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手裏剣術講座 Shuriken throwing instructions
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[1091]
■
■たまには禅問答でも。■
by:
鈴木崩残
2010/04/13(Tue)22:54:46
武と戦争に関係する禅問答
●竹の間ではたくさんの禅問答を、今までにしてきましたが、
たまには、この「松の間」に書きましょうか。
武術とか戦争にからめて、簡単なものを書いてみます。
昔から無明庵の読者をやっている人でしたら、
すぐに分かるとは思いますが。
言うまでもなく以下のものは、あくまでも「禅問答」です。
政治的な解決のための回答や、人道的な正しさとか、
そんな「下種」なものを答えとして、要求しているのではありません。
余談ですが、
なお、「この手の話」について、禅だの瞑想だのと、そういった事は、
脇にのけた、「本質的な問題」つまり人間の意識に起きる尋常ではない変化については、
隣の梅の間掲示板の、ここ最近の投稿にあります。
ただし、既存する体系や、人々の言っている何かが、おかしいとは思えず、
現存する「物語」に満足できている人には、
まだあまりにも時期(時節)が早すぎる話なので、
決して本気にしては、読まないでください。
そもそも、読んで、本気に困れたら、それ自体が、既に凄い人
という事になってしまいますが・・・。
↓
http://www.mumyouan.com/k/umenoma.html
_________________________________
■その1
ある日、禅宗の住職のもとに、一人の役人がやってきてこう言った。
「ご就職もご存知の通り、今日本は有事で大変な状況にあります。
そこでですが、仏法に仕えるご住職には申し上げにくいのですが、
御住職にも、戦地へ行って、
敵兵を殺して戴きたいのです。」
続きを読む前に、
あなたが「この僧侶の立場」になったと仮定して、
自分ならばどうするか、少し考えてみてください。
言うまでもなく、
「はいわかりました、国民の勤めとして、行きます」は、
全くの大間違い。
「私は僧なので、殺生はお断りします」
も、全くの誤答ですし、
「現地に行ってみてから決めます」も、
単なる逃げ口実で、的外れな誤答です。
この三つの答え方は、どれもが「何が良いか悪いか」に、
既に、心が囚われまくっている、
不自由な心から出てくる言葉に過ぎません。
では僧の返答です。
すると僧はこう答えた
「お前、今、俺に、袈裟を脱がせようとしたな。
だったら、
貴様も、その制服を脱いでから、俺に尋ねろ」
*********
分からない人は、おいて、さっさと次へ行きます。
*********
■その2
村にあるボロ寺で、
和尚の元で長年参禅をしていた小僧が、
あわてて、駆け込んでくるなり、こう叫んだ。
「和尚様、大変です。
山賊が襲ってきて、村人たちを、次々と殺し始めております。
いかがいたしましょうか!」
和尚
「そんな時に、お前に、質問するのもなんだが、
お前さんは、殺されて、死んで極楽へ行きたいか?
それとも、殺して、生きて地獄へ行きたいか?
どっちになりたくて、お前さんは、
ワシのところで、今まで座禅をしてきたんだ?」
小僧
「そりゃ、生きて仏になるために、決まっているじゃないですか!」
和尚
「だったら、まず、死んで、地獄へいきなされ」
小僧
「和尚様、今は、とても、そんな問答している場合じゃないですよ!!
山賊が、殺しに押しかけてきているのですよ!!!!」
和尚
「こんなときでなかったら、
お前、
いつするというんだ?」
*********
切羽詰って、進退窮まった状況で、
しかも、自分の生死が、かかっているといった状況。
そうなると、皆さんは、すぐに、
「決断しなくてはならない」という「強迫観念」の罠に
すぐにかかってしまいます。
また、村人たちにとっても、何か良い結末になるような問答の答えが
必要なのだという、先入観を、あなたは、すぐに抱いてしまいます。
何かよき結末となるような答えこそ正しいのだ、
と、あっと言う間に、思い込んでしまいます。
しかし、よくこの二人を見ることです。
この二人は、その後、山賊に殺されてしまうかもしれませんし、
逆に山賊を殺すかもしれませんし、
また、すたこらと、自分たちだけ逃げてしまうかもしれませんし、
または、村人を助けるかもしれません。
ようは、「結末など、どうでもいいこと」なのです。
重要なのは、最後の最期にまでなっても、
こんな問答をしている、
この二人の「生き様」そのものです。
それこそが、この問答の回答です。
●正しく助かる方法だとか、何かの抜け道があるはずだと
そういうクイズを解くようなことに頭を回した人は、
全員、禅の世界からは失格です。
どうにもならない状況は、ただ、どうにもならないのが
そのありのままの状況です。
この話の要点は、
慌てふためていしまい、
本当の禅が、何であるかをすっかり忘れてしまった、この小僧と、
そして、村人や二人を助けようとすることにばかり、
すっかり心を囚われてしまった読者の人に、
こう和尚が言っているのです。
「お前さんや、
こんな大事なときに、本気で問答しないで、
お前、一体、いつ、真剣に問答する気なんだ?」
*********
●嫌々ですが、
しかたないので、最初のを注釈つけておきます。
あの問答のポイントは、
「俺に、袈裟を脱がせようとしたな」の
「袈裟」が一体何を意味しているかというところです。
役人は僧の袈裟を見て、僧侶だと決めつけたわけですが、
それ自体が僧にとっては、迷惑この上もないことです。
だから、ここで言う「袈裟を脱がせようとしたな」というのは、
「戦地で俺に人殺しをさせることで、
俺の仏法を脱がせようとしたな」では断じてなくて、
「貴様は、お上の命令で、そういう事を言いにここへ来て、
その上さらに、俺を、僧侶だと決め付けたよな。
そんな袈裟など、脱いでやるわ。
だから、お前も、その役人の制服を脱いで、
一人の人間として、俺にそれを尋ねろ」
それがこの僧の言いたいことです。
つまり、お上の命令だろうが、天皇の命令だろうが、
そこにいるお前は、どうなんだ?
それを俺に聞きに来たのは、「お前という人間」なのか?
それとも、お前は、ただの伝書鳩か?と言っているのです。
そもそもその戦争は、誰が望んだことなのか、
どの口がそれを言っているのだ?
お前が望んだのか、そうでないのか?
という根本的な事を問うているのです。
禅というのは、そこに、いもしない相手を相手にはしません。
そこにいもしない、
上官や軍部に、仏法など聞かせる義理はありません。
だから、この僧も、そこに「現存」している、
その役人の中の仏性、ただその一人のみを助けようとしているのみです。
●この問答の要点は、別に戦争に反対しているのではありません。
この住職は、
人にものを尋ねるのならば、
袈裟を着た僧としてではなく、「この私」という「人間に」尋ねなさい、
そしてあなたも、役人ではなく、一人の「人間」として、尋ねなさい、
そう言っているのが、この問答の本質です。
■そういう「裸になってからものを言え」という教えとは別問題にしても、
この世の中、下手に武術などやっている多くの人たちは、
もしも日本が有事になったときには、
それこそ、
ここぞ、俺の死に際だ、
ここぞ、戦って「散る」チャンスだ、
ここぞ、俺の出番だとばかり、
刀や武器や体術でも振り回すつもりでしょうか?
沢山いそうですね、
そういう機会があらば、命を張りたいと、
「心の隅の方」で、思っている人たちは。
しかし、自分の頭で考えて、それが最良であると
本当に、自分で考えて参加しているのか、
それとも、世間やマスコミや政治家に騙されて、
必要もない戦争をやるべきか?
それとも、本当にやるべきか?
そこに「自主性のある個人としての判断」がなければ、
ただの血の気の多い「ゴロツキ」に過ぎません。
そうしますと、さっきまでは国家の一大事という話だったのに、
「自分の家族や愛する人を守るための武術だ」と、
なぜか、いきなり話のスケールが「ちっちゃく」なってしまう、
武術家の人も、よくいますが、
もしもよく冷静に考えれば、
家族を「本当に」守りたいのならば、長期的に見れば、
そこで、ひとつやふたつの戦いにカッコよく勝ったり、
または、かっこつけて、自己満足して死ぬよりも、
本当に利他的に思慮するならば、
もっと別の方法がある事が多いものです。
_______________________________________
過去の禅問答
■ちなみに、竹の間では、過去にもいくつも膨大な現代禅問答を
やってきましたが、
中には、有名な禅寺のクソ坊主など、及びもしない正答をしてきた読者の人も、
少ないですがおりました。
そんな一端の、「さわり」にすぎませんが、
過去の禅問答のログへのリンクを少し、つけておきます。
↓
【南泉 猫を斬る】の別の創作禅問答
http://www.mumyouan.com/k/?T3885
http://www.mumyouan.com/k/?T3886
【抜かずに竹を斬ってみなさい】
http://www.mumyouan.com/k/?T3507
http://www.mumyouan.com/k/?T3508
http://www.mumyouan.com/k/?T3509
http://www.mumyouan.com/k/?T3510
http://www.mumyouan.com/k/?T3512
http://www.mumyouan.com/k/?T3513
http://www.mumyouan.com/k/?T3514
【仏に遭っては仏を殺し】の真意
http://www.mumyouan.com/k/?T3638
http://www.mumyouan.com/k/?T3641
http://www.mumyouan.com/k/?T3645
■禅とは関係ないが、その他の投稿
【武士道の定義】
http://www.mumyouan.com/k/?T3665
■かなり昔行われた、「公開の現代禅問答」のうち、
少しだけ面白かったものを二つだけ。
【曲がった刀を鞘に戻せ】の問答
http://www.mumyouan.com/m/mu-15.html
【残りの1%は何?】の問答
http://www.mumyouan.com/m/mu-16.html
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