、工学部、あるいは文系でも、
その人たち（特に３年生や４年生）と、
１００戦の論戦、知恵比べをしたのでしょうか？


いいえ。せいぜい、
ちっこい知識や、言葉を知っているかどうか程度の、ひけらかし合いで、
勝ったとか、または「親の金で大学いかない私だって、負けなかった」
という程度の、本当に、みみっちい自尊心しか満足できなかったはずです。

親の金で大学へ行っていようが、いまいが、
勉学が大好きでやっている大学生の、その知識、経験、発想、そして情熱の前では、
戦車さんなど、数分で簡単にひねり潰されて、おしまいになると思います。

そして、おしまいにされたあとは、
「世の中の仕組みが悪い」と、逆恨みを延々と繰り返すだけです。


本当に、一流の技術や知恵を持った人達が、時に「自慢と、傲慢な一面」を
かいま見せるのでしたら、それは「冷笑」の対象となったり、お笑いにされたり、
あるいは、それも「絵」になるものだったり、かっこよかったりもしますが、

実力もない人間の、あさましい傲慢さなど、
馬鹿馬鹿しくて、「冷笑の対象」にすらもなりません。


しかも、その上、もしも、

「自分は進学させてもらえなんかったのだから」
「大学の費用は、親が出すのは当然だ」として、
戦車さんが、もしも親にお金を出させたらば、

それは、戦車さん自身が、
「自分のした努力こそ価値がある」とかいう、
その「崇拝教を捨てて寝返った」ことになります。

すなわち、最も毛嫌いして、対抗意識を燃やしていたボンクラ学生に、
本人自身がそのボンクラに堕ちるという、
なんとも、「自己矛盾」したことをしてしまうわけです。


しかし世の中には、
学費だけは親が出したが、下宿代や生活費は本人がバイトをしていた、
などという人たちは、無数にいます。
また、学費をも自分で稼いだ人たちもいます。

しかし、その事自体が、何かの価値を決めたり、
何かの価値を値上げするのでは断じてありません。



ただし、これを事例に出したのは、戦車さんの人格批判が目的ではありません。

「どうして、そういう考え方になってしまったのか？」という
原因の構造全体を、本人が見つけないことには、そこから抜け出せないからです。



■最低限の安定収入を得て、静かな暮らしをするための助言が欲しい、
あるいは、「適職を探す」というのであれば、
それは「職安」や「弁護士」に相談すればいいことです。


無明庵は、
「適職を自分で探せるようにし」「静かさは自らの内に見出す」
ということを自分で出来るようにする事の助言をしているにすぎず、

もっと言えば、パンのみにて生きることを目的とする人間になど、
用はないということです。


たらふくパンを食っても、
しまいには、トラウマが原因で食べたものを吐く人たちもいるのですから、
人は職を得て食ってゆけるだけで、自らが背負った問題を解決できるのではありません。



■私から見ると、自分自身も含めて、
人間が、心理的に苦しんだり、自分の思うように行かなかったり、
あとで、あれこれの後悔をすることが多い、

この原因の、約８割以上は、本人が、

「矛盾した考えをしていることに気がつかない」ことが原因であることが
ほとんどです。

残りの２割以下は、本当に、客観的に見ても、他人や周囲が、
あなたに「不当な害悪」を加えてくる場合です。


それ以外は、ほとんどは、本人の中の「自己矛盾」の結果です。




自虐と自己嫌悪の種


戦車さんと、Ｓ０２０さんの事例は、
親との関係、家庭環境、学校その他での環境から発生した、
「自虐感」「自己嫌悪感」が、それを感じないように自分で誤魔化すために、
「他者への攻撃」「他者への自己主張」に、変化してしまった場合のものです。


一方では、的外れな形への他者への攻撃や、他者への自己主張自体は、
自らの中で、押さえ込んだというケースの方が、
大半の自我復元者の人たちの、記憶の根っこにあります。



■人が、これらの行動（自己の誇大広告的宣伝）をしてしまう原因を称して、

一般には「寂しいから」「寂しかったから」と言ってしまうのですが、

この「寂しい」というのは「孤独」であるという感情であり、

「孤独」という感情は、「世界そのものから、見捨てられている」という、
根本的な不安に繋がっています。


この「見捨てられ感」が「世代間で連鎖すること」が、本当の意味での、
トラウマと、虐待と、ＡＣと、調教の「原因」です。

むろん、その主原因は、自我が希釈されてしまったことにあります。




■ブログを書いている人、書いていないが、地道に自我復元をしている人、
その人たちの親との関係や、あるいは現在の夫婦関係、
受けたトラウマや、調教の様相、そして毒親の態度、

それを見ると、どこを見ても、金太郎飴のように、


『私が、この世に　生きていていいと　
　誰でもいいから　私にそう思わせろ！
　そうしないと、暴れてやる。
　そうしないと、死んでやる。』



そういう声しか聞こえてこないのです。


そして、そのために、

恋人、異性、友人、伴侶、子供、さらには面識のない人たちまでをも巻き込んで、

>>「私がいるから、お前は生きていられる」と脅したり、
>>「お前は、私の作品だ」とか自慢したり、
>>「お前は、私の生きがいだ」と依存したり、
>>「お前らのせいで、私はこうなった」と相手のせいにしたり、


そういう事を、延々と繰り返しています。



■Ｓ０２０さんの話に登場する「山下」は、
まさに、その象徴であるとすらいえますので、あれは他人事ではありません。

>>「自分は、ここに、居ても、いいですよね？」

と主張するためならば、
ありとあらゆる、コビ、へつらい、傲慢さ、ずうずうしさ、馴れ馴れしさ、
性別という武器、そして、泣き笑いまでをも（無自覚に）悪用して、

他人の目の中に自分の生きている価値、すなわち、

>>「自分が自殺しなくてもいい根拠」

を求め続けるのです。



Ｓ０２０さん自身も、この罠に落ちる寸前でした。



■ことの最初の原因は、その人たちが、親から見捨てられた、
あるいは、そうとは知らずに、
「既に見捨てられていた」ということを
無意識に、あるいは明確に意識して知ったあとに、

>>「では、自分が生きていてもいいと認めてくれるのは、誰なのだ？」

となり、

異性にそれを求めたり、宗教や、導師にそれを求めたり、

精神世界が言う、あれこれの嘘の慰めや、インチキな魂の進化論を信じたり、

会社での昇進にそれを求めたり、社会的成功と呼ばれるものに求めたり、

家庭内で暴君のように振舞うことで、妻や子供に同意や服従を求めたり、

あげくには、貯めた貯金残高にそれを求めたり、

最後には、
自分の気に入らない民族や人々を、全て殺すことにそれを求めたり、

もう、目もあてられない状態です。



無明庵の桜の間や、復元ブログを「ただ読んだけ」にすぎないのに、

「親の手口など、自分はもう分かっている」と思い込んでいる人たちは、

その親の毒が、今も自分の中で作動し続けており、
親近の者や子供や周囲にも、
まったく同じことや、類似する事をしている事に全く気づいていません。

それは、希釈自我の時代に構築してしまったり、使い続けたソフトなのですから、
たとえなんとか曲りなりにも、全自我になっても、
「消去しなければならないもの」として、残っているのです。




＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



■自我復元というものは、

自我の分量を元に戻すとともに、

そうした「自己存在価値」を、他人に頼ってきた毒親から受けた毒の
「解毒」をしないとならないのです。

この毒、すなわち「他人を自分の存在意味を見出す道具にしようとする衝動」は、
親だけからではありません。
あらゆるところに、人の行動理由として蔓延しています。



■私が、皆さんに自我復元をしてください、
そして全自我に戻ったあとであっても、解毒の作業は必要です、
というのは、

そもそも、全自我がどういう性質であったかを踏まえて話しているのです。


原型の全自我は、宇宙の存在意味までは証明する義務はありませんが、
少なくとも、自己意識が存在していることぐらいは自己証明しています。

そして、地球になぜ生まれてきた、それぐらいの自己認識は、
自分で持っており、生涯に渡り、自分で自分自身を支えて行きます。


限りなく１人になり、孤独になり、世間も誰も気にしない時間を持ち、
むろんネットを通じて、他人にちょろちょろ不要に関わることもせず、

しかし、絶望しているのでもなく、
また、自分が果たせなかった夢を妄想するのでもなく、

生き生きと、この惑星での生を楽しみ、喜ぶ。


１人になったときには、
たった１人で、世界や宇宙と向き合い、葛藤する、

それを何よりの喜びとし、
他人の評価など、一切必要とはしない。


私のことは、私が決める、私のことは、私が決めた。

そう言い切れる状態で、最初から生まれてきたのが、
かつての地球の全自我たちでした。


■ただし、この言葉を「自分だって、自分のことは決めている」と、
「言い張って、言葉と自己暗示で誤魔化す」ことぐらいは、どんな人にも可能です。

そういう事をいつまでもやっているような人には、私は関心がありません。

そもそも、それは、宣言したり、自負するようなことではなく、
現実に、そうなっているのか、いないのかだけが、その基準なのですから。



だから、全くの原型通りと同じとはいわなくとも、
せめて、故障する前の状態に戻さねば、ほかならぬ、あなたが
この狂気の連鎖から、抜けられないのです。

他人のことなど、どうでもいいから、
あなたが自我を復元し、毒を抜いて、抜け出してください。



■この自我復元というもののミッションが、お馬鹿な宗教と異なる点は、
あなたの「行く先」を用意していないということです。

あなたに、天国も、霊界も、どこぞかの惑星も、何も私は準備しません。
約束の地などないのです。


行く先は、あなたが自分で選ぶことだからです。


私が関われるのは、案内できるのは、出口までです。
出口とは、すなわち、入り口だったところです。




・余談・

今は、皆さんは、地球内部で、何度もぐるぐると、
どんどん劣化しながら生まれてしまっていますが、

地球に生まれてくる「本来のプロセス」は、
地球に直接に生まれてくるケースは稀であり、ほとんどありません。


まず、それは恒星や銀河系規模の範囲で、座標や目的が設定されています。

それに見合う太陽系や惑星や衛星を経由して、地球に到達したのですから、
最終的には、そこまで遡る必要があります。


自我復元は、そこまでの作業を想定しています。
それを出来る最低限の準備と言ってもいいです。

絶対にそこまでしないとならない、とは私は強要しませんが、
死ぬまでに、間に合わせるに越したことはありません。


ただ、ここには、妄想の産物の作用が本人の足を引っ張ることがあるので、
大変に、慎重にやらないとならないのです。



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親から暴力は受けていないが、
不安や恐怖を植え込まれるケース


●Ａｂｙさんのブログで語られる毒父親について、
私の中にひとつ、ひっかかっているものがあった。

それは、よその人間を相手にケンカをしていた父親が、
「手も足も出してボコボコにしていた」、そしてその上、
Ａｂｙさんの方を見て、にやりとしたシーンである。


●このどうにも気持ちの悪い描写部分がひっかかっていたのであるが、
少し、その全貌が見えてきました。


これは、調教をしようとする子供には、直接に暴力を使わず、怒鳴りもしないわけですが、
しかし、誰かを血祭りにして、見せしめにすることで、
間接的に「お前も、オレに逆らうと、こうなるんだ、覚えておけ」
と言っているようにしか見えません。


●これは、父親があかの他人に対して、
暴力までいかなくとも、子供の前で、誰かの悪口を言っても効果があります。
あるいは、テレビを見ていて、何かを父親や母親が馬鹿にしたとします。

子供が、まだ自分の考えを持てないほどに、幼ければ、幼いほど、
両親が誰かを馬鹿にしたり、誰かに怒鳴っていたりすれば、
「同じことをしたら、自分も、両親に馬鹿にされたり、怒鳴られたり、殴られる」

と認識することは目に見えています。

Ａｂｙさんのところの毒父親は、家族とは関係のない他者を、
調教しようとする子供の前で、「お前もこうなりたくないだろ」
という見せしめにしたわけですが、
兄弟間でこれが起きる場合もあります。


●つまり、父親が、自分以外の兄弟には暴力をふるったり怒鳴ったが、
自分にはそうしなかったからといって、安心などできません。

それは、暗黙のうちに、
「お前も言うことを聞かないと、お兄ちゃんのようになるぞ」
「弟のようになる」という形で、
別の子供には、手を出さなくても恐怖を植えつけられるからです。



●たとえば、根路理さんのところは、逆に、根路理さんの毒兄が、
父親をボコボコに殴ったりしたわけですが、
それを見たら、根路理さんにとっての恐怖は、両親だけではなく、
兄もまた、恐怖の対象となり、逆らったら、自分も顔を殴られると思うことになります。


●さらには、娘のことは非常に可愛がったと思い込んでいる、
おおめさんの母親は、どうしようもない夫に対して、怒りばかりではなく、
恐怖も持っていたかもしれません。

子供の前では、我慢していたり、弱みを見せないようにして、
子供を怒鳴ったり、ヒステリーを起こさなくても、
夫に対する恐怖も軽蔑も、隠していても、必ず子供には感染します。



●さらにいうならば、暴力や、恫喝だけではなく、
「愚痴」程度のものさえ、子供には感染します。

たとえば、母親や父親が、子供の前で、自分の仕事場での愚痴を言って、
誰かの悪口を言ったとします。


すると、子供が幼ければ幼いほど、
その親が言うところの「ダメな奴」「悪い奴」「嫌な奴」というものを、
そのまま「ダメな奴」「悪い奴」「嫌な奴」なんだと思い込みます。


そうなれば、子供は、もしも、自分がそういう人間になったら、
自分も親から、馬鹿にされて、悪い奴と言われるんだと思い込んでしまいます。

そして、無意識のうちに、親が嫌っていたり、馬鹿にしたり、
攻撃している「その相手像」に、親の前で自分がならないように、
自分を萎縮させてしまうのです。



●たとえば、Ａｂｙさんが、怖がらない自分を作ろうとしたのだとしたら、
それは実は、「怖がる奴は、腰抜けの馬鹿だ」と父親が言っていたのを
幼いころに知らずに鵜呑みにして、

もしも、何かを怖がったそぶりを見せたらば、
父親に馬鹿にされたり、殴られるとまで、無意識のうちに思っていた
可能性も疑っています。
ただし、ここは、はっきりとは分かりません。


●とにかく、子供は、高校生あたりになれば、
いいかげん、親が、有言実行の人間ではない様子を見たり、
親の言っていることが、あさはかに見えたりして、
「自分は親とは違う」と、思って反抗もしたりもするのですが、

一番怖いのは、
そうした「分別が出来る以前」に、親のどちらか、または両方が、
子供の前で、他人や他の兄弟をダシにして、
「ああなってはいけない」「ああいうのはダメ」という善悪の区別を
子供に吹き込んだ場合です。

意図して吹き込む場合、意図しないで、ただ愚痴っていた場合、
どちらの場合にも、子供の中に「不安」を生むことになります。

そして、それが、
自分が家庭の中でどう振舞うべきかを判断する指針になってしまっている、
といことには、なかなか気づけないかもしれません。



■ですから、ここが大切なところですが、


毒親から自分に対して向けられた暴力や恫喝だけではなくて、

>毒親が、馬鹿にしていた別の他人や、兄弟姉妹、あるいは社会の何か、
>毒親が、他人に対して特に攻撃的になったこと、
>毒親が、他人に対して軽蔑的だったのは、どういうことだったのか、

それを思い出すと、
知らずのにうちに、その毒親が言うところの
「ダメ人間」といわれないような振る舞いを、
あなたが、自分に無理をしてまで行っていた場合があると、
私は考えています。



●さらにいうならば、毒親が、妙に、
「褒めちぎった相手」がいたり、「褒めちぎった何か」があったり、
その毒親が、何かに愛情を注ぐ様子を、子供が見ていたら、


>「ああすれば、自分も親から、良くしてもらえるのだろう」、
>と錯覚してしまうであろうことは、疑いの余地がありません。


たとえば、もっともよくありがなのは、

>「＊＊ちゃんは、お母さんのお手伝いをして、本当にいい子ね」

と言って、自分の子供を煽ったり、馬鹿にする毒親です。



●このように、子供が幼ければ幼いほど、悪意があろうがなかろうが、
親は、その言動の中で、
何かを「肯定」したり「否定」する様子を子供に見せただけで、
子供をいとも簡単に不安にしてしまえるのです。

「不安」に陥れることさえ、できてしまったら、
その子供を調教し、洗脳するのはいとも簡単になってしまいます。



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【　余　談　】

参考にならない、余談となりますが、
私の母は、私の毒父親のことを、
「ほんとに、あの人は、
　嘘つきで、金に汚くて、ケチで、気が小さい」とよく言っていました。

しかし、事実、父親がそういう人間であったと状況を認識したのは、
高校生になったころで、
それまでは、夫婦喧嘩など、「どっちもどっちなのかもしれない」、
としか思っていませんでした。


しかし何よりも重要だったのは、私は、だからといって、
別に気が小さいことを、悪いこととは、私は思わず、
また強いていえば、仮に嘘つきだとしても、それを悪いとも思わなかった。

金に汚いというのは、どういうことなのか、私には分からなかった。
ただ、まだ高校生だった私への生活費を、
「生活保護より遥か以下」のレベルまで、とことんケチるので、
ケチなのであろう、とは思っていた。

というか、ケチというのも、何のことか、私にはよく分からなかった。
今でも「節約」というのは分かるが、
ケチというのはどういう事なのかが分からない。

たぶんだが、ケチとは『自滅的な結果を招く節約』のことなのだと思う。



●ただし、気が小さくなったり、嘘つきになったら、母親に愛されなくなる、
という不安は一切なかったのです。


なぜならば、仮に私が、嘘つきや小心になってさえも、
母親が私に愛情を向けなくなるということは決してないと確信していたからです。

つまり、親が批判するような対象になったら、

>そのときには、自分が「親から、捨てられる」「親から嫌われる」

という不安や恐怖が全くなかったこと、
子供にそう思わせるような振る舞いを決して私の母がしなかったこと、
それが、私の中に、安心感を育てました。

この母親は、何があっても、子供を見捨てない、
という絶対的な信頼感でした。


しかし、これがもしも、
子供に対して、常に脅迫的であったり、暴力的であったり、
逆に、子供に頼っている親だったり、
子供に何かを期待しすぎる毒親であったらば、
その親は、常に、

>「お前が、私に捨てられたり、嫌われて、不安になりたくなかったらば、
>　こうしろ、こうするな。」

という「脅し」を、暗黙のうちに、子供の中に刷り込むと思います。


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●ちなみに、私の母は、
「子供が小さいうちは、何か苦しんでいたり、どこか病気だったら、
自分が、身代わりになりたいと思った」と言っていた。

この言葉がなんら偽善的でもなかったことは、
その後の母親のいろいろな言動から証明された。

また、「子供がまだ小さいうち」とは、
母親の中では、明確に線引きができており、
いつまでも子供扱いするということではなかった。

おそらくは、母の言った「子供が小さいうち」とは、
せいぜい、高校卒業ぐらいまでのことだろう。


●私が母に世話になった、「ひとつの区切り」がついたのは、
私が２１歳か２２歳の時だった。

そのころ、
「２０歳になったら、子供に対する扶養義務は親にはないから、
　生活費は出さん。早く、家を出て行け」と、私は、父親にせっつかれていました。


そんなころ、母親が区営団地の応募にハガキを出したのが運よく補欠で入り、
数ヶ月後に、ちょうど部屋の空きができて、私と母は、団地に引っ越した。

その当時、私の給料は手取りで、わずか、１１万５千円ほどしかなく、
役場の住宅課の担当者からも「大丈夫ですか？」といわれてしまったほどの
低所得だった。
まー、家賃は月３５０００円だったので、なんとかなったのであるが。

そして、その静かな団地で、私は何ひとつ不自由を感じることはなく、
母も私と共に、かなり気楽な「余生」を過ごしたのであった。


そうして、母は、毒夫からも完全に離れられ、
家計は私が支えたので、家事をする以外は、
母は、好きなだけ好きな本を読み、テレビを見て、
時々、私とオカルト話をして、のんびりと暮らしました。


戦前から戦後を生き、人生の前半では、馬鹿夫のせいで、嫌な思いもしたものの、
その、お馬鹿な夫とも縁が切れて過ごした、晩年の静かな２５年間は、
母にとっても、本当に良い人生の後半だったと思います。

（ふつうは、旦那と離婚したり、旦那が死なないかぎりは、
　アホウで目障りな旦那とも、一生、付き合っていかないとならない
　女性がほとんどですから。
　そうなったときのために、子供を徹底して調教しておこうとする毒母親も
　多くいるようです。）



●さて、毒父親の持ち家を離れて、
その団地への「引越しの運命の道筋」をつくったこと、
それが、母が私に対してした「子供を保護する親としての最後の勤め」
だったのだと思います。

そして、私が２１歳前後で、
その団地に引っ越して、母親を扶養しながら「自活」するようになってから、
母親の保護を必要としない、「私」の人生の満開が始まった。





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